ジャンル : ノンフィクション
「一体今日は、いつなんだろう?もうすぐ九十八だ。多分」ゆとり世代(もう五十だけど)の編集者に「戦後百一年」なんて原稿頼まれたり、ボランティアのバーさんが紅白饅頭持ってきたり。東京大震災を生き延びた独居老人の「私」が、老境の神髄を愉快にボヤく、人生賛歌の物語。ああ、年を取るのはめんどくさい!
昭和四十年、心臓発作で入院した日に私はゴーストと出会った。彼女はベッドに横たわる私に「吐息の交換」を迫り、「最高塔」に登りつめることを強いてきた。目覚めると、私は満洲の避難列車の中にいた。まるでタイムトラベルのように、少年時代の追体験が始まり…。なかにし礼、人生と音楽の集大成小説!
関ヶ原の合戦後、西軍で唯一領土を減らされなかった所以とされる「島津の退き口」。織田信長最大の窮地を身を挺して救った木下藤吉郎秀吉の「金ヶ崎の退き口」。ほかに柴田勝政、馬場信春、石田三成らが負け戦を「始末」して、あるいは出世の糸口をつかみ、あるいは華々しく散った「殿軍戦」を描いた戦国小説集!
冤罪体質の隠館厄介は、ビルの屋上から転落した女子中学生に 直撃され生死の境をさまようも、またも犯人扱い。 事件現場には、ある漫画が自殺の理由だと記す遺書が。 漫画雑誌編集長の紺藤の依頼で、最速の探偵・掟上今日子が、 遺書の「違和感」の正体に迫る。 厄介登場で恋の行方も気になる「忘却探偵シリーズ」第4巻!
老人の焼死体がO医科大学法医学教室に運び込まれた。伊月とミチルが解剖したところ、火事の前に死亡していたことが明らかになり、一転して事件の様相を帯びる。一方、同じ市内で、野犬やウサギなどが連続して惨殺される。遺体からこぼれ落ちたピンバッジは何を語る?胸に迫る超リアルメディカルミステリ!
表向きは洋食店、裏では藩主須賀原家の間諜として暗中飛躍する秋月と山蔭に拾われ「しのびパーラー」で働く兎目。彼らの正体を知った兎目は二人の仕事を手伝いたいと願い、渋る山蔭を説き伏せる形で「草」の一員となる。そんなある日、雇い主の周良が持ち込んできた仕事は勲功華族岩間子爵の長男・寿元の素行調査。寿元の屋敷に迎えられた行儀見習いの少女たちが、次々と行方不明になっているというのだがー。
二回目の人生は、絶対に幸せになってみせる。 陛下との結婚が不幸の始まり!? 皇帝陛下は未練たらたらだよ、シシィ 暗殺者の凶刃に倒れ六十年の生涯を閉じたオーストリア皇妃エリザベート。 ところが、一回目の人生の記憶そのままに、六歳の少女時代へ逆戻り!? 二度と不幸な人生は歩みたくないと、運命の分岐点だったフランツ・ヨーゼフとの出会いを回避し、見初められることのないようガリ勉少女に変貌を遂げるのだが…。 転生エリザベートと堅物皇帝フランツ・ヨーゼフの二度目の出会いと恋を描く、甘く瑞々しい歴史ファンタジー。 序章 人生の終わりと始まり …… 5 第一章 生まれ変わったエリザベート …… 17 第二章 フィランツィとは絶対に結婚したくないエリザベート …… 92 第三章 陛下と再会するエリザベート …… 127 第四章 ついに決意するエリザベート …… 198
見習い魔女はじめました!? 無自覚タラシ ( 兄 ) & ドS ( 弟 ) な双子がふるまう優しく包み込む一皿と一杯 異国情緒あふれる街、神戸市北野。異人館街の一角に店を構える『ステラ・アルカ』は、悩みを抱える人以外お断りの、ちょっと不思議な紅茶店。 とある事情により店を訪れた千優を出迎えたのは、美麗だが謎めいた双子・響と奏。 無表情な兄と常に笑顔の弟が織りなす、心身ともにボロボロな千優だけのための、温かく滋味あふれる料理と紅茶ーー すっかり魅了され客として通うも、思いがけず店で働かないかと打診された千優は…
敬愛する元岡っ引きの万七が不審死を遂げ、養女のお市は遺されたよろず屋を継いだ。使い事や用心棒に人捜し、舞い込む頼みをこなすなか、かつて万七の取り逃した盗賊・漁火の小四郎が江戸に戻っていることを知る。探索に乗り出したお市は、小四郎が犯した押し込みの陰で、じつの父と母が巻き込まれていた事実に辿り着く。何者かに両親を殺された、あのつらい過去にあらためて向き合うお市の運命は?人情事件帖第2作。
