著者 : 金原瑞人
ニューベリー賞オナー賞受賞作! イギリスからの独立とともに、ふたつに分かれてしまった祖国。ちがう宗教を信じる者たちが、互いを憎みあい、傷つけあっていく。少女とその家族は安全を求めて、長い旅に出た。自分の思いをことばにできない少女は亡き母にあてて、揺れる心を日記につづる。
全米図書賞受賞作!突然死した兄への思い、ゲイだと告白したクラスメイトの失踪、マイノリティへの差別、友情と恋心のはざま、そして家族の愛情…。アイデンティティを探し求める黒人少年の気づきと成長から、弱さと向き合い、自分を偽らずに生きることの大切さを知る物語。
荒れ果てたイングランドをわたり歩く無法者の少女、スカーレット・マッケイン。無人地帯のバス事故唯一の生存者で、“ストーンムア”で培った特殊能力ゆえに追われ続ける少年、アルバート・ブラウン。ふたりが手を組んで半年。今や“スカーレットとブラウン”は全英七国屈指の強盗コンビとなった。強大な力で国々をおさめる“信仰院”の富を奪い、敵に回したふたりは、過酷な運命とともに“埋没都市”へと向かうー。
「わたしやほかの仲間が夢みて必死に頑張ったのは、こんな世界のためじゃない」人間にしいたげられてきた動物たちが、運命に立ち向かうが…。美しい絵物語で読むオーウェルの傑作。今こそ読みたい!ソビエト連邦の歴史をモデルに、ジョージ・オーウェルが皮肉をこめて見事に描いた動物物語。金原瑞人による巧みな訳文と、美しい挿画でおくる新訳決定版!
知らないなんて、もったいない。見たことのない世界、違う価値観、あとをひく楽しさ。だから、翻訳物はおもしろい。いまこそ手に取りたい169冊。
きらめく才能を示しながら本国では出版されないままの幻の名作を集成!これが最後の9つの物語。大戦前に欧州で出会った美少女、急病で倒れた黒人ジャズシンガー、行方不明となる天才詩人…。
ロンドンで暮らすムスリムの3人姉弟の末っ子が、ジハード戦士だった父に憧れ、イスラム国に参加する。姉たちは弟を救い出そうとするが…。ブッカー賞最終候補、女性小説賞受賞作!BBCが選ぶ「わたしたちの世界をつくった小説ベスト100」(過去300年に書かれた英語の小説が対象)の政治・権力・抗議活動部門で10作品に選ばれた傑作長篇!
スカーレット・マッケインは、荒れ果てたイングランドをわたり歩く無法者の少女。今日も銀行から札束を盗むと、無人地帯の森に逃げこんだ。そこで見つけたのが、横転したバス。中にいたのは、野獣の餌食になるのを免れただひとり生き残った男の子、アルバート・ブラウンだった。スカーレットは仕方なく、この頼りなさそうな少年を次の町まで連れていくことにした。しつこい追跡者から逃走しながら…。
カナダ・トロントのレストランバー“ウィート・シーフ・タヴァーン”で、ギリシア神話の神アポロンとヘルメスがビールを飲みながら、他愛もない話に興じている。話の流れから、ふたりは動物が人間の知性を持ったとしたら、幸せになるか、不幸になるかで、賭けをすることにした。何匹かの動物を選び、そのうち一匹でも死ぬときに幸せだったらヘルメスの勝ち、不幸だったらアポロンの勝ちだ。ふたりは、近くの動物病院にたまたま預けられていた十五匹の犬を賭けの対象に選ぶと、十五匹の犬はとつぜん、人間の知性を与えられ、変化をはじめる。ギラー賞、ライターズ・トラスト・フィクション賞受賞、一風変わった動物寓話。
グレースとティッピは16歳ー腰から下がつながった結合双生児だ。普通とはちがう幸せな日常、初めての学校生活、友情、恋、そして別れが詩のかたちで綴られた、みずみずしく切ない青春小説。カーネギー賞受賞作!!
