著者 : 関口幸男
ゴールデンゲート・パークでアヒルに餌をやっていた少女ミシェルは目を見はった。池の対岸が見えなくなるほどの濃霧が、あっというまに一面に立ちこめてしまったのだ。しかも異変は、そこだけにとどまらなかった。サンフランシスコを中心とする一帯がこの異常な霧に包まれ、航空機や船舶の事故が相つぐ。霧に影響されないはずの超音速地下列車すら不通になるありさま。外部との通信もいっさい途絶し、サンフランシスコ市民は不安と混乱の一夜をむかえた。翌日、霧の晴れたサンフランシスコ上空に異星人の奇妙な宇宙船が姿を現わした。
アリオン人と名のる異星人はサンフランシスコ市民に驚くべき事実を知らせたー実験材料として、サンフランシスコを母星アリオンに持っていくというのだ。巨大バブルに包まれたサンフランシスコは、いま、恐るべき速度で宇宙空間を移動しているらしい。傍若無人なアリオン人のやり方に、サンフランシスコ市民も黙ってはいられない。市民による大暴動デモが各所で繰り広げられ、ハミルトン空軍基地と市の行政部も協力して、アリオン人に対する強力な抵抗運動を展開していく。…気鋭作家が、奇想天外な設定と緻密な構成でリアルに描くSF大作。
ウイロー・ロードにあるその一軒家は、長い間空き家のままだった。噂では、そこには、“異様な雰囲気”がたちこめているという。心霊研究家ビショップは不動産業者の依頼により、問題の幽霊屋敷の調査にのりだした。だが意外にも、彼はその家で現実の地獄絵図ー三十七人もの男女が繰り広げる集団自殺を目撃することになった!その忌わしい事件から九カ月後、ウイロー・ロードで次々と不可思議な殺人が起き始めた。ビショップは、再び事件の調査を依頼されるが…。
超心理学者プリシュラクは、悪それ自体のエネルギーを無意識の中から引き出す力を発見した。その彼が秘密結社を組織して、ウイロー・ロードの“幽霊屋敷”で集団自殺をしたのは九カ月前のこと。以来、夜ごとウイロー・ロードでは大惨事が相次いだ。悪の力は疫病のように蔓延し、犠牲者の心に潜む暗黒面を糧として成長するのだ。今や膨大なエネルギーを蓄えた“悪”は屍の山を築きながら、一路ロンドンへと進軍し始めた…。ノンストップ・ホラーの決定打、遂に登場。
そもそものきっかけは、ソニアがグライムズへのおみやげとして買ってきたパイプだった。地球のベイカー・ストリートの骨董屋で見つけた、シャーロック・ホームズが使っていた正真正銘のパイプだというのである。グライムズはもちろん一笑に付した。だが、クラヴィンスキー提督から〈キルソルヴィングの惑星〉の再調査を命じられたグライムズが、お気にいりの〈ファラウェイ・クエスト〉を駆ってキルソルヴィングに着陸したとき、そこで待ち受けていたのは…?辺境星区に多発する異常現象の解明のため東奔西走するグライムズ准将の活躍を描くシリーズ最新刊。
世界のテロ組織に武器を供給しているといわれる武器商人ギャントは、ナチス再興を企てる極右組織の領袖でもあった。彼の身辺を探るべく派遣されたイスラエルの諜報員は謎の失踪をとげていた…。諜報員の行方を追うよう依頼された私立探偵ステッドマンはギャントの組織に迫る。彼が探り当てたのは、ナチス再興計画のカギとなる、奇怪な古代遺物の存在だった。キリストの体を貫いたと伝えられる、聖なる槍の秘密とはー国際謀略とオカルトを鮮やかに給合させた傑作。
「きみも同行したまえ、〈パイアティー〉に派遣調査官として乗り組み、卑劣な行為がないかどうか確認するのだ」クレイヴィッツ提督のこの命令に、宇宙港での仕事にうんざりしていた運航本部長のグライムズは、いちもにもなくとびついた。だが、はじめはちょっとした小旅行のつもりのこの旅が、やがてひょんなことから…。われらがグライムズの新たな冒険の旅。
数ある物件の中から、このコテージを選んだのはミッジだった。彼女の同棲相手マイクには、それがどうにも腑に落ちなかった。なぜ、このコテージでなければないけないのだ?彼女はこの家と何かつながりがあるのか?だが、実際に住みだすと、その家はマイクの懸念に反し、ミッジの想像どおり快適で暮らしやすかった。いや、それどころか、そこへ引っ越して以来、2人にはすばらしいことばかり起こり始めたのだ!まるでその家には魔力があるかのようだった…。
ものごとには必ず裏があるもので、当初よいことずくめだったコテージでの生活もしだいに奇怪な様相を呈し始めた。ミッジの描いた絵が動き、壁が迫る。しかし、そんなことは序の口で、天井裏に巣くうコウモリの大群にいたっては、まさに悪夢そのものといった有様。しかも、コテージに異様な関心を寄せる新興宗教団体にミッジが魅せられるや、恐るべき出来事が…!英国でスティーヴン・キングを上回る人気のハーバートが、牧歌的なタッチで描くベストセラー作品。