出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
ケンドラは多国籍企業総帥バルサザールのオフィスに赴いた。彼は昔パーティで出逢い、庭の東屋で情熱を教えてくれた男性。今、兄の不正を許してほしいと懇願する彼女に、無慈悲にもバルサザールは、その身を投げ出すならと迫った。嵐のように荒々しい黒い瞳がときに悪魔を思わせる、尊大な彼の強烈な魅力に抗えるはずもない…。ケンドラは熱い行為へといざなわれたー。3カ月後、彼は突如現れて言った。「君は妊娠しているはずだ」どういうこと?まさか、おなかの子を取り上げるつもりなの?
救急科の看護師ホリーは、クリスマスを間近に控え、そわそわと落ち着かない日々を送っていた。2カ月前に赴任してきた代診医のダニエルに一目で惹かれたが、彼はひとつの場所に定住せず、女性も次々と替えるという噂で、契約が終わり次第、外国へ旅立つということだった。接点がないまま迎えた病院のパーティの夜、思いがけずも二人きりになる機会が訪れ、ホリーは彼と熱い一夜を共にする。これは一度きりのこと?それとも…。胸に希望が芽生えるが、翌日の彼の態度はよそよそしく、ホリーは深く傷ついた。ところが、ダニエルはその後もやさしく誘いをかけてきて…。
修道院の養護施設で育ち、シスター目指して修練中のアンナはある日、院長から王の娘の教育係に抜擢された。だが着任したその日に、アドニス王に即刻帰るよう命じられる。彼は教母である院長が花嫁候補を送りこんだと察知したのだ。そうと知らないアンナは、せめて2週間の試用期間をと願い出た。すぐに解雇されたらシスター不適格とみなされてしまうわ…。幸い滞在は許された。けれどギリシア彫刻のように長身で逞しいアドニス王に惹かれ、純潔を捧げるのに時間はかからなかった。叶わぬ恋と知りながら。そして王の子を身ごもるとも知らずに。
19歳で結婚した夫は、カレンにひどい男性不信を植えつけて他界した。以来彼女は誰ともつき合わず、幼い娘だけを慈しみ暮らしてきた。だが娘も学校に上がり、カレンはタイピストとして働き始める。その会社の社長が、ハンサムで優しいマット・ルーカスだった。有能で部下思いで、カレンが今までに出会ったことのないタイプだ。そんな男性からデートに誘われても、彼女はただ戸惑ってしまい、せっかくの仕事を辞めてしまう。彼が本気なはずがないもの…。ところが、カレンの娘がマットの甥と同級生という縁もあり、カレンたち母娘は、豪華なリゾートへの休暇に誘われる。はしゃぐ娘を見て、カレンはつい、マットの招待を受けるがー。
旅先で唯一の家族の父を失う悲運に見舞われたフレイヤ。今はニューヨークで憧れの仕事に就くことを夢見つつ、ケータリング会社でウエイトレスのアルバイトをしている。ある夜、豪華なボールルームで出会ったのは、威圧感を漂わせるシチリア富豪、ジョヴァンニ・カタラーノ。事故で家族を亡くしたうえ、自らも体に癒えぬ傷を抱えながら、ソフトウェア開発で莫大な富を築いたカリスマ的な人物だ。フレイヤは彼の魅力に囚われ、誘われるまま純な身を捧げた。まさか結婚までしてくれた彼が突然姿を消すとは思わずに。
きつい清掃の仕事をしながら大学進学を目指すロージーは、新しい派遣先でハンサムなギリシア人アレックスと出会った。初めて惹かれた男性に身も心も捧げ、幸せを感じたのも束の間、彼の子を身ごもったことが、その後のすべてを変えてしまう。妊娠を伝えに行くと、そこにいたアレックスーいや、本名アレクシウス・スタブローラキスは、大企業の経営者で、天涯孤独のロージーは、実はギリシア富豪の孫だと言いだした。そして飄々と告げたのだ。「結婚とひ孫の誕生を報せに行こう」アレックスは驚愕するロージーを連れて、一路アテネへー。
