出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
あなたがくれた美しいドレスや宝石。 でも時がくれば、私は貧しい娘に戻る……。 訳あって逃げるようにロンドンへやってきたアシュリーは、 安宿住まいを続けながら通いのメイドとして働いている。 しかし、冬のこの時季は宿泊代が高騰し、もう限界だ。 当てにしていた友達の家にも泊めてもらえなくなり、 彼女は高級住宅地にある派遣先の豪邸に住み込むほかなくなった。 家の主であるギリシア人大富豪のルーカス・クリストフェデスは、 クリスマスが終わるまでここには来ないというから、きっと大丈夫。 ところがある日、不意に帰宅したルーカスに見つかってしまう。 警察に突き出されると怯えるアシュリーに向かい、彼は言い放ったーー この借りを返すには、ぼくの恋人のふりをしろ! 富裕な顧客向けに派遣されるメイドたちのロマンスを描く、華麗な作家競作シリーズ〈メイド物語〉。着の身着のまま路上へ放り出されるかと思いきや、予想だにしない展開に巻き込まれたアシュリーの運命やいかに!? 次なる第3話はスカーレット・ウィルソン作。
彼にはお金が、私には愛がある。 だから、彼への想いは知られてはだめ。 保育士のリビーのもとに、その日届いた悲報ーー リビーに5歳の愛娘モーガンを預けて旅立った親友夫妻が、 不運にも異国で命を落としたというのだ。 あろうことか夫妻が法定後見人に指定していたのは、 傲慢で軽薄なプレイボーイ、ジェスだった。 ラスベガスで最も裕福でハンサムな実業家のジェスを 親友夫妻の結婚式でひと目見た瞬間、リビーは彼に夢中になったが、 思わせぶりな言動をとるだけで、彼が誘ってくることはなかった。一度も。 あんな遊び人にモーガンを託すわけにはいかないわ。 リビーはモーガンのそばにいるため、ナニーになることにするが……。 ナニーと億万長者の雇い主の恋を描いた、D-1727『ボスとナニーの契約結婚』の関連作。ずっとつれないそぶりだった憧れの大富豪の屋敷でナニーとして暮らすことになったヒロイン。でも、やはり彼は冷たくて……。切ない恋心が胸に迫る逸作です。
名うてのプレイボーイ、ニック・サントスは、食料品店ですばらしい美女を見かけ、思わずあとを追った。こっちを向いてくれ…。ニックの祈りが通じたのか、彼女が振り向いた。その女性と目が合った瞬間、ニックは彼女を落とすことを心に決めた。マギーは食料品店の真ん中で凍りついた。ニックが町に帰っていたなんて。しかも魅惑的な笑みを浮かべ、こちらに向かって歩いてくる。学生時代、地味だったマギーにはニックは憧れの存在でしかなかったが、5年前、思いがけず彼と一夜を過ごし、新しい命を宿した。でも、彼はその事実を知らない。私が誰かも覚えていないのだ…。
心臓発作で入院した父の手術費用を工面するあてがなく、ヘザーはもう一人の家族、カイルに頼る決意をした。カイルーヘザーが7歳の時、両親は13歳の彼を里子に迎えた。自分でももてあますほど激しい感情の持ち主だったヘザーは何かにつけてカイルに反発し、両親の愛を独り占めしようとした。そして17歳の誕生日の夜、愚かにも両親を試そうと、アスピリン一瓶をからにしてしまった。死ぬつもりはなかったが。あの一件で家を出たあと実業家として成功したカイルとの6年ぶりの再会。彼のまなざしに射すくめられた瞬間、ヘザーは急に頬が熱くなり困惑した。彼がどれほど魅力的であるかを忘れていたのだ…。
ある夜、ピッパは車の接触事故に巻き込まれてしまう。対向車から降りてきた男性を見て、彼女ははっと息をのんだ。ランダル!ピッパの胸が疼いたーもう4年も経っているのに。彼は当時勤めていた会社の社長で、ピッパは彼を心から崇拝していた。妻子がいると知ったのは、彼に恋をしていると悟ったあと。罪悪感に苛まれたピッパは即座に会社を辞め、姿を消した。彼は逃げ出そうとしたピッパを追いかけてきて言った。「ぼくはもう、結婚していない」いいえ、違うのよーピッパは皮肉な運命を呪った。ランダルを忘れるため、別の男性の求婚を受けたばかりだったのだ。
グレースは走り去る高級車がはねた泥水を浴び、尻餅をついた。 なんてこと……上司が恋人へ贈る高級下着を台なしにしてしまった。 茫然とするグレースに救いの手を差しのべたのは、 先ほどの高級車から降りてきた男性、マクシム・ロストフだった。 彼はお詫びだと言って上司のプレゼントを弁償したうえ、 グレースにも高価なドレスを買うと、パーティにまで誘ってくれた。 すばらしくハンサムで、王家の血を引くというマクシムと、 夢のようなひとときを過ごしたグレースは、何も知らなかった。 彼がグレースの上司を陥れるためにわざと待ち伏せしていたことを。 そしてその一夜の代償として、彼の子を宿してしまうことを。 ジェニー・ルーカスは、いまHQロマンスで最も熱い作家のひとり。ロマンスの新女王到来と期待される大物作家が、熱いクリスマス・ロマンスをお贈りします!
