小説むすび | ジャンル : 外国の小説

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スター作家傑作選〜日陰の花が恋をして〜スター作家傑作選〜日陰の花が恋をして〜

図書館司書のアメリアは夜間にウェイトレスの仕事を始めた。品行方正な彼女がめがねを外し、きわどい服を着るのは、退屈な人生を変えるためにどうしても資金が必要だから。このことが知れたら、町中が大騒ぎになるだろう。ある晩、思わぬ客がーアメリアが長年片想いをしているタイラー・サヴィジが来店した。こんな姿をタイラーに見られたのも衝撃だったが、彼の注文にはさらに驚いた。彼は目の前のセクシーなウェイトレスがお堅い司書とは気づかず、陶酔したまなざしで「俺が欲しいのはきみだよ」と言ったのだ!(『夜は別の顔』)。田舎暮らしの司書ジョイはバレンタインの夜、初めて訪れたロンドンのレストランで著名な大物スターのマーカス・バレンタインと出逢い、ひと目で心を奪われてしまう。そして思いがけず彼からダンスに誘われたとき、彼女は勇気を出して承諾した。いつもは地味な私だって、今夜くらいは楽しんでもいいはず。そう思いながら踊っていると、不意に唇を重ねられ、ジョイは我を忘れて激しく応えた。するとその直後、彼女をふしだらな女性だと思い込んだマーカスは打って変わって険しい顔になり、侮蔑の言葉を浴びせてきた!(『蝶になった司書』)。

五山文学探究五山文学探究

出版社

文学通信

発売日

2024年6月14日 発売

ジャンル

その歴史と広がり、表現はどのようなものだったのか。五山文学を探求し続ける論考、全20章。 第一部「総論 五山文学の歴史と広がり」では、中国詩総集および五山詩総集、五山文学別集それぞれについて編成の特徴についての論考や、五山の文学や学問が、公家社会と交流していく様子を時代を追って通覧できるようにしたもののほか、生きた唐物である来日僧の語録や墨蹟を取り上げて、五山あるいは広く日本社会における意義を考えた論考、五山における出版活動についての論考、同時代の他ジャンル、あるいは文化全体との関わりでは重要性を増してくる、この時期の五山文学を概観したものなどの論考を収録。 第二部「各論 五山文学の表現」では、作品の生成の場や資料、作品そのものの読解と位置づけなどを論じる。 第三部「資料紹介・書評」では、一休の言説がその門弟らによって変形流布し、近世の一休像とつながっていくことを『自戒集』関連資料によって推測した「一休関係資料紹介ー『自戒集』関連資料と『一休老和尚不審物』-」ほか、重要資料の解題・翻刻を収めた。 全体像を見渡し、細部にも注目する、五山文学研究の最前線。

歩き娘歩き娘

解けない封鎖と拘束 止められない歩み 言葉 爆撃にさらされ、地下室に拘束されたまま、封鎖下の日々や自らの生い立ちを、一本きりの青いペンで見知らぬ「あなた」に宛てて書き綴る少女の物語。 母親と兄とともにダマスカス郊外で暮らすリーマーは、自らの意思とは関係なく足が勝手に歩き出してしまうという奇癖の持ち主。四歳の頃から手首に枷をつけられて育つが、ある日を境に話すこともできなくなってしまう。学校教育を受けられず、母親が掃除婦として働く学校の図書室長の厚意で読み書きを教わり、本に親しむようになる。 学校に行かなくなってからは外部との接触を断たれ、勝手に歩き回らないよう家に閉じ込められて過ごすが、近々シリアを出国するという図書室長の招きで、二年ぶりに外出する。 母親と娘が乗ったバスは、市内にいくつも設置された検問所で止められ、なかなか前に進まない。数時間が経過した頃、ある検問所で悲劇が起こる…… 2013年にシリアで実際に起きた出来事を下敷きに、手記の形をとった異色の長篇小説。数多の制約の中で生きることを強いられる内戦下の不条理な現実を寓話的かつ超現実的に描く、『無の国の門』の作家の新境地。

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