出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
苦労してキーリーを育ててくれた母が再婚することになった。 相手は、母がハウスキーパーをしていた屋敷の主。 キーリーは最愛の家族の幸せを心から喜んだが、母は浮かぬ顔だ。 聞けば、義理の息子となる実業家のタラントが“財産めあて”と責め、 小切手を持たせて母を追い払おうとしたというのだ! なんてひどい人なの、そのタラントという息子はーー。 たまらず彼の会社を訪れたキーリーは、長身の魅力的な男に迎えられた。 「母親が言うとおりの美人じゃないか」タラントがそう漏らし、 無遠慮に彼女を眺め回したあと吐き捨てた言葉に、彼女は耳を疑った。 「まさかハゲタカが2羽もいるとは思わなかった」 母に幸せになってほしい一心でタラントと面会したキーリーでしたが、あまりにも理不尽な応対に、思わず彼の頬を平手打ちしてしまい……。HQプレゼンツ作家シリーズ別冊より、年の差ロマンス特集〈若き乙女と大人の男〉をお届けいたします。
乙女は決して忘れなかった。 愛することと、夢見ることを。 ロンドンにある親戚の屋敷に居候しているシャーロットは、 意地悪なはとことその母親に虐げられながら暮らしていた。 そんなある日、一家はシャルフォード伯爵邸に招かれる。 新伯爵アダム・ファントンが花嫁候補たちを一度に招待したらしい。 魅惑的なアダムを目で追わないよう、シャーロットは自らを戒めた。 伯爵夫人にふさわしいのは、はとこのような美人の令嬢。 持参金もない地味な私は、引き立て役にすぎないのだから……。 しかしアダムは信じがたい言葉を口にしたーー君は最高にきれいだと。 そして突然、情熱的なキスをした。貧しい娘と知りながら。 シャーロットは無垢な心を差し出した。叶わぬ恋と知りながら。 夢のようなひとときもつかのま、父の訃報によってシャーロットの暮らしは一変します。親戚母娘は悲嘆に暮れる彼女を使用人のようにこき使い、屋根裏部屋に追いやって……。本国の編集部と読者はもちろん、翻訳者も絶賛のRITA賞受賞作品をお読み逃しなく!
英国貴族のリチャードはロンドンの場末に足を踏み入れた夜、お腹を空かせた路上の少年に持ち物をかすめ取られた。すかさず捕まえて問いただすと、少年の下町言葉は明らかに偽りとわかり、高貴な生まれと踏んだリチャードは、事情を聞きだすため夕食をおごる。食事を終えてそそくさと去ろうとする少年と揉み合いになった弾みで少年の帽子が脱げたそのとき、長い髪が流れ落ち、繊細な顔を縁取った。なんと、薄汚い少年と思っていたが、美少女だったのか!じつはジョージーという名の彼女は、両親の死後、伯父の借金の形として薄気味悪い男に売られそうになり、家出して路上をさまよう身だった。「お願い、助けて」不安と悲しみの涙が、ジョージーの頬を伝った…。
大富豪エリオット・スタークの秘書、ルーシー・アンは、身ごもったことに気づいた日、彼の前から姿を消した。あれは間違いだったのよーエリオットを密かに愛し、支えてきたが、ただ一度だけ体を重ねた翌朝、彼の恋人と鉢合わせてしまった。プレイボーイの彼が、結婚をして父親になりたいと思うはずがない。生まれた赤ん坊は何より愛しい宝物だったが、彼のいない寂しさは募る。だが再会の日は突然やってきた。エリオットは不意に訪ねてきて、男らしさと成功者のオーラを漂わせ、子供のために結婚すると宣言した。「僕は情熱的な夫になるよ」熱く見つめられ、体が疼く。だめよ…もう二度と彼と過ちをおかうわけにはいかないわ。
重い病気から奇跡的に回復したアナは、夫ルシオを待っていた。 彼はハンサムでセクシーな年上の実業家で、熱烈な恋に落ちて結婚した。 早くわたしたちの赤ちゃんに会いたい……。 やっとルシオは現れたが、どこか様子が変だ。 赤ん坊はもういない。君は流産して子供を失った、などと言う。 なぜそんなひどいことを……。ルシオ、いったいどうしたの? ルシオは重い口を開くと、信じられないことをアナに告げた。 「君が脳炎にかかって記憶を失う前、僕たち夫婦は離婚寸前だった」 彼女は過去5年間に起きたことのすべてを忘れていると言うのだ。 離婚なんて嘘……彼を心から愛しているし、赤ちゃんだっているわ! 実力派作家ジェイン・ポーターが描く、記憶喪失ロマンスです。ルシオと出会ったころの初々しい17歳に戻ってしまったアナ。二人は愛を取り戻すことができるのでしょうか? そしてアナが訴える赤ちゃんの真相とは? 最後まで一気読み必至です。
