出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
名門の英国紳士が望むのは赤ん坊だけ。 わたしとの絆は求めていない。 「この子はあなたの子よ……」アリスは再会したチャールズに告げた。 ベビーバギーにいる黒髪で青い瞳の赤ん坊は彼にそっくりだ。 チャールズは英国の上流階級出身で、世界中の女性が憧れる有名な男性。 去年アリスは仕事の会議でアメリカを訪れていたチャールズと出会い、 “きみと二人きりになりたい”と言ってくれた彼に純潔を捧げたが、 ほどなく妊娠に気づき、自分の愚かさを痛感したのだった。 出産後、アリスは心に決めるーーこの子はわたしが独りで育てる、と。 それでも、チャールズに何も知らせないのは不公平だと思い、 今アメリカを再訪している彼に連絡を取って真実を明かしたのだ。 彼がこの地に滞在して赤ん坊を自分のものにしようとするとは予期もせず。 期待の新作家ミシェル・メイジャーがディザイアから、ついに日本デビュー! 2017年にRITA賞を受賞した筆才を、胸が切なくなる再会物語でお確かめください。本作は名門フォーチュン家の華麗な恋模様を描く〈富豪一族〉シリーズとも繋がりがあります。
リセインは恋人のザックとともに、華やかなパーティに出席した。敏腕弁護士のザックは力強いオーラを放つ大富豪で、彼と一緒にいるだけで身も心も満たされる。だからこそ、ザックを狙って近づいてくる女性は数知れず、その夜も黒髪の美女アレグラが、あからさまに誘いをかけていた。こんな場面に遭遇するたび、リセインは不安にさいなまれるのだった。わたしはザックの恋人。でも、彼は結婚については触れもしない…。半月後、彼の子を身ごもったと気づいて喜びに包まれたまさに同じ日、紙面に躍る衝撃の見出しに、リセインは目を疑ったーなんとザックが、アレグラと婚約してしまったのだ!
ヘレンはこの3年半、親友デリアが密かに産んだ赤ん坊の面倒を見ている。親友からの連絡が途絶えて1カ月、不安が頭をもたげ始めたとき、デリアの大富豪の兄ー巨万の富を誇るギリシア人銀行家、レオン・アリスティデスが現れた。妹の訃報と遺言をたずさえて。そして、妹の遺児を二人で育てるためヘレンに結婚をもちかけてきた。ヘレンは事故で両親を失い、後遺症のせいで妊娠は望めない。レオンとの結婚に同意しなければ、たった一人の家族とも呼べる赤ん坊のニコラスを取り上げられてしまうのだ。やむなく承諾したヘレンはしかし、レオンの魅力に抗えず純潔を捧げたあと、彼の冷たい企みを知って…。
ロザリーは、ポルトガル沖の島ヴォース・ド・マールへやってきた。島の領主ドゥアルテ・アルド公爵の娘の家庭教師として、小宮殿と呼ばれる屋敷に住み込みで働くためだ。初めて会った公爵は見上げるほど背が高く威圧的で、聞けば、6年前に悲劇的な事故で妻を亡くしたという。ロザリーは、彼の謎めいた黒い瞳に見つめられるのが苦手だった。なぜか落ち着かない気分になり、つい生意気なことを言ってしまうのだ。馴染みのない感情をもてあまし、ロザリーはひとりピアノを弾いた。夕闇の中、公爵がじっと耳を傾けていることに気づいたとき、彼が言った。「誰か、愛する男を思って弾いていたのだろう?」
父親を亡くし、天涯孤独の身となった18歳のハンナを裕福な、 父の友人アレックスが引き取るというが、村人はいい顔をしない。 というのも、昔破れた恋を引きずり、彼が未だ独身だからだ。 ハンナはアレックスに仄かな憧れを抱いていたのだけれど……。 ある夜、村の男がハンナを車に乗せ、強引に体を奪おうとする 忌まわしい事件が起こる。なんとか逃れはしたものの、 それがアレックスの逆鱗にふれた。怯えるハンナに彼は、 「君に必要なのは父親じゃない、夫だ」と言い、口づけたのだ。 あなたの心はほかにあるのに? ハンナの胸は締めつけられる。
