出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
モリーは破産寸前の窮地にあった。母に借金を負わせたのは、いまや大富豪となったかつての継兄、コンスタンティン。彼に母への誤解をといてもらうにはどうすればいいの?母を救いたい一心で、モリーはギリシアへ飛んだ。10年ぶりに会った彼はしかし、16歳だったモリーを虜にしたギリシア彫刻のごとき美貌で、驚愕の提案をするーそれはあろうことか借金のかたに彼の愛人になること。困惑するモリーに彼は強引にキスをし、抜け目なく告げた。「たったいま熱く応えたくせに。君の演技はお見通しだ」
なんて美しく、なんて悲しげなたたずまいだろう。雪が降りしきる中、ウエイトレスのオーレリーは、琥珀色の瞳をした長身のたくましい男性に目を引かれた。寒夜をしのぐ宿もないらしい彼を放っておけず、家に招く。出逢ったばかりなのに、たちまち彼に惹かれ、一夜で終わると知りながら、情熱の夜を過ごした翌朝、彼は姿を消していたー彼女のおなかに命を宿して。ルシアンという名を頼りに調べると、素性はすぐに判明、なんと隣国バロルトの王だった!オーレリーが宮殿に赴くと、ルシアンは結婚式のリハーサルの真っ最中だった…。
公爵位を持つホテル王ジャン・デ・ルカは女性の噂が絶えない。イタリアで最も結婚相手に望ましい男性とみなされているものの、愛など信じない彼は贅沢なデートと体だけの交際に終始している。たとえ恩義あるロマノ家の娘アリアナでも例外はありえない。アリアナは一家の昔からの友人ジャンのことを頼りにしていた。急逝した父の葬儀で優しく抱きしめてくれたジャンの腕の中で、アリアナは自覚する。25歳まで純潔をずっと守っていたのは、彼に捧げるためだったのだと。一夜だけでも彼と結ばれたら…。
サラは、父が10年前に再婚した優しい継母を慕っていた。あるとき、継母が重い病におかされていると報せを受け、慌てて実家に帰ると、父からとんでもない提案がー継母のたっての願いで、サラに結婚してほしいというのだ!相手はショーン。継母の息子で、サラより10歳も年上の義兄だ。ハンサムな実業界の大立者で、サラの初めてのキスの相手だが、それは決して甘い思い出ではなく、以来サラは彼を避けてきた。私の初恋を冷たく拒んだ人が、結婚なんてするはずない…。だがショーンは彼女の前に現れ、「結婚しよう」と言ったのだ。
夜勤の看護師モリーは、2年前に恋愛も結婚もあきらめた。クリスマスを間近に控えたある夜、病院に出勤すると、思いがけない再会が待っていた。なんてこと…シェイン?彼こそ、2年前、理由も告げずにモリーを捨てた最愛の人だった。同じ病院に、非常勤として着任したのだという。以来、モリーはいつも彼の姿を目で追ってしまうし、別の男性からランチに誘われても、ちっとも楽しめない。しかも、シェインは同じレストランにわざわざやってきて、モリーには目もくれずに、近くの席についたのだ。せっかく傷が癒えかけていたのに、なぜ、私の心を乱すの…?
