出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
さようなら、皇太子さま……。 恋人だったこの夜を、私は忘れない。 買い物に出た両親が事故で帰らぬ人となり、ビアンカは茫然自失に陥った。 そんな彼女を、さらなる衝撃が襲うーー母が遺した日記によると、 ビアンカは父の実の子ではないかもしれないというのだ。 出自がわからなくなり、足元が崩れるような不安に苛まれながらも、 ビアンカはウエディングプランナーの仕事に打ち込もうとする。 そんななか出逢った、さる王国のレオことレオポルド皇太子に雇われ、 彼の妹の結婚式を手がけることになった。準備に明け暮れるうち、 黒髪と神秘的な瞳が魅力的なレオに日ごとに惹かれ、 ある夜、ビアンカはとうとう彼に一夜の愛を捧げてしまう。 やがて一国の王となるレオとの恋に、未来などないというのに……。 ロマンティックなシンデレラ・ストーリーを得意とする作家、J・フェイ。ビアンカは身分違いを理由に、愛するレオとの恋から立ち去ろうとします。一方のレオも、妹の結婚式の翌日には、母の選んだ妻候補の中から婚約者を発表することを約束させられていて……。
尊大な社長に反抗したくても、 彼に命じられるままに……。 半年前にロンドンへ出てきて、大企業に勤めているアイヴォリー。 ある日、オランダにいる社長の指示で、大至急資料をそろえたが、 担当秘書のパスポートの有効期限が切れていたため、急遽、 アイヴォリーが代わりに書類を届けにアムステルダムへ飛んだ。 夜遅くに指定のホテルに着いたときには疲れきっていて、 案内された部屋に入ると、ベッドに倒れ込むように眠りについた。 翌朝、近くで声がし、アイヴォリーは目覚めた。「きみは誰だ?」 驚いて見ると、隣のベッドにハンサムで大柄な見知らぬ男性がいる。 なんとそれは、まだ会ったことのなかった社長、ローソンだった。 ああ、よりによって、間違って社長の部屋で寝てしまったなんて! HQイマージュ〜至福の名作選〜より、大御所作家ジェシカ・スティールの初期の珠玉作をお贈りします。失恋を機に、都会に出て頑張る21歳の若きアイヴォリー。そんな彼女が大人の男性ローソンと出逢い、翻弄し翻弄されるキュートでロマンティックな恋物語です!
ある雨の日、バス停にいたクレアラベルに、とんだ災難が降りかかる。前の客に足を踏まれてけがをし、後ろの客に傘で小突かれたあげく、側溝の泥水に足をとられているうちに、バスが走り去ってしまったのだ。だが通りすがりのロールスロイスに拾われ、家まで送ってもらうことに。車の主は長身でハンサムな整形外科医、マルク・ファン・ボーゼル。猫2匹と暮らす彼女の狭いフラットには場違いなほど洗練された男性だ。「5分しかないんだ」彼は傲慢ともいえる態度でそう言うと、そそくさとクレアラベルのけがの手当てをして帰っていった。翌朝クレアラベルは職場の病院で、回診に加わった意外な人物を見て驚く。昨日のあの人だわ!けれど、当のマルクは彼女に目を留めもしなかった。
富も権力もほしいままにする大富豪をもひざまずかせる、この世に唯一のものーーそれは、愛。悩めるシンデレラたちの恋心を軸に、4つの上質なラブストーリーを選り抜いた、心華やぐ短篇集です!
