ジャンル : 外国の小説
中国の大衆に愛され,親しまれ生きつづけてきた講釈を,口演そのままに記録したもの。『三国志』『水滸伝』『西遊記』『説岳』『包公案』から,人びとに喜ばれた名場面を集めて編集。
美女ライラに恋してマジュヌーン(狂人)となった青年カイスの物語。12世紀後半に活躍したペルシアの大詩人が悲恋詩歌に歌いあげたアラブ遊牧民伝唱のロマンスは,今なおシルクロードの村々で歌われている。原典から本邦初訳。
江戸時代を代表する詩人服部南郭が,弟子を相手に『唐詩選』の詩を一首ずつ分かりやすく講釈した当時のベストセラー。口述なので語り口の妙が楽しい。本書はこれに現代の研究にもとづく訳解を補った。第2巻は,五言排律,七言律詩。
「イスラエルとは何か」そのはじまりを考える重要作。シオニズム運動の推進者であり、イスラエル建国の立役者として知られるユダヤ人作家、テオドール・ヘルツル(1860-1904)。政治的シオニズムの宣言書『ユダヤ人国家』での構想をより克明に描き出し、1902年に発表後、大きな反響を巻き起こした近未来小説の初邦訳。
死霊、異常心理、怪物、狂信ーー 英国怪奇アンソロジーの定番作家、本邦初の短篇集。 古く平井呈一らに邦訳がなされ英国怪奇ものの一角をなすW・F・ハーヴィー。 鬼気迫る幽霊談、暗合と運命の交錯する奇譚から、精神の暗部を抉る不気味な物語まで、ときにブラック・ユーモアを漂わせて絶妙なアトモスフィアを醸しだす。 水木しげる漫画「むし暑い日」に翻案された「炎暑」、あるいは映画『五本指の野獣』の原作として後世のホラー映画に影響をもたらした「五本指のけだもの」等々、新訳が俟たれし異界への裂け目を顕わす作品をここに集成。 初訳3篇を含む新訳による珠玉のコレクション。 ✺初訳作品「ミス・アヴェナル」「追随者」「ピーター・レヴィシャム」 【目次】 炎暑 ミス・アヴェナル アンカーダイン家の専用礼拝席 ミス・コーニリアス 追随者 道具 セアラ・ベネットの憑依 ピーター・レヴィシャム 五本指のけだもの ✺ 訳者解説 炎暑 ミス・アヴェナル アンカーダイン家の専用礼拝席 ミス・コーニリアス 追随者 道具 セアラ・ベネットの憑依 ピーター・レヴィシャム 五本指のけだもの ✺ 訳者解説
夫婦なのに夫婦のふりをするなんて、 奇妙で、陳腐で、そしてあまりに切ない。 多忙で妻を顧みない夫ドメニコから逃げだして4カ月後、 レイは彼の伯母の弔問のため、ヴェネチアの屋敷を訪れた。 なんて愚かなの? 出迎えた夫にうっかりときめくなんて……。 翌日、ドメニコの親代わりだった故人の遺言が読みあげられ、 レイは思わず耳を疑った。彼が屋敷を相続する条件として、 2回目の結婚記念日を妻と共に迎えることが必須だという。 「屋敷は絶対手放せない。半年間、夫婦円満のふりをしてくれ」 ドメニコの懇願に屈し、レイは渋々“従順な富豪の妻”に戻るが、 接触は頬へのキスまでというルールはすぐに破られて……。 夫の愛情を微塵も感じられない籠の鳥のような生活が虚しくなり、ウエイトレスをしながら夢への一歩を踏みだしたヒロイン。遺言書がきっかけで、再び夫婦として向き合うことになり……。期待の新作家ロージー・マクスウェルが描く、熱い夫婦再生ロマンス!
