出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
ブリナは信じられなかったーこのわたしが妊娠9週目?このところ体調不良がそのせいだなんて、夢にも思わなかった。思春期のころの手術のせいで子供を持つことはできないと言われ、運命を恨んでさんざん泣き暮らした時期もあったけれど。いまは彼女なりの愛される資格を探りながら、半年前、金融界の大物ラフ・ギャラハの愛人になったのだ。だけど約束も束縛もしないという二人のルールは、もう守れない。ブリナは何も告げずにラフのもとを去った。愛していたから。子供が欲しくない、彼の重荷にはなりたくなかったから。
継母に虐げられ続けて、耐えられず家を飛び出した孤児ベッキー。 雨の中で途方にくれていると、ロールスロイスに乗った 優雅な身のこなしの、見知らぬオランダ紳士が声をかけてきた。 医師でもある男爵ティーレーー彼は濡れそぼったベッキーを 連れ帰り、足の悪い母親の付き添いとして屋敷での滞在を許した。 生まれて初めて優しくされてどうしようもなく彼に惹かれていく ベッキー……。だが、ある日、ティーレが自分のことを、 「やせぎすのねずみみたいな娘に僕は魅力を感じない」 と話しているのをもれ聞いて、思わず涙ぐんでしまう。
義兄が他人の車に衝突して、救助もせず逃げただなんて。ラヴェンナは、悪夢のような現実に信じられない思いだった。相手はイタリア領サルデニヤ島の豪族マーク・ディ・クルツィオ。マークはその事故で亡き妻の忘れ形見を失った。そしていま、“罪の償いは家族に求める”というサルデニヤの掟に従って、ラヴェンナに、跡継ぎを産むための犠牲結婚を強いてきたのだ。言いなりにならなければ、その罪を暴露すると脅されては、病身の義父のためにも、ラヴェンナは純潔を捧げるしかなかった。暗く凍てついた彼の瞳から、逃れられなくなるとも知らずに。
9人死亡、12人負傷ー国内テロを請け負う殺し屋エディソンは、ファストフード店で銃乱射事件を起こし、8歳の少女を現場から連れ去る。きっかけはマヨネーズ入りのバーガー。卵アレルギーの彼に対し致命的な手違いが起きたのだ。少女はなぜか逃げようとせず、やがてエディソンの“娘”として仕事を手伝い始める。だが殺しから殺しへ渡り鳥のように暮らす2人に、運命は思わぬ代償を課しー。
彼がほしいのは週末だけの婚約者。 永遠に続く週末を願うのは私だけ……。 幼くして両親が離婚したアシュリンにとって家族は宝物だった。 だから異父姉の息子が重病を患い、高額の治療費が必要と聞いて 姉の亡父の遺産を独占した実業家ダンテの住むシチリアへ飛んだ。 だがダンテは援助を拒み、逆にアシュリンに協力を求めてきた。 パーティに婚約者として同行すれば100万ユーロ払おう、と。 取引先の要人が同席する場で遊び人の汚名を返上したいらしい。 かわいい甥を救うためなら、なんだってするわ。 アシュリンは承諾し、男女の一線だけは越えないと約束する。 ところが当日、宿には部屋が1つしかないと知って……。 婚約者のふりから始まるせつないシンデレラ・ロマンスをお楽しみください。本国編集部のお墨付きの実力派作家、ミシェル・スマートも日本デビューを果たして早3年。共感を呼ぶ愛らしいヒロインを描くその手腕に、ますます磨きがかかっています。要注目!
