著者 : 鴉紋洋
ロシアのスペース・シャトル“ブラン”を破壊するため、NASAの全面的支援のもと天翔は三度、宇宙へと飛び立った。しかし、ブランは天翔の放ったミサイルを難なく躱して帰投してしまう。失意のまま硫黄島に帰還した篠原原達を待っていたのは、周囲の批難と罵声だった。再度の決戦をめざし訓練に励む天翔隊だが、そんな中、日本上空に反射衛星を投入するため再びブランが打ち上げられるとの情報が届く。いよいよ天翔対ブランの一騎打ちの時が迫る。
ロシアのキラー衛星を無事破壊して帰還した篠原達に衝撃的にニュースが届いた。ロシアで革命が勃発、軍事政権が樹立され日本に宣戦布告した、というのだ。緊張した状況の中で、日本初の有人スペースプレーン・天翔の第二回フライトを目指し訓練を続ける天翔隊。しかし、ついにロシアはレーザーで根室を攻撃、街は焦土と化した。日本政府は遅ればせながら、天翔に出撃を命じた。
都市国家ギルスの商人・ウトからサーラピークまでの護衛を請負った傭兵ラガシュ。彼の若さと整った外見は、酒場で嘲笑の的となることが多いが、傭兵仲間からは“ひとたび剣を抜けば、必す刃を血で濡らす男”と恐れられていた。ギルスを発って3日目の夜、一行は野盗に襲われた。ラガシュは大剣を振った。頭蓋骨を割り、喉を裂き、側頭部を砕き、腹を抉り、野盗を斬り伏せる…。剣にかける男の官能アクションファンタジー。
日本初の有人スペースプレーン・天翔の第一パイロツト・篠原は、第一回目のフライトで、壊れた人工衛星の回収を命じられる。第二パイロット・吉野の不注意で、危うく宇宙空間に放り出されそうになりながらも、無事に初フライトを成功させ帰還した篠原達だが、回収してきた衛星に重大な事実が判明する。何者かによって故意に破壊された形跡があるというのだ。いったい誰が、何のために、どうやって。謎が深まる中、天翔の第二回フライトのメンバーが発表された…。
駿河湾沖海戦で、アメリカ艦隊を撃破した藤原ら日本の自衛軍だが、双方の被害は甚大であった。さらにアメリカ側の巧みな情報操作で日本国内の世論は、自衛隊に対する非難も強まっていた。そうした四面楚歌の中で、藤原たちはアメリカ側の反撃を確信しつつ、新鋭戦闘機ランをスクランブル待機させていた。やがてアメリカは、状況打波のために、遂に核ミサイルを使うという噂が流れ出した。日米間は最悪の状況を迎え始める-。
空母インデペンデンスを撃沈させられたアメリカは、日本に対する報復攻撃を開始した。ステルス爆撃機によるピンポイント攻撃は、日本の入間基地に向けられた。航空自衛軍の最新鋭戦闘機「ラン」のパイロット藤原は、間一髪で入間基地を飛び立ち、巡航ミサイルで滑走路を攻撃したステルス爆撃機を追う。ランのアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーは、一度に複数の目標に攻撃を仕掛ける事ができる。「さぁ、入間の滑走路を潰したツケを払ってもらうぞ」操縦桿の上端にある発射ボタンに、親指を伸ばして載せた-。