小説むすび | 著者 : 長山靖生

著者 : 長山靖生

牧野信一センチメンタル幻想傑作集 嘆きの孔雀牧野信一センチメンタル幻想傑作集 嘆きの孔雀

私小説的悲愴と空想的跳躍の錬金術的混合物! 大正時代から昭和初期にかけて、「マイナーポエット(小作家)」と称された牧野が生み出した結晶のような詩文は、ある種の人の心に深く残り、人生を歪めもすれば救いもした。 悲しみと羞恥を引きずりながらも、精いっぱい夢想の中に遊んだ作品群に、耽溺したい! === 【収録作品】 月下のマラソン 蘭丸の絵 ランプの明滅 嘆きの孔雀 初夏 凸面鏡 心配な写真  スプリングコート  センチメンタル・ドライヴ 黄昏の堤  ビルヂングと月 ガール・シャイ挿話  街上スケッチ  風媒結婚   ゼーロン  緑の軍港  るい  《解説》 変幻する牧野的主体の居場所 【収録作品】 月下のマラソン 蘭丸の絵 ランプの明滅 嘆きの孔雀 初夏 凸面鏡 心配な写真  スプリングコート  センチメンタル・ドライヴ 黄昏の堤  ビルヂングと月 ガール・シャイ挿話  街上スケッチ  風媒結婚   ゼーロン  緑の軍港  るい  《解説》 変幻する牧野的主体の居場所

美少年 岡本かの子 アムール幻想傑作集美少年 岡本かの子 アムール幻想傑作集

2019年、岡本太郎の母でもある岡本かの子、 生誕130年、没後80年! 華麗な豪奢さと 豊饒で積極的な愛を湛えた名作の数々! 妖艶耽美な作風で知られる岡本かの子は、 戦争の影が忍び寄る昭和十年前後の文壇にあって 異端の存在だった。 そもそも女性作家の少なく、女性が男に伍して知的職業を 成すことに偏見を持つ人も少なくない時代だった。 ややもすれば女性作家には好奇の目が注がれ、 兎角スキャンダルの種にされた。 そんな風潮のなか、 岡本かの子は堂々たるナルシストぶりを発揮し、 嫣然たる女王の如く振る舞い、 噂好きも辟易しかねないほど自儘に振る舞った。 とはいえその自儘さは、多くの苦痛と背中あわせだったし、 自儘も苦悩も共に飲み込んで作品に昇華する強さを、 彼女は持っていたのである。 現代仮名遣いによって甦る、岡本かの子 珠玉の作品集! 【収録作品】 豆腐買い 象牙の床 病房にたわむ死 愛よ愛 小町の芍薬 兄弟 花は勁し 高原の太陽 過去世 呼ばれし乙女 娘 家霊    蝙蝠   真夏の幻覚 越年 窓 美少年 星       解説 豪奢なる気骨、溌溂たる耽美  長山靖生

セレナード 横光利一 モダニズム幻想集セレナード 横光利一 モダニズム幻想集

出版社

彩流社

発売日

2018年10月25日 発売

新しさ、純粋知性、真心、清廉、気高……。 多くの理想を抱えて、 ひと一倍勤勉な作家であり知識人であった 横光利一の今読んでも眩しいぐらいの傑作が、 現代仮名遣いによって甦る! 横光の名前は新感覚派というレッテルと共に 語られることが多い。 新感覚派はモダニズム時代に勃興した、 近代日本では珍しく世界的な同時代性を有する 清冽な文学運動だったが、 それだけに日本の文壇、文学史では異端の刻印という 側面もあった。 モダニズム文学は当時の文壇文学の重鎮たちからは 若者による奇を衒った一時的流行と見られがちだった一方、 プロレタリア文学派からはブルジョワ的であると非難された。 横光利一はそうした両面の無理解を 真正面から受けて立ち、真に新しい文学の王道を拓くべく、 実作と文学理論の双方で苦闘していたのである。 収録作品 月夜 草の中 幸福の散布 頭ならびに腹 セレナード 表現派の役者 街の底 園 鼻を賭けた夫婦 美しい家 火の点いた煙草 盲腸 七階の運動 機械 薔薇 榛名 解説 モダニストの軽やかな孤独  長山靖生

奇妙な小話 佐藤春夫 ノンシャラン幻想集奇妙な小話 佐藤春夫 ノンシャラン幻想集

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彩流社

発売日

2018年7月19日 発売

「廃墟趣味」に溢れた 佐藤春夫の柔軟自在でありながら強靭な物語が 現代仮名遣いによって甦る! 佐藤春夫を一言で表せば、「ノンシャラン」。 nonchalant は、 ふつう「無頓着」とか「暢気」とか「だらしない」とか、 およそ褒め言葉には向かない語だが、 でも「そういう気楽さで暮らせたらいいな」とちょっと憧れて しまうところのある境地を指す。 でもノンシャランでいるには覚悟もいれば知恵もいる。 都市文化に蔓延していた大衆に迎合せず、 時流に迎合してふらふらしてしまう世間一般に比べたら、 まことに凛としていたし、「ここではない何処か」を 常に求めていた「ノンシャラン佐藤春夫」の小説世界が新たに。 収録作品 円光 或る女の幻想 形影問答 薔薇を恋する話 海辺の望楼にて 奇妙な小話 おもちゃの蝙蝠 あじさい 死を見た話 車窓残月の記 のんしゃらん記録 大都会の一隅 コメットX 放浪三昧 礼装 飯田橋の神様 或る文学青年像 永く相おもうーー或は「ゆめみるひと」--   解説 夢想と覚悟のノンシャラン  長山靖生

羽ばたき 堀辰雄 初期ファンタジー傑作集羽ばたき 堀辰雄 初期ファンタジー傑作集

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彩流社

発売日

2017年2月22日 発売

宮崎アニメにも多大なる影響を与えた 堀辰雄の初期ファンタジー傑作が、 読みやすい新仮名遣いによって甦る! 多くの人が『風立ちぬ』『美しい村』『菜穂子』などの サナトリウム文学を思い浮かべる 堀辰雄のイメージを一新するような、 モダンな姿で若者を魅了する東京浅草などを 舞台にした作品群の数々。 新興芸術派のひとりと目されていた堀の初期の作品には、 しばしば天使や妖精が出てくる。 空を飛ぶイメージと共に、水の中を漂い泳ぐイメージを 伴う作品も少なくない。 どちらにも軽やかな浮遊感があった。 堀辰雄の初期ファンタジーを彩る幸福感は、 現実と無関係ではなく、 むしろ現実の過酷さへの順応と防禦として 形作られたものだった。 「堀辰雄」のイメージを一新する、 静謐で摩訶不思議な浮遊感の世界に、浸ってみたい。 【収録作品】 「死の素描」 「羽ばたき Ein Märchen」 「鼠」 「ある朝」 「夕暮」 「風景」 「眠りながら」 「蝶」   「あいびき」 「土曜日」 「窓] 「ネクタイ難」    「ジゴンと僕」   「水族館」    「眠れる人」 「とらんぷ」   「Say it with Flowers」 「ヘリオトロープ」    「音楽のなかで」   「刺青した蝶」   「絵はがき」 「魔法のかかった丘」 解説 天使と妖精たちのモダニズム  長山靖生

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