ジャンル : 外国の小説
小さな宿を独りで切り盛りするアマベルが突然の嵐に心細い思いをしていた夜、オリヴァーという医師が部屋を求めてやってきた。彼の気さくで温かい人柄に安心感を覚えた彼女は、人生で初めて男性に憧れを抱いた。ある日、孤独に苛まれたアマベルが将来への不安に人知れず涙していると、そこへ偶然オリヴァーがやってきて…。(『聖夜に祈りを』)。薄暗い地下の使用人部屋で暮らす執事の娘アンジーは、屋敷の主の跡継ぎレオが妻子を亡くしたとき、慰めたい一心で彼に寄り添い、情熱を交わした。だが妊娠がわかると、出自不詳の子を孕んだ女呼ばわりされて追い出されてしまう。レオも、実の父も、かばってはくれず…。2年後、幼子を育てる彼女の前に、レオが現れた!(『永遠のイブ』)。イアンだわ!クリスマスの集まりで、ジュリアはずっと想いつづけてきた美しい貴公子を見つけて思わず声をあげた。4年ぶりの再会。彼は事故で瀕死の傷を負って以来、社交界から姿を消していた。ジュリアは喜び勇んで駆け寄ったが、彼の手には杖が握られ、顔も堅苦しいまま。まぶしかったあの笑顔はどこへ行ってしまったの?(『秘めつづけた初恋』)。
唯一の肉親である祖父が心臓発作を起こしたという知らせを受け、メアリー・ジェーンはすぐに祖父のもとへ駆けつけた。祖父は彼女を待ち構えていて、オランダから呼び寄せたという男性、ファビアン・ファン・デル・ブロクを紹介して言った。「私が死んだら、ファビアンがおまえの後見人を務めてくれる」メアリー・ジェーンは驚きのあまり息をのんだ。私はもう二十二歳よ。なぜ後見人が必要なの?ファビアンは、見た目は満点の男性だけれど、ひどく傲慢で、まるでばかにしたように私を見ている。そんな男性が私生活に干渉してくるのは耐えられないわ!
ずっと音信不通だった元婚約者ジョードンが突然現れ、ミアは思わず息をのんだー彼が幼い双子の娘を連れていたから。10年前、彼女を捨ててNYへ行き、成功して大富豪となっただけでなく、どうやら運命の人を見つけて、父親にまでなっていたようだ。私にとっては、彼だけが心から愛した人だったのに…。だが、涙をこらえるミアに、ジョードンが信じられないことを告げる。「この子たちは君の娘でもあるんだ」なんですって?どういうこと?聞けば、かつて彼とミアが提供した受精卵を使って双子をもうけた不妊の夫妻が先日亡くなり、ジョードンが後見人に指名されたという。ジョードンと私の子!しかも、彼は結婚していなかった!内心喜ぶミアだったが、ジョードンは養子に出すつもりで…。
私にはもう、限られた時間しかない。 だから、最後で最高のクリスマスを。 「ここで子供たちのお世話をするのが本当に楽しみです」 青白い顔のエマがほほえむと、医師のアダムは冷ややかにうなずいた。 3年前の12月に妻に先立たれて以来、この時季はいつも不機嫌らしい。 おかげで幼い双子は家族でクリスマスを祝ったことがないという。 そんな彼らの屋敷に住み込みのナニーとして雇われたエマは、 実は難病の治療が一段落したところで、密かに死を覚悟していた。 全力で双子を愛し、懸命に楽しいクリスマスを贈ろうとするエマに 怒りを見せるアダムだったが、やがて彼女の優しさに癒やされていく。 これが私の人生最後のクリスマスなら、最高のものにしたい。 そう強く心に願ったエマは、彼に無私の愛を捧げるが……。 心を閉ざしたアダムにもう一度生きる喜びを感じてほしいというエマの思いが実り、一家は幸せに包まれます。しかしほどなくエマの病気の治療結果が明らかになり……。クリスマスの小さな奇跡を集めて美しい光を灯したような、可憐なシンデレラストーリーです。
