ジャンル : 外国の小説
子ども扱いされてきたシンデレラが今、 大富豪の目の前で蝶になるーー アラーナは大富豪ガイのことを心ひそかに“谷の領主”と呼んでいる。 彼は由緒ある家に生まれ、この地で最も成功した人物。 ずっと昔から憧れのヒーローだけれど、年上だし、 なにより貧しい家に生まれ育った私とは境遇が全然違う。 アラーナは自戒した。彼に恋なんかしてはだめ! 傷つくだけだもの。 一方、ガイのほうも、22歳のアラーナをいまだに子ども扱い。 ところがある夜、ガイの主催するパーティで ダンスに興じている最中に、彼が唐突に囁いた。 「きみがまぶしすぎて、ぼくにはほかの女性が見えない」 彼の真意を量りかねながらも、アラーナの心は舞い上がったが……。 名作家マーガレット・ウェイが2000年代に書いたシークレットベビーがテーマの大ヒット作『野の花が隠した小さな天使』(I-2785)と同時期に描かれ、初版当時、やはり飛ぶように売れた感動傑作です!
逆境に耐えて生きる娘に、 突然のプロポーズをしたのはーー ロンドンで見習い看護師をしていたフィーベは、 病気の叔母の面倒をみるためサフォーク州の村へやってきた。 口うるさく偏狭な叔母の世話は苦労つづきだったが、 主治医ジョージの温かな見守りと励ましのおかげもあり、 なんとか最期まで看取ることができた。 ところがその直後、フィーベに思わぬ災難が襲いかかる。 叔母が財産をすべて寄付したため、住む家を失ってしまったのだ! 看護の勉強をやめてまで来たのに、1ペニーも遺してくれないなんて……。 呆然とするフィーベに、ジョージが突然、驚くべき言葉をかけた。 「僕らが結婚するのがいちばんいいと思うんだ」 ろくに互いのことを知りもしないのに、いきなり結婚だなんて……。フィーベはジョージの申し出に戸惑い、こんなときに相談できる誰かがいたらと、天涯孤独の身を嘆きます。でも、時間をかけて幸せな夫婦になろうと言う彼を信じ、プロポーズを受けることにーー
ファンが選んだベスト作品をもう一度! 英国女王も認めた作家が描いた感動作。 幼い頃に実の母に捨てられたブライアナは、父の名前さえ知らない。 21歳になったある日、母が遺した一通の手紙が弁護士事務所から届く。 要領を得ない内容が気になった彼女は、 冷血弁護士として悪名高きネイサンのもとを訪れた。 ブライアナの母のことを知る彼は若いのに尊大で、 はぐらかしてばかりで何も教えてはくれない。 でも、彼の笑った顔は驚くほど魅力的だわ! 彼女はネイサンの協力を得ながら、実の父を捜し始めた。 ますます彼に惹かれていくブライアナはしかし、まだ知らなかったーー ネイサンと自分に、血のつながりがあるかもしれないことを! ハーレクイン日本上陸45周年記念の大好評企画《不朽のファン・セレクション》から、1999年上半期のベスト作品賞第2位に輝いた傑作をお届けします。英国の故エリザベス女王もお気に入りだった作家、キャロル・モーティマーの筆が冴える秀逸作をどうぞ!
小さな天使の存在が、二人の関係を変えるーー シークレットベビー・アンソロジー! ロマンス界の頂点に君臨する大スター作家リン・グレアムと、稀代のストーリーテラーとしてヒット作を連発するタラ・T・クインによる、豪華シークレットベビー・アンソロジーです!