人違いの誘拐劇ーー その顛末は、傲慢伯爵との結婚? ドロシーは家庭教師として働くため、遠いエジンバラに向かっていた。 両親亡きあと4人の弟妹を養っていくには、それしか方法がないのだ。 道中立ち寄った宿で、彼女は駆け落ち途中の若いカップルに出会う。 体調を崩した女性を介抱してやると、相手の若者は何度も礼を言ったーー ドロシーの手を握りしめて。怒りの形相で男が乱入したのはそのときだ。 「伯爵家を継ぐ、僕の被後見人をたぶらかした女は君だな!」 彼はいきなりドロシーを肩に担ぎ上げたかと思うと、馬車に放り込んだ。 公衆の面前で醜態をさらされ、エジンバラ行きも逃したドロシーに、 翌朝やっと勘違いに気づいた男性は、すべての責任を取ると言った。 「僕はワースレイ伯爵、トビアス・スペンロウだ。君を妻に迎える」 ヒストリカルの人気作家アニー・バロウズが、またも舞台喜劇を彷彿とさせるような傑作を描きました! ハンサムだが頑固で不器用なヒーローと、弟妹の世話に明け暮れ、結婚を諦めていたヒロイン。そんな二人の結婚生活は、もちろん順風満帆にはいかず……?
男装の女盗賊に心を奪われては、 誇り高き騎士の名が廃る……。 「動くな。武器を捨てろ。あなたたちは包囲されている!」 さる領地へ向かう途中、伯爵家の騎士サイモンに命令する者があった。 暗がりに目を凝らすと、声の主はどうやら少年盗賊らしい。 百戦錬磨のサイモンは生意気な相手を黙らせようと剣を抜いたが、 不意をつかれて馬上から地面へ落とされ、揉み合いになった。 たかが少年に手こずるとは屈辱的だと腹を立てながら、 サイモンは一撃で急所を仕留めるため、相手の下腹部に手をやったーー ない……あるはずのものが! 戸惑った瞬間、頭に石を打ちつけられ、 遠のいていく意識のなか、サイモンは驚きの光景を見た。 目の前にいるのは少年ではなく、はしばみ色の瞳の美しい女だった。 気を失って囚われの身となったサイモンは、“女盗賊”ビーシアへの怒りをあらわにし、自由になった暁には彼女を奴隷にしてやると心に誓いますが……。本作は初版時、HQヒストリカルの100号記念作に選ばれました。活発で聡明なヒロインが印象的な秀作です!
幸せな頃の夢を見させてーー 神様、もう一度だけ。 「覚えていないの? わたしたちはもう結婚しているわ!」 そのうえ今は別居中で、離婚手続きが進んでいるのよ……。 シャーリーはその言葉をのみこみ、負傷した夫を前に途方に暮れた。 マッテオには幸せの絶頂だった結婚式前日までの記憶しか残っていない。 事故で頭を強打し、部分的に記憶を失っている今の彼に、 さらなる衝撃とストレスを与えるのは厳禁だ。 仕事中毒のマッテオは医師に2週間の静養を言い渡され、 シャーリーは彼とともに新婚旅行で行くはずだったアマルフィを訪れた。 ただちに事実を告げて立ち去るべきだという理性の声には、 つゆほども気がつかないふりをして。 せめて、彼の記憶が戻るまでの間だけ……。背徳感を押し殺しながら、前回は途中で終わった新婚旅行の続きを魅惑的な夫マッテオとともに楽しむシャーリー。でも、幸せな結末をどれほど切望しても、運命はやはり残酷で……。うち捨てられた花嫁の、切ない片恋物語。