ヒービーは勤め先のオーナー、ニックに片思いをしていた。 彼は数カ国に支社を持つ、ハンサムでエネルギッシュな実業家だが、 女性を片っ端からベッドに誘っては捨てるという、非情な男性だ。 それでもヒービーはある夜、彼の手管に堕ちてしまった。 そこには愛も優しさもないーーただの悦びだけ。 その一夜でヒービーが妊娠しても、何も変わらなかった。 金目当てでわざと妊娠したんだろうとひどいことを言いながら、 子どものための結婚を宣言し、ヒービーを自分の邸宅に住まわせ、 彼女が拒めないのを承知で、夜ごと甘い誘惑に溺れさせる。 だがある日、そんなニックも青ざめるような事件が起き……。 英国女王からも功績が認められている国民的ロマンス小説家キャロル・モーティマー。その巧みな筆致とストーリー展開で、世界中の女性ファンの心を虜にしています。
全米絶賛〈Hidden Legacy〉シリーズ第2弾、 愛と陰謀が交錯するアーバン・サスペンス! ネバダは父親が遺した小さな事務所を継ぎ、家族の面倒を見ている。この生活 が好きだし変えるつもりもない。なのに目を閉じれば思い出してしまう、肌に 触れた彼の手、唇の味を……いいえ、巨億の富を持ち、世界が恐れるマッド・ ローガンとは、始まるチャンスもないまま終わっているのよ。愛人になれとい う誘いを拒んでから2カ月、彼からは何の音沙汰もなかった。だが新たな事件 が再び二人を引き合わせたとき、ネバダは思い知る。ローガンは手段を選ばな い。殺しを厭わないのと同じ非情さで、彼はネバダの愛をむきだしにするのだ。
望むことすら許されなかった、貴方との未来。7年後の悲劇が、 止まってしまった二人の時を、ふたたび動かしはじめる……。 父の介護に明け暮れるタリアは、突然の訃報に驚いた。かつて将来を誓い合っ たボウイの父親が何者かの凶弾に倒れたという。7年前、スコットランドの血を 引く黒髪の恋人ボウイにプロポーズされ、タリアは幸せだった。だが時を同じ くして父がアルツハイマーを発症していることが判明。タリアはこれからの介 護の日々を思い、理由は告げぬまま断ったのだった。ボウイは町を去り、二人 の仲は終わった。だが父親の死の謎を解くためにボウイが帰郷した今、愛する 男性に別れを告げて以来止まっていたタリアの時間は、再び時を刻み始め……。
クリスマスには、きっと奇跡が起きるから……。 C・キャンプら豪華作家がロマンティックに彩る短編集。 幼い息子と慎ましく暮らすメリンダは、職に困っていたところ料理人を探している 屋敷があると聞きつけ、さっそく応募することに。だが屋敷の主人ダニエル・マッ ケンジーは、容姿端麗ながら極度の女嫌いで気むずかし屋。なんとか採用してはく れたものの、メリンダへの態度は冷たく、傲慢そのものだ。それでも彼女の持ち前 の明るさが、荒れ放題だった屋敷と心閉ざしたダニエルをじょじょに変えていき ……? キャンディス・キャンプ作『愛という名の贈り物』ほか、ペニー・ジョー ダンが描く公爵との恋『恋に落ちた天使』など、豪華3作収録のアンソロジー!
この私が妊娠ーーマリッサは愕然とした。 しかも父親は、たった一度だけ夜を共にしたアダム・ピアス。 ハンサムな実業家の彼と過ごした時間は夢のようだったが、 美人でもなく、しがない教師のマリッサとは不釣り合いな相手だ。 だから、愛してくれるはずもない彼に結婚を迫る気はなかった。 でも、産休中の生活費の援助だけはお願いするしかない……。 勇気を奮って打ち明けると、アダムはしぶしぶ協力を約束したが、 金を出すかわりに口も出す、という条件を出してきた。 さらに、彼所有の高級アパートに今すぐ引っ越せと言うのだ!
