ジャンル : ノンフィクション
二十年前に発生した殺人事件の真犯人と名乗る男が現れた。だが、当時捕まった男は十五年の刑期を終えて出所している。調査を進める弁護士の元には、冤罪の証拠が続々積み上がる(「殺意のまつり」)。どんでん返しの連続に巧緻なトリック。「女王」の片鱗をすでに発揮した初期傑作が一堂に!
3週間後に、藍沢はレジデントとしてトロント医大に派遣され、緋山は周産期医療センターへー。藍沢、白石、緋山、冴島、藤川は、これが「別れ」を意味することに気づきながらも、多忙な日々を送っていた。そんなある日、旅客機が乱気流に巻き込まれ多くの乗客が負傷する大事故が発生し…。次々と襲ってくる困難に向き合いながら、彼らは命の尊さ、仲間や家族の存在について、改めて考えさせられる。そこで導き出された答えは…。シリーズ最大のスペクタクルで送る感動巨編!
新人イケメン俳優につきまとう、血に濡れた女の霊。劇団の稽古場と、バイト先のお化け屋敷だけに現れるのは、いったいなぜ?頭脳明晰だけどツッコミどころ満載の変人所長・由良蒼一郎と、霊が見えちゃう高校生・秋都尊が、心霊関係のお悩みを解決します!楽しく読めてほろりと泣ける、読み切り短篇シリーズ第5弾。
米軍のオルモック逆上陸に壊滅状態に陥りながら、自活自戦を続ける日本軍。昭和十九年十二月二十六日、マッカーサー大将がレイテ戦終結を宣言するも、司令官山下奉文大将の訓示「生ノ難キニ耐エカチテ永久抗戦」が届く。大西巨人との対談「戦争・文学・人間」を巻末に収録。
満洲北部の孫呉に応召した安木加介。このダメな陸軍二等兵の眼を通して軍隊の生態をユーモラスに描きだした代表作「遁走」。「銃」「美しい瞳」「鶏と豪蔵」ほか短篇五編を含む著者初の戦争小説集。巻末に開高健との対談「戦争文学と暴力をめぐって」を併録する。解説・開高 健
猫のブルー、ネズミのグレン、フクロウのルチア…今日もどこかで彼らが、にぎやかなドラマを繰り広げている!『川の光』の仲間たちが大活躍する、彩り豊かな短篇集。主人公が変われば作風も変わる、楽しい仕掛けに満ちた七篇が、あなたを「犬の木のした」の動物集会へと誘う。
宿泊客(妖怪専門)の「悩み相談係り」になってしまった一蕗。稲荷荘は掃除も行き届き、少しずつ元の活気が戻ってきたが、やはり毎日変なお客様は訪れる。個性が定まらないと嘆く「のっぺらぼう」。現代人の悪夢で食あたり気味の「獏」。そして、海水浴に行きたいとごねる「雪女」。一蕗が用意した、彼らへのおもてなしとはー?
