著者 : 高山祥子
99歳と97歳の姉妹、合言葉は「いつも機嫌よく」! モールス信号での会話が得意で格闘術の心得もあり。 第二次世界大戦に従軍した姉妹に パリで勲章が授与されることに。 チャーミングな姉妹の人生を描いた愛すべき物語! 「さて、今日の“お楽しみ(エクサイトメンツ)”は何かしら?」 ロンドンに住む99歳のジョゼフィーンと97歳のペニーの姉妹は、ただ者ではない。第二次世界大戦中、姉は海軍婦人部隊に、妹は応急看護婦部隊に所属していた。戦後もそれぞれ社会に貢献する日々を送り、現在は退役者として講演をしたり、インタビューを受けたりして暮らしている。そんなとき、戦時中のフランスへの働きに対して、姉妹にレジオン・ドヌール勲章が授与されることに。二人は甥の息子アーチーと一緒にパリへと向かうことにするが、ペニーには別の思惑があった。パリでの勲章授与式の裏で、長年心に秘めてきたある計画を成し遂げなくてはーー。 モールス信号での会話が得意で格闘術の心得もあり。“いつも機嫌よく(トゥージュール・ゲ)”を合言葉に、第二次世界大戦から現在まで激動の時代をたくましく生きる最高の姉妹を描いた、勇気をもらえる感動作!訳者あとがき=高山祥子
第二次世界大戦下のヨーロッパで 敵国の書物を収集せよーー 実在の図書館司書に材をとり、 本を愛する者たちの闘いを描いた、 心揺さぶる傑作長編! ベストセラー作家の本領発揮 1942年、第二次世界大戦下。ニューヨーク公共図書館で働く司書のマリアは、大統領令に基づく任務を帯び、ポルトガルのリスボンに旅立つことになった。その任務とは、身分を偽り、戦略分析のため枢軸(すうじく)国の刊行物を収集すること。報道写真家の母をスペイン内乱で亡くしたマリアは、危険を冒してでも戦争を終わらせたいという強い想いを抱いていたのだ。 同時期、リスボン。書店を営む青年ティアゴは、書類偽造の天才である書店員ローザとともに、迫害から逃れようとするユダヤ人避難民を命懸けで援助していた。マリアは街で本や新聞を集めるうちにふたりと出会い、戦争を終わらせるためのさらなる任務に臨むことに── 戦時のヨーロッパで活躍した実在の図書館司書に材をとり、本を愛する者たちの闘いを描き上げた、心揺さぶる傑作長編!訳者あとがき=高山祥子
大勢の平和的抗議者たちが特殊部隊ベルクトに攻撃され、負傷者や死者が出ている。ウクライナは事実上、非常事態となっていた……。 ボストンから来たウクライナ系米国人女性医師、チョルノービリ原発近郊出身の鉱山技術者、かつてFEMENに参加した青い髪の女性活動家、独立広場でピアノを弾く元KGBスパイの老人、そしてジャーナリストたち……。 冬のウクライナ、首都キーウで交錯する、それぞれに過去を抱えた人々の運命。激動の時代を背景に展開する喪失と希望への物語。 史実とフィクションで織りなす、圧巻のデビュー長篇小説。 2022年度ニューヨーク公共図書館若獅子賞受賞作。 (原題 I Will Die in a Foreign Land) 【著者略歴】 カラーニ・ピックハート (Kalani Pickhart) アリゾナ州立大学でクリエイティブ・ライティングの修士号を取得。同大学の生涯学習センター(ヴァージニア・G・パイパー・センター)およびアメリカ合衆国国務省東ヨーロッパ・ユーラシア研究局の特別研究員として奨学金の給付を受ける。長篇デビュー作となる本書で2022年度ニューヨーク公共図書館若獅子賞を受賞。 【訳者略歴】 高山祥子(たかやま・しょうこ) 1960年、東京都生まれ。成城大学文芸学部ヨーロッパ文化学科卒業。翻訳家。訳書にレスリー・M・M・ブルーム『ヒロシマを暴いた男』(集英社)、ジャネット・スケスリン・チャールズ『あの図書館の彼女たち』(東京創元社)、キャサリン・ライアン・ハワード『56日間』(新潮文庫)ほか。
1911年にルーブル美術館から盗まれた〈モナ・リザ〉は、その後2年間行方不明だった。 主人公は、ニューヨークに住む画家で美術史家のルーク・ペローネ。彼の曽祖父は、100年以上前にルーヴル美術館から〈モナ・リザ〉を盗んだ窃盗犯だ。曽祖父の日記が見つかったというメールを受けとり、フィレンツェの研究図書館で日記を読み始めるルーク。人間味あふれる曽祖父の姿が浮かび上がってくる……。しかし、日記は肝心な部分が破り取られており、日記に関わった人が次々と死んでいく。 曽祖父が盗み、その後返却したというルーヴル美術館の〈モナ・リザ〉。 当時、何があったのか。そしてあの〈モナ・リザ〉は、贋作か、否か? ルークは、自身が殺される前に〈曽祖父の真実〉を見つけなければならない。 さえない画家兼美術史家の主人公、フィレンツェで出会った美しい女性、インターポールの捜査官、美術品贋作者、億万長者のコレクター……。過去と現在が交錯するなか、濃やかな人間模様が描かれ、エキサイティングなアクションシーンが展開する。フィレンツェ、パリ、南仏プロヴァンスの村の描写も魅力的な、ジョナサン・サントロファーによる美術(アート)ミステリの真髄。
