出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
逆境の彼女は身ごもっていた。 記憶を失った富豪の子供を! 著名な会社のCEOで富豪のドゥアルテは琥珀の瞳のプレイボーイ。 彼は何者かに撃たれたが一命を取り留めたーー記憶を失いつつも。 そんな彼の脳裏に焼きついているのは長い赤毛の女性の姿だった。 真相の鍵を握っている彼女の居場所を突き止めなくては! ノーラは死んだはずのドゥアルテが目の前に現れ、茫然とした。 命がけで愛した男性ーーお腹にいる子供の父親だったから。 込み上げる熱い想いもつかの間、彼の他人行儀な態度に凍りつく。 記憶がないんだわ! そのとき強烈な痛みに襲われて破水し……。 深刻な状況に陥ったノーラはドゥアルテの車で病院に運ばれ、緊急手術を受けて出産しました。でも、彼に真実を告白することはできず……。ハーレクインの新人発掘企画で優勝し、瞬く間に本国イギリスの話題をさらったA・チネッリの激情ロマンスにご注目あれ!
富豪を愛さないという契約を結んで、 彼女は無垢を捧げた。 小学校教師のアメリアはギリシア富豪サントスに雇われ、 夏のあいだ、ギリシアにある彼の邸宅で働くことになった。 サントスは淡い青の瞳がすてきなハンサムな男性だが、 女性関係が派手で、野暮ったいわたしの手が届く人じゃない。 しかし彼女には、富豪の申し出を断れなかった理由があった。 サントスの6歳になる息子、キャメロンの存在だ。 あの子は突然現れた父親になじめず、不安でいっぱいなはず。 せめてわたしがそばにいて、あの子を守ってあげなくては。 彼に熱く誘惑された夜を、いまだに忘れられずにいても……。 親に見捨てられ、修道女のように男性とは無縁で生きてきたヒロイン。そんな彼女が初めて恋をしたのが、愛を拒絶しているヒーローでした。彼のそばにいるために、愛していないふりをするヒロインが気持ちを抑えられなくなり、とうとう告白する場面は必読です!
愛する人との便宜結婚に、 舞い降りる聖夜の奇跡は……? 自分を不器量だと思い込んでいる内気なマティーは、 少女のころから父の共同経営者のジェームズに恋をしている。 彼は“実業界の若き帝王”ともてはやされる男性だが、 クリスマス目前、とつぜん美女との婚約破棄を発表し、 マティーにプロポーズしたのだ。いったいなぜ……? 拒めるはずもなく、マティーは愛する人の花嫁となった。 だが初めての一夜で身ごもったとき、幸せは無残に砕かれた。 夫の元婚約者に「彼は子どもなど望んでいない」と嘲笑され、 マティーは身重の体で家を飛び出してしまうーー。 HQロマンスの人気作家ダイアナ・ハミルトンによる、クリスマスが近づくと思い出す名作をお贈りします。マティーに求婚したジェームズの本当の意図とは……?
