出版社 : クオン
映画業界で働いている「私」は、 たわいのない毎日を動画撮影で記録していた。 気のおけない友達とのおしゃべり、お気に入りのMDプレイヤー、 風に揺れるガイコツTシャツ、 20万円分の多種多様なハサミ…。 そこに外国から戻った「ハジュ」兄妹に出会い、「私」の動画記録にも変化がではじめたが…
端役の俳優を父に持つ僕と、デパート勤務の不細工な彼女、バイト先の同僚で酒友達のヨハン、3人の若い男女がそれぞれの過去・現在・未来を通し、言葉で表現できない愛を見つけて紡いでいく物語。
ソウルのさびれた町で一人暮らしをする20歳のファヨルは、コンビニでバイトをしながら、野良猫と、猫を通して知り合った人たちに支えられて生きている。父は彼女が五歳の時に失踪、数年後には母も単身、渡米してしまった。寄る辺ない身となったファヨルを気遣い、世話する親戚もいるけれど、ファヨルは過去から離れられない。高校を中退したファヨルには、大学へ行くよりも、やりたいことがあった……。
ある青年が図書館に貼ってある詩を偶然読むことから始まる恋愛ストーリー 『世界の果て、彼女』。 新婚旅行にソウルにきている日本人のハトコを案内する、30歳になったばかりのアタシ 『君たちが皆、三十歳になった頃』。 世界のいろんな都市のガイドブックを作って放浪する若いカップルの物語 『笑っているような、泣いているような、アレックス、アレックス』。 など、ユーモアと人間に対する、著者の愛情たっぷりの7つの作品集です。
韓国ドラマや映画好きの人におすすめの詩集! 情の世界が故郷の風景と一緒に唄として聞こえてくる。詩人は自分の故郷である全羅道の匂い、風、色、人々を韓国郷土詩人許炯萬(ホ・ヒョンマン)の暖かいポエムとポエジーの世界がリズム感たっぷりでうたわれています。 【「愛について」(抜粋)】 愛とは思いの分量である。 波打つけれど溢れない思いの海。光り輝く思いの山脈。悲しい時は限りなく深くなる思いの井戸。幸福な時は花びらのように戦慄する思いの木。 愛とはからっぽの魂を満たすものである。今日も夕暮れの窓辺に座り明けの明星を待つ人よ。明星が輝けば静かに夢見る人よ。
現代人の孤独を軽快かつクールに描くベストセラー作家の6つの短編集。 常にベストセラー入りする「ブランド」とも評されるウン・ヒギョンが、新たな境地を拓いたと高く評価され、東仁文学賞を受賞した短編集。従来の韓国文学にはなかった、アイロニーとユーモアを持ち味とする作品は、ドライな感覚で現代社会の過酷な人生をあぶり出している。 【ストーリー】 長年の肥満体形にコンプレックスをもった「僕」が34歳の誕生日を境にダイエットを始める。 そんな中音信不通だった父が、重篤との知らせをきき、太っていた時の「僕」と父との記憶をたどるー 「美しさが僕をさげすむ」より
【韓国で70 万部のベストセラー!!映画化!「文壇のアイドル」キム・エランの初の長編小説】 三歳のとき、早老症という世界でもあまり例のない病気になったアルムは、子どもがすくすく育つように、彼もすくすく老いていく。治療法がなく、なすすべもない病気と共存しながら、両親の大きな愛に包まれて、アルムの心は豊かに育っていくーーー。 人生の意味を問い、人間存在の美しさを謳う、韓国じゅうが涙した、魂を揺さぶる物語。