シーリアの母は20年ものあいだ、さる大富豪の愛人だった。幼いころ、シーリアは優しい彼を本当の父にように慕っていたが、大人になった今、彼女にとってそれは恥ずべきことだった。だから、その人物が亡くなり、彼の息子リュークが訪ねてきたとき、まさか恋に落ちてしまうなんて、思いもしなかった。リュークは決して互いの親の不義の関係を蔑んだりせず、母に相応な遺産を渡そうとしてくれ、シーリアはひどく心打たれた。出会った理由がどうあれ、これは本物の愛。そう確信したとき、残酷な真実が明らかになるーリュークには、婚約者がいたのだ。私のことも、愛人候補として見ていたの?母と同じように…。
厄介な恋人、価値観の合わない家族、やめられない習慣…あなたがお別れしたいものは、何ですか?そこは、人々の「別れ」を代行する奇妙な会社だった。文学賞受賞作家が贈る、韓国発のお仕事小説!イ・カウル、30歳。これまでまともな仕事に就けないまま非正規雇用を転々とし、気付けば人生崖っぷちだ。そんなとき、“トロナお別れ事務所”という会社の面接が決まる。意気揚々と面接へ向かったカウルがたどり着いたのは、オシャレな街の路地裏にある古びた雑居ビルだった。面接に合格したカウルは、アクの強い社長に振り回されながらも、なんとか成果を上げようと、さまざまな別れの依頼に奔走するが、ある出来事をきっかけに、心の奥底に閉じ込めていた本来の自分と向き合うことに…。世の中に押し流され、自分を見失ってしまった人へエールを送る話題作。
ホノーラは十代のころからずっと、庭師の祖父の雇い主でイタリア富豪のニコに片想いをしていた。だからクリスマスの夜、彼にいきなりベッドへ誘われたときは驚いたけれど、天にものぼる心地で純潔を捧げた。だがその後数カ月たっても、ニコからはなんの音沙汰もなく、妊娠を告げに行っても、彼は君など名前も知らないと言った。私は愛の告白さえしたのに。嵐の中をひた走ってきたのに。しかし、彼女がいちばん傷ついたのはニコの冷たい一言だった。「だから、君のおなかの子の父親のわけがないんだ」
「子どもたちを認知してもらうために、裁判所に訴えるわ」 ベルは震えながら、冷酷な大富豪クリストに宣言した。 幼いベルを連れ、クリストの父の別荘で住み込み家政婦となった母は、 雇主を愛し、5人の子をもうけたーー日陰の身にずっと甘んじたまま。 その母も雇主も亡くなった今、父親違いの弟妹たちと遺され、 途方に暮れるベルの前に現れたのが、クリストだった。 隠し子の存在を一族の恥とし、養子に出すよう迫る彼に、 ベルは弟妹たちを守りたい一心で、とっさに裁判の話を持ち出したのだ。 醜聞を避けたいクリストは、思惑を秘めた目でベルを見据え、言った。 「ならば子どもの面倒は僕が見よう。ただし、君が妻になるのが条件だ」 愛などこの世に存在しない。女性とは割り切った関係しか持たない。そんな愛を知らない大富豪が、傲慢な言動でヒロインを振りまわします。うぶな彼女は反発心を覚えると同時に彼の魅力に圧倒され、弟妹のためと自分に言い聞かせて唐突な求婚を承諾してしまい……。
中世さながらの古風な乙女は、 伯爵に導かれ、華麗なロンドン社交界へーー マデリンは筋金入りの中世研究者である父のもと、 すべてが中世のまま時が止まったような生活をしてきた。 だが父が亡くなり、要塞のような城に一人きりになった彼女には、 父が生前に計画していた政略結婚の道だけが残された。 相手は、ジャック・ランサム。第五代ダーシントン伯爵だ。 荒野を越えて花嫁を迎えに来た彼は、さながら黒馬の騎士ーー 年老いた偏屈な父親しか知らなかったマデリンにとって、 初めて出会う、若く、たくましく、ハンサムな生身の男性だった。 怖れとときめきに思わず目を伏せた彼女に、冷たい声が降ってきた。 「あいにく僕は、時代錯誤な変人の娘と結婚するつもりはない」 マデリンの父親が用意した周到かつ狡猾な計画により、結婚せざるを得なくなった二人ですが、一匹狼の伯爵ジャックと浮世離れした無垢な乙女マデリンは、ロンドン社交界でも噂の的に。最新流行のドレスに身を包み、華麗な変身を遂げた妻の姿に、ジャックはーー。
