著者 : sime
アルトにラギとの別れの時が迫っていた。命が残り僅かと悟ったラギは、セツナに「最後に私と闘ってくれ」と願い出る。ラギは獣人である自らの闘いをアルトに見せることで、いまだ獣人の力を知らないアルトの心に、その闘う術を刻もうとしたのだった。それは独り立ちするための糧をアルトに遺そうとする、ラギの命がけの賭けでもあった。移りゆく季節の中、悲しみを知ったアルトは少しずつ大人になってゆくーー。第一部完結。 プロローグ/秋水仙《最良の日々は過ぎ去った》/第二章ミヤコワスレ 《別れ》/第三章ネリネ《幸せな思い出》/エピローグ
ノゾム、ケン、リサ。幼馴染3人、それぞれの『決着』。 「君が夢を叶えるための、力になりたい」 ノゾムは、故郷を発つ前に交わしたリサとの約束を果たすことができなかった。そんな状況を裏で作り出していたのは、もう一人の幼馴染、ケンだった……。 残酷な事実を突きつけられたノゾム。滅龍王ティアマットの干渉も日ごとに増していく中、それでも冷静でいられるのは、 ずっとそばにいてくれた仲間がいるから。 ーー大事なのは不安を消すことじゃない。抱えたまま、それでも前へ進むこと。 ノゾムは亡き師匠の墓標に決意を誓う。そしてすべてに決着をつけるべく、ケンとの最終決戦の地へ向かう! 足りないのは、自信か、力か。これは、心の歩みを止めた少年が、未来へ進む物語。 圧倒的王道青春ファンタジー、完結。
セツナとアルトのリペイドでの生活も一月が過ぎ、国の一大行事「建国祭」が迫っていた。しかし国王は建国祭より国難対応を優先する。その態度に危機感を抱いた王妃から依頼を受けたセツナは、国王と王妃を取り持つある計画を秘密裏に進めるが、あと少しというところで思わぬ事態に。一方、アルトたちと静かに余生を過ごすラギは「残された時間で何ができるだろう」と悩みを深める。季節は夏から秋へ。北国で交錯する温かな人間模様。 プロローグ/第一章 トルコキキョウ《良き語らい》/第二章 アメジストセージ《家族愛》/第三章 ヒヨドリジョウゴ《すれ違い》/第四章 トルコキキョウ《楽しい語らい》/エピローグ/追章 杜若《音信》
レスティア大陸の勢力図は、大きく塗り替えられた。 これまではリフェリス王国と神都ディルアーゼルによって二分されていたが、今ではそのどちらも覇権から遠のき、突如現れた魔物の国に譲る形となった。 領土を安定させたエステルドバロニアの王カロンだが、彼は頭を抱えていた。本来なら魔物の天敵であるはずの勇者スコラからのラブレターの山を前に。 カロンは悩んだ末、スコラを城に招くことにしたのだがーー。 最弱の人間と、彼に付き従う魔物たちの物語、第5弾!
『異形の魔獣』を打ち倒しエルフの少女シーナと心を通わせたノゾムは、彼女が目撃したリサ達の行動について教えられ、気づこうとしなかった何かに気づく。「二年前のことで話がしたい」真実を明らかにするため、ノゾムは黄昏時のスパシムの森にリサを呼び出すが…そこにいたのは彼女の現在の恋人ケン・ノーティスだった。「…なんで、こんなことをした?」全てを知っているはずのかつての友に自分が掴んだ真相を告げるノゾム。しかしリサに歪んだ愛情を抱くケンは鬼のような形相を浮かべ、「お前の存在を認めるわけにはいかない…!」蔑みを憎悪に変えた剣を振りかざしノゾムに襲いかかるー!足りないのは、自信か、力か。-これは心の歩みを止めた少年が、仲間の手を取り覚悟を決める物語。
リペイドの街のギルドで、アルトは自らの意思で依頼をうけることに。その依頼とは、余命幾ばくもないラギという老人と、残り少ない余生をともに過ごすということだった。一方セツナは、ノリスとエリーという花屋の夫婦を助けるために依頼を受けることにするが、時を同じくして、王妃から直々に別の依頼が持ち込まれ・・・・果たして、セツナとアルトはそれぞれ依頼を無事達成することができるのか? リペイドでの尊く愛おしい日々を描く、シリーズ第4弾! プロローグ/第一章 ミヤコワスレ《しばしの憩い》/第二章 ブータンマツリ《いたずら心》/エピローグ
魔物国家エステルドバロニアの王、カロン。遍く魔を統べし天魔波旬にして、中央大陸を恐怖の渦に陥れた張本人。 そんな男がーー暗い檻の中に閉じ込められていた。 「どうしたものかなぁ」 なんでこうなったんだろうと思いながら、まだ答えを出すことはない。 初めて自分に訪れた危険に対する、最も正しい判断をすべく彼は考え続けるのだった。 カロンの身に一体何が起こったのか!? 最弱の人間と彼に付き従う魔物たちの物語、第4弾!