セリーナに従姉は、娘は夫の子ではないと告白して死んだ。 従姉の別居中の夫は、怜悧な美貌の実業家カルロ・ヴァレッティ。 カルロの悪い噂ばかりを吹き込まれていたセリーナは 信用できず、迎えに来た彼に娘を返さないと宣言するのだった。 だが言葉巧みに誘惑され、抗いがたい魅力に引き込まれ……。 セリーナはやがて、カルロに抱かれてしまう。甘い感傷とともに。 しかし、目覚めた翌朝、カルロは冷然と言い放ったのだ。 「僕の娘はどこにいる?」とーー 自分を誘惑した理由を知って、セリーナは瞬時に青ざめた。
うら若きソフィーは、清掃や内職をしながら身を粉にして働き、亡き姉が遺した幼い娘を育てていた。ある日、姉の亡夫の兄、アントニオ・ロチャ侯爵が訪ねてくる。姉の遺児ー自分の姪の存在を知り、一族に迎えたいというのだ。帝王のように傲慢な侯爵とは、姉の結婚式で出会ったきりだ。引け目を感じる16歳のソフィーを一方的に誘惑したのに、ふしだらな女と罵って、突然ごみのように捨てた。それなのにいま、苦々しげな顔で、彼女に結婚を申し出たのだ。ただし夫の浮気に口出ししないという、屈辱的な条件で。
シュザンヌが16歳のとき、大富豪だった父が亡くなった。父は再婚した若き後妻に骨抜きにされ、財産も底をついていた。それから3年、いまやつましく暮らすシュザンヌは、次なる獲物を探す継母に連れられ、高級ホテルに宿をとることに。そこで待ち受けていたのは、麗しのイタリア伯爵チェーザレ。シュザンヌはときめくが、しょせん叶わぬ恋だ。ところが、部屋に戻ると伯爵の姿が。さしものシュザンヌも混乱するが、さらに継母が、この娘には男を連れ込む悪い癖があると伯爵に吹き込みー当然、彼は蔑みの目でシュザンヌを見た。
オナーはその日、見上げるほど豪奢なマローン家の門をくぐった。 かつて誘拐されたマローン財閥の令嬢と判明し、 26年ぶりに帰ってきたのだ。代理人トレースとともに。 だが、オナーを高慢な親族たちが歓迎するわけもなく、 あまつさえ財産目当ての偽物と拒絶した。 冷え冷えとした屋敷のなかで、味方はトレースだけだったが、 彼の出張中、オナーは暗闇のエレベーターに閉じ込められる。 闇を引き裂き、「このあま」と吐き捨てるような声が響きーー そして落下してゆくなか、思い浮かぶのはトレースの黒い瞳……。
里親の理不尽な暴力に耐えられず、家を飛び出した孤児のジョー。 そんな彼女はある日、水辺で、美貌の男性パトリックと出逢う。 生まれて初めて優しくされて、ジョーは心惹かれるが、 彼女には知られたくない秘密があり、逃げてしまうのだった。 ジョーはこの近くの古城で雇われていた。だが主人が女嫌いで 少年のふりをしているのだ。幸い、目の悪い家政婦がいるだけで、 主人が戻ることはまずないが、女と知れたら首になってしまう。 ところが、城に帰ると、城主バーンズが帰還していた。 しかもそれは、さきほど水辺で会ったパトリックだった。
初めて無上の喜びを知った日、 捨てられる運命におびえた。 母に育児放棄され、誰にも心を開かず生きてきたシャーロット。 ある日、仕事でタバトの次期国王サリムと出会い、 セクシーなオーラを漲らせた彼に一目で心奪われた。 だが彼は美しい唇を歪め、冴えない彼女を冷笑しただけだった。 だからパーティの日の朝、部屋に届いたドレスを見て戸惑った。 サリムが私に? きっと私をからかっているんだわ。 地味な服で出席したのに、気づけば彼の腕の中にいた。 強引で熱烈なキスを受けて、初めて感じた熱い疼き。 ああ、捨てられるとわかっていて恋におちるなんて……。 砂漠で砂嵐に見舞われ、テントでヒーローと二人きりで夜を明かすことになったヒロイン。悪名高き億万長者プレイボーイの誘惑の魔手から逃れるすべなどあるはずもなく……。尊大なヒーローを描いて大人気、A・グリーンの『孤高の王のあやまち』の関連作です。