シスターになって、一生、修道院で穏やかに暮らしたい。ベスの敬虔な願いは、娘の財産を使いこんだ母によって断たれ、彼女は侍女として、さる伯爵家に仕えることになった。ある日、ベスが早朝に城の礼拝堂で祈りを捧げていると、男らしい低い声が響いた。「神が天使を遣わしたとみえる」青い瞳と尊大な態度のその男性は、次期国王の親族グリフィスだった。だがベスは相手が誰かを知らず、彼に湯浴みの世話を望まれたとき、恥じらいと背徳の念をおぼえ、すかさず断ってその場を去ろうとした。「それなら仕置きをせねば!」グリフィスの顔色が変わり、彼は立ちすくんだベスの唇を、うむを言わさず奪った…。
夫にとって“本物の結婚”は、 愛はなくてもベッドを共にすること。 アレクシスには、1年前から形だけの夫がいた。 上司である弁護士クリストスの願いで契約結婚に応じたのだ。 彼が祖父の財産を相続するための事務的な結婚だったが、 二人はある夜、ふとしたきっかけで熱く体を重ねてしまう。 互いに過ちと認めて結婚を続けることにするも、アレクシスは、 あの情熱を忘れられないのは私だけなのかと苦しむ。 そんな折、祖父に結婚が本物だと証明する必要に迫られる。 祖父の前では熱々の夫婦を演じ、寝室ではよそよそしい夫が、 ふいに彼女に言った。「この結婚を、本当のものにしないか?」 愛なのか、欲望なのか……互いに悶々とするヒーローとヒロインの心の内を鮮やかに描き出して魅せる人気実力派作家マヤ・ブレイク。心に傷を持つ二人は、書類上の結婚から、夫婦として夜を共にする結婚へと駒を進めますが、愛を認めることだけはできなくて……。
彼は愛を知らない冷酷な仕事人間。 だからこれは、つかの間の甘い夢ーー この人とふたりきり、修復中のホテルで夜を明かすなんて。 大雪のせいで仕事の現場から帰れなくなったエリンは、 ささやかな夕食と憧れの男性を前に、信じられない思いだった。 セクシーな独身主義の大富豪ヒューゴ・ハリントンーー 彼を最重要顧客とするイベントプランナーのエリンは、 この2年半、ひそかな想いをひた隠しにしてきた。 幼子を独りで育てる母親にとって、この恋は危険すぎるから……。 しかしエリンは、魅惑的な灰色の瞳にとらわれたまま、 突然の口づけをなすすべもなく迎え入れる。 夢のような一夜を境に、エリンは彼の一挙一動に振り回されて……。 期間限定と知りながら、甘い蜜月に溺れるエリン。複雑で繊細な心の内を垣間見て、彼を愛さずにいることが辛くなり……。無慈悲な大富豪と健気なシングルマザーに降り注ぐ、クリスマスの愛の奇跡。『泣きぬれたシンデレラ』『南十字星のシンデレラ』の関連作です。
かわいい息子のことは言えない。 彼にはもう、別の女性がいるのだから。 ローレンはハンサムな上司マット・チャンドラーと恋に落ちた。 彼の所有する豪勢なヨットで初めて体を重ね、愛を誓ったが、 なぜかチャンドラー家を忌み嫌う母に猛反対される。 毒親の巧みな嘘に翻弄されているとは気づきもせず、 若くうぶだったローレンはマットの愛を疑い、別れてしまう。 傷心のまま故郷を離れ、母から彼が結婚したことを聞いた。 再会は3年後ーー。母の葬儀に、なぜかマットが現れたのだ。 彼は別れたときよりさらに魅力的に見え、胸が苦しくなる。 豊かな黒髪とブルーの瞳。3歳の息子と、そっくり同じ……。 S・マートンによる感動のシークレットベビー・ロマンス。冒頭の再会場面から、過去を遡るかたちで二人の愛の軌跡と別れが描かれます。彼が結婚したことも親の嘘と知らないローレンは、息子のことを伝えられるのでしょうか?
“赤ちゃん嫌い”のアリスーー 心の奥にしまい込まれた涙と愛。 アリスは元夫に階段から突き落とされ、お腹の子を失った過去があった。 そんな彼女は今、伯爵家の末裔で理解のある城主のもと古城に暮らし、 自分と同じく傷つけられた女性たちの手助けをしていた。 だが城主が急逝し、新城主リーアムの登場に、アリスは不安を抱く。 前伯爵の婚外子であり大富豪でもある彼にとって、 行き場のない女性たちを追い出すことなど造作もないことかもしれない。 案の定、彼は城を大々的に造り変えると言いだした。 一触即発というそのとき、二人はクリスマスツリーの下に 置き去りの赤ん坊と、驚くべき書き置きを見つけた! 〈この子の名はジェイミー。アリスとリーアムに託します〉 小さな命の喪失と悲しみを身をもって知り、赤ちゃんを避けるように生きてきたアリス。けれども、突如現れた捨て子の面倒を見たいという気持ちが不思議と湧いてくるのでした。そして、リーアムもまた、思うところがあり、一緒に子育てをしたいと申し出て……。