「お願い、助けて」母と兄の懇願に、ジョスリンは動揺した。 兄が父から受け継いだ会社が経営難に陥っているという。 融資を頼めるのはただ1人、ラーフ・アンダースンしかいない。 彼は裕福な経営者であり、かつては彼女の夫でもあった。 姑にうとまれて彼女が孤立したとき、夫は冷たくあしらうだけで、 愛から始まったはずの結婚生活はやがて破綻を迎えたのだった。 3年ぶりに会う元夫の姿に、ジョーの心はいまなお熱くなったが、 一方のラーフは冷たい口調で、融資の交換条件を持ち出した。 それは、彼女に跡継ぎを産ませるための再婚だった……。
偽名の大富豪は、お楽しみのつもりだった。 おなかの子は愛の証と信じていたのに。 吹雪のクリスマスイブの夜、ホリーは車が故障して困っていた。 けれど、近くの別荘に滞在するヴィトという男性のおかげで、 一晩だけ泊めてもらえることになった。 イタリア人のヴィトは大変なお金持ちらしく、貧しい自分とは なんの共通点もないのに、彼女は最初から彼に惹かれた。 だから、ずっと守ってきたバージンも捧げたのかもしれない。 家に帰って妊娠がわかっても、ホリーは運命の恋を疑わなかった。 だが知らせたいヴィトは見つからず、遊ばれたと思い知る。 悲しみの涙にくれながら、ホリーは孤独の中で出産するのだった。 リン・グレアムが描く、クリスマスを舞台にしたミニシリーズ〈クリスマス・ロマンス〉の第1作をお届けいたします。イブに出会った理想の男性に身を捧げ、赤ん坊を授かったヒロイン。その後、ヒーローとはドラマチックな再会を果たしますが……。
ベネチアで終わったはずの恋は、 小さな奇跡を彼女にもたらした。 リディアは継父に連れられ、ベネチアの高級ホテルに来ていた。 傾きかけた家業を立て直すため、ある人物と会うのだという。 でも何かおかしい。なぜ露出の多いドレスを着る必要があるの? 答えは明白。お金と引き替えにリディアを差しだすつもりなのだ。 恐ろしくなって逃げだした彼女に、一人の男性が声をかけた。 ラウル・ディ・サヴォ──ハンサムな不動産王は彼女の話を聞き、 深く同情すると、気晴らしにと観光へと連れだしてくれた。 この夢のような時間が永遠に続けばいいのに……。意を決して 純潔を捧げた彼女はやがて妊娠する。彼の残酷な真意も知らぬまま。 強欲な両親に支配されてきたヒロインは、ヒーローとの出会いで愛を知り、変わっていきます。ところが妊娠がわかったとたん、運命は予想外の展開に……。HQロマンスの中心的作家キャロル・マリネッリの力作です。
ついに父との約束を果たす日がやってきた。ルシアーナはこれから、政略結婚の相手と正式に婚約するのだ。5年前、彼女は酔漢から救ってくれたセインと恋に落ちた。だが、彼がルシアーナの一族の敵、ガランシア国の王子だと気づき、泣く泣く黙って姿を消したー妊娠しているとも知らずに。秘密裏の出産と引き替えに、ルシアーナは冷酷な父と取り引きした。母子で過ごすのは5年間だけ。あとは言いなりになると。まさにプロポーズを受ける瞬間、別の男の人影が現れた。セイン!凍りつく彼女をリムジンに押し込むと、セインは悠然と走り去った。
私は駆け落ちした妹の身代わり。 ベールの奥の素顔は誰にも見せない。 まさか、船が動いている! ヴィヴェカは窓の外を見て慌てた。 ここは豪華なクルーザーの船内、持ち主はミコラス・ペトライデス。 今日、妹が政略結婚するはずだったギリシアの大富豪だ。 ヴィヴェカは不憫な妹のために、花嫁になりすまして祭壇に立ち、 妹が恋人と逃げおおせるまでの時間稼ぎをする予定だった。 ところがすぐにミコラスに見破られ、この船に連れてこられた。 密室で男性と二人きりになり、無垢なヴィヴェカの体がこわばる。 それを知ってか知らずか、ミコラスは傲慢な口調で宣言した。 「代わりに僕と結婚してもらう。寝室に移ろう」 『イタリア富豪の孤独な妻』『愛を宿した個人秘書』の関連2部作が大好評だったD・コリンズの作品。合併相手に娘がもう一人いると知り、政略結婚の矛先を切り替えた実業家ヒーロー。ギリシア神のごとき容姿と自信満々な態度は、ロマンス・ヒーローの王道です。