三百年生きるといわれる魔法使いは、自分の弟子と宿命づけられた人間の子に魔法を伝授してから、死者の世界(ゴーストワールド)へと退いていく。だが、猟師マリュータは愛息アンブロージをよこせという魔法使いクズマの要求をはねつけた。それが世界をどんな不幸に陥れるかも知らず…。是が非でも弟子を手に入れようとするクズマの呪いは、やがてマリュータ父子のみならず、平和に暮らしていたトナカイを追う人々にも過酷な運命をもたらすのだった!英国発ダーク・ファンタジーのシリーズ、第二弾。
皇帝の圧政に苦しむ北の民を見かねた見習い魔法使いのシンジビスは、魔法使いである祖母の忠告に逆らい、皇帝の街へひとり向かう。そこは正しい者が処刑され、不正が横行する非道の街だった。シンジビスは皇帝を正しい道へ導こうと手を尽くすが、皇帝の残虐行為に拍車がかかるばかり。そのうえ、皇帝に取り入る偽の魔法使いが、シンジビスを亡き者にしようと企んでいた。やがて悪との対決のときを迎え、シンジビスの怒りが炸裂する!英国発ダーク・ファンタジーのシリーズ・完結。
1942年、アウシュヴィッツ。人間に鑑識番号を刺青し名前を奪う男と、その手で「4562番」と刻まれた女。実話をもとに綴られた、全世界感涙のラブストーリー。
緑の液体が飛び散る惨殺死体にベイカー街の名探偵が挑む「翠色の習作」、女性が忽然と失踪した、いかがわしく謎めいたサーカスへと誘われる「ミス・フィンチ失踪事件の真相」、ナルニア国物語に登場する美少女のその後に驚く「スーザンの問題」、女の子に声をかけようと奮闘する少年の純真を描く「パーティで女の子に話しかけるには」など、儚く美しくグロテスクな31編を収録。空前絶後の想像力に満ちた短編集。
ヨハネの黙示録に記されたハルマゲドンを実現すべく、この世を滅亡させることになる赤ん坊を、うっかり屋の悪魔クロウリーが人間世界の赤ん坊とすり替えた。しかし11年後、様子を見に戻ってみると、なぜか子どもがいない!クロウリーはお人好しの天使アジラフェールとともに、子ども捜しに乗り出すが…。鬼才ゲイマンが英国ファンタジー界の大御所プラチェットとともに放つ、抱腹絶倒のブラック・ユーモアファンタジー。
ようやく見つけた子どもはアダムという名の一癖ある少年だった。黙示録の4人の騎士たちが動きはじめ、最後の審判の日に現れるという奇妙な現象も目撃される。地球滅亡まであと数時間。敵同士であり、腐れ縁とも言える悪魔と天使が危機的状況にとった奇策とは…!?神話的混沌か、現代社会への警告か、はたまた知の巨人2人による壮大なお遊びか?炸裂するジョークと笑いが満載のハルマゲドン・ストーリー。
ある夜に起きた一家惨殺事件。たったひとり、生き残ったよちよち歩きの赤ん坊は、真夜中の墓地に迷い込む。この日から、古きは何千年にもにわたり墓地で暮らす幽霊たちの、風変わりな子育てが始まった。ノーボディ(だれでもない)と名づけられた少年は、墓石でアルファベットや数字を学ぶ。やがて成長するにつれ、彼の前には人間の世界への扉が開かれていく…。少年の成長をユニークに描く、幽霊版『ジャングル・ブック』!カーネギー賞とニューベリー賞をダブル受賞。
ぼくはまだ決めかねてた。アーサーはぼくに背中をむけて歩きだした。そのとたん、エギーやママやパパや友だち、ぼくが知ってる人たちの顔が次々に浮かんで、どうしてももう一度会いたくなった。みんながいなきゃ生きていけない。死んでることだってできない。すぐにぼくは決心した。アーサーの後を追いながら呼びかけた。「待って、アーサー。ぼくも行く」アーサーは立ち止まってぼくを待った。それからふたりで駆けだした。“生者の国”を目指して。
『ライ麦』のホールデン少年登場の連作、そして“グラース家”をめぐる謎めいた「最後の作品」。もうひとつの“9つの物語”。入手困難な短篇を集成した、繊細な魅力溢れる作品集。