キャシーは広告代理店で働きながら、女手一つで幼い娘を育てている。力を誇示する男性に対して恐怖心があるため、いっさい身を飾らず目立たぬようにして異性を遠ざけ、娘との生活を大切にしてきた。ある日、化粧品会社に向けたプレゼンテーションを任されることになり、急遽、上司から、化粧をしてセクシーな服を着ていくよう命じられる。相手先へ向かったキャシーは、精悍な顔だちの男性に正面衝突して驚いた。高級スーツをまとった長身の彼こそ、化粧品会社の社長ローハンだった!怖れとともに、胸の奥に甘い疼きを覚え、キャシーは戸惑った。やがて、そんな彼女の心を見透かすように、ローハンは宣言した。「堅物を演じても無駄だ。その殻を破って、いずれ必ず君を手に入れる」。
大邸宅の家政婦として働きだして数カ月たった夜、マギーは初めて雇い主のギリシア富豪ニコスと顔を合わせた。そしてカリスマ性のある彼に強く惹かれ、純潔を捧げてしまう。ニコスとはそれきり会うことがなかったが、彼女は妊娠に気づく。父親になると知らせた手紙にも、彼から音沙汰はなかった。さらに月日がたち、別の屋敷のパーティで給仕をしている最中、マギーは客として招かれたニコスとふたたび顔を合わせる。赤ん坊を預けて働いている彼女に、驚愕するニコス。彼はマギーが妊娠したことも、出産したことも知らなかった…。
シャーロットは大晦日の夜、美女との噂が絶えないイタリア富豪、ブランドとベッドを共にした。誘惑に惑わされ、一夜かぎりと知りながら。ところがシャーロットは妊娠し、思いがけない喜びに浸った。でも遊び人のブランドには頼れない。この子は私が守るわ。事実だけは伝えようと彼の暮らすフィレンツェへ飛んだ彼女は、ブランドの口から出た意外な言葉に耳を疑った。「その子はぼくの一族の大事な跡継ぎだ。ぼくたちは結婚する」愛はないのね?非情な求婚にシャーロットは身を震わせた。
ヴァイオレットはマット・ファルコナーに退職願を出したが、彼は優秀な秘書を手放すまいと、強引に懐柔を試みてくる。ボスは何もわかっていないわ…。恋心を隠し続けた胸が痛む。ずば抜けた経営手腕と、ハンサムな容貌、華やかな女性遍歴。どんな女性も、彼に惹かれずにいることは不可能だー真面目なだけが取り柄の地味な秘書、ヴァイオレットですらも。だからやっとの思いで退職を決めたのに、二人で働く最後の夜、彼はヴァイオレットの目をまっすぐ見て、こう言ったのだ。「君とベッドを共にしたい。この一夜だけでいいから」
忘れえぬ最愛の人に、 ハーレムで弄ばれるなんて。 ベサニーがラズルと出会ったのは学生時代。 そのエキゾチックで危険な魅力に一目で惹かれたが、 彼から激しく求められても、二人が結ばれることはなかった。 砂漠の国の皇太子である彼との未来なんてありえないから……。 数年後、ベサニーは仕事でラズルの国へ派遣される。 一国の権力者がベサニーの入国を知ることなどないはずなのに、 なんと彼女は空港で拘束され、まっすぐ宮殿へ連れていかれた。 再会したラズルは端整な顔に不敵な笑みを浮かべ、言った。 「あのとき僕を拒んだ君に、女の悦びを教えてやろう」 HQロマンスのトップ作家リン・グレアムの大ヒット作をお贈りします。育ちや文化の違いを理由に、愛する人を拒んでしまったヒロインへの、甘く残酷な仕打ちとは……?
身を固めるからと、彼は私を捨てた。 小さな命が宿っているとも知らず。 「ぼくはイタリアに帰って、別の女性と結婚する」 ライモンドの通告に、フェイスは立ち直れないほどのショックを受けた。 彼女はまだ世間知らずの若き助産師、彼は経験豊富な大人の医師だった。 ほんの短いあいだの恋だったけれど、身も心も捧げたのに。 6年後、フェイスのもとに、なんの予告もなくライモンドが姿を現した。 妊娠を、そして出産を手紙で知らせても梨のつぶてだったのに、なぜ? 彼の変わらぬ美貌に胸をときめかせる一方、フェイスは恐怖を覚えた。 まさか、今になって娘の親権を要求しに来たとか……。 するとライモンドが言った。「きみに子供がいると聞いたんだ」 フェイスは凍りついた。“聞いた”って、いったいどういうこと? 2度も送ったはずの大事な手紙が、ライモンドのもとに届いていなかったことがわかり、動揺を隠せないフェイス。たとえ手紙が届いていたとしても、ライモンドが別の誰かと結婚してしまったことに変わりはないと思い直しますが、実は彼はすでに離婚していて……。
魅力的な雇い主を愛したら最後、 目も当てられない結末が待っている。 子供好きなマーニーは、住み込みで幼児の世話をするナニーとして、 弁護士ダニー・マネッリの豪壮なペントハウスで働けることになった。 12歳で父に捨てられてから、病の母を支えて貧しさに耐え、 苦学してようやく大学を卒業した甲斐があった。 将来、ナニーの派遣サービスを始めるという、夢の第一歩。 ダニーと2歳の息子ともすぐに仲よくなり、順風満帆に思えた。 ところが、このハンサムな雇い主は未婚で妻がおらず、しかも最近、 彼の実父が悪名高き大富豪と判明したことを知ると、不安に苛まれる。 実はマーニーには、名前を変えてまで隠している悲しい事情があるのだ。 世間の注目を浴びれば彼に迷惑がかかると考え、身を引こうとするが……。 関連作『ガラスの靴のウエイトレス』『シンデレラの眠れぬ夜』に続く、大人気作家スーザン・メイアーによるNYを舞台に繰り広げられるシンデレラ・ストーリー! 元恋人の嫌がらせのせいで人目を忍んで生きてきた日陰のヒロインに、幸せは訪れるのでしょうか?