病院で栄養士助手として働くシアドシアは、屋根裏部屋で愛猫と暮らしている。クリスマスも、唯一の身寄りである大おばと質素に祝うしかない。ある日、憂鬱な雑用をきっかけにハンサムなベンディンク教授と知り合った。彼は病院の重役で雲の上の人だ。かなわぬ恋と知りつつ、いつしか彼女は教授と過ごすイブを夢見ていた…(『聖夜の訪問者』)。クリスマスを前に、息子ジェイムズを連れて生家に戻ってきたベス。そこで思いがけず、かつて憧れていたカールと再会する。束の間の愛を分かち合ったあと、彼は私を捨て、異国の令嬢と婚約したはずなのに…なんて皮肉な巡り合わせ。彼女は運命の悪戯を呪い、心から神に祈った。ジェイムズが、彼の子だと悟られませんように(『恋人はツリーとともに』)。寒風の吹きつけるなか、マリアンは赤子を抱え、やっとのことで亡き夫の生まれ故郷にたどり着いた。ここへ来たのは、臨終の際に夫と交わした、この子を夫の養父ヘイウッドに託すという約束を果たすため。だが、ヘイウッドには冷酷な男という悪い噂があった。マリアンは心配になり、家政婦として雇ってほしいと申し出るが…(『旅路の果てに』)。世界に愛され惜しまれる三作家が遺した、英国のクリスマスを綴ったロマンス短篇集。
6年前に両親が亡くなってから、ベアトリスは夢をあきらめ、美しいけれどわがままな年下のきょうだいを必死に育ててきたー彼らからの、まるで使用人のような扱いに耐えながら。しかしある夜、妹にディナーの給仕をしているところを、富豪のエリオットにからかわれ、彼女はついに我慢の糸が切れてしまう。きょうだいの中で一人だけ美しくないのが、そんなに悪いこと?屈辱と恥ずかしさから、ベアトリスがたまらずキッチンに逃げこむと、追いかけてきたエリオットが、泣き顔まで醜いとあざけった。ところが彼は、怒るベアトリスを“かわいい君”と呼んで唇を奪い…。
ハンナはスペイン人実業家のセクシーで魅力的な夫ミゲルと一緒に、 友人の家で開かれたディナーパーティに出かけた。 そこでカミーユというフランスから来た妖艶な女性と知り合う。 厄介を引き起こしそうな人ねーー本能が、ハンナにそう告げた。 ハンナとミゲルの結婚は、両家の事業のための便宜的なもの。 だから、ミゲルとの生活がどれほど情熱に満ちあふれていても、 ハンナは夫に愛されているという自信が持てずにいた。 そして、日ごとに募る彼への想いを打ち明けて傷つくのが怖かった。 気弱な心を懸命に隠し、社交界の華としてふるまうハンナだったが、 それを嘲笑うかのようにカミーユはミゲルを奪うと宣言し……。 大御所作家の上質で芳醇なロマンスをお贈りする、《プレミアム・セレクション》第2弾! 名作家H・ビアンチンがきらびやかな上流社会を舞台に描いた、熱く切ない愛の物語です。あの手この手を使う魔性の女カミーユに、ハンナは打ち勝てるのでしょうか?
姉夫婦の旅行中、カッサンドラは甥と姪を世話することになった。子供たちはすぐになついてくれたが、ひとつ気になるのは、何かにつけて彼らが口にする、裏山の山小屋に住む“人食い鬼”の話だ。興味を引かれてそこへ様子を見に行ったカッサンドラは、目の悪い、ひどく無愛想な男性に冷たくあしらわれる。でも黒眼鏡をかけた彼は、鬼にしてはずいぶんハンサムだった。ベネディクトと名乗るその長身のオランダ人男性は、外科医の仕事に復帰するため、ここで視力の回復を待っているらしい。なぜか放っておけず、カッサンドラは彼の目となって読み物を読み、ケーキを焼いては彼を訪ねたーそれが、恋であることにも気づかずに。
ハリエットはイングランド北部の小さなコテージに越してきた。教師を辞め、童話作家になる夢を追うことにしたのだ。あるときハリエットは鍵を忘れて家から閉め出されてしまう。コテージの隣に立つ大きな屋敷に助けを求めに行くと、ハンサムな半裸の男性とでくわしたーいやだわ、いったい誰?彼こそ屋敷の主で、コンピューター会社を経営するリグだった。以来、ことあるごとにリグと顔を合わせるようになるが、恋愛経験に乏しいハリエットは彼の前でどぎまぎするばかり。すっかり落ち込んでいたある夜、ふいにリグが訪ねてきて…。
