ジャンル : ノンフィクション > 文庫(ノンフィクション)
ある日、美術館に出かけた曇天先生。ダ・ヴィンチの『受胎告知』の前に立つや画面右隅の暗がりへ引き込まれ、以来、絵の中に入り込んで冒険を繰り返す。絵の奥では「見えなかった背中」も「曖昧だった背景」も明らかに…。はたしてこれは夢か現か。文庫あとがきとして著者の“打ち明け話”付き!
徹底した史料博捜と批判精神、史実にのみ忠実であろうとする厳しい姿勢…。『レイテ戦記』の作者が切り拓いた歴史小説の新境地。「吉村虎太郎」「姉小路暗殺」ほか長篇『天誅組』へと連なる佳篇、「高杉晋作」「竜馬殺し」など幕末維新期を舞台にした作品群、さらに「将門記」「渡辺崋山」まで網羅した短篇集。
『笑顔は、私たちの力になるの!』昔、魔法少女・ドリーミィ・スターに命を救われた加奈。憧れの彼女が無期限休業して絶望するも、ドリーミィ・スター主催「新人発掘オーディション」のニュースを見て狂喜乱舞!見事合格した加奈だったが、「鳥海星司…魔法少女、ドリーミィ・スターだ」-目の前にはなぜか男性が!?彼女(彼)の元で、加奈の修業はどうなるのか…!?
商家に押し込み、金品を奪った上に皆殺しー上方を荒らし回った凶賊・蓑虫の鬼三次一味が捕縛された。しかし、その残党が江戸に集結しつつあるという。北町奉行の兄・忠之から合力を請われた忠吾郎は、「相州屋」の面々と一味の炙り出しに乗り出すが、その矢先に悲惨な押し込みが…。怒れる忠吾郎は、凶賊たちに裁きの鉄槌を下すべく、一か八かの罠を仕掛ける!
南町奉行所の定町廻り同心を辞め、いまは船頭として生計を立てる沢村伝次郎が、同心時代に小者として使っていた音松が殺しの疑いで捕えられた。冤罪を訴える音松の疑いを晴らすべく、疫病神と言われていた浪人の殺しを調べ始めたが、真の下手人を追い詰めたとき、伝次郎の身にも危機が迫る。シリーズ史上屈指の剣戟と人情話が詰まった待望のシリーズ第十六弾。
父の死因とは一体何だったのか?食い違う医師・看護師の証言。真相を求め、息子はさまよう(「病院の中」)。多額の募金を得て渡米、心臓移植を受けた怠け者の男と支援者たちが巻き起こす悲喜劇(「他生門」)。芸術を深く愛するクリニック院長と偏屈なアーティストが出会ったとき(「極楽変」)。芥川龍之介の名短篇に触発された、前代未聞の医療エンタテインメント。黒いユーモアに河童も嗤う全七篇。
おまえを主人公にしてやろうか! これこそ、万城目学がずっと描きたかった物語ーー。勇猛な悟空や向こう見ずの八戒の陰に隠れ、力なき傍観者となり果てた身を恥じる悟浄。ともに妖魔に捕えられた日、悟浄は「何も行動せず、何も発言せず」の自分を打ち破るかのように、長らく抱いてきた疑問を八戒に投げかけた……。中国古典の世界を縦横無尽に跳び、人生で最も強烈な“一瞬”を照らす五編。
化学サークルによる「甘い物質」合成対決。サ行の発音がおかしくなった同級生の秘密。四宮大生を狙う奇妙な仮面の男の正体。協力して事件の解決に当たる沖野と舞衣は、ひょんなことから理学部の冷蔵室に閉じ込められてしまった。暗闇&低温の極限状態から脱出する術はあるのか!?
