ジャンル : SF・ホラー
28世紀、人類は二百にのぼる惑星を転移網で結び連邦を形成していた。その辺境に位置する惑星ハイペリオンで、人びとの畏怖と信仰を集める遺跡〈時間の墓標〉と怪物シュライク。この謎を解明すべく、迫りくる宇宙の蛮族アウスターの脅威のもと、最後の巡礼七人が惑星を訪れた。その途上で語られる、それぞれが背負う数奇な宿命とは…。1990年度ヒューゴー賞・ローカス賞受賞作。
太平洋戦争末期、少年が屋敷で見た恐怖の真相とは!? 名作中の名作「くだんのはは」をはじめ、日本恐怖小説界に今なお絶大なる影響を与えつづける、ホラー短編の金字塔。
2130年に太陽系外から忽然と現われた謎の飛行物体。ラーマと名づけられたこの物体は、長さ50キロ、直径20キロの巨大な宇宙船と判明した。だが、人類が初めて遭遇した異星の構築物は、その目的もわからぬうちに太陽系を去っていってしまった。そして70年後、第二のラーマが太陽系に現われた。ラーマとそれを建造した異星人の正体を探りだすべく派遣された調査隊は、謎を解明できぬまま地球に帰還した。だが、宇宙のいずこかをめざして飛びつづける第二のラーマ内部には、調査隊員三人が取り残されていたのだ。さまざまな辛苦を重ねて生き延びていたニコル、リチャード、マイケルが、旅路の果てに見た驚くべきものとは。
遥かなる未来、地球は砂漠に覆われ、以前は隆盛をきわめていた世界各地の都市も無人の廃墟と化している。かつては宇宙を自由にかけめぐり、華麗なる文明を築いていた人類もいまは見る影もなかった。ただひとつダイアスパーだけが最後の都市として、ほそぼそと生き延びていた。永遠の生命をもっているダイアスパーの住人は、すべての労働を機械にゆだね、安楽で満ち足りた日々をすごしている。だが、ダイアスパーで七千年ぶりに生まれた子供アルヴィンは、変化のない生活に飽きたらず、外の世界を探険しようと都市の境界をめざしていくが…。巨匠クラークの名作『銀河帝国の崩壊』を第1部とし、クラークの描いた壮大な世界を、ハードSFの第一人者ベンフォードがあらたに展開した傑作未来叙事詩。
西暦2130年に、忽然と太陽系に現われた謎の飛行物体。ラーマと名づけられたこの物体は金属製で、長さ50キロ、直径40キロ、自転周期4分の巨大な円筒型の宇宙船ということが判明した。しかし、異星人の構築物は人類の理解をはるかに超え、正体の解明に至らぬままラーマは太陽系を去っていった。そして70年後の2200年、第二のラーマが太陽系に姿を現わした。SF史上に燦然と輝くアーサー・C・クラークの名作『宇宙のランデヴー』で解明されぬまま残された謎に、地球人類がふたたび挑戦する、ファン待望の続篇。
2220年、人類は太陽系の各惑星の衛星軌道上に巨大な人工衛星をいくつも築いていた。それぞれが衛星都市と呼ばれ、独立した国家として繁栄している。しかし人口はますます増加してゆき、つぎつぎと作られる衛星都市で、太陽系は過密の一途をたどっていた。そこで衛星都市ローターは、新たな故郷を求めて太陽系を離脱した。それから十数年の歳月が流れた…ローターに住む天文学者の娘、十五歳の少女マルレイネはふとしたことから、たいへんな事実を知った。ローターが新たなる故郷とした恒星ネメシスが、地球をめざして突き進んでいるというのだ。このままでいけば、たとえ衝突しなくても、ネメシス通過の影響で地球の気象は大きく変化する。人類発祥の星である地球が、死の世界になることはまちがいない。だが、マルレイネをさらに驚くべき事件が待ちうけていた…。巨匠アイザック・アシモフが、新たなる構想のもとに、宇宙へと進出しはじめた人類の姿をいきいきと描きだす傑作長篇。
銀河帝国の首都惑星トランターへ、惑星ヘリコンから一人の男がやってきた。男の名はハリ・セルダン。トランターでの数学の学会に出席するためだった。セルダンはその研究発表のなかで、数学理論の応用により人類社会の未来を予知できる可能性を示した。無事に発表を終えたセルダンだったが、故郷への帰途につこうとする彼のもとに突然、帝国皇帝クレオン一世からの召喚の知らせが届いた。セルダンが心理歴史学と呼ぶこの理論の存在を知った皇帝は、これをうまく利用すれば、帝国に長く平和をもたらすことができると考えたのだ。だがもし帝国の転覆をはかる反対勢力に先に利用されれば、逆に帝国は崩壊の危機をむかえることになる。それを見越して皇帝は先手を打ち、セルダンを呼びよせたのだが…。伝説の天才数学者ハリ・セルダンを主人公に、心理歴史学の完成とファウンデーション創設にいたる人類の苦闘を鮮烈にえがく、ファン待望のシリーズ最新刊。
はるかな過去に起こった熱核戦争で地球を離れた人類は、銀河系にある極寒の惑星〈氷瀑〉に〈虚無〉と呼ばれる都市を建設し、三千年の長きにわたって平和を謳歌していた。だがいま、〈氷瀑〉に恐るべき事態が迫りつつあった。近隣宇宙空間で恒星が次々と超新星化していくという謎の現象が起こったのだ。人類が生きのびる方法は、ただひとつ。神々の末裔といわれる太古の種族イエルドラ人が残した、古エッダと呼ばれる秘密を解明することだった。古エッダには宇宙と生命のあらゆる謎の答が示されているという。〈虚無〉の社会的指導者である時間守護者の指令のもと、パイロットたちは過酷な調査行へおもむくが…。