ジェシカは昼間の仕事に加え、毎晩オフィス清掃をしている。 唯一の楽しみは、その会社の“美しい彼”を見ること。 シチリアの名門カルディーニ一族を率いる大富豪、サルヴァトーレだ。 尊大だが魅力あふれる彼に、ロンドン中の女性が熱をあげている。 洗練された美貌の独身貴族と、なんの取り柄もない自分……。 ふたりの間に愛なんて芽生えるはずがないのは承知の上だった。 そんなある日、彼からパーティに誘われ、ジェシカは舞い上がった。 さらに思いがけずベッドまでともにし、夢見心地になったのもつかのま、 サルヴァトーレは事もなげに傲然と言い放った! 「いつかシチリアに戻り、地元の無垢な娘と結婚すると決めているんだ」 サルヴァトーレは望まぬ結婚話を無にすべく、清掃員のジェシカを恋人に仕立てようとしますーー平々凡々な彼女なら、大富豪の自分と結婚しようなどと思わないだろうと考えて。ところがある夜、月の光を浴びたジェシカが、彼の目に妙に魅惑的に映り、思わず……。
17歳で、私はすべてを失った。 住む場所も、愛する人も、いとしい娘も。 「ジェームス……」パリのホテルの一室で、クロエは思わずつぶやいた。 同級生だった彼と激しい恋に落ち、17歳で妊娠。娘は奪い去られ、 ふたりで築くはずだったささやかな幸せは粉々に打ち砕かれた。 失意のどん底から這い上がったクロエは父親が決めた縁談を拒み、 清掃員とウエイトレスを掛け持ちしてもなお極貧にあえいでいる。 かたやジェームスは成功者だーーこんな贅沢なホテルに泊まれるほどの。 記憶のなかの少年よりもずっとたくましく魅惑的な彼を前に、 クロエは動揺と恥ずかしさのあまり逃げ出した。 かつてジェームスに贈られた銀のヘアピンを落としたことにも、 彼が長年クロエを捜していたことにも気づかずに。 ジェームスはクロエのアパートを突き止め、ふたりは言葉を交わす間もなく愛し合います。すぐに求婚されるも、いまだ傷の癒えないクロエは消極的で……。引き裂かれた初恋、灰色の10年、運命の再会ーー甘やかでドラマチックな純愛ストーリーをお楽しみください。
あなたと娘と過ごしたい。 せめて最後のクリスマスだけは。 彼の名前も、教えられた電話番号も、すべて偽りだった……。 1年前、ハンサムで魅力的なノーラン・フォルテと恋に落ち、 夢のように楽しいクリスマスを過ごした大学生のリジー。 仕事で一時的に滞在していただけの彼が去った数週間後、 予期せぬ妊娠がわかり、リジーは慌てて彼に連絡を取ろうと試みた。 しかし電話はつながらず、絶望に打ちひしがれながらも、 出産を決意した彼女は苦労の末に大学を卒業し、娘を産んだのだった。 季節はめぐり、再びクリスマスシーズンが訪れたある日、 リジーの家にいきなりノーランが現れ、彼女に詰め寄った。 「僕が君の人生を狂わせたと聞いたが、どういうことだ?」 大御所タラ・T・クインが、若き苦労人のリジーを主人公に描く、切ないシークレットベビー物語です。実は富豪一族フォーチュン家出身のノーランは、銀行の取締役を務める億万長者。人生を謳歌すべく余暇は偽名を使い、一人の女性には縛られないつもりが……。