カフェで出会った瞬間から、ルーシーはタージに惹かれた。まさか、ハンサムな彼がイギリス訪問中の異国の王とも知らず。絢爛豪華なヨットでのパーティへ招待され、彼女は夢のような一夜をタージと過ごしたが、朝がくる前にひそかに立ち去った。王だとわかった以上、彼の隣に庶民の自分の居場所はないからだ。しかし3カ月後、タージと思いがけない再会を果たしたとき、ルーシーは母とともに暴力的な継父に追われ、窮地に陥っていた。タージに助けてと言ってみる?もうほかに方法はない。私のおなかに宿っている、彼の赤ちゃんを守るには…。
スペインの名門富豪ディエゴは、女心を弄ぶ堕天使と悪名高い。両親の愛に恵まれず、孤独な子供時代を過ごした彼は、妻が浮気相手とともに事故死して以来、愛を信じなくなった。あるとき祖父に、兄弟のうち先に結婚した者に財産を譲ると申し渡されてまもなく、疎遠な弟マティアスの婚約を知る。だが、相手が取引先の娘リリアナと聞いて絶句した。彼女はぼくに恋していたのではなかったのか?-結婚前夜、窓辺に佇むリリアナに近づく、黒い人影…。「ヘリを待たせてある。一緒に来るか?」ディエゴが言った。
すべては余命短い父のため。 罪なき偽りの、婚約宣言……。 高級デパートチェーンの社長秘書エヴァは、会議の準備中、 服にコーヒーをこぼしてしまい、慌てて着替えをしていた。 運悪くそこへ次期社長のジョスが現れ、彼女は恥ずかしさに息をのんだ。 長年、有能な彼にときめいても、必死に恋心を抑えてきたのだ。 今も平静を装いながら、エヴァが背中のファスナーを上げるのを 手伝ってほしいと頼むと、ジョスは紳士らしく手を貸してくれた。 だが、まさにその瞬間を目撃した彼の父である現社長が、 二人の仲を誤解した様子の訳知り顔で、衝撃の事実を告げるーー じつは自分は末期癌だが、これで安心して息子に会社を譲れる、と。 エヴァが誤解を正そうとすると、ジョスがそれを遮るように宣言した。 「彼女とは真剣な関係だ。じつは、僕たち、婚約したんだ」 母の死後、父に寄宿学校へやられたことが、子供だったエヴァの心に大きな傷跡を残しました。愛し、信頼する人に見捨てられたことで、誰かを愛することに臆病になってしまったのです。そんな彼女を相手に婚約宣言をしたジョスもまた、心に傷を抱えていて……。
看護師のエマは車でオランダを旅行中、誤って高級車にぶつかってしまう。すぐに謝り、弁償すると申し出たが、相手の男性は冷たくそっけない。それでいて、同乗していたエマの母には優しくふるまう彼に、苛立ちと、切ないような不思議な感覚を胸におぼえ、エマは戸惑った。名も告げず去った彼を、その後も思い出しつつ迎えた旅の最終日、古城での催しで、エマは件の男性と偶然再会し、胸を高鳴らせる。ユスティンと名乗った彼はしかし、隣にすらりとした美女を連れていた。「そういうことなのね…」小さくつぶやいて肩を落とすエマだったが、帰国後、職場の病院で、驚くべき事態が彼女を待っていたー手術の最新技術を伝授する外科医として、ユスティンが現れたのだ!
放蕩富豪のいたずらな指輪が、 無垢な乙女の恋心を翻弄するーー 23歳のモリーはまだ男性経験がないが、2週間前の仮面パーティで 夢のようなキスをしてくれた男性こそ、運命の人と確信した。 顔はわからないながらも、相手の指輪から、彼が誰かは見当がついた。 そこでモリーは、相手の弟であるジュリアンを訪ねる。 ジュリアンとは兄妹も同然に育ったので気恥ずかしいけれど、 意を決して恋の相談をすると、彼は思いがけない提案をした。 1カ月間、ジュリアンとモリーが恋人同士のふりをすれば、 兄の嫉妬心をかき立て、振り向かせることができるというのだ。 だがモリーは知る由もなかったーー目の前のジュリアンこそ、 あの夜、魅惑のキスで彼女の心を奪った“運命の人”とは! かりそめの結婚契約から生まれた真実の愛を描いた、『億万長者と硝子の花嫁』の主人公ランドンの弟、ジュリアンが本作のヒーローです。3歳のときに孤児となってジュリアンの家に引き取られたモリー。血のつながらない兄と妹のような二人の、恋のゆくえは?
