ジャンル : ノンフィクション
京大生になったばかりの“僕”は、町に馴染めず友人もできずにいた。そんなある日、古びた映画館で清家忠昭に出会い、彼のつてで映画撮影所のアルバイトを始める。そこで清家は美しい女性に心奪われる。だが彼女は三十年も前に自殺した大部屋女優だったー。清冽な叙情とたおやかな文章で綴る、幻想的恋愛小説。
新鋭作家、待居涼司の出世作『凍て鶴』の映画化が決まった。監督・脚本に選ばれた奇才・小野川充は、かつて世間を騒がせた自殺系サイトとその主宰者・木ノ瀬蓮美の“伝説の死”に異常なこだわりを見せ、執拗に映画と絡めようとする。一方、小野川に依頼されて蓮美の死の謎に迫り始めたライターの今泉知里は、事件の裏に待居と似た男の存在があると気づきー。予測不能の恐怖が待ち受ける、雫井サスペンスの真骨頂!
ジウ・イーリンに請われ、美術展での鑑定のために円生、小松とともに上海を訪れた清貴。優雅な上海滞在のはずが、突然、菊川史郎からニューヨークにいる葵の隠し撮り写真が送られてきた。史郎は葵の身の安全を条件に、清貴にある絵を盗み出すように言う。清貴は葵のため、そして家頭誠司の汚名を晴らすために立ち上がるー上海とニューヨークをまたにかけた2ヶ月連続刊行、第一弾!
「……あなたは、たいした秘密をお持ちのようだ」人の心の内がわかるかのように偽りを見抜き、『心見{こころみ}の妃』と呼ばれていた後宮の妃嬪、范才人{ルビ:はんさいじん}の亡骸が、後宮で見つかった。第一発見者となった相国{そうこく}の女官吏の陶蓮珠{とうれんじゅ}は、国の平和と彼女自身が胸に隠し続けてきた“秘密”を守るため、彼女の死の真相を探ろうとする。後宮で目撃される范才人の幽霊は、いったい何を語るのかーー。バリキャリ女官と皇帝の弟が、W身代わりの契約結婚!! 大反響の中華ファンタジー待望の第3弾!!
雑貨店を営む鶴田倫太郎、53歳の出会い旅、ふたたび!仕入れで沖縄を訪れた倫太郎。23歳の看護師の相談に親身に乗るや、瞬く間にチン身も乗っかっちゃって!その後、ワケありの地元美人女教師の身の下相談にもバッチリ応えました!お次は北の温泉地に向かい、こけしオナニーの美人女将と情を交わし、本州果ての龍飛岬での出会いから、OL相手に自分が果てる展開に!出会い頭にチン入れと相成る倫太郎の“献身SEX”旅路、書き下ろし長編エロス!!
浅草鳥越明神の参道にある古い茶店に、ある晩、何者かが忍び込み、床下に大きな穴を掘っていった。何も盗まず、ただ穴を掘っただけで茶店を後にした者の目的とは一体何なのか!?報せを受けた北町奉行所臨時廻り同心の白縫半兵衛は、この奇妙な事件の探索に乗り出す。「世の中には知らん顔をした方が良いこともあるさ」と嘯く半兵衛の人情裁きを描く、書き下ろし人気シリーズ第九弾。
反物さえ買えば絶品弁当にありつけると聞き越後屋へ馳せ参じた浅間三左衛門は、元同心の八尾半兵衛と鉢合わせする。食いっぱぐれた三左衛門にさんざん自慢する半兵衛だったが、店で大奥女中と下男の姿を認めるや表情が一変。かつて越後屋を狙った凶賊雨燕が再び蠢き出したのを看破し、危険を顧みず探索に動き始める。一方、越後屋にも言うに言われぬ秘密があったー。日ノ本一の人情小太刀が江戸の悪を迎え撃つ!!話題の新装版、第三弾。
「いろは屋」常連の順次が妹のおけいを連れて店に現れた。「みんな…殺された」。怯えるおけいの口から飛び出した言葉に、主の八雲兼四郎は耳を疑う。聞けば、夫と暮らす江戸郊外の長崎村を血に飢えた浪人集団が襲い、女子供まで容赦なく殺めて居座っているという。町方の手の届かぬ悪を討つ影役目“浪人奉行”を秘かに務める兼四郎は、長崎村の悪鬼を成敗すべく乗り込むも、空前絶後の凶敵を前に窮地に陥る。人気シリーズ、圧巻の第八弾。
遥か難波宮の時代より、大坂の町を守ってきた闇の一族“在天別流”。その長の妹にして男装の美剣士、東儀左近は南河内を目指していた。庄屋の家で見つかった名刀「小竜景光」が四天王寺に預けられることになり、その護衛を依頼されたのだ。だが、庄屋は孫娘とともに惨殺され、刀は無くなっていた。名刀を奪うためなら殺しもいとわぬ非道の賊“猿一味”を左近は追う。すると、伊達家から消失した名物「鶴丸国永」の行方も知れ…。圧巻のラスト、シリーズ史上最高の快刀乱麻がここに!