時間守護者による古エッダ調査計画に.一人の新人パイロットが志願した。彼の名はロマリー・リンゲス。時間守護者の承認を得たリンゲスは.最初の目標.ソリッド・ステート・エンティティに向かう。イエルドラ人の秘密に到達するには.この位相空間に住む謎の巨大バイオ=コンピューターの知識が必要なのだ。空間に窓をあけ.幾何学的計算によって目的地への道筋を定める超空間航法を駆使してリンゲスはエンティティのいる空間に到達する。だが.そこでエンティティは.古エッダを解く鍵は人類最古のDNAにあるという.驚くべき真実を告げた。リンゲスは新たな探索行へと旅立つが…。
目覚めると、ベッドのなかには見知らぬ男の死体。おまけに、わたしは全裸。自分がどこに、いつの時代にいるのかさっぱりわからない。いったい、何が起こったのだろう…。わたしの名前はモーリン・ジョンソン・ロング。長命族の指導者ラザルス・ロングの母にして、その共同妻。植民星テラス・ターシャスに、時空間移動可能の航宙機〈ゲイ・デシーバー〉に乗ってやってきてからというもの自分の子孫にかこまれて優雅な生活を送っていた。なのに、昨夜からの記憶がまるでない。わたしは必死になって記憶をたどるのだが…。本書はラザルス・ロングの母モーリンを主人公に、〈未来史〉シリーズにふくまれるすべての作品が見事に結び合わされる、巨匠ハインライン、最後の作品である。
『いさましいちびのトースター』ですっかりおなじみ、ぴかぴかボデイのトースターと愛すべき仲間たちが今度はなんと火星に行きます。火星の電気器具国家の野望をくじくため、よりパワーアップした活躍を見せてくれるトースターにご声援を。宇宙に旅立ったトースターの大冒険心のあたたまるSFメルヘン第2弾。
アメリカ海軍の最新鋭ミサイルがテスト中にフロリダ沖で行方不明になったらしい。マイアミ・ヘラルド紙の女性記者キャロル・ドースンは特ダネをスクープするため、証拠を得るべくフロリダで行動を開始する。船をチャーターしたキャロルは見当をつけた場所に船のクルーとともに潜り海底を探すが、そこで見つけたものは沈没船の財宝の一部と思われる金色に輝く不思議な形をした物体だった。だが、彼女たちが持ち帰った物体は沈没船の財宝でもなければ、金でさえもなかった。はたして金色の物体の正体とは?そしてカモフラージュされた珊瑚礁に隠された秘密とは?巨匠クラークがNASAのエンジニアであるジェントリー・リーと組み、今までとは違う新たな境地を拓いた最新長篇。
アメリカの神経物理学者アルバート・モリスンは、退屈な学会にあくびをかみ殺していた。全精力を傾注した研究は異端視され、今や出世の望みもない。だが、そんな彼を、ナターリャ・ボラノーワというソビエトの美人科学者が訪れた。彼女はいきなり、こう切り出した-「いっしょにソ連に来てほしい」と。驚きはそれだけではなかった。アメリカでは夢物語と片づけられている“物体のミクロ化”が、ソ連では国家的プロジェクトとなり、しかも実用化されつつあるらしいのだ。興味をひかれながらもソ連行きをしぶるモリスンに、追いうちがかかる。アメリカ政府もソ連の極秘研究には関心をもち、この無限の価値がある技術をモリスンに入手させたがっていたのだ。かくして、誘拐同然にソ連国内へと連行されたモリスンは、そこで想像を遥かに超える物体ミクロ化技術の全貌を、まさしく、身をもって体験させられることになった。名作SF映画から22年、巨匠アシモフが最新の科学知識を縦横に駆使し、構想も新たに放つ驚異の人体アドベンチャー。
3カ月前、あの有能で世間知らずな学者ペロラットとともに、トレヴァイズはターミナスを発った。考古学者であるペロラットは遥かな昔に見失われた地球のありかをつきとめたいという情熱に駆られており、トレヴァレズは自分自身の真の目的-第二ファウンデーションの発見-を隠すためにかれを利用したのだ。二人は地球を発見することはできなかった。だがそのかわりに、ゲイアを見いだしたのである。やがて第一、第二両ファウンデーションとゲイアとの間で行なわれた壮絶な闘い…。『ファウンデーション』に始まる〈銀河帝国興亡史〉とロボット・シリーズとを融合させるべく、巨匠アシモフが壮大なスケールで描きあげた待望の最新長篇!
ゴルフは、ミステリー。いやしくもゴルファーたらんとすれば、様々な困難が待ちうけているもの。落雷、カートの暴走。ライバルの恨。奥方の小言。ましてや、シングル・ゴルファーへの道となれば…。魔のスポーツ、ゴルフに魅せられた男たちが繰り広げる、世界初のゴルフ・ミステリー傑作選。
2057年、人類はついに低温核融合の動力炉、ミューオン駆動による宇宙船の実用化に成功した。以前には不可能だった探査旅行も、この新開発のミューオン駆動宇宙船ならば実現できる。今こそ人類は新たなる冒険に旅立てるのだ。巨匠クラークが、読者の熱烈な要望に応え、代表作『2001年宇宙の旅』、世界的な大ベストセラー『2010年宇宙の旅』に続いて、奔放な想像力と正確な科学知識を駆使して描き上げた待望の最新長篇。