十代で母と妹を事故で亡くし、自らも癌を患った過去を持つナオミは、ある日、人里離れた場所に立つガラス張りの館を訪れた。ここに住む有能な大富豪、ロイスの協力のもと家業を盛り立て、もう病弱な自分ではないことを、家族に証明したいのだ。でも、世間を寄せつけない彼との交渉は慎重に進めなければ。いざ会ったロイスは、優しく魅力的な男性だった。悪天候でガラスの館に閉じ込められ、ともに過ごすうち、ナオミは孤高の大富豪に強く惹かれ、身も心も任せてしまう。しかし、性急に燃え上がった情熱の余韻も冷めやらぬなか、ロイスが氷のように硬い表情で言った。「きみの本当の目的はなんだ?」
2カ月前に母を病で亡くしたばかりのマリーナは、 白血病の少女に骨髄を提供するため、はるばるイギリスへやってきた。 空港に迎えに来ていたのは、約束の運転手ではなく、 少女の親族である若く美しきウィンターボーン伯爵、ジェームズだった。 はじめこそ、尊大な態度をとる彼に反感をおぼえたものの、 互いに身の上話をするうち、しだいに打ち解けていった。 そしてマリーナは伯爵に魅了されている自分に気づくーー心も、体も。 経験したことのない我が身の反応に戸惑うと同時に、気分が浮き立つ。 だが、伯爵邸に案内されるなり、ジェームズの世話係の老人が忠告した。 伯爵様には、婚約を考えている美しい令嬢がおられます、と。 名うてのプレイボーイ伯爵の唇からこぼれた“ノーとは言わせない”という誘い文句が、何度も頭にこだましてしまうほど純朴なヒロイン。魅力的な彼との間に慎重に距離を保とうとしますが……。大スター作家リン・グレアムがお好きな方におすすめしたい一作です!
ケイトの勤務する会社が突然買収され、現れた新社長の姿を見て、彼女は我が目を疑った。5年前、事業が成功して富豪になるや、別の女性を作ってケイトを捨てた元夫のショーン。今でも私の心は血を流しているというのに、彼の下でなんて働けないわ。ましてや、離婚後に身ごもったと気づいた息子の存在は知られたくない…。(『愛を捨てた理由』)。牧師の次女ジョージアがイタリア名家の子息レンツォと結婚するのには、誰にも言えない事情があった。もともとレンツォの婚約者だったジョージアの姉が、彼の既婚の弟と駆け落ちしてしまい、姉の身代わりとして結婚に同意しなければ、父親に事実を告げると脅されたのだ。姉の背徳を知れば、聖職者の父はどれほど悲しむか…。(『ハネムーン』)
シアは両親亡き後、ウエイトレスをしながら大学で学んでいる。 華やかな生活を送る友人からNYでの休暇に招かれたが、 連日連夜のセレブの集いには、気後れして楽しむことができない。 ある晩、会場のバルコニーでシアは男性に声をかけられた。 目を見張るほどハンサムで、富と権力がにじみ出るようなオーラに、 男性経験のない彼女は恐れをなして逃げ出してしまう。 彼こそがパーティーの主賓、大富豪のルシアン・スティールであり、 目を留めた女性は必ず手に入れると知ったのは、そのあとだ。 翌朝、高級ホテルの鍵が届き、友人宅から彼女の荷物が運び出された。 シアは震え上がった。私は、彼の標的になってしまったの……? 大スター作家キャロル・モーティマーがお贈りする、強引な億万長者と無垢なヒロインのロマンスです。富と権力と自身の魅力を惜しみなく使い、女性の身も心も虜にするヒーローに釘づけです!