愛なき結婚で子供を傷つけるくらいなら、 一人でもこの子を幸せにしてみせる……。 社長フィンの仕事を手伝ったお礼に、ホリーは自宅での夕食に招かれた。 以前より密かに惹かれていたこともあり、自然に彼と夜をともにする。 だが独身主義の彼は、一度限りのことだと冷たく彼女を突き放した。 ある日、新婚旅行へ行く社長秘書に代役を頼まれ、 ホリーは急遽、フィンのカリブ海出張についていくことになる。 そこで垣間見たのは、クリスマス嫌いを公言しながら、 恵まれない子供たちに贈り物をする活動を始めた彼の優しさだった。 これ以上好きになっても傷つくだけ。なのに、ますます惹かれてしまう。 恋のジレンマに胸を痛めるホリーだったが、 ある朝、突然吐き気を覚え、バスルームに駆けこんだーーああ、まさか! 生粋の独身主義者のフィンと、かたや幼少期に両親の離婚に傷ついた経験があり、形ばかりの結婚はしたくないホリー。思ってもみなかった妊娠が発覚したとき、ふたりの言い分は真っ二つに割れ……。気鋭の作家J・フェイが贈る、切なく優しいクリスマスの恋物語。
私にはもう、限られた時間しかない。 だから、最後で最高のクリスマスを。 「ここで子供たちのお世話をするのが本当に楽しみです」 青白い顔のエマがほほえむと、医師のアダムは冷ややかにうなずいた。 3年前の12月に妻に先立たれて以来、この時季はいつも不機嫌らしい。 おかげで幼い双子は家族でクリスマスを祝ったことがないという。 そんな彼らの屋敷に住み込みのナニーとして雇われたエマは、 実は難病の治療が一段落したところで、密かに死を覚悟していた。 全力で双子を愛し、懸命に楽しいクリスマスを贈ろうとするエマに 怒りを見せるアダムだったが、やがて彼女の優しさに癒やされていく。 これが私の人生最後のクリスマスなら、最高のものにしたい。 そう強く心に願ったエマは、彼に無私の愛を捧げるが……。 心を閉ざしたアダムにもう一度生きる喜びを感じてほしいというエマの思いが実り、一家は幸せに包まれます。しかしほどなくエマの病気の治療結果が明らかになり……。クリスマスの小さな奇跡を集めて美しい光を灯したような、可憐なシンデレラストーリーです。
13歳で両親と死別したテスは、ベルギーの修道院で育った。とうとう遺産が底を突いた今、故郷イギリスの修道院に身を寄せてなんとか働き口を探すしかなかったが、思わぬ事態に阻まれる。洗練された身なりの男性にぶつかられて足を怪我したうえに、子爵アレックスと名乗る彼に強引に引き留められ、船を逃したのだ。ああ、切符を買い直すお金もないというのに…。テスが窮状を訴えると、子爵が目的地まで送り届けると請け合い、彼女はほっと安堵するが、そのときまだ知る由もなかったー頼みの綱の修道院に受け入れてもらえず、高慢な子爵の屋敷で家政婦をすることになるとは!
無垢な娘の罪なき誘惑は、 不幸せな結婚への序章……。 二十歳のルイーザは決意を胸にロンドンのとある屋敷へやってきた。 両親亡きあと、家督を継ぐはずの兄ジェームズは放蕩の限りを尽くし、 故郷にも戻らず、毎夜賭事をしては大金をすっている。 今すぐあの悪習を断たなければ、唯一残った館も人手に渡ってしまう。 だが時すでに遅く、兄は一世一代の大勝負に出ていた。 相手はカードの名手で社交界の重要人物、アリステア・ダンスタン卿。 案の定、勝負を制したアリステアはしかし、その後に大きな過ちを犯す。 ルイーザをジェームズの愛人と思いこみ、露骨に言い寄ったのだ。 無垢な彼女は館を守りたい一心で、捨て身の作戦に出た。 「4000ギニーいただけるなら、ひと晩、お相手を務めます」 頽廃の香り漂う18世紀ロンドン社交界。男は思ったーー誰の愛人だろうとかまわない、彼女が欲しい。女は思ったーー愛してもいない人に惹かれるって、こういうものなの? それぞれの思惑は外れ、事態は予期せぬ方向へ……。誤解と偏見が生む、愛の煩悶の物語。