新時代、明治を迎えた函館。かつて洋船造りの名匠であった続豊治は、いまや一介の仏壇師としてひっそり暮らしていた。そんな豊治のもとを、若き船大工が訪れる。船談義を交わすうちに、豊治の胸が再び奮い立つ/「鳳凰の船」。函館港湾改良工事監督の廣井勇は、弁天台場の解体工事を躊躇していた。旧幕時代の英知を結集して造られた建造物の破壊に、痛みにも似た悲哀を感じとるのだった/「彷徨える砦」。北海道の地で、時代の狭間に生きる人々の機微を見事に掬いとった五編。第7回歴史時代作家クラブ賞受賞作。
十五にして両親を失った結は、長屋で首を括ろうとしたところを元芸者の女髪結い・お夕に救われた。ほかに生きる道のない結は、自分の不器用さを恨みながら、お夕のもとで修業に励む。だが、贅沢を戒めるお上は、女髪結いの取り締まりを厳しくするばかり。はたして師弟は江戸の女の幸せを守りぬけるのか!? 気鋭が描く傑作時代小説!
織田信長が本能寺で横死してから十数年後、太閤秀吉が死に、天下はにわかに乱れはじめていた。そんな時世、「本能寺の変で亡くなる間際、信長公は“ぜひに及ばず”と呟いて笑みを浮かべた」という噂が巷に広がりだす。その裏には、本能寺の変に隠された恐ろしい陰謀と太閤亡きあと、天下をうかがう戦国武将たちの策謀が渦巻いていた。歴史小説界の新鋭が放つ衝撃のデビュー作、待望の文庫化。
神田で判評の旨い飯屋「まないた」。お運びをして手伝っている二十歳のおはるはまだまだ半人前だが、店を継ぐ決意は固まった。父・千吉にその覚悟を認めてもらい、少しずつ料理を教えてもらってーしかし、千吉が体を悪くし、独り立ちへの求めはずっと早くに迫ってきた。まず鍋なら店に出せるものも作れるだろうという千吉について、おはるが頑張った結果…。明るいおはるが福を呼ぶ、人気シリーズ第3弾!