小普請組に属す小身武家の葛木家には、男の六ツ子がいる。みな莫迦である。妄想癖の逸朗、傾奇者の雉朗、剣を振り回す左武朗、死狂いを目指す不穏な刺朗、金儲けが大好きな呉朗、遊び人になりたい碌朗。悩んだ父親は宣言する。莫迦どもの中で一番ましな者に家督をゆずる。それ以外の五人は座敷牢に閉じ込める!慌てた六ツ子は我こそ跡継ぎにと主張し、突飛な行動に…呆れて笑いがとまらない、ろくでなし大騒動小説。
歴史・時代小説ベスト10(週刊朝日/2017年)第1位 歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞 本屋が選ぶ時代小説大賞2位 白村江の戦いの“真の勝者”とはーー 東アジアを舞台にした歴史大河小説がついに文庫化! 六六〇年、唐・新羅連合軍によって百済は滅亡、王とその一族は長安に送られた。 遺された王族は倭国へ亡命していた豊璋ただ一人ーー。 新羅の金春秋、高句麗の泉蓋蘇文、倭の蘇我入鹿、葛城皇子(のちの天智天皇)……各国の思惑は入り乱れ、東アジアは激動の時代を迎える。 大化の改新、朝鮮半島の動乱、そして白村江の戦いへと連なる歴史の裏でうごめいていた陰謀とは。 圧倒的スケールで描かれた感動必至の長編小説。
夜ごと枕元に現れる鍵束と、繰り返し見る悪夢に悩まされている大学生の遠野晴貴。困った末に彼が辿り着いたのは、「不思議現象を解決してくれる」と噂の骨董店。そこは、同じ大学に通う、美人だが無愛想な女子大生・月城環が営む店だった。彼女は、鍵束の正体を突き止めるため、「午前三時」にお店に来るよう晴貴に告げるが…?孤独に苦しむ男女の成長を描いた、号泣必至の現代ファンタジー。文庫書き下ろし。
かなりや荘で暮らすことになった茜音は、元漫画家の幽霊・玲司や編集者・美月にその才能を見出され、漫画家をめざすことに。そして新しく創刊される漫画雑誌の「新人賞」を巡り、茜音と美月のコンビに好敵手たちも現れそうで…。そんな折、かなりや荘に怪しい新住人がやってきて、事件が起こる!?傷ついたひとたちが立ち上がる姿を優しく描く人気シリーズ、待望の第二弾。書き下ろし番外編も収録。
戊辰戦争の際、官軍と奥羽列藩同盟の間で武装中立を目指した長岡藩家老・河井継之助は、「英雄」として語られることが多い。しかし、彼は本当にそうだったのかー。藩を救うために諸国を巡った若き日、妻・すがとの絆、会津藩公用方・秋月悌次郎や仙台藩隠密・細谷十太夫、そして武器商人エドワード・スネルとの親交を通して、動乱の時代を峻烈に生き抜いた人間・河井継之助の、真の姿に迫る感動の長編歴史小説。
人ならざる者が見えること以外は普通の少女ちよは、亡き母から教わった薬作りで生活している。そんな彼女の最近の悩みは、四六時中張り付いている陰陽師の霊の存在だ。ずっと無視をしているのに離れない霊にしびれを切らしたちよは、堪らず声をかけ、すぐに己の行動を後悔した。だが、時すでに遅くー。陰陽師の霊にとり憑かれたあげく、勝手に彼の弟子にされたちよは、妖達の騒動に巻き込まれることになり!?薬師の少女と妖達が紡ぐ優しい日々の物語。
幼い頃から「犬になりたい」と切望する八束房恵は、玉石梓という理想的な犬の飼い主に出会い、「あの人の犬になりたい」と願うようになる。そこへ謎の男・朱尾献が現れ、「犬化願望を叶えてやる代わりに魂をよこせ」と契約を迫る。第59回読売文学賞受賞作。本の雑誌が選ぶ文庫ベストテン第1位(2010年度)
梓の飼い犬・フサとなった房恵だが、彼女の実家は決定的に崩壊していた。性的虐待を続ける兄、息子ばかり偏愛する母親。一方、まるで梓が書いているかのような、兄との性的関係を告白するブログが公開され…さまよえる犬の魂は何処に行くのか?第59回読売文学賞受賞作。本の雑誌が選ぶ文庫ベストテン第1位(2010年度)
両親を亡くし家の財産も奪われた大納言の娘・沙羅。縁談もなかったことにされ路頭に迷いかけるが、女房として内裏に入り、今は幸せだった頃をときおり思い出しながら静かな日々を過ごしている。ある日の夜、ひとり庭をながめていた沙羅の前に宿直装束姿の男が現れる。親しげな様子で話しかけてくる男は藤原朝蔭と名乗るが、それは忘れたくても忘れられない、かつての許婚の名前だった。運命に翻弄され裏切られ、すべてを諦めて生きてきた沙羅だが、ゆっくりと朝蔭に心を開くように。だが、右大臣家の姫君と朝蔭の縁談が調ったという噂を耳にしてー。