ハイランドに、優しい愛などない。 愛は、乙女を一瞬で焼き尽くす野火。 破産寸前の没落貴族を父に持つペニーは、将来を悲嘆していた。 いずれ私は、金持ちで好色な老人と結婚させられるのだろう、と。 事実、父は娘を借金の形に売ったが、相手は意外な人物だった。 ラクランーー海運業で莫大な富を築いたというハイランドの氏族長は、 恐ろしく背が高く、屈強で非情な目をした無口な男だった。 ペニーは怯えながら彼を見上げ、はっとした。この人を知っている! 幼い頃、ただ一人心を許し、慕っていた年上の優しい少年。 突然消えてしまった彼が戻ってくるなんて……私を妻にするために? だが、夫となったラクランに、少年の面影や優しさは微塵もなかった。 彼はまるで復讐するかのように、夜ごと激しい情熱をペニーにぶつけ……。 HQロマンスとヒストリカル・スペシャル、二足のわらじで活躍する話題の覆面作家ミリー・アダムズがお贈りするのは、ワイルドなハイランダーとの愛なき結婚ロマンス。情熱的な筆致で綴られる感動作を、どうぞお見逃しなく!
結婚の“無効”を望む夫を、 愛してはいけないでしょうか……。 アンは珍しい色の瞳をした美しき騎士リースに王宮で声をかけられ、 見知らぬ男性とはいえ、その魅力に抗えず言葉を交わした。 すると、それを見咎めたアンの異母兄がリースを負傷させてしまう。 事態を収めようと国王が命じたのはなんと、アンとリースの結婚。 会ったばかりで夫婦になるなんて! でも、王に逆らうことはできない。 それに、アンにとっては暴君の異母兄から逃れられるだけでなく、 超然として堂々たるリースの妻になると思うと、胸が高鳴るのだった。 ところが、そんなアンの乙女心を知ってか知らずか、 二人きりになると、リースが思いがけない策を打ち明けた。 「結婚したあとでも、床入りしなければ、結婚を無効にできる」 ヒストリカル・ロマンスの大御所マーガレット・ムーアの秀作をお贈りします! 花嫁に提案した秘策を、弟たちや友人にも説明したリースですが、いざアンとの結婚生活が始まると、みずからが思いついた計画と欲望とのあいだで板挟みになり……。
ジェシカは18歳のときに両親を亡くし、幼い妹を一人で育ててきた。 生活の糧は大手宝飾店の専属モデルの仕事のみだったが、 会社が買収され、新社長のギリシア大富豪の存在に、身を震わせた。 ルーカスーー8年前、やむなくプロポーズを断った元恋人。 別れたあとも、わたしはずっと密かに彼を愛していた……。 しかし、ルーカスは冷酷な瞳で専属契約の解消をほのめかしつつ、 ジェシカに大胆な衣装と宝石をまとわせると、 妖艶な大人のモデルに転身するよう厳しく言い渡した。 ルーカスの目的はベッドの上の関係だけだと察しながらも、 生活費と妹の学費のため、ジェシカは彼の要求をのむしかなかった。 〈苦労と献身の果てに〉と題して、家族を養うために頑張って働くヒロインを翻弄する愛の物語をお贈りします。ルーカスをいまだに愛するがゆえに、彼の非情な誘惑に抗いきれないジェシカ。彼との将来などないとわかっているのに……。共感必至のヒロインです!