「神」の手により、次々と姿を消していく警官たち。その絶望に抗うように、機動分析課の上郷巡査部長は、執念深く「神」への手がかりを探る。警察に潜む裏切り者、「神」が起こした奇蹟の正体ー。全ての謎を解き明かしたとき、刑事たちの反撃が始まる!書き下ろしシリーズ第四弾。
新型非合法ドラッグ「ティアドロップ」を巡り、ヤクザ、半グレ集団、さらには上野に巣食う中国マフィアまでもが血みどろになって奪い合いを始めた!警視庁の期待を一身に背負った東堂絆は、謎の探偵・片桐亮介と立ち向かう。だが、その背後では絆の交際相手である星野尚美に凶悪な魔の手が伸びようとしていたー。
一八七五年、アメリカ合衆国アリゾナ。人の命が、銃弾一発より軽い世界。幼い頃に両親が虐殺され、義父に虐待されながらも生きてきた少女。射撃の名手にして賞金稼ぎを生業とする男。記憶を失い、ハコダテから流れ着いたサムライ。偶然出会った三人が賞金稼ぎのチームを組み、凶悪な“お尋ね者”を追う旅に出るはめに…。
一八七六年、アリゾナのとある町。複雑で壮絶な過去を持つ十七歳の少女、記憶喪失のサムライとチームを組んだ、凄腕の賞金稼ぎトム・B・ストーンの元に「仕事」が舞い込んだ。莫大な報酬と引きかえに、十年前、コマンチ族にさらわれた少女を連れ帰ってほしいというのだが…。広大なアメリカを縦断する決死の追跡が始まった。
手習子のお美代が消えた。楽しみにしていた秋祭りを前に自ら姿を隠すはずはないと考えた重兵衛が捜し始めると…(「梵鐘」)。人捜しを生業とする紋兵衛、北町奉行所の同心・河上惣三郎、元目付で腕利きの浪人・鳴瀬左馬助、そして主人公である手習師匠の重兵衛ーそれぞれの視点で趣向を凝らした四篇の連作が織りなす、人気シリーズ第二弾。
アニメ化を前に原作公式ノベライズが登場! 突如現れた暗黒の魔物たち「黒の軍勢」により、世界は滅亡へと歩み始めた。だが、その運命に抗うべく、 ひとりの名もなき戦士が義勇軍を結成して立ち上る!
明治二十年代中頃、東京の外れに佇む三階建ての灯台のような異様な本屋「書楼弔堂」。無数の書物が揃うその店で、時代の移り変りの中で迷える人々と彼らが探し求める本を店の主人が引き合わせていく。
網膜剥離でボクサーを引退した椎名啓輔。八百長試合で治療費を稼いでまで救おうとした妹にも先立たれ、元東洋チャンピオンは裏仕事で食いつなぐ「便利屋探偵」になった。恩人の頼みで、銀行支店長が持ち逃げした四億七千万円の行方を追う椎名。しかし関係者は次々に殺されていく。黒幕はいったい誰なのか。孤独な闘いの果てに、驚愕の真相が明らかになる!
私たちは、いろいろなところで本を開く。電車で、ベッドで、公園のベンチで、縁側で、喫茶店で、お風呂で…。なぜそこで本を読んでいるのか、何を読んでいるのか、何を感じているのか。そこには、ひとつひとつ異なる物語がある。そしてもちろん、開いた本の中にもまた別の物語があるだろう。フジモトマサルが描いた読書の風景から吉田篤弘が紡いだ物語が24。星空を眺めるごとく味わえる物語集。
若だんなの許嫁が、ついに決まる!? 幼なじみの栄吉の恋に、長崎屋の危機……騒動を経て次第に将来を意識しはじめる若だんな。そんな中、仁吉と佐助は、若だんなの嫁取りを心配した祖母のおぎん様から重大な決断を迫られる。千年以上生きる妖に比べ、人の寿命は短い。ずっと一緒にいるために皆が出した結論は。謎解きもたっぷり、一太郎と妖たちの新たな未来が開けるシリーズ第13弾。
小間物屋の幸三は、客に二十両騙し取られた。幼馴染みの文太郎に借金を頼みにいったが断られる。その帰り、拾った茶碗を質入れするが……。質屋主人の人情名裁き! 書き下ろし。(解説/小梛治宣)