この子とふたりで生きていく。 私に愛される価値はないから。 プレイボーイ富豪ラムゼイの強烈な魅力に屈した翌朝、 切ない想いをもてあましたノーラは彼のもとを逃げだした。 さらに3カ月後、ノーラは妊娠に気づいて愕然とする。 父にないがしろにされ続けた無価値な私にできるのは、 この子を全力で愛することだけーー父に捨てられた母のように。 幸せな家庭への切望を胸の奥に封じ込め、 我が子を密かに産み育てる決意をしたノーラだったが、 突然、目の前にラムゼイが現れた。 魅惑的なグレーの瞳に、冷たい怒りをたぎらせて。 注目の作家L・フラーは、登場人物の抱える心の傷を愛の力で昇華させる達人とも言われています。妊娠の事実を知るや否や解決策としての結婚を提示するラムゼイと、愛なき結婚におびえるノーラ。ふたりが徐々に歩み寄りはじめた矢先、厳しい試練が訪れて……。
本心では、もう一度会いたかった。 嫌悪されるだけとわかっていても。 クロエがギリシアの海運王ニックに再会したのは、 彼の姉が主催するチャリティ・ディナーの場だった。 昔、クロエは恋人になれると思って、ニックにバージンを捧げた。 だが朝になる前に彼は姿を消し、それきり連絡はとだえた。 挨拶代わりにいきなりニックに唇を奪われ、クロエは驚く。 いいえ、スーパーモデルでもつき合えるプレイボーイの彼が、 捨てた女にまた興味を持つわけがない。しかも、今の私は……。 何度手術をしても消えなかった、彼女の脚の火傷跡がうずいた。 今の私では、ニックのベッドの相手さえ務まるとは思えない。 自分は醜くなったと思いこむヒロインは、ヒーローに惹かれる気持ちを抑えつけています。しかし、ヒーローが友人の死に対する罪悪感に苦しんでいると知ると、身をなげうって彼の痛手を癒やそうと尽くすのです。そのために、心にさらなる傷を負うことになっても。
愛する人はみんな去っていく。 だから、もう誰も愛さないと決めたのに……。 マルゴは恋人のギリシア富豪レオに、いきなり求婚された。 一族の大企業を率いる彼は、跡継ぎをもうける決意をしたという。 母親にないがしろにされ、里親を転々として育ったマルゴは、 愛する人にはいずれ見捨てられることを思い知っていた。 だからこそ、自分は誰とも愛に基づく関係は築けないのだと悟り、 やむなく求婚を断ると、レオは最後に体を奪って去っていった。 そのときに彼が見せた瞳の冷たさは、本当の終わりを告げていた。 だが1カ月後、マルゴは体に変調を覚えた。まさか、赤ちゃん……。 予期せぬ事態に、彼女は途方に暮れた。愛を注がれずに育ったからこそ、 子供には両親の愛を与えたい。でも、今さら彼にどう告げたらいいの? 涙なくして読めない物語を紡ぐK・ヒューイットの2部作、〈新妻物語〉第2話をお贈りします。まともに子育てができない母親の出産により、弱冠11歳にして異父妹の面倒を見ていたマルゴ。悲しい過去を背負って生きてきた彼女に、幸せはいつ訪れるのでしょうか?
差し出されたガラスの靴を、 履いてはいけないシンデレラ……。 ツアーガイドのフェイスは、異国で貧しくも自由な生活を送っていた。 だがある日突然、会社が倒産して仕事も家も失い、 母国イギリスに戻る金さえなくて空港で途方に暮れていたとき、 偶然知り合った富豪貴族のドミニクに、臨時ガイドとして雇われる。 救世主である彼の役に立とうと懸命に働くフェイスだったが、 彼女は出自にまつわる重大な秘密を抱えていたーー 本当はドミニクと同じ上流階級に生まれながら、なじめず失踪したのだ。 フェイスはそれを伝えられないまま、優しくて魅力的な彼に誘われ、 せめてひと晩だけの思い出として親密な夜を過ごしてしまう。 その直後、彼に正体を知られ、悪鬼のごとき怒りに触れるとも知らず。 困窮してもなお、もといた場所には戻りたくないと願うフェイス。いつしかドミニクを愛するようになってしまいますが、皮肉にも、彼は自分が逃げ出してきた世界の中心に生きる人物でした。やがて終止符を打たなければならない、せつない恋の結末やいかに?