地味な秘書ジェーンにとって、それは心躍る一夜になるはずだった。家主の老婦人の代理で、豪華なパーティに出席することになったのだ。年代物の高価なドレス、流行の髪型とメーキャップ、きらめく宝石ー大変身した彼女は、今夜は別人になりきって楽しもうと決心する。そして、ジェーンは理想の男性アダムに出会った。裕福な実業家一族の御曹司である彼の話を夢見心地で聞きながら、平凡な自分が恥ずかしくなったジェーンは、偽の電話番号を教えてしまう。二人の世界は違いすぎる。もう二度と会うこともないでしょう…。無理矢理そう思い込み、ジェーンはアダムを忘れようと努める。数カ月後、思いも寄らない再会が待ち受けているとは知る由もなく。
亡夫の埋葬を終えた直後、ララは車で連れ去られた。驚いたことに、運転していたのは元恋人の富豪チーロだった。2年前、結婚間近の二人は借金まみれのララのおじに誘拐され、怪我をしたチーロをかばってララは許しを乞うが、おじは非情にも名家の老当主に姪を花嫁として売り渡したのだ。「僕は妻を必要としている。2年前の約束を果たしてもらおう」あまりに冷たいチーロの求婚に、ララは身を震わせた。真相を知らない彼は、いまも私を恨んでいるのだ。ララは結婚を承諾したー黒衣の下の純潔を隠したまま。
ロントンで質素な生活を送るキャットは、ある日、手紙を受け取り、指定された法律事務所に出向いた。そこで対面したのは、ギリシアの実業家で富豪のザック・カヴロス。彼が冷酷な祖父の代理人だと知り、キャットは怒りに駆られた。母は結婚に反対されて駆け落ちしたものの妊娠後に捨てられ、何の援助もなくイギリスで極貧生活を送ったあげく亡くなったのだ。それでも祖父が重病と知らされて心を揺り動かされ、キャットは提案されたギリシア行きに同意する。まさか旅の途中でザックに抱きすくめられて唇を奪われ、生まれて初めての熱いときめきを覚えることになるとも知らずに。
修道院育ちのピアは、旅先のNYで初めての恋におちた。エメラルド色に輝く瞳を持つ黒髪の優美なアレスに身も心も捧げ、帰国後、思いがけない妊娠に気づく。アレスの連絡先すら知らず途方にくれたが、おなかのふくらみが目立ちだす頃、彼が現れた。そして、アティリアの皇太子という身分を明かし、おなかの子が我が子ならばと求婚してきた。子供に父親は必要よ。でも、愛のない結婚なんて…。ロンドンでのDNA鑑定のため、彼の自家用機に乗ったピア。機内で眠り込み、目を覚ましたとき…そこは彼の王国だった!
触れた手を彼に払われた夜から、 彼女は愛の迷路をさまよい始めた。 こんなに美しくてセクシーな敏腕ドクターがいるなんて! 3カ月前、ケイトは初対面の臨時勤務医フアンを見て、密かにときめいた。 彼が現れると、女性スタッフはみな化粧直しに走るほどだったが、 まじめで用心深いケイトはフアンからの誘いを再三断っていた。 あと2週間もしたら彼はこの国を去り、また別の病院で働くのだから。 わたしは遊びの恋ができるほど、器用でも大胆でもない……。 だが刻々と別れの日が近づく中、フアンの医師としての能力の高さや、 患者に接する態度の温かさを目の当たりにし、恋心は最高潮に達した。 ある夜、フアンから不意にキスをされ、ケイトは理性も忘れて 愛おしげに彼の首筋に触れたーーまさか、その手を拒まれるとも思わずに。 思いきって一歩踏み出した瞬間、心のバリアを張られたことで我に返ったケイトは慌てて引き返そうとします。でも、もうすでに恋の迷宮に迷い込んでしまっていて……。HQロマンスでも大活躍中のスター作家キャロル・マリネッリが贈る、美しくて切ない感動作!