いつか温かな家庭を持つのが夢── でも、愛したのは永遠の愛を拒む富豪。 30歳の誕生日を目前に控えたアイヴィーは悩んでいた。 奔放な母の影響で男性不信になり、心を閉ざしてきたけれど、 このままでは愛も結婚も子どもも望めない。 ふと兄の親友でプレイボーイの建築家、ルイの顔が浮かんだ。 勇気を出して彼に純潔を捧げ、新たな一歩を踏みだせたら……。 親友の妹の懇願をルイは訝りながらも受け入れ、別荘へ伴うと、 一夜かぎりと約束して、アイヴィーを甘美な炎で包みこんだ。 翌朝、ルイが目覚める前に彼女はうろたえ、逃げだした── “本当は彼を愛しているのでしょう?”心の声に耳をふさいで。 ヒロインの気持ちに寄り添い、丁寧に機微を綴るメラニー・ミルバーン。今作も読みごたえのある作品に仕上がっています。ヒロインに惹かれながらも、親友の妹ゆえ自制してきたヒーローでしたが、一夜の余韻が冷めやらず、彼女を追ってパリへ向かい……。
寒く寂しい聖夜になるはずだった。 まさか愛に出会うなんて。 カトリオーナは心を病んだ兄の療養を支えるため、 クリスマス間近、イングランド北部の海沿いの町へ越してきた。 ある日出先で吹雪に遭った彼女は、一晩ホテルに泊まることに。 ベッドに入ったとき、ふいに見知らぬ大柄な男が入ってきて、 ここは自分の部屋だと言うと、隣でさっさと寝てしまった。 なんて人なの……! 信じられない思いで男を見つめる。 寝顔すら精悍な男の、静かに上下する逞しい肩と胸ーー いつしか寝入った彼女が目覚めたとき、彼はもういなかった。 まさか彼が兄の共同経営者で、再び出会うことになろうとは。 ブレットの無防備な寝姿が蘇り、彼女の胸が激しく高鳴った。 ハーレクイン・マスターピース《特選ペニー・ジョーダン》。1985年初版の、シェトランド地方を舞台にしたクリスマス・ロマンスをお贈りします。兄の共同経営者となったブレットは、寡黙ながらも裕福で大人の魅力を放つ男性。カトリオーナには興味がないようで……。
誰にも知られてはならないーー 皇太子の子を宿したなんて。 サリーはテレビ画面を見て凍りついた。間違いない。エドワードだわ。 彼は婚約間近の皇太子だった! けれど、5週間前は違ったーー 同じこのシンガポールの地で出会ったビジネスマンだったのに。 サリーは出張中で、ホテルのプールで溺れかけたところを彼に助けられ、 びしょ濡れで最上階のペントハウスに運ばれ、手厚い看護を受けた。 あくまで紳士的に、優しく接してくれる美貌の彼に惹かれてしまい、 彼も思いは同じで、一夜限りという同意のもと、情熱的な夜を過ごした。 エドワードとサリー。ただ名前を教え合っただけで。でも今、 再びこの地を訪れて彼の素性を知った。もう一度会って確かめたい。 彼があのエドワードだと。おなかに宿る幼い命のことは伝えずに……。 『泣きぬれたシンデレラ』の関連作、ジェームスの妹サリーのロマンスをお届けします。エドワードには、たしかに政略結婚の相手がいました。彼が妊娠を知ったのと同時にマスコミにも嗅ぎつけられ、エドワードはサリーを豪華な別荘にかくまうことにしますが……。
彼にとって私はただの戦利品……。 でも、惹かれる想いは止められない。 厳格な継父に育てられたクレアは、おとなしく従順な娘だった。 結婚相手までも継父に決められていたが、拒むすべはない。 そんなある日、継妹がヨットクラブで出会った男性ベンを連れてきた。 ハンサムでいかにも裕福そうな彼は、一流企業の社長だという。 クレアと違って奔放な継妹には、お似合いの相手に見えた。 ところが彼は継妹の恋人ではないらしく、クレアを無遠慮に見つめると、 いきなり彼女の手を取って、脈打つ手首に唇を押しつけたのだ。 初めて経験する熱いざわめき……。震える彼女に、ベンが言った。 「君は、お父さんの決めた人と結婚することなどできないよ」 クレアの中で眠っていた情熱が目覚め、恋に落ちた瞬間だった。 往年の名作家シャーロット・ラムの隠れた名作です。初めて知る恋に戸惑うクレアと、迷う隙を与えまいとするかのように次々と誘惑をしかけるベン。熱い恋の攻防のゆくえはーー?