『呪怨』の清水崇監督が映画化! あなたは日本最恐の心霊スポット“犬鳴村”を知っていますか? 「この村の名は検索しないほうがいいよ」 「“午前二時に鳴る公衆電話”」 「トンネルを抜けた先に村があって、そこで××を見た……」 「もう会えない」 「わんこがねぇやにふたしちゃろ〜♪」 午前二時、YouTuberがトンネルに入ったことから始まった不可解な事件。 全ての謎は[犬鳴トンネル]にあり。 常に恐怖体験で名が上がるほどの最凶スポットでもある「犬鳴村」。 福岡県の「旧犬鳴トンネル」の先に位置するとされ、 「近くの小屋には骸が山積みにされている」 「全ての携帯電話が圏外になる」など、 日本地図から存在が抹消された村である。 単なる都市伝説なのか、すべて真実なのか…!? 決して触れてはいけない“犬鳴村”が、ホラー映画の第一人者・清水崇によって禁断の映画化! 身も凍る恐怖と戦慄、古より続く血の祝祭からあなたは逃げられない。 本書は、監督の清水崇・脚本家の保坂大輔と共に、恐怖実話の第一人者で九州在住の久田樹生によって書かれた、もう一つの『犬鳴村』である。 ★巻末には、清水崇[監督・脚本]×保坂大輔[脚本]×紀伊宗之[プロデューサー]による特別鼎談も収録 映画『犬鳴村』2020年2月7日(金)公開 主演:三吉彩花 監督:清水 崇 脚本:保坂大輔 清水 崇 音楽:海田庄吾 滝澤俊輔 主題歌:Ms.OOJA「HIKARI」(UNIVERSAL SIGMA) 制作プロダクション:ブースタープロジェクト 配給:東映 (C)2020 「犬鳴村」製作委員会 〈あらすじ〉 日本には、行ってはならない場所があるーー 臨床心理士の森田奏の周りで突如、奇妙な出来事が起こり始める。 「わんこごねぇやに ふたしちゃろ〜♪」 奇妙のわらべ歌を口ずさみ、おかしくなった女性、行方不明になった兄弟、そして繰り返される変死……。 それらの共通点は心霊スポット【犬鳴トンネル】だった。 「トンネルを抜けた先に村があって、そこで××を見た……」 突然死した女性が死の直前に残したこの言葉は、一体どんな意味なのか? 全ての謎を突き止めるために、奏は犬鳴トンネルに向かう。 しかしその先には、決っして踏み込んではいけない、驚愕の真相があった……! ◆犬鳴村とは? 九州に実在する最恐の心霊スポット・犬鳴トンネル。 その近くには日本政府の統治が及ばない集落“犬鳴村”があり、そこに立ち入った者は決して戻れない、という都市伝説がある。 村の入口には「この先、日本国憲法は通用せず」と書かれた看板が立てられており、犬鳴トンネル、及び周辺では、過去に事件が起きているという。またネット掲示板やSNSには村周辺を訪れた人たちの恐怖体験が今も数多く寄せられている。 犬鳴村は、犬鳴トンネルの先にあると言われているが、現在はダムが建設され、日本地図にその痕跡は残っていない。 これは単なる都市伝説なのか、現実なのか?"
躍進著しいIT企業インアクティヴによる、東洋新聞買収宣告。マスコミの寵児となった会長の轟木は、世論を味方に、役員を切り崩しにかかる。“ウェブファースト”を掲げ、新聞の価値を根底から揺さぶる彼らが、本当に買おうとしているものは何か?社会部デスク安芸と部下たちの、記者魂を懸けた死闘が始まる。
幽霊を見る、聞く、嗅ぐことができる忠次らは、忍び込んだ空き家で父子の幽霊に会う。そこには昔、借金を苦に夜逃げした一家三人が住んでいたというが、ならば母の幽霊は一体どこへ?そして不思議な少女に調子よくついていった仲間の留吉は、川に引きずり込まれてしまいー。少年たちの滑稽さが小気味いい人情怪談。
二度あることは三度ある!?閉店の危機を二度切り抜けた堀内百貨店、三度目のピンチは催事場の業績悪化。さらに、仕事の適性に悩む社員や、神輿の指導が厳しすぎるがんこ親爺のことまで相談され、事業部長・高橋伝治の悩みは深まるばかり。そんな中、「蕎麦と酒」に着目した新企画にひとすじの光明がー?
あの嫌われ者は、何のために闘い続けたのか。覇王信長の死後、天下人を目指す秀吉のもと、綺羅星のごとく登場し活躍する武将を差し置いて、最も栄達した男・石田三成。秀吉の備中高松城攻めに従軍した若き日から、関ヶ原の戦い後まで、己の信念を最期まで貫いて、大義に捧げた生涯を丹念、かつ大胆に描く。
突然の事故で妻が死んだ。わずかな繋がりを求め、妻の携帯電話のロックを解こうと「0000」から打ち込む俊英。ついに解いて目にしたのは、事故当日に妻と“8”という男が交わしたメールだった。彼女の足跡を辿るうち、怒りや哀しみとは別の感情が頭をもたげー。残された夫は再起できるのか。感動が胸を満たす物語。