弟子アルトとの旅を続けるセツナは、想いを通わせた竜の娘・トゥーリと別れたあと、森で疲れ果て座り込んでいる男と出会った。男の名はサイラス、なんでも国で宰相暗殺疑惑をかけられ、「騎士」をはく奪されたうえ、転送魔方陣で跳ばされてきたという。悲嘆にくれるサイラスだったが、セツナは、サイラスの追放は、毒を盛られた国王のため、ひそかに解毒剤を持ち帰る使命を託された、という真相を見抜く。「国に戻りたい」というサイラスの願いを聞き入れたセツナは、アルトとともにサイラスの故国・リペイドに向かうことにするが、リペイドへ続く洞窟には、トゥーリに関係するある人物が待ち受けていて……。セツナは国と国の陰謀を解決し、サイラスを救うことができるのか? プロローグ/第一章 アネモネ《貴方を……》/第二章 カーネーション《忍耐強さ》/第三章 アネモネ《貴方を信じて待つ》/エピローグ
滅龍王ティアマットーその精霊を体に取りこみ、龍殺しとなったノゾム。しかし、絶大な力は自身のアビリティ“能力抑圧”で抑えられていたため、周囲からの評価は相変わらず低いまま…。しかし、アイリスやティマ、マルスと穏やかな時間を過ごすことで、ノゾムは傷ついた心が和らいでいくのを感じていた。そんなある日、冒険者ギルドでエルフの少女、シーナと出会う。家族を失い、精霊の加護を失い、笑顔を失った彼女。周囲から蔑まれながらも、果てのない努力を続け、もがき続けるその姿にノゾムは自分を重ね合わせるのだが…。(ああ、そうか…。彼女はまだ、折れていないのか…)彼女の瞳に宿る、強い意志。自分と異なるそれを見るたびに、停滞していたノゾムの心は大きく揺さぶられていくー!足りないのは、自信か、力かーこれは心の歩みを止めた少年が、最初の一歩を踏み出す物語。
神都ディルアーゼルを支配下に置いた魔物国家エステルドバロニア。未だ残る多くの問題に頭を悩ませていた人間の王カロンのもとに、リフェリス王国より使者が神都にやって来るという報告が上がってくる。 配下のフィルミリアを使って王国との関係性を構築する策を進めていたのだが、カロンはこの世界特有の病に罹り臥せってしまう。そして魔物たちがカロンの身を案じる中、"晦冥白狐"梔子姫が治療のためにと独断でカロンを連れ去ってしまうのだった! カロンと梔子姫が行方不明になり、エステルドバロニア内部が混乱する一方で王国からは勇者の血を引く騎士ミラ・サイファーが神都に向かってきてーー!?