家族が幸せなら、愛なんかなくていい。 でもそれなら、なぜこんなにみじめなの? 「やめるんだ、今すぐに」礼拝堂に男性の声が響き渡り、 エミーはおなかのふくらみがめだつ不格好な花嫁衣装で振り向いた。 テオは数カ月前まで憧れのボスで、純潔を捧げたギリシア富豪だ。 だが彼が自分などを愛するわけがないと思い、 エミーは妊娠に気づくとなにも言わずに会社を辞めた。 そして近所の詮索から家族を守り、子供を育てるために、 父の友人との結婚を決意した。今日はその結婚式当日だった。 テオはかつての秘書の結婚に異議を唱えただけではなかった。 花婿を追い払い、自分が花婿としてエミーの唇を奪った! おなかの子の父親であるヒーローと結婚することになったヒロインは、“二度とベッドはともにしない”という条件を出します。彼は承知しますが、直後から初めて結ばれた夜を思い出させる熱い誘惑が始まってーー。R-3637『嵐の夜のクリスマスベビー』関連作。
身代わりの花嫁に求められたのは、 献身的な介護と後継ぎづくりだけ。 嘘でしょう? エンリコが交通事故で意識不明だなんて……。 矢も楯もたまらず、ジャンナはすぐに病院へ駆けつけた。 15歳で出会ったときから、ずっと彼に恋い焦がれてきた。 子ども扱いされ、相手にされないまま時が過ぎ、 今や富豪となったエンリコは美女と婚約したと聞く。 それでもジャンナは病床に付き添い、必死に祈り続けた。 5日後。奇跡が起き、エンリコの意識が戻った。 だが医者は冷たく宣告する──下半身に麻痺が残るというのだ。 婚約者は早々に見切って去り、呆然とするエンリコを前に、 ジャンナは誓った。たとえ愛されなくても彼を支え続けようと。 大スター作家リン・グレアムに次いで、ドラマティックなロマンスを数多く生みだしてきたスター作家ルーシー・モンロー。今作では、半身不随の初恋の人と愛なき結婚をしたヒロインの、切ない恋模様を描きます。ヒロインの献身は実を結ぶのでしょうか……?
彼を愛したりしないわ。けれど悪魔の囁きは、 いつしか愛の囁きに変わって……。 浪費三昧だった父が莫大な借金を残して亡くなり、 お金の工面に奔走するアントニア。 でもわずかな収入しかない彼女にとうてい返せる額ではなく、 途方にくれていたとき、何度か見かけたことのある長身の男性、 大物実業家レイフが借金返済の一部を肩代わりしていたと知る。 困惑するアントニアに、彼は青い目を光らせて言った。 「半年間、僕の愛人になれば、借金をすべて肩代わりしよう」 なんですって? あまりの屈辱にアントニアは即座に拒んだ。 だが父の横領疑惑が発覚し、どうしてもお金が必要になる。 アントニアは悩んだすえ、レイフとの愛人契約に甘んじるがーー。 ヒロインは亡父の潔白を信じ、冷酷と悪名高い富豪にやむなく身を捧げますが、まさか彼を愛してしまうとは……。大スター作家レベッカ・ウインターズ同様、ピュアなヒロイン像で人気を博すスター作家アニー・ウエストの愛人契約から始まる熱い恋物語!
ハーロウはある嵐の日、意識を失った男性を見つけ、その正体に驚く。それは4年前、故郷を捨てて億万長者になった初恋の人ナッシュだった!彼がフロリダへ発つ前夜、たった一度だけ結ばれたが、その後、彼は故郷に戻らず、いっさい連絡もなかった。やがてハーロウは新しい命を授かったことに気づいたものの、ナッシュの邪魔をしてはいけないと、彼の子とは誰にも言わなかった。それに、子供のこと以外にも、ナッシュに言えない秘密があった。あるとき彼の代理人が現れ、祖父に多額の借金を負わせた結果、母の形見の指輪まで売らざるをえなかったことを祖父に口止めされていた。ナッシュに人生を狂わされた。でも、瀕死の彼を放ってはおけない…。