孤児のマリーは里親家庭をたらい回しにされながら、奨学金で大学を卒業し、今は自らが支援を受けた慈善団体で働いている。ある日、マリーに思わぬ転機が訪れた。カンヌにある本部に呼ばれ、慈善イベントのマネージャーに抜擢されたのだ。一緒に仕事をする裕福な支援者ザンダーが現れた瞬間、優雅で自信に満ちたハンサムな彼を見て、マリーは息をのんだ。さる公国の王子で、亡き姉の幼い娘を後見する彼は慈悲深くもあった。好きにならずにいられない…でも、身分の違いを忘れてはだめよ。そんなマリーの気も知らず、ザンダーは彼女に豪華なドレスを着させ、“同僚”として次々と上流階級のパーティに連れ歩くのだった…。
胸に突き刺さる、愛する夫の言葉……。 「この家から出ていけ。ぼくの人生からも」 結婚相談所に入会したペイトンは、大企業CEOギャレンの花嫁に選ばれた。 彼は親友夫婦の忘れ形見の少女を守り育てるために妻を探していたのだ。 だが実は、ペイトンの望みは結婚ではなく、彼の祖母アリスに近づくこと。 彼女の父はかつてアリスに不当解雇され、一家は路頭に迷った末、 病の母は治療を受けられず息を引き取ったのだった……。 ところが、いざ夫となったギャレンは世界中の誰よりもハンサムで、 親を失った少女を思いやる魅力的な男性と知り、ペイトンは胸が痛んだ。 婚前契約により最低3カ月は結婚を続けなくてはならないけれど、 彼らのためにも、なるべく早く離婚を切り出すべきね。 このとき彼女はまだ知らなかったーーわが心に芽生えつつある愛の重さを。 結婚当日まで相手と顔を合わせないマッチングサービスで夫婦となる男女を描く本作。失った家族への思いと、夫への想定外の恋心という相容れない感情に懊悩するヒロインに、胸が切なくなります。『花嫁の孤独な寝室』『摩天楼の哀しき花嫁』の関連作です。
たとえ花嫁になる夢はついえても、 あなたを想いながら小さな命を育みたい。 アイヴィが大企業の社長パクストンの秘書になって1年半。 初めて会った日から、魅力的なボスに密かに憧れてきたけれど、 じつは彼女の母方の一族とパクストンの一族はかつての敵同士だった。 母方の素性を隠し、この恋は実らぬものと半ば諦めていたある日、 舞踏会後にパクストンに誘われるまま、情熱の一夜をともにしてしまう。 だが、翌朝ベッドに彼の姿はなく、アイヴィはひどく傷ついた。 やがて妊娠まで発覚し、ボスの出張中に理由も告げず退職願を提出した。 ああ、また一つ大きな秘密ができてしまったなんて……。 独り切なく産婦人科へ通うアイヴィが妊婦用の薬を受け取っていたとき、 強い視線を感じて顔を上げると、なんとパクストンと目が合った! 本作は『海運王と憂いの花』『赤い髪のシンデレラ』の関連作で、ハーデン三姉妹の末妹アイヴィがヒロインを務めます。妊娠を隠し通すつもりだったのかと詰め寄るパクストン。けれども、一族同士の関係を明かしたら話がこじれると思うアイヴィは口を閉ざし……。
リゼットはウェイトレスをしながら苦学した末、法律事務所に就職した。大学を卒業できたのは、客だった余命わずかな老富豪のおかげだった。友情を築いた二人は、貧しい彼女の家族への援助と引き換えに、孤独な老富豪が最期の時を楽しく過ごすための“白い結婚”をしたのだ。だが彼の息子ジェイクは彼女を金目当ての女と責め、敵意を向けてきた。老富豪が亡くなって2年が経ったころ、リゼットは職場で上司から、新しいクライアントの世界的な大実業家を担当するよう告げられる。大抜擢に喜んだのもつかの間、紹介された相手を見て凍りついたーそこには、鋼のような瞳で彼女を見据えるジェイクの姿が。これまでずっと私を冷遇してきた彼が、いったいなぜ…?