生まれる愛、誓う愛、試される愛。ありふれた幸せな夫婦は、ある日夫にかけられた強姦の冤罪により、運命の試練にさらされー2019年女性小説賞受賞、NAACPイメージ・アワード受賞、アスペン・ワーズ文学賞受賞。
称号だけで実は借金まみれの伯爵家に生まれたヴァイオレット。娘を王家に稼がせたい野心家の母親の画策で、モンテゴヴァの王子ザックの下で働くことに。ザックこそ彼女の初恋の男性、一度きりのキスの相手だった。結局彼に拒絶されたものの、二人の間には炎がくすぶったまま。愛されていなくても、思い出になればそれでいいの…。出張先でついにヴァイオレットはザックと一夜を共にした。けれど妊娠がわかると、ザックは義務だと言って求婚してきた。子供のためだけに結婚するなんて、あまりにも切なすぎるー。
イタリア富豪に知られてしまったーー 彼の子をひそかに産み育てていることを。 ヴェネツィアでつましい暮らしを送るキアラは、 イタリア富豪ヴァルの誘惑に抗えず、なすすべもなく純潔を捧げた。 プレイボーイのヴァルが去っていったあと、キアラは気づく。 妊娠しているなんて! いっそう生活に困るようになった彼女は、 ヴァルの父親である大富豪の庇護を受け、ひそかに娘を産んだ。 3年後、ヴァルの父親が闘病の末に逝去し、遺言が開示された。 その席でキアラはヴァルと再び顔を合わせ、 自分の血を分けた子の存在を知って激高する彼に言い渡された。 「娘にはぼくの姓を名乗らせる。きみはぼくと結婚するんだ」 濃厚ながらも品のあるラブシーンで定評のあるダニー・コリンズ。そんな彼女がお贈りする本作は『9カ月目の再会』の関連作で、ヒロインの親友として顔を見せていたキアラが主人公をつとめます。傲慢なヒーローの強引な振る舞いに怯えるヒロインにご声援を!
15歳のその日まで、アルティは城に住む幸せな少女だった。だが悲劇的な事故で母を亡くしたことがトラウマとなって以来、人に会うことも、城の外に出ることもできなくなってしまった。10年後ー。城は朽ちかけ、財産も底をついたが、美しい女性に成長したアルティは、世界を知らないままだった。そんなとき、若きイタリア人富豪ルカ・フェランテッリが現れ、城を買い上げたから出ていくように、とアルティに告げたのだ。そんな…わたしはこの城を、出たくても出られないのに。青ざめる彼女にルカは続けた。「いやなら、僕の妻になるんだ」
オリビアの亡き父が創業した会社が、大企業に買収された。父が何より大切にし、将来は弟が継ぐはずだったのに…。オリビアはいてもたってもいられず、先方の社長に会いに行く。マシューは背が高く、はしばみ色の瞳が魅力的な男性だった。「喜んで会社を君に返そうーただし」彼は条件を出した。半年だけ彼の妻になってくれるなら、というのだ。結婚すれば会社は夫婦のものになるから、と。弟を思い、彼女は承諾した。ただし、とこちらも条件をつけて。「結婚しても、決してあなたとベッドはともにしないわ」
愛しい命を守りたいーー それが彼女の、最後の願い。 子供のころに家族を失い、施設で孤独に育ったゾーイは、 ある日元恋人の医師ベンと再会し、熱く切ない一夜を過ごした。 だが愛を失う恐怖にとらわれて逃げだしたーー2年前と同じように。 そして今、目の前にまたベンがいる。今日こそ彼に伝えなければ。 自分の生き方についての考え方が変わったことを。 この最後のチャンスを、絶対に逃したくはないことを……。 「妊娠しているのか、ゾーイ?」ベンの率直な問いを受け、 ゾーイは数奇な運命を伝えるための勇気をかきあつめた。 「ええ。あなたの子よ。それと、妊娠がわかってから癌が見つかったの。 私が死んだときには、この子のことをお願いしてもいいかしら」 ショックと悲しみにうちひしがれながらも、深い愛でゾーイの願いを受け入れたベン。身重の体で働きながら治療を受け、徐々にやつれていくゾーイを懸命に支えますが、彼女はかたくなに愛を拒みつづけて……。小さな天使が絆をつなぐ、ドラマチックな運命の愛。