ここは女たちの地上の楽園?! シングルだけど、“一人”じゃない。女たちの本音と夢があふれ出す、阿佐ヶ谷の古びた洋館・牧田家。家の平和を守る老人、「開かずの間」の秘密、ストーカー男の闖入など、今日も牧田家の暮らしは豊かでかしましい。
市民からの告訴や告発を受け付ける東京地検特捜部の直告係から、今日も立花検事に事件が回ってくる。小さな傷害や名誉毀損・詐欺・贈収賄・強制わいせつ事件等として処理されるはずの案件が、なぜ殺人事件に変貌してしまうのか。立花検事の調書が今、紐解かれる!直木賞作家が見つめた人生の黒い果実とは!?昭和末期の名推理が蘇る。
昭和十九年五月、津軽風土記の執筆依頼を受けた太宰は、三週間かけて津軽地方を一周した。生家と義絶して以来、帰るのを憚っていた故郷ー。懐かしい風土と素朴な人柄に触れ、自らにも流れる津軽人気質を発見する旅は、「忘れ得ぬ人たち」との交歓の日々でもあった。やがて、旅の最後に、子守・たけと三十年ぶりに再会を果たし…。自己を見つめ直し、宿命の地・津軽への思いを素直に綴った名紀行文。
東京・吉祥寺の外れにある『さくらい動物病院』。若き女性院長・亜希のもとには、猫やふくろう、かわうそなど、今日もいろいろな動物を連れた飼い主がやってくる。人間が苦手な亜希だが、なぜか動物だけはやたらと懐いてくる。実は、亜希には誰にも言えない不思議な力が備わっていたー動物にしか興味のない変わり者の動物看護士・中村や、動物行動学を学ぶ大学院生・手塚とともに、亜希は今日も、たくさんの動物たちと触れ合う。
奈良時代、二度の皇位についた偉大な女帝、孝謙称徳。彼女は生涯独身を貫き、民のため、国のため、平和な世のために、全力をつくした。大仏開眼供養、遣唐使の派遣。逆臣たちの内乱を抑え、僧道鏡を重用し、九州の民・隼人を侍童として置いたー女帝の突然の死と遺詔の行方、秘められた愛の謎を追い、一人の人間として、そして女性としての人生を求めた女帝の真の姿を描く、感動の歴史小説。
昭和十九年十一月、レイテ島最大の激戦地となるリモン峠での死闘が始まった。現地の苦戦に武藤方面軍参謀長は打切りを意見具申するが、八日の総理大臣小磯国昭の天王山発言により、レイテ戦続行は大本営方針となる。巻末にインタビュー「『レイテ戦記』を語る」(聞き手・古屋健三)を収録。(全四巻)
ゴールデンウィーク明けの朝、出勤した警視庁捜査一課・碓氷警部補の元に、都内で起こった二件の自殺と二件の殺人の報が入る。一見関連性がないように見える各事件だが、発生時刻はすべて同じ日の午後十一時だという。さらにその後、同日同時刻に別で三件の事件が起きていたことが判明。第五係と、再度捜査協力に訪れた心理調査官・藤森は、意外な共通点に気づくが。
「ねえ、お兄ちゃん、川は眠らないのかな」「川は眠らないよ。いつもいつも流れつづけているんだ」-せせらぎに守られた川辺の暮らしは、突然の工事で終わりを告げる。新天地を求め旅に出たネズミ一家は、やがて大冒険をすることにーチッチが跳ね、タータが走り、タミーが飛び出す!島津和子氏によるイラスト多数収録。
しまなみ海道沿いの中学に通う巧海、千佳、啓太の三人に、ある日、四台のロードバイクが届けられた。なんと世界的ロードレーサーからのプレゼントだという。これを機に「ツール・ド・しまなみ」に出場することを決意した三人は、地域おこしに来ていた女性の桜井にコーチを依頼。だが、しだいに桜井のつらい過去が明らかになりー。
浅見家の「坊っちゃん」光彦は、夏目漱石、正岡子規らの足跡を辿る取材のため松山へ向かう。途中、訪れた場所で何度もすれ違った美女から変質者扱いをされ、警察に目を付けられてしまう。後日、その女性が絞殺体で発見され、容疑者としてマークされる光彦。新たに発生した事件への関与も疑われた光彦は、事件を解決するため推理を働かせるがー。
大学生の樋口亜美は、ひょんなことから家事代行会社でアルバイトをすることに。初仕事は犬の散歩。当日、遅刻をしてしまう亜美だが、誠実な人柄から依頼主の信頼を勝ち取り事なきを得る。しかし後日、亜美が散歩させた犬が近所の子供に噛み付いたと苦情が寄せられー。派遣先で起こるトラブルに、亜美の鋭い勘が冴えわたる!心の掃除はおまかせあれー三つのハートウォーミングミステリー。
婚約者の中原が飛び降り自殺した。傷心の井岡あや子は、中原が死の直前に乗車した「のと恋路号」に乗り、恋路駅のノートに中原が書いた文章を見つける。が、数時間後にその頁は何者かに破り取られてしまう。さらにあや子を尾行していた刑事が消息を絶ち、中原が泊まった旅館の従業員が絞殺される。そして十津川の捜査には上からの圧力が…。