看護師のエミリーは、旅先で負傷したギリシアの裕福な老人に雇われ、アテネにある彼の屋敷に住みこんで世話をすることになった。老人の息子ニコは罪深いほど魅力にあふれた男性だが、父親とはいつも角突き合わせていて、優しさが感じられない。エミリーに対しても、父の財産を狙う女だと疑っている様子だ。あまりの邪推にエミリーは怒りをおぼえた。ところが落雷による停電で屋敷が真っ暗になったとき、触れ合った二人はいつしか唇を重ねていた。その瞬間、エミリーはニコのとりこになってしまった。彼の父から、息子は女性をおもちゃにする男だと言われていたのに。
数年ぶりに家族が顔を合わせることになった。複雑な思いをかかえて、吹雪のなか車を走らせていたメグは、あっと思った瞬間、誤って傍らの家の外壁に突っ込んでしまう。やむなく彼女は、一晩その家の主人ジェドの世話になった。彼はハンサムな外見に似合わず、世捨て人を連想させる男性だったが、翌朝、メグを実家まで送り届けてくれた。ジェドの顔を見るや父親が彼の素性を見抜き、家族は目を丸くした。彼が世界中に知られた作家のジェロード・コールだったなんて。おまけに彼は、メグと親しい間柄であるかのように振る舞っている。どういうつもり?事態はどんどんメグの手に負えない方向へーー。
クリスマス間近のその日、ヴァイオレットは新天地へ向かった。一夜限りの恋人との思い出を、大切に心にしまって。勤務場所は、世界一豪華な特急列車。彼女は乗客係だ。だが清掃に訪れたプレジデンシャル・スイートで、抱えていたクリスマス飾りを落としそうになった。ゴージャスで少し陰のある表情…。ローマン?忘れえぬ夜の男性は、世界的大企業のCEOで、新しい雇い主だったのだ!同じ日、まさかの妊娠が判明する。長い闘病生活に苦しみ、恋も結婚も諦めていた私に赤ちゃんが?「僕の子供を妊娠しているんだね。結婚しよう」
気づいたとき、ビアンカはたくましい腕に抱きあげられていた。飛行機が不時着し、同乗していた富豪クサントスに助けられたのだ。雪山の小屋で一夜を明かし、救出されて見知らぬ土地で過ごすうち、恋愛経験の少ないビアンカは冷酷だが魅力的な彼に惹かれていった。そして熱く誘惑されて純潔を捧げたあとも、彼と会いつづけた。都合のいい女になりたくなかったが、一緒にいたい気持ちは強すぎた。妊娠したときは、子供を望まないクサントスに伝えるのが怖かった。案の定、非情な富豪は他の男を夫にしろと告げ、彼女は悲嘆に暮れる。ところが、一人寂しくイブを過ごすビアンカを彼が訪ねてきて…。
ディケンズ研究の第一人者である訳者によってこれまで邦訳出版された全小説作品や寄稿集を修正・改訳したものに,全12巻からなる書簡集を加え,日本で初めての全集として刊行開始。今回の第5回目の配本は,1838年から39年まで月刊分冊の形で販売されて人気を博し,今日においてもなお映画化・テレビドラマ化されることの多い,代表的長編小説の前半部。正義感が強く血気盛んな青年ニコラス・ニクルビー。父の急逝後,母妹とともに狡猾な高利貸しの伯父ラルフ・ニクルビーをロンドンに訪ねるが……。伯父の謀略によって惹き起こされる困難を克服しつつ繰り広げられる波瀾に富んだ物語。
