著者 : 黄晰暎
<b>「わたしたちはいったい何を間違えてしまったのでしょう」 取り返しのつかない過去を思いつつ、さまよう人々の叫びと祈りの物語</b> 1960年代以降、大学進学によって貧しさから脱け出し、軍事政権による開発経済の恩恵を受け、建築家として成功した初老の男性。 急速な発展の結果として拡大した現在の格差の中で、多くをあきらめながら苦しい生活を送る劇作家の若き女性。 持てる者が失わなければならなかったものは何か。 持たざる者がなお手放さないものは何かーー。 韓国文学を代表する作家が、現代社会に生きる人間の魂の痛みを静かに描き出す。 <b>ブッカー国際賞の候補作にも選ばれた、 韓国文学を代表する作家 黄晰暎による中編小説</b> たそがれ 作家の言葉 訳者あとがき 静かにまたたく星たちの物語(姜信子) 黄昏と暁とーー「めぐる因果」を越えて(趙倫子)
ノーベル文学賞候補に挙がる現代韓国を代表する作家初の自伝全2巻。朝鮮戦争と幼年期の思い出、北朝鮮訪問と金日成との対話、欧米での亡命生活、帰国後の投獄と5年に及ぶ獄中生活、光州事件と民主化運動など、激動の韓国現代史を生き抜いた作家の回顧と証言。 プロローグ 出行 1985〜86 監獄 1 訪北 1986〜89 監獄 2 亡命 1989〜93 監獄 3 幼年 1947〜56 監獄 4
僧侶を志した青年期の放浪、懸命な愛を注いでくれた母への想い、獄舎で出会った不遇な人々への共感、ベトナムの戦場での苛酷な運命、光州の闘いに敗れた若者への自責、そして何より独裁権力への怒り。韓国現代文学の礎となった民族の記憶を作家みずからが語る。 放浪 1956〜66 監獄 5 派兵 1966〜69 維新 1969〜76 光州 1976〜85 監獄 6 エピローグ 感謝の言葉 黄晰暎年譜 訳者あとがき
解放戦線の密命を受けてダナンの家に戻り、転向者の汚名に傷つきながら闇取引に携わるベトナム青年ファム・ミン。ミンの大学の先輩であり、有能な商人であり、そして実は解放戦線のダナン責任者グエン・タット。ベトナム脱出を夢みて、軍内で地歩を固め、ついに桂皮の大利権獲得のための大作戦の賭に打ってでる、ミンの兄ファム・クエン少佐。そしてクエンと野望を分ちあう孤独な韓国女性ミミー…。米国の物資と武器をめぐって欲望渦巻く闇市場で、民族の魂はいかに生きうるか。民族統一と民主化の闘い燃えさかる韓国のベストセラー小説。
泥沼の前線から呼び戻され、軍需物資あふれる闇市場の調査に歩く韓国軍兵士安栄奎、解放戦線に志願し、恋人と別れて山に入るベトナム人学生ファン・ミン。2人の若いアジア人の目の前に交錯する、生と死、謀略、野望、狂気、阿片、そして革命と統一…。自ら海兵隊員として参戦した体験のある黄晢暎が放つ、80年代韓国の大ベストセラー長編小説。