著者 : 雫井脩介
警察の包囲網を潜り抜け、負傷したまま行方をくらませた天才詐欺師・淡野の行方を追う神奈川県警。特別捜査官の巻島は淡野逮捕への糸口をつかむべく、再度配信番組への出演を試みる。一方、淡野を殺す指示を出した〔ワイズマン〕は、横浜へのIR誘致に向けて魑魅魍魎の政界へ介入していく。そしてついに暴かれる一連の事件の黒幕の正体ーー巻島は県警を翻弄した巨悪を逮捕することができるのか。堂々のシリーズ完結編!
「お前にしかできないことなんて、ない」--兄・実行 「あきらめたら、俺という存在はどうなるんだ」--弟・成功 順風満帆な御曹司の前に突如現れ、入れ替わろうとした異母兄。 お前は俺から、仕事も恋も奪おうというのかーー。 『犯人に告ぐ』『望み』『検察側の罪人』の著者が描く、スリリングなサバイバルレース! 入れ替わった「王子」の戦いの行方はーー。 【あらすじ】 準大手飲料メーカー・シガビオの御曹司、志賀成功(なりとし)が何者かによって別荘に監禁された。 彼は取締役就任と、意中の女性・山科早恵里との交際を目前にしていた。 半年後、絶望の中で解放された成功が会社に行くと、社内の状況は一変し、かつての彼のポストには突如現れた異母兄・実行(さねゆき)が入れ替わっていた。 そして実行は早恵里にも近付こうとしている。 「奪われたものは、奪い返さなければ」 成功は、事件の真相と自らの復権をかけて奔走するがーー。 異母兄弟がビジネスと恋で火花を散らす、一気読み必至のエンターテインメント! 【著者プロフィール】 雫井脩介(しずくい・しゅうすけ) 1968年生まれ。愛知県出身。専修大学文学部卒業。2000年、第四回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で作家デビュー。2004年に『犯人に告ぐ』がベストセラーに。同年の「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位となり、第七回大藪春彦賞も受賞した。『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『検察側の罪人』『仮面同窓会』『望み』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』など映像化された作品多数。近著に『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『霧をはらう』など。2023年、『クロコダイルティアーズ』で直木賞候補となった。
【第168回 直木賞候補作】 ベストセラー作家、雫井脩介による「究極のサスペンス」 この美しき妻は、夫の殺害を企んだのか。 息子を殺害した犯人は、嫁である想代子のかつての恋人。被告となった男は、裁判で「想代子から『夫殺し』を依頼された」と主張する。犯人の一言で、残された家族の間に、疑念が広がってしまう。 「息子を殺したのは、あの子よ」 「馬鹿を言うな。俺たちは家族じゃないか」 未亡人となった想代子を疑う母親と、信じたい父親。 家族にまつわる「疑心暗鬼の闇」を描く、静謐で濃密なサスペンスが誕生! 「家族というのは、『お互いに助け合って、仲睦まじく』といった一面が取りざたされることも多いですが、そうじゃない部分もあります。ある種の運命共同体であるからこそ、こうしてほしいという願望を押しつけあったり、求めあったりして、生きづらさも生んでしまう。だからこそ、ドラマが生まれる。家族が一枚岩になれないときに生ずる『心の行き違い』は、サスペンスにしかならない」(著者インタビューより) 全国の書店員さんから、驚愕と感嘆の声が届いている傑作をぜひ!
『火の粉』で裁判官の葛藤を、『検察側の罪人』で検事の正義を描いた 雫井脩介が問う、弁護士の信念とは? 作家デビュー20周年を迎えた著者の渾身作! 病院で起きた点滴死傷事件。 入院中の4人の幼い子どもたちにインスリンが混入され、2人が殺された。 逮捕されたのは、生き残った女児の母親。 人権派の大物弁護士らと共に、若手弁護士の伊豆原は勝算のない裁判に挑む!
新鋭作家である待居涼司の出世作『凍て鶴』の映画化が決まった。監督・脚本に選ばれた奇才・小野川充は、かつて世間を騒がせた自殺系サイトとその主催者の”伝説の死“に異常なこだわりを見せ、執拗に映画と絡めようとする。はたしてその思惑とはーー? 予測不能の恐怖が待ち受ける、雫井サスペンスの真骨頂!