見えない場所、聞こえない声、いまだない言葉 語りえない物語のために 詩が広く愛されている韓国において 文学性と社会性を兼ね備え、深く心に刻まれる詩を紡ぐ キム・ソヨンの単著詩集を初邦訳。 韓進自動車の労働者の闘争に寄り添って書かれた「主導者」、 映画「詩人の恋」で朗読された「だから」など、49編を収録。 第八回日本翻訳大賞受賞作『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』の監訳者 姜信子による翻訳でお届けします。 「詩は読み解くものではなく、生きるもの。 埋めるべきものがあるとすれば、 それは、詩を生き、旅を生きる自分自身の空白なのですから。 この詩集を手に取って旅人となったあなたも、それは同じ。 今さら気づいても、もう引き返せない。 (ああ、なんてこと、キム・ソヨン!)」 ーー姜信子(訳者あとがきより) ーーーーーー 「セレクション韓・詩」は、 韓国語で紡がれた同時代の詩のことばを贈るシリーズです ーーーーーー 第一部 遺書なき皮膚を軽蔑します 陰/ああ、バートルビー/主導者/数学者の朝/だから/おもちゃの世界/平澤/そういうこと/定食/愛と希望の街/オキナワ、チュニジア、フランシス・ジャム 第二部 痛みは若葉の色に 旅人/ひとり/反対語/激戦地/痛みは若葉の色に/ワンルーム/一味ども/夜明け 第三部 便りが必要 熱帯魚は冷たい/重なりあう椅子/望遠洞/外に生きる人/郵便受け/噓/ほこりの見える朝/誕生日/風船人間 /坑/別れる者のように/内面の内情/誰かが隣でしきりに問いかける/ふたり/秘密の花園/傾きについてーシン・ヘオクに 第四部 河と私 異邦人になる時間/河と私 第五部 遠い場所になりたい 未来が降りそそぐなら/失敗の場所/ふとんの不眠症/広場の見える部屋/幸いなること/メタファーの質量/終バスの時間/在ること、成ること/二十回の二十歳/ほんとにほんとに楽しかった/ガリバー/玄関 解説 凛々しく悲しくーーファン・ヒョンサン 訳者あとがき ああ、なんてこと、キム・ソヨン!
苛酷な日本の植民地支配に抵抗した詩人たち。学生運動のなかから生まれた若き詩人、「満洲」地域で生を受け、二重のディアスポラとして朝鮮語の叙情性を極めた詩人……。その文学の軌跡と現代への影響を韓国・北朝鮮・中国・日本の文学者・研究者たちが描く。 まえがき 第1部 学生運動と抵抗詩人 朝鮮南部の抵抗作家、李石城を読むーー発掘の意味をこめて[金正勲] はじめに 1 李石城は何者か 2 発掘された詩から映し出されるもの 3 日本の思想家から朝鮮の思想家へ 4 『堤防工事』のテーマと意義 おわりに 『堤防工事』[李石城(金正勲 訳)] 朝鮮植民地期のアナキズム独立運動[亀田博] 鄭瑀采の活動と詩篇に表れる抵抗精神[金正勲] はじめに 1 鄭瑀采の成長過程と文壇デビュー 2 「醒進會」活動と投獄 3 凄絶な生きざまの現場と自我省察の歌 4 詩文にみられる抵抗精神 おわりに 歴史的人物、朴準埰の書き残した詩篇に関する考察ーー早稲田大学留学時代の作品を中心に[金正勲] はじめに 1 詩ノートの実物 2 家族愛と故郷愛を描いた詩 3 早稲田大学留学時代の詩 4 抗日的抵抗詩 おわりに 朴準埰の発掘詩紹介[金正勲 訳] 第2部 抵抗から独立へ 尹東柱ーー詩による抵抗の充実と苦悩[愛沢革] 1 尹東柱の詩を新しい眼で読みなおすことが問われている 2 尹東柱は情感偏重の抒情詩人ではないーー金時鐘による尹東柱批評の意味 3 尹東柱と宋夢奎 李相和ーー抵抗と復活の世界性[佐川亜紀] 1 代表作「奪われた野にも春は来るのか」の生命表現ーー女性表象をめぐって 2 世界的な問い 