ジャンル : ノンフィクション > 文庫(ノンフィクション)
新人イケメン俳優につきまとう、血に濡れた女の霊。劇団の稽古場と、バイト先のお化け屋敷だけに現れるのは、いったいなぜ?頭脳明晰だけどツッコミどころ満載の変人所長・由良蒼一郎と、霊が見えちゃう高校生・秋都尊が、心霊関係のお悩みを解決します!楽しく読めてほろりと泣ける、読み切り短篇シリーズ第5弾。
米軍のオルモック逆上陸に壊滅状態に陥りながら、自活自戦を続ける日本軍。昭和十九年十二月二十六日、マッカーサー大将がレイテ戦終結を宣言するも、司令官山下奉文大将の訓示「生ノ難キニ耐エカチテ永久抗戦」が届く。大西巨人との対談「戦争・文学・人間」を巻末に収録。
満洲北部の孫呉に応召した安木加介。このダメな陸軍二等兵の眼を通して軍隊の生態をユーモラスに描きだした代表作「遁走」。「銃」「美しい瞳」「鶏と豪蔵」ほか短篇五編を含む著者初の戦争小説集。巻末に開高健との対談「戦争文学と暴力をめぐって」を併録する。解説・開高 健
宿泊客(妖怪専門)の「悩み相談係り」になってしまった一蕗。稲荷荘は掃除も行き届き、少しずつ元の活気が戻ってきたが、やはり毎日変なお客様は訪れる。個性が定まらないと嘆く「のっぺらぼう」。現代人の悪夢で食あたり気味の「獏」。そして、海水浴に行きたいとごねる「雪女」。一蕗が用意した、彼らへのおもてなしとはー?
ここは女たちの地上の楽園?! シングルだけど、“一人”じゃない。女たちの本音と夢があふれ出す、阿佐ヶ谷の古びた洋館・牧田家。家の平和を守る老人、「開かずの間」の秘密、ストーカー男の闖入など、今日も牧田家の暮らしは豊かでかしましい。
一般市民からの告訴・告発を受け付ける東京地検特捜部・直告係から、今日も立花検事に事件が回ってくる。小さな傷害や名誉毀損・詐欺・贈収賄・強制わいせつ事件として処理されるはずの案件が、なぜ殺人事件にまで変貌してしまうのか。立花検事の調書が今、紐解かれる! 直木賞作家が見つめた人生の黒い果実とは!? 昭和末期の名推理〈特捜検事〉シリーズから7編を再編集! 人生の真実に時代は関係ない。
東京・吉祥寺の外れにある、さくらい動物病院。若き院長の亜希のもとには、今日もいろいろな動物を連れた飼い主がやってくる。実は亜希には、動物の言葉がわかるという不思議な力が備わっていたーー動物にしか興味のない動物看護士・中村優生や、動物行動学を学ぶ院生・手塚とともに、亜希は今日も動物たちの悩みを解決する!?
奈良時代、二度の皇位についた偉大な女帝、孝謙称徳。彼女は生涯独身を貫き、民のため、国のため、平和な世のために、全力をつくした。大仏開眼供養、遣唐使の派遣。逆臣たちの内乱を抑え、僧道鏡を重用し、九州の民・隼人を侍童として置いたー女帝の突然の死と遺詔の行方、秘められた愛の謎を追い、一人の人間として、そして女性としての人生を求めた女帝の真の姿を描く、感動の歴史小説。
鉄塔マニアの地味な伊達は中学校最後の夏休みを、一人でダラダラ過ごしていた。しかし登校日の学校で、破天荒な同級生、帆月から「鉄塔の上に男の子が座っている」と声をかけられる。次の日から、幽霊が見えると噂される比奈山も巻き込み、鉄塔の上に座るという男の子の謎を解き明かそうとするのだがー。少年たちが殻を破り、自らの一歩を踏み出そうとした夏休みを、この上なく鮮やかに、そして爽やかに描ききった、青春小説の名作。書き下ろし短編、『まだ幽かな冬』も収録。
昭和十九年十一月、レイテ島最大の激戦地となるリモン峠での死闘が始まった。現地の苦戦に武藤方面軍参謀長は打切りを意見具申するが、八日の総理大臣小磯国昭の天王山発言により、レイテ戦続行は大本営方針となる。巻末にインタビュー「『レイテ戦記』を語る」(聞き手・古屋健三)を収録。(全四巻)
ゴールデンウィーク明けの朝、出勤した警視庁捜査一課・碓氷警部補の元に、都内で起こった二件の自殺と二件の殺人の報が入る。一見関連性がないように見える各事件だが、発生時刻はすべて同じ日の午後十一時だという。さらにその後、同日同時刻に別で三件の事件が起きていたことが判明。第五係と、再度捜査協力に訪れた心理調査官・藤森は、意外な共通点に気づくが。
暗渠化工事で川辺の棲みかを追われたネズミのタータ親子。夏の終わり、安住の地を求めて上流を目指す旅が始まる。彼らを待ち受ける幾多の試練や思いがけない出会い、はぐくまれる友情……。子どもから大人まで、あらゆる世代をとりこにした物語が、待望の文庫化!小さきものをこよなく愛する著者が、足元で脈動する世界の秘密を描き出した人気シリーズ第一弾。チッチが跳ね、タータが走り、タミーが飛び出す!島津和子氏による挿画も多数収録。
しまなみ海道沿いの中学に通う巧海、千佳、啓太の三人に、ある日、四台のロードバイクが届けられた。なんと世界的ロードレーサーからのプレゼントだという。これを機に「ツール・ド・しまなみ」に出場することを決意した三人は、地域おこしに来ていた女性の桜井にコーチを依頼。だが、しだいに桜井のつらい過去が明らかになりー。
浅見家の「坊っちゃん」光彦は、夏目漱石、正岡子規らの足跡を辿る取材のため松山へ向かう。途中、訪れた場所で何度もすれ違った美女から変質者扱いをされ、警察に目を付けられてしまう。後日、その女性が絞殺体で発見され、容疑者としてマークされる光彦。新たに発生した事件への関与も疑われた光彦は、事件を解決するため推理を働かせるがー。
大学生の樋口亜美は、ひょんなことから家事代行会社でアルバイトをすることに。初仕事は犬の散歩。当日、遅刻をしてしまう亜美だが、誠実な人柄から依頼主の信頼を勝ち取り事なきを得る。しかし後日、亜美が散歩させた犬が近所の子供に噛み付いたと苦情が寄せられー。派遣先で起こるトラブルに、亜美の鋭い勘が冴えわたる!心の掃除はおまかせあれー三つのハートウォーミングミステリー。
婚約者の中原が飛び降り自殺した。傷心の井岡あや子は、中原が死の直前に乗車した「のと恋路号」に乗り、恋路駅のノートに中原が書いた文章を見つける。が、数時間後にその頁は何者かに破り取られてしまう。さらにあや子を尾行していた刑事が消息を絶ち、中原が泊まった旅館の従業員が絞殺される。そして十津川の捜査には上からの圧力が…。
長く読み継がれている『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』に連なる物語が、ついに開幕! 舞台は、小さな映画館〈月舟シネマ〉。語りだすのは、ほら、いつもロビーにいる、彼。BGMは、優しい雨だれの音……。ゆるやかに呼応する〈月舟町〉三部作の完結編。