あの夜の記憶を失ったあなたに、 娘がいるなんて、言えないーー。 18歳のとき、エレノアは兄の親友の子爵、ニコラスに夢中だった。 だが彼女が純潔を捧げた次の日、ニコラスは忽然と姿を消し、 以来6年間、彼を見た者はない。兄たちの必死の捜索も無駄に終わった。 悲嘆に暮れるエレノアにとってただひとつの喜びは、娘の存在ーー ニコラスに生き写しの娘の瞳に、彼女は希望を託し続けた。 そんなある夜、彼女が兄と暮らす屋敷に、突然ニコラスが帰還する。 傷を負い、変わり果てた姿の彼は、エレノアを覚えてすらいなかった。 ハンサムでたまらなく魅力的な放蕩子爵はどこへ行ってしまったの? 元のあなたに戻って……娘のために。エレノアはおずおずと切り出した。 「私に、あなたの記憶を取り戻すお手伝いをさせてください」 実力派作家の日本デビュー作です! 子爵は莫大な財産を狙われ、恐ろしい事件に巻き込まれていました。記憶を取り戻すため、かつて共に訪れたロンドンのカフェや美術館を巡る二人。6年前、初めてキスをした書店の暗がりで、奇跡が起きます。
私はまるで籠に閉じ込められた小鳥。 夫への愛を伝えることさえ許されず……。 9年ぶりにロンドンの自宅に戻ったジェニファーは決心していた。 夫であるロクサム侯爵と正式に離婚し、自分の道を歩むと。 あの日、彼のもとを去ったのは、あらぬ不貞を疑われたから。 面会を求めても、手紙を書いても、夫は頑なに彼女をはねつけた。 以後、遠い地へ逃げてから侯爵の子を身ごもっていることに気づき、 人の助けを借りて男児を産むと、貧しいが幸せな日々を得た。 一方、ロクサム侯爵は不信と感慨、そして嫉妬に駆られていた。 彼が酒にひたって放蕩の日々を過ごしているうちに、 幼かった妻は、美しく自信あふれるレディに変身して帰ってきた! 秘密めいたその瞳に、いったいどんな過去を隠しているんだ? かわいらしいながらも芯の強いヒロイン像が共感を呼ぶ、A・アシュリーの珠玉作! 無実の罪を疑われたことで関係がこじれ、もつれ、元に戻らなくなってしまった侯爵夫妻の再会物語。ロンドン社交界の好奇の目にさらされ、二人の運命はどこへ向かうのでしょうか?
彼の心にはいつも亡き妻がいる。 結婚しても私は真の妻にはなれない……。 過ちを犯した父のせいで国を追放されたナタリヤ。 帰国の条件は、母国と緊密なミルス王国の王子と結婚すること。 だが当の王子はナタリヤには興味がないと結婚を拒み、 代わりに王子の兄、国王であるニコライが名乗りを上げた。 彼こそナタリヤの初恋の人で、今も密かに憧れている相手── 5年前に最愛の妻を亡くして以来、浮いた噂一つなかったのに。 戸惑う彼女にニコライは断言した。「君にはこの道しかない」 私と結婚したがるのはなぜ? 急いで世継ぎが必要だから? 恋心を胸に秘め、彼女は愛されない花嫁になることを決めた。 地中海に浮かぶヴォリャルス王国が舞台の、華麗なるロマンスを描いたミニシリーズ、〈愛と継承のはざまで〉の関連作をお届けします。初恋の人からの、思いがけないプロポーズに心が揺れるヒロイン。しかも、彼はなぜか指一本触れてもくれなくて……。
もう“妖精”とは呼ばないで。 わたしは、あなたの虜になった生身の女。 7歳の少女の住み込み家庭教師になってほしいーー ジェンナのもとに、イタリアの若き富豪から依頼が舞いこんだ。 実業家のエヴァンドロ・ロッチェフォルテは離婚したばかりで、 激務から娘と一緒に暮らした経験はほとんどないという。 はじめは傲慢なエヴァンドロに怖れを感じたジェンナだったが、 “君は森の妖精のようだ”と思いがけないことを言われて戸惑う。 娘を慈しむ彼に惹かれ、ジェンナはある夜ついにすべてを捧げる。 エヴァンドロが親権を持ち続けるための元妻との契約により、 金輪際、妻はおろか恋人も持つ気がないことを知りながら。 人気作家ジュリア・ジェイムズの新作は、最高にドラマティックで切ない傑作ロマンス。エヴァンドロは娘の親権を勝ち取るために、女性とのつき合いを断つ契約を元妻と交わしていました。彼と娘のためなら日陰の身で構わないーージェンナの健気さが涙を誘います。