3 虐げられた人々への共感 4 作品「詩人に」--創造への呼びかけ 植民地時代の朝鮮における『国民文学』[渡邊澄子] 二重のディアスポラ、尹東柱[崔一] 1 尹東柱の発見 2 「満州」という空間と韓民族アイデンティティ 3 「満州」の不在と抽象的な故郷 4 「二重ディアスポラ」の漂流する故郷 5 「国民」という記標を持つ者と持っていない者 尹東柱の児童詩とその文学史的意義[金萬石] 1 尹東柱の児童詩学習と創作 2 尹東柱の追求した児童詩の形態 3 尹東柱児童詩の思想・美学的価値 4 結論 李陸史の文筆活動と詩[ハン・ジュンモ] 歴史における詩的参与[文炳蘭] 1 詩の機能 2 歴史と詩人 3 真実の詩と虚偽の詩 第3部 付録・関連短文 李石城の新発見日本語詩稿に出会ってーーその驚きと感動の言葉[金正勲] 雪の降る凍土にも花は咲くかーー出来損ない息子の想父曲[李明翰] 李石城ーー抵抗詩から抵抗小説へ[金正勲] 朴準埰の発掘詩ーー「KBSラジオインタビュー(光州放送局)」[金正勲] 鄭瑀采の生涯と文学[金正勲] 朝鮮近代文学のパイオニア、趙明熙[金正勲] あとがき
虚空の闇に浮かぶ魔法使い養成学校〈スコロマンス〉。学園生活最大のサバイバル試練となる卒業式を、世界中の怪物を〈スコロマンス〉に呼び寄せ、校舎ごと虚空に葬り去るという前代未聞の偉業で切り抜けたガラドリエル(エル)ら生徒たち。だが、その虚空には、最凶の怪物・目玉さらいとともに、エルの最愛の友人、オリオンが自らの意志で残ってしまった。 その一方で、エルの戻った現実世界では、次々と世界各地の魔法使い自治領が破壊されていた。果たして、エルはオリオンを、そして世界を救うことができるのか? 現代SFファンタジーの旗手ナオミ・ノヴィクが描く、不世出のダーク・ファンタジー〈死のエデュケーション〉シリーズ、いよいよここに圧巻の完結!
ストックホルムで女性の刺殺体が発見された。交際相手の男は服役中だったが、事件当夜は仮釈放されていた。警察は男が犯人と確信するが、ヴァネッサ警部の元に「彼は殺していない」と訴える女性が現れる。ネットで蠢く「インセル」が現実社会に牙を剝く暗黒ミステリ。
私の母は掃除婦をしながら四人の子どもを育て、障がいを持つ夫を支えた。だが母の厳格さがいつしか私を暴力的にしていったーー。湖のそばの貧困家庭で成長していく少女の、十代から二十代までの内面を克明に描くイタリア文学界新星によるカンピエッロ賞受賞作
現代アメリカ文学を代表する作家のひとり、アレクサンダル・ヘモンの最初期短編集 故郷喪失者は言語の中でのみ生きることができる たとえどこにいようが故郷には決していないのだから A・ヘモンによる『島』は、彼が英話で書いたもっとも初期の作品のひとつである。ヘモ ン氏はボスニア人であり、一九九二年にアメリカを旅行中、ボスニアでの戦争により帰国不可能となってアメリカに移住した。『島』 を書いたのは一九九五年の春、もはや母語で小説を書くこともできず英語でもまだ書けなかった三年間を耐えた末のことだった。スチュアート・ダイベック(『プラウシェラーズ』 1998年春号) 島 アルフォンス・カウダースの生涯と作品 ゾルゲ諜報団 アコーディオン 心地よい言葉のやりとり コイン ブラインド・ヨゼフ・プロネク&死せる魂たち 人生の模倣 訳者あとがき