カーラの双子の妹が“息子を取り戻して”と言い残して亡くなった。 夫の忘れ形見である赤ん坊を、冷酷な義兄に奪われたという。 妹の義兄は、裕福なイタリア人実業家ザンドロ・ブルネレスキ。 意を決して彼の豪邸を訪ねたカーラは、案の定、門前払いされる。 「死んだ弟も、君も、親として不適格だと言ったはずだ!」 彼はわたしを妹だと思っている……カーラは誤りをあえて正さず、 亡き妹のために、どれだけ息子を大切に思っているかを訴えた。 あまりにもハンサムなザンドロに訝しげに見つめられ、体が震える。 彼のまなざしにも、隠しきれない情熱が……いいえ、 妹の子を奪ったザンドロに惹かれてしまうなんて、絶対にだめ! ハーレクイン・セレクトで初めてお贈りするダフネ・クレアの名作は、人気の姉妹入れ替わりもの。カーラが妹のふりをしていると気づかないまま、彼女の訴えに真心を感じたザンドロは、しばらく息子とともに過ごすことを許しますが……。
ある日、ローラは姉夫婦が死亡したという連絡を受け取った。 知らせてきたのは義兄の親友で名門出身の大富豪アントン・ドヴィア。 何度か会ったことはあるが、過剰なまでの男っぽさや尊大さに、 ローラはつい怖じ気づいてしまい、ひどく苦手な相手だった。 遺された姪サリーのもとに駆けつけると、そこにはアントンがおり、 驚いたことに、後見人としてサリーを引き取ると言う。 たしかに一介の秘書の私より彼に育てられたほうが幸せかもしれない。 でも、両親を亡くして不安になっている姪を放ってはおけないわ……。 ためらい、思い悩むローラを、アントンは嘲るように眺めると、 有無を言わせぬ口調で言った。「君は僕と結婚しなくてはならない」 幼い姪のために愛なき結婚を余儀なくされたローラ。まだ男性を知らないため初夜を恐れる妻を尻目に、アントンはふつうの結婚生活を送りたいとベッドをともにすることを望み……。ほんとうの夫婦となるまでの、二人の心の変遷をお楽しみください。
アビーは幼い息子と二人きり、孤島で暮らしていた。 息子の父親で大富豪のダモンのことはずっと忘れようとしてきた。 2年半前、アビーは事業拡大を目論む強欲な父親に利用され、 結果として、愛するダモンの家族を破滅へと追いやった。 彼は私が裏切り者だと固く信じている。決して赦しはしないだろう。 それなのに、突然やってきて、子供のための結婚を迫るなんて! 彼はアビーの父親から事業を奪い返し、息子のことを知ったのだという。 アビーが父親の片棒を担いでいたと信じているダモンは、 今すぐ息子を連れ、彼のシチリアの屋敷へ移るようにと命じた。 息子の世話をし、夫のベッドを暖めることが、彼女の贖罪だと言って。 アビーは慌ただしくシチリアへ飛び、結婚式を挙げます。夫となったダモンの腕に再び抱かれ、変わらぬ彼への愛に枕を濡らしても、いまだアビーへの深い怒りを抱える彼に告げることはできなくて……。切ないシークレットベビー・ロマンスです。
そばにいても手が届かない男性。 これほどせつない関係があるだろうか。 ある日、義兄のルカに呼び出されたソフィアは衝撃を受けた。 サン・ジェナーロの国王として、彼は平民上がりの義妹のために、 結婚相手を選ぶ舞踏会を開くつもりでいたのだ。 私は誰とも結婚なんてしたくない。好きなのはルカだから。 しかし国王に逆らっても無駄で、舞踏会の夜はやってきた。 悲しみのあまりソフィアは屋外へ飛び出し、薔薇園へ逃げこむが、 追いかけてきたルカに唇と純潔を奪われてしまう。 その数週間後、彼女は急な吐き気に襲われ、妊娠に気づいた。 ルカに命じられた別の男性との結婚式は、目前に迫っていた……。 どんなに想いを寄せても、体面をなにより重んじる義兄の王が私を愛することはないーー初めて会った日から、ヒーローへの気持ちをひた隠しにしてきたヒロイン。けれど彼女と一夜をともにしても、ヒーローが別の男性との政略結婚を中止にすることはなく……。
夢が叶うまで、あと1万ポンドー祖父母の遺したコテージで暮らすため、タラは働きづめだった。貧しい彼女には家の改修費すら、まだ用意できずにいた。そんなとき裕福な銀行家マルクが声をかけてきた。南フランスの別荘で1週間、恋人のふりをしてくれたら、1万ポンドの報酬を支払うというのだ。これほど魅力的な男性と親密な演技だなんて、私にできるの?タラの不安は的中し、マルクに恋して身を捧げてしまう。資金を得た彼女は虚しさに襲われるが、妊娠に気づいて…。