難病とわかって絶望に打ちのめされた助産師のエレンは、祖母の家に身を寄せることにし、憧れのショーンと8年ぶりに再会する。17歳のころ彼にキスを拒まれ、屈辱的な思い出となっていたが、今、産科医となった彼から、意外にもデートに誘われた。片想いが叶っても、もう私には未来なんてないのに…。そう思いつつも彼の魅力に屈し、いつしか二人は結ばれたのだった。その後、この病は妊娠が禁物とあって気をつけてはいたけれど、不安になって調べると、エレンのおなかには小さな命が宿っていた。ショーンは病のことを知らないうえに、まだ結婚には興味がないらしい。ああ、どうしよう!エレンの心は、千々に乱れた。
ジャネットは仕事で訪れたオフィスで、10年前に突然別れを告げて姿を消した元婚約者のウェイドと偶然再会し、息をのんだ。だが今や大企業の辣腕社長となった彼の冷酷な態度に衝撃を受け、ジャネットはその場から一目散に逃げ出した。すると翌週、ウェイドが彼女の職場に乗り込んできて、吐き捨てるように言った。「聞かせてくれ。いったい何人の子をベビーシッターに預けてきた?」彼は何を言っているの?いわれなき疑いに、ジャネットは呆然とした。「君は僕に愛を誓いながら、平然とほかの男と結婚するような女だ!」ひどいわ…。あれからずっと、結婚はおろか、誰ともつき合わず、彼のことを思い出して涙で枕を濡らす夜もあったというのに…。
リヤは異母妹の身代わりの花嫁として婚礼の場にいた。そして、王族にして富豪というシャリフの顔を見て愕然とした。目の前にいるのは、一瞬で心を奪われ、一夜をともにした男性!ところがシャリフにとって結婚はビジネス、妻は道具だった。彼は花嫁のリヤに、前日、関係を持ったのはまちがいで、夫婦となっても寝室は別だ、と言い放った。新婚初夜なのに、リヤは一人、冷たいベッドへ追いやられる。これは政略結婚。なのに、なぜ夫の拒絶にがっかりしているの?理由はあの夜の、やさしかったシャリフを忘れられないから…。
夏の間だけギリシアのリゾートホテルで働く美容師のマーニー。ある日ビーチで足を怪我し、痛みでうずくまっていると、バイクで通りかかったレオンという男性に手を差し伸べられた。野性的な風貌と高貴な青い目。瞬時に魅せられたマーニーは、誘われるまま食事を共にし、疑いもせず身も心も捧げてしまう。だが彼は純潔を隠していたと咎め、マーニーを追い払ったのだ。翌日、世界的大富豪レオニダスがホテルに滞在していると聞き、その姿を見たマーニーは仰天した。レオン!信じられない。あの夢のような一夜は、ただの富豪の火遊びだったというの?
カーラが家政婦としてつきそった老齢の葡萄園主が亡くなった。死後に開示された遺言で、カーラには未払いの賃金だけでなく、土地や屋敷までもが遺されていたことが判明する。これに異を唱えたのが、故人の商売敵のマキシム・デュランで、一代で莫大な富を築いた、若くハンサムな大富豪だ。ずっと彼に密かに惹かれていたカーラは、反発しながらも、互いの間に高まる情熱の炎に抗えず、純潔を捧げてしまう。だが翌日、手酷い裏切りに遭ったカーラは自らの過ちを知る。すべてを捨てて逃げ出すが、彼女はすでに身ごもっていて…。
17歳の純白の心に、 キスの烙印を残した人ーー。 ケルシーは勤務先の社長の息子に言い寄られ困っていたが、 恋愛経験のない彼女には、うまく断ることができない。 そんなある日、カードを添えた一輪の赤い薔薇が届く。 〈今夜、夕食をともにしたい。マーシャル・ヘンダーソン〉 マーシャルですって? ケルシーの全身がかっと熱くなった。 4年前、わたしの唇を奪い、そのまま姿を消した実業家……。 しつこい相手に諦めてもらう口実よ、と自分に言い聞かせ、 彼女はマーシャルのもとへ向かった。彼があのとき言い残した、 「いずれ君は危険な女になる」という言葉を思い出しながら。 相手が若すぎたゆえに当時は身を引き、成長をずっと見守っていたマーシャル。ケルシーもあのキスをずっと忘れられずにいて……。切ない初恋と再会のロマンスです。