都パリを逐電したラ・モット夫妻は、荒野の一軒家で保護した美しき娘アドリーヌとともに、鬱蒼たる森の僧院に身を隠す。彼らを待ち受けるのは恐るべき悪謀ーー 今なお世界中で読み継がれる名著『ユドルフォ城の怪奇』に先駆けて執筆され、著者の出世作となったゴシック小説の傑作。刊行から二三二年を経て本邦初訳! 袖口にスリットが入ったグレーのキャムレットの衣装は、彼女の容姿を引き立てこそすれ、飾り立てるものではなかった。開いた胸元には乱れた髪が覆いかぶさり、慌てて纏った軽いベールは、混乱していたためか、上げられたままになっていた。(…)この荒涼とした家、そしてそこに巣くう粗暴な輩たちとはあまりに対照的な、優雅で洗練されたその様相を見るにつけ、彼は、これは実人生での出来事というよりは、想像力が生み出したロマンスなのではないか、という気がしてくるのであった。彼は何とか彼女を慰めようと努めたが、その誠意あふれる同情心に疑いを差し挟む余地はなかった。娘の恐怖心は徐々に収まってゆき、悲しみと同時に感謝の念も湧き上がってきた。 「ああ、ありがたや……」彼女は言った、「わたしをお救いくださるために、天が貴方様を遣わしてくださったのですね……どうか貴方様に神の報いがございますよう……わたしには貴方様以外、この世に一人の味方もないのです……」(本書より)
わたしたちには人間である勇気があるか? 2020年春のロックダウン下のドイツを舞台に、自分とは異なる境遇の相容れない人間との一風変わった交流と友愛を、ウイットに富んだリズミカルな文体で描くウィズコロナ小説。 ベルリンの広告代理店でコピーライターとして働く36歳のドーラは、愛犬を連れて田舎の小さな村ブラッケンに逃げてきた。表向きはロックダウンした都会から人の少ない田舎に避難したようにみえるが、本当の理由は別にある。環境問題にのめりこむパートナーとの間にはしばらく前から隔たりができていて、コロナを機に過激の度合いを増す彼の態度に辟易したドーラは、彼と距離を置くことにしたのだ。のどかな田園生活を夢見ていたドーラだが、隣人のゴートはスキンヘッドのマッチョなネオナチで、もとは空き家だったドーラの家の鍵をまだ持っていて、勝手に出入りするなど、ひと筋縄ではいかない村人たちに振りまわされることになる。ゴートは無愛想ながらドーラにベッドを作ってくれたりといろいろ親切にしてくれるが、ドーラは心情的に受け入れることができない。しかしある事をきっかけにドーラの心は変わりはじめる。 ドイツ100万部超のベストセラー! ドイツ最大の人気作家のひとりユーリ・ツェーが描くウィズコロナ小説。 初の本格コロナ小説。2020年春のロックダウンの最中を描く。パンデミックが及ぼした影響を社会のレベルと個人のレベルで克明に描き切っている。 ーー「南ドイツ新聞」イェルク・マーゲナウ評 この小説を心の底からすべての人に薦める。さまざまな集団のあいだに存在する数々の壁を壊すために。 ーーベルリン=ブランデンブルク放送、フランク・ディーチュライト評
今日のわれわれは中国の幻想奇譚をフィクションとして読みがちである。だが、それらはもともと“事実の記録”として書かれ、伝統中国に生きた読者たちもそれを“事実の記録”として読んだ。唐代の知識人は“楽園”にどんな理想を込めたのか。“陰間”からいっとき戻った妻の語りから見える結婚とはいかなるものか。狐や物の怪にできなくなったことからは武人の出世と文人の不遇が透けて見える。神秘や怪異を語っているようで、じつは当時の社会や風俗を記した実録なのである。当時の視点で“唐代伝奇”を読むとなにが見えてくるのか。中国の幻想奇譚をより深く楽しむための読み方指南。