出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
富豪ニコスは敵を欺くべく自らの死を装って1年半を過ごした後、スペインにやってきた。そこで待ち受けていた驚愕の事実は、かつて交際していた女性マリサが彼の息子を産んでいたこと。僕の跡継ぎとなるあの子は絶対誰にも渡すものか!純潔と情熱を捧げた男性ニコスが突然目の前に現れ、マリサは激しい衝撃を受けた。彼が生きていたなんて!安堵と歓喜もつかの間、マリサはニコスの言動から思い知る。彼が必要としているのは私ではなく、私の産んだ子供…。
亡父の借金のせいでギャングに追われているクレアは、女性の噂が絶えない大富豪デーヴの豪華クルーザーに逃げこみ、彼のキャビンのクローゼットに身を隠した。数時間後、眠りこんでしまったクレアは、激怒したデーヴに叩き起こされ、追いだされそうになって、涙ながらに懇願した。見捨てられたら、お金だけでなく命の危険もあるのだ、と。考えを巡らせたデーヴが持ちかけたのは契約結婚だった。「きみの安全は保障され、僕は放蕩者の汚名を返上できる」彼を愛さなければ問題ないはず。だがなぜかクレアの心は揺れた。
出会ったばかりの男性にボディガードを頼むなんて。アニーは自身の思いがけない行動に驚いていた。悪党に絡まれているところを救ってくれた、ゲイブと名乗る謎めいた放浪者に、ひと目で強烈に惹かれてしまったのだ。その日以来、ゲイブは片時もアニーのそばを離れることなく、ときに厳しく見守り、またときに情熱の炎で包みこんでくれた。じつはアニーは不治の病を患っていた。残された時間はあと僅か。どうか1日でも長く、彼と一緒にいられますように。アニーはまだ知らなかったーゲイブの驚くべき正体も、彼がアニーを救うためにすべてを投げ打とうとしていることも。
苦しい生活を支えるため、ある調査の仕事を引き受けたジェシー。別人に変装して、調査対象者がよく通うバーに出向いたところ、一人でカウンターにいる青い瞳の魅力的な男性に否応なく惹かれた。彼こそが、調査対象者のミスター・マーシャル。なんてセクシーな人!ジェシーは危うく彼の誘惑に屈しかけたが、なんとか理性を取り戻し、その場から逃げおおせた。数日後、長年望んでいた仕事につくチャンスがおとずれ、その会社のボスと面談をすることになったジェシーは、現れた男性を見て絶句する。あの夜のセクシーな彼がなぜここに?
セバスチャンー?フェリシティは我が目を疑った。16年前、自分を捨てて消えた恋人が、目の前にいる。今や世界的ホテル王となったセバスチャン・デュボワー忘れえぬ初恋の人が、16年ぶりに村を訪れたのだった。フェリシティは胸を締めつける痛みをこらえた。この16年、いったいどこにいたの?ああ、どんなにあなたが恋しかったか!セバスチャンは結婚指輪はしていなかった。恋人はいるのかしら。ききたいことは山ほどあった。でもその前に話すべきことがある…。「私、子供がいるのー私たちの子よ」
サビナは18歳で養護施設を出たあと、貧しい日々を生き抜いてきた。そんな彼女をずっと支え続けてくれた親友の片想いがようやく成就しそうだと聞いて、サビナは喜んだ。ところが二人の恋路を相手の兄が邪魔しているという。血も涙もない冷血漢の悪名を持つ、石油会社社長のソーンー次から次に女性とつき合っては無情に捨てると噂される大富豪らしい。政略結婚させるために弟の恋を阻もうとするなんて、ひどすぎるわ!ある日、親友のホームパーティに出かけたサビナは、尊大な男性に強引に誘惑をしかけられ、体に電流が走るのを感じた。サビナは夢にも思わなかった…彼こそが、ソーンであるとは!