ある日突然、人が死ぬ。自然死でもなく病死でもなく、暗殺によって。 表向きには事件性のない死として処理されるよう、設計者が綿密に計画を練り、それを暗殺者が実行する。 さまざまな矛盾を孕むことでしか生きられない人間存在の哀しみを描いた、韓国エンターテインメント小説の最高傑作。 【人間存在を根底から問い直す、 韓国エンターテインメント小説の最高峰。】 女子修道院のごみ箱に捨てられ、殺し屋として育てられたレセン。何も考えず人の命を片付けてきた彼のねじまきが、ふと、止まる。そして、彼は、考えはじめる。誰がこの暗殺を設計しているのか、僕はいったい何者だ? 歴史に残る暗殺の背後には、高度の知的能力を持った設計者たちがいた。時代の変化とともに衰退しつつある殺し屋事務所のタヌキ親父は、新しく浮上してきたハンザの保安会社と衝突しはじめる。タヌキ親父の養子であるレセンは、ハンザによって大切な人を失う。やがてレセンは独自の道を歩みはじめ、巨大な設計の世界に立ち向かう。一方、設計によって家族を失った天才少女ミトは、設計の世界を滅ぼすために、レセンに接近する…… ページの隅々で繰り広げられる悲しいほど美しい血の饗宴!韓国推理小説の歴史に光る話題作。
本作は深い内省と探求から生まれた8つの短編で構成されていますが、それらは、独立した物語でありながら、同時に1つの長編小説のようにつながり合い、互いに共鳴し合っているのです。 【全部読まねば「都市」が見つからない。パク・ソンウォンワールドの八篇のストーリー】 この作品には短編集『キャンピングカーに乗ってウランバートルまで』と『都市は何によってできているのか』の小説が同名2作目まで収録されており、「キャンピングカー」にでてくる「僕」が「都市はー2」にも登場するという、ユニークな構成になっています。二つとも違う背景の作品ではありますが、「僕」が家族を通して追求していた幸せの理想は「何」なのかが淡々と語られ、遊牧民のような「放浪生活」をし続けていく「僕」の話は私たちの話でもあるような気がします。軽いタッチで書かれたパク・ソンウォンワールドの「放浪」をお楽しみください。 姉と僕は誕生日が数日しか違わない。そんな姉を姉とよんでいいのかどうか、僕は昔から何とも判断が付きかねている。早い話が僕は父の隠し子だ。それも本妻と同じ時期に妊娠させたというから、その手際の良さには舌を巻く。父はたぶん当時から遊牧民気質を持っていたのだろう。 -「キャンピングカーに乗ってウランバートルまで」から
ラクダに乗って行こう あの世へは/ 星と月と太陽と/砂しか見たことのないラクダに乗って。 -「ラクダ」より 40年に及ぶ全詩業から選りすぐりの69篇を収録した、画期的な一冊となっています。 韓国民衆の暮らしを見つめ、それをすぐれた詩作品へと昇華させた出世作『農舞』の他、厳選した詩やエッセイ、訳者による詩人解説を収録。 韓国最大の詩人の詩業を一望できる内容となっています。
「この短編集は、僕からみなさんへ贈る〈録音テープ〉です」 音の世界に魅せられて「楽器図書館プロジェクト」をはじめる表題作「楽器たちの図書館」をはじめ、ピアノ、CD、ラップ、DJなどさまざまな音が聴こえてくる短編小説8編を収録した、韓国の人気新鋭作家、キム・ジュンヒョクの短編集。 奇抜な想像力とユーモアあふれる作品で、韓国文学界でも独自の存在感を放つ作家、キム・ジュンヒョクの、これまでの韓国文学とはひと味もふた味もちがう、新しい感覚のポップな小説世界。
「新しい韓国文学シリーズ」第1作としてお届けするのは、韓国で最も権威ある文学賞といわれている李箱(イ・サン)文学賞を受賞した女性作家、ハン・ガンの『菜食主義者』。韓国国内では、「これまでハン・ガンが一貫して描いてきた欲望、死、存在論などの問題が、この作品に凝縮され、見事に開花した」と高い評価を得た、ハン・ガンの代表作です。 ごく平凡な女だったはずの妻・ヨンヘが、ある日突然、肉食を拒否し、日に日にやせ細っていく姿を見つめる夫(「菜食主義者」)、妻の妹・ヨンヘを芸術的・性的対象として狂おしいほど求め、あるイメージの虜となってゆく姉の夫(「蒙古斑」)、変わり果てた妹、家を去った夫、幼い息子……脆くも崩れ始めた日常の中で、もがきながら進もうとする姉・インへ(「木の花火」)- 3人の目を通して語られる連作小説集。