ジュディス・ポッツは77歳。ロンドン郊外マーローの古びた邸宅に独り住まいで幸せな日々を送っている。まわりには、仕事やウィスキーの量に口をさしはさむ人などおらず、退屈しのぎに「タイムズ」紙向けのクロスワード・パズルを考案している。ある夜、テムズ川で泳いでいると、ジュディスは残忍な殺人を目撃してしまう。地元警察は彼女の話を信じず、ジュディスは自ら事件の調査に乗り出すと決め、ドッグ・ウォーカーのスージーと、司祭の妻であるベックスを仲間に加え、「マーロー殺人クラブ」が誕生する。別の死体が現れたとき、3人は自分たちの行動範囲に連続殺人犯がいることに気づく。3人が解こうとしたパズルは、逃れることができない罠となる。 (目次なし) 本文のほか、登場人物表、謝辞、訳者あとがき
2021年2月のAmazonベストブックの一冊 〈ニューヨーク・タイムズ〉ベストセラー 35か国語に翻訳予定 ナチス占領下のパリ。 苦しくても、わたしたちには愛する本があった。 戦時下のパリを生きた図書館員たちの 勇気と友情を描く感動作! 1939年パリ。オディールはアメリカ図書館の司書に採用された。文学を愛する彼女は熱心に仕事に取り組むが、ついにドイツと開戦。図書館は戦地の兵士に本を送るプロジェクトを始める。だがドイツ軍がパリ市内に入り、ユダヤ人の利用者に危機が訪れる。利用者のために図書館員が考え出した方策とはーー。戦下のパリと1980年代のアメリカを舞台に、オディールの波瀾万丈の人生と、ナチス占領下の図書館員たちの勇気を描く感動作!
心臓移植を受けている学者は、手術中にどんな夢を見たのか。ダイアナ妃に憧れた少女が語るプリンセスの一生とは。聖戦に参加することになったイスラム教徒の青年たちは、観光地で何を思うのか。芸術家の老女が、家のあちこちにいる幽霊たちへ向ける想いとは。--すべての結末に描かれる鮮烈な「絵」が、わたしたちの心を奪っていく。ブッカー賞候補作家が放つ、驚きと寂しさ、愛おしさに満ちた12編。カナダ総督文学賞最終候補作。
33歳の訪問看護師マイロは、公園でビデオカメラとテープを発見する。テープに映っていたのは、自分と同じ年頃の女性による、友人が自分のせいで亡くなったという告白だった。さまざめと泣く彼女に、自分も誰にも言えない秘密を抱えるマイロは深く共感してしまう。この人を探し出し、何か協力することはできないだろうか? マイロは女性を探し始めるが、それがとてつもない事態に発展して……。「秘密」をめぐる奇妙で愛おしい物語。
クレア・デウィットはただの女探偵ではない。独特の探偵術を駆使し、巧みに銃を扱い、困難な調査でも決して諦めない。2007年、ハリケーンの傷痕が残るニューオーリンズで、クレアは失踪した地方検事補の捜索を依頼される。洪水で死んだと思われる一方で、嵐のあとに姿を見た者もおり経緯がわからない。真実によって誰かが傷つくこともある。しかし探偵にできるのは、謎を解決し先に進むことだけだ。傷ついた街と人々に寄り添う女探偵の活躍を描く、マカヴィティ賞最優秀長篇賞受賞作。訳者あとがき=高山祥子
マーティンの生業は泥棒。といっても、窓ガラスを壊したり家を荒らしたりはしない。盗みに入る家を慎重に選び、住人の外出時間や周囲の環境を徹底的に調べて“お得意”を決め、泥棒が入ったことに気づかれないように食料品や宝石などを盗んでいるのだ。だがある日、とんでもない“事件”が発生してしまい…。とびきり几帳面な愛すべき青年の活躍(?)を描くお仕事ミステリ!
“私生児”と蔑まれながらも才能に恵まれ、美しい少年に成長したロニー。豊かな幼少期を過ごしたものの、母親の再婚とともに不穏な世界へと突き落とされたスーザン。多感な年頃に出会ったふたりは、待ちに待っていたかのように惹かれあう。だが、ロニーがスーザンに打ち明けた秘密は恐るべきものだった…。愛情を憎悪に変え、悲劇の連鎖を引き起こす戦慄の少年少女を冷徹に描く力作。