失った治癒の力を取り戻すため空中都市ネルダールへやってきたルシエル。そこはロマンが詰まった魔術師たちの楽園であった……。
弟子アルトとの旅を続けるセツナ。道すがらいろいろなことに興味を示すアルトと、そんなアルトを慈しむセツナの旅は、ゆっくりとしながらも着実に進んでいた。そんなある日、二人の様子を奴隷商が奴隷を連れていると勘違いした獣人の二人組がセツナに襲い掛かってきてーー。 さまざまな人々とのかかわりの中で、疑念、嫉妬、情愛・・・セツナに対するアルトの複雑な感情が、師匠と弟子という関係に変化をおこす。そして洞窟の中で出会った美女トゥーリとの出会いが、セツナたちの間に「家族」という新たな関係と役割をもたらすのだった・・・・。 プロローグ/第一章 デージー《乙女の無邪気》/第二章 クリスマスカクタス《冒険心》/第三章 カルセオラリア《我が伴侶》/エピローグ/追章 杜若《音信》
68番目の勇者として異世界に召喚されつつも病弱で見放されていた杉本刹那は、23番目の勇者カイルからその命と共に大いなる知識と力を受け継ぎ、勇者の責務からも解放される。三度目の人生にしてようやく自由を得た刹那は、冒険者として生きていくことに。見るもの全てが新しい旅の中で生まれる出会いと別れ、それが彼とそしてこの世界を変えていく。
VR戦略シミュレーション『アポカリスフェ』の世界に転生し、魔物国家エステルドバロニアの王となった男カロン。 非力な人間でありながら、魔物たちをまとめあげる彼のもとに一人のエルフが現れる。 リーレと名乗る彼女によると神都ディルアーゼルでは人間に騙されたエルフたちが奴隷にされ、虐待と呼ぶのも生温い扱いを受けているのだという。 リーレに同情したカロンはエルフを救うための介入を決意するのだがーー!? 最強の魔物国家を統べるは人間の王! 非力な王の苦悩の物語、第2弾!
VR戦略シミュレーション『アポカリスフェ』の頂点に君臨する男はある日、プレイ中に突如として激しい頭痛に襲われ、意識を失ってしまう。 ふと男が目を覚ますと、そこはゲーム内で作り上げてきた魔物国家エステルドバロニアの王城であり、自らの姿は人間でありながら魔物の王である"カロン"そのものだった。 このゲームに酷似した異世界で生きていくことを余儀なくされたカロン。彼は強力な魔物たちを従える立場にありながら、自身は非力なただの人間であるという事実に恐怖するが、気持ちを奮い立たせる間もなく国の緊急事態に対処することになり……!? 連載時からの大幅改稿に加え、書籍だけの特別短編『王の知らなかった彼女たち』を収録!
人として森の妖精属・コボルドと信頼を重ね友情を築き、遂には王として受け入れられた元騎士団長・ガイウス=ベルダラス。彼は人間による森への過度の「干渉という名の侵略」を懸念していた。そこでガイウスは、彼を慕って森へとやってきた元部下のサーシャリア=デナンの協力を得て防衛力の強化を試みる。だが人間達は、魔術を使ってまでもコボルドを、そしてガイウスを執拗に襲撃する。はたして、コボルド王国の命運や如何にー。種族間を越えた友情を描き話題騒然となった優しき王の物語、待望のシリーズ第2巻!
数々の武功で敵からも味方からも一目置かれていた騎士団長・ガイウス。戦場では勇名を馳せた彼だが政が苦手で、母の弔いをきっかけに爵位を返上し帰郷する。事実上のリタイヤである。故郷は森に侵食されていたが、ガイウスはそこで犬のような容貌の「コボルド」と出会う。彼らは森の眷属であり森中にコロニーを形成していた。初めこそガイウスをよそ者扱いしていたコボルドたちだが、彼の勇猛果敢さに触れ徐々に信頼をよせていく。
誰もが六つの魔法を使える世界。五体六法満足に生まれなかった者は「魔欠落者」として蔑まれていた。収納魔法しか使えないエイルは父親に売られる。しかも、唯一使える収納魔法さえ、収納力が大きいだけで状態維持や時間停止効果のない出来損ない魔法だった。そのため、売られた先の店も追い出されてしまう。そんなエイルは、魔欠落者の少年ルークと出会い「魔欠落者が幸せに暮らせる場所」を探し始めー。第5回ネット小説大賞受賞作。
『ふるさと振興再生法』。治安回復と景気振興、および過疎防止のために打ち出されたその法案により、人々が生まれ育った街から移動するには政府の許可を得なければならなくなった。日本国民にとって旅行の自由を奪うという非情な政策に対抗すべく、鉄道各社は特別車掌隊を編成。移動の権利を翳す特別車掌隊と、許可証不所持者を取り締まる鉄道公安部隊の戦いは激化の一途を辿っていたー。