アリスはコーンウォールの漁村にある小さな診療所の医師だ。ある日、村の不良少年たちに絡まれてしまったアリスは、ハンサムでたくましい、イタリア系の男性に助けられる。それがジョヴァンニ・モレッティージオとの出会いだった。その年の夏、アリスの同僚が恋人とバカンスに出かけるあいだ、代わりに来てくれることになった元外科医だという。ひょんな手違いからジオはアリスの家に下宿することになり、職場でも家でも一緒という、気まずい夏が始まった。なぜなら、ジオは完璧すぎるのだ。腕の立つ医者で、優しくて、セクシー。アリスは初めて覚える胸のときめきに、とまどいを隠せず…。
看護師のルイーズは恋人の外科医ダニエルと結ばれた翌朝、 君は僕の妻にはなれない、これは軽い“お楽しみ”だったと告げられた。 ショックのあまり母国に戻るが、追い打ちをかけるように妊娠が発覚。 彼女との結婚を望まないダニエルには知らせることなく、 独りで産み、貧しいながらも懸命に赤ん坊を育てていた。 息子が3カ月になり、仕事復帰に選んだ病院へルイーズが初出勤すると、 そこには驚くべき人物がーーなんとダニエルが勤務していたのだ! ルイーズが子育てをしていると人づてに知った彼は、 なぜ秘密にしていたと責めるよりも、さらに残酷な言葉を口にした。 「よかったね。僕のあとに、幸せになれる相手に巡り合えたんだね」 不世出の大スター作家キャロル・モーティマーの系譜ともいえるキャロル・マリネッリ。心に傷を持つ医師との情熱的なシークレットベビー・ロマンスをお届けします。
ドレスがなくても、貧民街育ちでも、いつだってあなたが わたしを王女様にしてくれる。珠玉の語り部、L・ヒース新刊! 第9代ソーンリー公爵の命の灯は、暴漢の手によって消されようとしていた。 逃げた花嫁を追い、貧民街になど足を踏み入れたせいだ。運命を呪う公爵だっ たが、颯爽と現れた男性に救いだされ、手厚い看病を受ける。目覚めた公爵の 瞳に飛びこんできたのは、あるはずのない胸の膨らみーーそう、恩人ジリーは 女性だったのだ。治安の悪い場所で働くため、幼い頃から女性らしさを拒絶し て生きてきたジリーは、今も男装を貫いている。しかし、男物のシャツでは隠 しきれない可憐さと、意外にもうぶな一面が、公爵の男の部分を刺激して……。
手紙に綴られた君の言葉が、僕を優しく包みこむーー。 傑作の呼び声高い、サンドラ・ブラウンの初期作。 目覚めたときトレヴァーは病院のベッドに横たわっていた。勤務する大使館を 襲ったテロリストによる爆破ーー親友をはじめ多くの人間が亡くなり、トレヴ ァーは数少ない生存者だった。しかし代償として左目を失い、絶望する日々の なか、彼は亡き親友が持っていた27通の手紙を目にする。そこにはカイラとい う女性からの愛に満ちた言葉が綴られていた。自分宛ではないとわかっている のに、その手紙はいつしかトレヴァーの心の支えになっていく。カイラに会い たいと願い、やがて退院したトレヴァーは彼女の住む町へ足を向けたが……。
父の死後、初めて母の遺品を見ることを許されたサビーヌは、 実の父がほかにいるという事実を知って愕然とした。 生前、母はフランスの生まれ故郷について多くを語らなかったが、 かの地に行けば、本当の父親がわかるかもしれない。 不安を胸に抱えて、サビーヌは母の故郷の村を訪ねた。 すると一人の男がサビーヌを見たとたん、怒鳴りつけてきた。 目に軽蔑の色を浮かべて、二度とここに来るなと言って。 危険な香りと、鮮烈な魅力を放つ男の剣幕に思わず凍りつく。 彼は、私の父が誰か知っているのだろうか……?