幼い頃に母を亡くし、里親のもとを転々としてきたシェリーは、24歳のある日、思いがけない事実を知ることとなった。死んだと聞かされていた父親が、実は最近まで生きており、ずっと彼女を捜していたというのだ。いてもたってもいられず、シェリーは生前の父が暮らしていたポルトガルへ向かった。荘厳な館で彼女を迎えたのは、父の後妻の息子で伯爵のジェーム。見上げるほど背が高く、灰色の瞳が美しい。この人が私の義兄?だが彼はシェリーを見ると、冷酷な笑みを浮かべて言ったー遺産目当てで現れた人間を歓迎する気はない、と。
私を愛していない男性にすがる。 12月の寒空、ほかに方法はなかった。 犬23匹に猫6匹、うさぎ2羽。解雇され、住まいも失ったのに、 この子たちの行き先を見つけ、生活費も稼がなくてならない。 しかも今、エイミーは妊娠していた……富豪セヴの子を。 天涯孤独な動物看護師の私にやさしく声をかけ、誘惑したのは、 プレイボーイのセヴにとって、ただのゲームにすぎなかった。 でも愚かで無垢な私は舞い上がり、すてきな彼に夢中になって、 一夜をともにした。愛されている、幸せになれると思って。 愛を否定された心の傷は、まだ癒えていない。 だが追いつめられたエイミーは、震えながら彼に助けを求めた。 ヒーローに初めての恋をしたヒロイン。しかしヒーローの目に彼女は、彼の妹を妊娠させて捨てた既婚者の隠し子としか映っていません。父親の顔も知らなかったヒロインは、愛する男性から衝撃の事実を聞いて、悲しみと絶望の淵へたたき落とされるのでした。
こんな形で婚約指輪をはめるなんて……。 彼女は人生の残酷さに涙した。 家が隣同士の幼なじみであるイブとゲイジは、 周囲の反対を押し切り駆け落ちしたが、仲を引き裂かれた。 イブの父の悪巧みで、ゲイジが若い娘を騙したという噂を流されて。 7年後、イブは一族の会社を倒産の危機から救うため、 冷酷な富豪となったゲイジに助けを求めるほかなくなった。 彼が提示した条件はーーイブが彼の婚約者を演じること! 取引先の企業の経営者が厳格な人物のため、 自分のいわれなき汚名をすすぐ必要に迫られたという。 イブは、かつての愛情ではなく怒りの宿る彼の目を茫然と見つめた。 『大富豪と折れた翼の青い鳥』で華々しく日本デビューを飾ったカリー・アンソニー。今回お届けする彼女の作品は『ロミオとジュリエット』と『嵐が丘』のいいとこ取りのような贅沢でドラマティックなロマンスです。大型新人作家の第2弾をご堪能ください。
夫は言った。妻の務めだけでいい。 愛も世継ぎも、欲しくはない、と。 王子ガンナー・フォン・ビョルンランドの類いまれなる容貌は、 北欧の神の化身とも称されるほどだが、彼は放蕩者でもあった。 女王に仕えるラティカは、そんなガンナーが苦手だった。 青い炎のようなまなざしを向けられるだけで、体が熱くなる。 だから、彼を落ち着かせるための花嫁探しが始まったとき、 ラティカは安堵した。彼が結婚すれば、心を乱されずに済む……。 盛大な舞踏会が開かれ、世界中から大勢の美女が集められた。 だがその夜、ガンナーはなんとラティカとの婚約を発表する。 そして彼女を我が物顔で抱き寄せると、濃厚なキスをしてーー。 『誘惑のドレスに隠した無垢』にも登場した、神と崇められるほどの美貌を誇るガンナー王子のロマンスをお届けします。メイシー・イエーツといえば大胆なプロットと生き生きとした描写力が持ち味ですが、ホットでスリリングな誘惑シーンにもご注目ください。