ドラマ化原作本! 『犯人に告ぐ』『検察側の罪人』の著者、渾身の新境地 父が創業した会社で若くして役員となった鹿子小穂は、父がヘッドハンターを介して招聘した大槻によって会社を追い出されてしまう。 そんな小穂を拾ったのは、奇しくもヘッドハンティング会社だった。 新米ヘッドハンター・小穂は、一流の経営者らに接触するなかで、仕事や経営とは何か、そして人情の機微を学んでいくーー。 緊迫感溢れるミステリーで人気の著者が新境地に挑んだ、予測不能&感涙のビジネス小説。
ドラマ化原作本! 『犯人に告ぐ』『検察側の罪人』の著者、渾身の新境地 「私が死ぬ前に、後継社長を見つけてほしい」「プロジェクトチームのメンバーを丸ごと引き抜いてほしい」--。 新人ヘッドハンターとして働く鹿子小穂は、様々な難題に苦闘しながらも、ヘッドハンティングの仕事にやり甲斐を見出していく。 そんなある日、小穂のもとに父の会社が経営危機に陥っているとの報せが届く。 ある人物が怪しい動きをしていることに気づいた小穂は、会社を救うべく起死回生の一手を打とうとするが……。 一気読み必至のエンターテインメント小説。
横浜の洋菓子メーカー〔ミナト堂〕の父子を誘拐した〔大日本誘拐団〕の実行犯逮捕から間もなく、神奈川県警特別捜査官の巻島史彦は、主犯格と見られる淡野を追っていた。一方、捜査の手をかいくぐって逃げ延びた淡野は鎌倉に潜伏し、警察を出し抜く新たな犯罪計画を立てていたーー。大人気警察小説シリーズ、待望の第3弾。
年頃の息子と娘を育てながら平穏に暮らしていた石川一登・貴代美夫妻。9月のある週末、息子の規士が帰宅せず連絡が途絶えてしまう。警察に相談した矢先、規士の友人が殺害されたと聞き、一登は胸騒ぎを覚える。逃走中の少年は二人だが、行方不明者は三人。息子は犯人か、それとも……。規士の無実を望む一登と、犯人でも生きていて欲しいと願う貴代美。揺れ動く父と母の思いーー。心に深く突き刺さる衝撃のサスペンスミステリー。
神奈川県警がその威信を懸けて解決に導いた「バッドマン事件」から半年、特別捜査官の巻島史彦は、刑事特別捜査隊を指揮し、特殊詐欺集団の摘発に乗り出していた。そんな中、振り込め詐欺グループに属していた砂山知樹は、指南役の天才詐欺師・淡野からこれまで日本の犯罪史上に類を見ない新たな誘拐計画を持ちかけられる。標的は横浜の老舗洋菓子メーカー〔ミナト堂〕。その〔ミナト堂〕と知樹には浅からぬ因縁があったーー。2004年のミステリーランキングで軒並み第1位を獲得した警察小説の傑作、待望のシリーズ第二弾!
身代金受け渡しの日時を目前に控え、捜査を指揮する神奈川県警の巻島は、被害者家族と警察の間に言いしれぬ溝を感じ取っていた。被害者家族の協力のもと捜査態勢を敷く神奈川県警だったが、それを嘲笑うかのように裏では犯人側の真の計画が進行していたーー。姿の見えない犯人を追う警察、巧妙な罠を張り巡らす犯人グループ、子どもの命を救うため葛藤し続ける被害者家族。三者は互いに牽制し合い、前代未聞の攻防を繰り広げる。そして迎える結末とは!? ミリオンセラーを記録した警察小説の金字塔、渾身のシリーズ第二弾!
蒲田の老夫婦刺殺事件の容疑者の中に時効事件の重要参考人・松倉の名前を見つけた最上検事は、今度こそ法の裁きを受けさせるべく松倉を追い込んでいく。最上に心酔する若手検事の沖野は厳しい尋問で松倉を締め上げるが、最上の強引なやり方に疑問を抱くようになる。正義のあり方を根本から問う雫井ミステリー最高傑作!
23年前の時効事件の犯行は自供したが、老夫婦刺殺事件については頑として認めない松倉。検察側の判断が逮捕見送りに決しようとする寸前、新たな証拠が発見され松倉は逮捕された。しかし、どうしても松倉の犯行と確信できない沖野は、最上と袂を分かつ決意をする。慟哭のラストが胸を締めつける感動の巨篇!
東京のベッドタウンに住み、建築デザインの仕事をしている石川一登と校正者の妻・貴代美。二人は、高一の息子・規士と中三の娘・雅と共に、家族四人平和に暮らしていた。規士が高校生になって初めての夏休み。友人も増え、無断外泊も度々するようになったが、二人は特別な注意を払っていなかった。そんな夏休みが明けた9月のある週末。規士が2日経っても家に帰ってこず、連絡する途絶えてしまった。心配していた矢先、息子の友人が複数人に殺害されたニュースを見て、二人は胸騒ぎを覚える。行方不明は三人。そのうち犯人だと見られる逃走中の少年は二人。息子は犯人なのか、それとも…。息子の無実を望む一登と、犯人であっても生きていて欲しいと望む貴代美。揺れ動く父と母の思いー。
青春の思い出を語り合うだけのはずだった。同窓会で再会した洋輔ら四人は、旧交を温め合ううちに、かつての体罰教師への仕返しを思いつく。計画通り暴行し置き去りにするも、教師はなぜか別の場所で溺死体で発見された。犯人は俺達の中にいる!?互いへの不信感が募る中、仲間の一人が殺されて…。衝撃のラストに二度騙される長編ミステリー。
「あの日から、母は変わったーー」▼夫の浮気が原因で離婚し、娘の小織とともに名古屋へと転居して無気力な日々を送る藤里梨津子だったが、フィギュアスケートの名コーチ・上村美濤先生に才能を見出された娘を支えることに、生きがいを感じ始める。▼「藤里小織の最大の伸びしろは、あなたにあると思ってます」とのコーチの言葉に、娘のためにすべてを懸ける決意をする梨津子。▼クラブ内の異様な慣習、元夫からの養育費の途絶、練習方針を巡るコーチとの軋轢ーーフィギュアスケートにのめり込む梨津子の思いに、小織は戸惑いながらも成績を上げていくのだが……。▼『犯人に告ぐ』『クローズド・ノート』の著者が新境地に挑んだ渾身の一作、待望の文庫化!
「大袈裟でなく心身が震えた」--あさのあつこ(解説より)▼コーチの上村美濤先生が日本を離れることを知った梨律子は、小織の可能性をさらに引き出してくれる指導者を求めてクラブを移ったが、指導方針の違いに戸惑いを隠せない。▼そんな中、怪我のため、小織がトリプルジャンプも跳べなくなってしまう……。▼元夫からの養育費の支払いも再開せず、経済的に追い込まれるも、フィギュアスケートにすべてを懸ける梨津子。▼葛藤を乗り越えていく母と娘の絆に、感涙必至の力作長編!