第71回(2025年度)青少年読書感想文全国コンクール〈高等学校の部〉課題図書! ニューベリー賞オナー賞受賞作! イギリスからの独立とともに、ふたつに分かれてしまった祖国。ちがう宗教を信じる者たちが、互いを憎みあい、傷つけあっていく。少女とその家族は安全を求めて、長い旅に出た。自分の思いをことばにできない少女は亡き母にあてて、揺れる心を日記につづる。 【第71回(2025年度)青少年読書感想文全国コンクール〈高等学校の部〉課題図書選定にあたって、選者・金原瑞人氏からのメッセージ】 暴力的な世界にいやおうなく引きずり込まれて、どうしていいかわからないまま、どこかからどこかへ必死に逃げていかなくてはならない状況は、案外と、すぐそこに待ち構えているのかもしれません。 『夜の日記』は、一九四七年、イギリス領だったインドから、現在のインドとパキスタンが分離独立したときの悲劇を扱った作品ですが、いまの世界をみればまさに同じような情景が、いや、これ以上に過酷な情景があちこちに見えてくるはずです。それどころか、現代の日本にも似たような状況があるのではないでしょうか。 遠い過去を舞台にした、ほとんど知らない宗教の対立を背景に展開するこの物語は、ほんの少しの想像力さえあれば、時間も空間も飛び越えて読む人の心に迫ってきます。小説を読むというのは、こういうことだと思います。 ぜひこの夏休み、本書を手にとって、主人公の少女ニーシャとその家族たちの旅に寄り添ってみてください。
2020年本屋大賞翻訳小説部門第1位 扁桃体が小さく“感情”がわからないユンジェ。 怪物と呼ばれた少年が愛によって生まれ変わるまでーー。 日韓累計150万部のベストセラー、待望の文庫化! 扁桃体が小さく、怒りや恐怖を感じることができない16歳の高校生、ユンジェ。祖母から「かわいい怪物」と呼ばれた彼は、目の前で祖母と母が通り魔に襲われたときも、黙ってその光景を見つめているだけだった。事件によって一人ぼっちになった彼の前に現れたのは、もう一人の“怪物”ゴニ。激しい感情を持つその少年との出会いは、ユンジェの人生を大きく変えていくーー。
日韓累計165万部突破の『82年生まれ、キム・ジヨン』著者、チョ・ナムジュが問いかける! 弱肉強食社会で人間らしさを失わずに生きるには? 資産価値にこだわる者の果てしない欲望と苦悩。 持たざる者の苦労と、未来への希望。 韓国中間層の現実をリアルに描いたハイパーリアリズム連作小説。 舞台はソウルにある架空の町〈ソヨン洞(ドン)〉。近年の不動産バブルやマンション購入、過剰な教育熱、所得格差といった社会問題が、住民の悲喜こもごもとともに描き出されるーー。 「私が伝えたかったのは、 個人ではどうすることもできない時代と社会の不幸を前に、 我々はどんな選択をできるのか、 どんな態度をとるべきかという悩み、 さらには人間らしさを失わずに生きる方法に対する問いかけでした」 (「日本の読者のみなさんへ」より抜粋) 春の日パパ(若葉メンバー) 警告マン シェリーのママ、ウンジュ ドキュメンタリー番組の監督、アン・ボミ 百雲(ペグン)学院連合会の会長、ギョンファ 教養あるソウル市民、ヒジン 不思議の国のエリー 作家の言葉 日本の読者の皆さんへ 訳者あとがき
『無垢の時代』の作家の別の顔、待望の新訳 「ものいわぬ白い雪原のように寡黙なイーサン・フロム。その“雪”の下には、『嵐が丘』のヒースクリフを思わせる孤独な魂の死闘の物語があった」--小川公代氏(英文学者) マサチューセッツ州スタークフィールドで冬を過ごすことになった語り手の「私」は、足をひきずった寡黙な男をたびたび見かけていた。聞くに、イーサン・フロムなるこの土地の男で、かつてひどい「激突」を起こして以来、足が不自由になったのだという。思いがけず「私」はフロムに馬橇で駅まで毎日送迎してもらうことになるが、ある晩、ふたりは帰り道に吹雪に巻き込まれ、フロムは途上にある自宅に「私」を招き入れる。そこで「私」が目にしたものとはーー。寒村の孤独、親の介護、挫かれた学業、妻の病……厳冬に生を閉ざされた主人公フロムを襲う苦難、そんな日々に射し込んだささやかな幸福、その果てに待ち受ける悲劇を精緻な技巧で描くアメリカ文学の古典。
作者は4世紀半ば,東晋の歴史家で,本書は民間伝説,名士の逸話などを古い書物から抄録したもの。志怪小説とよばれる怪異の記録中もっとも叙述にすぐれ,中国小説の祖とされる。本邦初の全訳。