愛を嫌悪する億万長者との結婚ーー その行く末は……? 「養子にしたい5歳の男の子がいるから、ぼくと結婚してくれ」 高校時代からの親友マックスの申し出に、リジーは茫然とした。 マックスは高校卒業後に事業で大成功して巨万の富を築いた、 思わずため息が出るほどハンサムな独身貴族の男性だ。 旅先の南太平洋に浮かぶ島の施設で出会った孤児の男の子に絆を感じ、 養父母を懸命に探したが、誰も見つからないという。 だからといって、親友のわたしと形だけの結婚式を挙げて、 首尾よく養子にできたら、すぐに離婚する計画を立てるなんて……。 そのとき、リジーは気づいてしまった。 長年の友情を壊したくなくて必死に抑えこんでいた彼への愛に。 高校時代からの親友マックスに頼みこまれ、彼との形だけの結婚を承諾してしまったリジー。やっと自覚したマックスへの愛を隠したまま彼の広大な屋敷で豪華な結婚式をしたあと、初夜を迎え……。本作は『ボスと秘書の禁断の恋』の関連作になっています。
小さな天使たちがくれたものは、 愛と勇気と、運命のめぐりあい。 まさか、知らないうちに双子の赤ちゃんの母親になっていたなんて! 不妊治療クリニックに保存していたビッキーの卵子を、 医師が勝手に使用したことがわかり、彼女は怒りに身を震わせた。 赤ちゃんたちの父親は、見ず知らずのイギリス貴族だという。 ひとたび怒りが静まると、やがてビッキーの中で母性があふれだした。 子供たちに会いたい。そして、できればこの手で育てたい。 ところが冷酷な貴族ジェイムズは、交渉はおろか面会すら拒んだ。 このままでは、永遠に我が子を抱くことはできない……。 覚悟を決めたビッキーは、ジェイムズと子供たちのもとへ旅立ったーー 彼女自身ではなく、弁護士の“ミズ・ラスコー”になりすまして。 名作を選りすぐる“ハーレクイン・ディザイア傑作選”より、一度も会ったことのない貴族との間に生まれた子の母親になったビッキーのシンデレラストーリーをお贈りします。別人としてジェイムズと打ち解けてゆく彼女は、日に日に正体を打ち明けづらくなり……。
掃除、洗濯、買い物、食事の支度…家事のいっさいをこなしながら、セリーナはこの数年間、病人を決めこむ気難しい父の世話をしている。ある日、少しだけ休息を求めて近くの丘にのぼると、いつもは誰もいない頂上に、見知らぬ男の人がいた。年上の彼は初対面なのになぜか親しみが湧き、つかの間ではあったけれど、セリーナは純粋な幸福感をおぼえた。それからすぐに父が心臓発作で倒れ、主治医の友人として現れたドクター・ファンドーレンを見て、彼女はあっと驚いたー彼こそ、丘の上でセリーナの胸をときめかせた、あの男性だったのだ!
マンディはあこがれのアルプスでの登山中、雪崩に巻き込まれ、 ガイドの魅力的なイタリア人男性ーーレンゾと山小屋に取り残された。 生死のはざまで愛が芽生え、マンディは彼と結ばれる。 だが悲運にも山小屋の壁が崩れ落ち、レンゾは谷底へと消えた。 一人で救出され2年が過ぎたとき、彼女は信じられない新聞記事を読む。 レンゾが生きていて、大企業の社長として活躍している、と。 では、なぜ連絡がないの? マンディはレンゾの住むミラノへ飛び、驚愕の事実を知る。 九死に一生を得た彼には当時の記憶がないというのだ! そんなレンゾに息子の存在をどう伝えるか、マンディは途方に暮れ……。 栄えあるRITA賞の受賞作家ルーシー・ゴードンはヨーロッパを舞台にした物語で大人気です。今回の作品はフランスのシャモニーやイタリアのミラノを舞台に愛の奇跡を描きます。とびきり魅力的でセクシーな富豪との心震えるロマンスをお楽しみください。