世界屈指の大富豪のそばで働くーー それは、思いがけない運命の扉。 グレースは養母の治療費と妹の学費でかさんだ借金を返すため、 億万長者セサール・ナバロの邸宅の住み込み家政婦となった。 彼の秘書から、多忙の主人と顔を合わせることはないだろうと 言われていたが、なんと初日から鉢合わせしてしまう。 まあ……自宅でくつろぐ彼は、なんてセクシーなのかしら! 頬が熱くなり、緊張からついおしゃべりになった彼女は、 花も飾らぬ屋敷の殺風景さを指摘して、セサールに睨まれる。 グレースはくびを覚悟したが、彼の言葉は意外なものだった。 「ぼくの一族が主催するパーティに、一緒に来てくれ」 人気ベテラン作家のキャロル・モーティマー。苦労人ながらいつも明るく健気なヒロインのシンデレラストーリーをお楽しみください。
エレノアは夢見心地だった。ジェイスにプロポーズされた!彼は、世界中で不動産開発を手がけるギリシア人実業家。両親と祖父を亡くし、急にホテル経営を継いだ彼女にとって、慣れない仕事の悩みを聞いてくれる心強い相談相手だった。ところが、ダイヤの婚約指輪を着けてジェイスを訪ねた彼女は、携帯電話で話す彼の声を、偶然、耳にしてしまう。「僕が求婚したのは、彼女のホテルを奪うためだ」ショックを受けたエレノアは婚約を破棄して逃げ出すが、1年後、彼は拒めない条件を突きつけ、再び結婚を迫りー。
ローラは母の日を祝うため、昼食会で得意の料理をふるまったが、家族だけが集まるはずの場に、父の右腕ジェイクが突如現れて驚いた。暴君そのものの父と同じく、この人も冷血非道な男性じゃないかしら。そう疑ったものの、実際の彼は俳優クラスの美貌に機知と朗らかさを兼ねそなえており、惹かれたローラは庭で思わず唇を許してしまう。その後、ジェイクに誘われるまま、毎週土曜の午後7時に、父には秘密でディナーデートを重ねた。やがて数カ月が過ぎたある日、彼が翌週の約束もせずに言った。「今まで楽しかったよ」まるでこれきりみたい…。胸騒ぎを覚えた彼女を、ほどなく衝撃が襲う。ジェイクが彼女の父を訴えたのだ!まさか私、彼に利用されていたの?
リビーは恋人のサムに浮気を疑われ、ひどい喧嘩をした。サムに嫌われたと思った彼女は、妊娠を告げないまま彼の前から姿を消す。移住先でサムにそっくりな息子を産むと、リビーは花屋に勤めながら新しい人生をスタートさせた。それは、貧しくも幸せな日々だった。だが8年後、リビーは交通事故に遭い、意識が戻らず…(『小さな約束』)。私の子をつれていかないで!突然何者かに襲われ、まだ幼い息子ごと車を奪われたアンドレア。気を失い、次に目覚めたときは病室だった。そばにはフリンという屈強そうな男性の姿が。排水路に落ちていた車を発見し、中にいた彼女の息子を助けてくれたらしい。さらに彼から、保護のため君たちを自宅でかくまうと言われー(『天使を守りたくて』)。婚約者にぼろ布同然に捨てられたヘレンは家も仕事も失い、絶望のどん底にいた。だが、ある結婚式で新婦の兄オリバーから熱視線を注がれる。彼は、女性が放っておかない、理想の独身貴族。彼の男らしい魅力に胸がざわめくヘレンだったが、もう恋に傷つくのが怖くて思わず化粧室に逃げこんだ。すると、オリバーが追ってきた!(『失恋に終止符を』)。“癒やし”の三傑による出色のアンソロジー!
新生児室の看護師ハナは、献身的にある赤ん坊を看病している。英国旅行中に事故に遭ったオランダ人女性が産んだ未熟児だ。順調に母子が回復し始めたころ、オランダから見舞い客が訪れた。赤ちゃんの母親が心酔する名医の“ファレンテインおじさま”だわ。おじさまという呼び名から想像していたよりずいぶん若々しく、人目を引く端整な顔立ちに、ハナは思わず心を奪われた。でも、彼の態度は冷淡で、私のことなんて目に入らないみたい…。もう会うことはないのだから、とハナは胸の痛みをやり過ごした。ところが後日、そのフィレンテインが、赤ん坊の看護のためにハナをオランダへ連れていく手はずを整えていることがわかりー