重大な秘密を抱えたまま、ビリーはアレクセイと結婚した。結婚初夜、花嫁が無垢ではないと気づいたアレクセイは、激怒してビリーを責め立て、追いつめられた彼女は、ようやくすべてを語り始めたー純潔を捧げた夜のこと、妊娠し、息子が生まれたこと。そして何より、アレクセイが記憶を失ったために真実を伝えることもできず、どれほど惨めでつらかったかを。だが何も思い出せない彼は嘘だと断じると、怒りにまかせて部屋から飛び出していった。これで終わり?もう二度と、あの愛の記憶は戻らないの?傷心のビリーは家を出て、息子のもとへ向かった。数週間後、アレクセイが突然、ビリー母子の前に現れて…。
ウエディングドレスはみごとに仕上がった。サテンにレースを飾った、優美でかわいいドレス。それは、はつかねずみの一家の物語を描いた絵本の中で、ねずみの花嫁が着ているドレスとそっくり同じものだった。看護師のフランはこれを着て、花嫁に、いや、リサのママになるのだ。そう、愛されていないと知りながら、今日、フランは憧れのオランダ人医師リトリックと結婚するー彼の余命わずかな一人娘リサの最期の日々を幸せにするために、リサの願いどおり、絵本そっくりのドレスを着て。これは、やがて小さな命とともに終わりを告げる、切なすぎる契約結婚。
「幸せへの航海」忙しい日々を送る看護師のラヴデイは、親友に頼み事をされた。恋人との結婚を後見人のアダムに認めてもらえるよう協力してほしいと。翌日偶然アダムと顔を合わせると、彼は自己紹介のあとで突然ラヴデイにキスをしたかと思うと、続けて彼女のことを“お節介な出しゃばり”と非難したのだ。ラヴデイは激しく動揺して…。「愛と情熱の日々」ローレンは親に捨てられ、児童養護施設で孤独な子供時代を過ごした。難読症を抱え、過酷な現実にひとり立ち向かってきた彼女にとって、おとぎ話のようなロマンスは縁のないものだった。ある日、運命のいたずらにより、豪華なパーティーで、まるで別世界に住むギリシアの大富豪、アレクサンドロスと出会うまでは。「いきなり結婚?」ひとりで娘を産み育ててきたメリー。年頃になった娘の友人のおじだという長身で澄んだ青い瞳の会社社長ザックが訪ねてきて、二人が結婚するつもりだと聞かされ仰天する。しかしそれは勘違いだった。ザックはお詫びにとメリーを食事に誘う。断れず応じたメリーだったが、ザックに突然結婚したいと言われ、呆然とする!
両親には長年お荷物として扱われ、恋人には手ひどく捨てられ、唯一愛してくれた祖母まで亡くし、ドディは失意のどん底にいた。国際的な企業を率いるジェイゴに再会したのは、そんなときだ。実は彼とドディには5年前、衝動的にキスをした過去があった。変わらず魅力的なジェイゴに、彼女はついに身を捧げてしまう。1カ月後、ドディは人生初めての動揺とともに彼の会社を訪れた。私たちは母親と父親になる。ジェイゴにはそう告げなくては。ところが返ってきた反応はあまりに予想外で、残酷だった。ジェイゴは大事な会議があるからと、ドディを追い払ったのだ!
パティは名門ランド家で働く家政婦の娘だった。御曹司スペンスと惹かれ合い、激しい恋に落ちたが、ふたりの仲は彼の父親によって容赦なく引き裂かれた。妊娠に気づいたとき、すでにスペンスは出奔したあとで、出産後に死産を伝えられたパティは涙が枯れるまで泣き続けた。ところが数年後、突然スペンスが彼女の目の前に現れるーひとりの少女を連れて。「この子は僕たちの子だよ、パティ」いったいどういうこと?だって、私たちの赤ちゃんは…。静かに佇む少女は、彼と同じブルーグリーンの瞳を輝かせている。動揺し心を乱すパティは、思わずはっと息をのんだ。
サラは実業家アレックス・ロッシーニの秘書を務めて丸1年で、プレイボーイであるボスの交際相手の調整が仕事のようなもの。しなやかな長身に、日焼けした顔に輝く黄金色の瞳。女性たちが彼を夢中で追いかけるのも無理はない。ある日、サラは婚約者を性悪ないとこに奪われ、衝撃のあまり、優しい言葉で慰めてくれたアレックスの胸に飛び込んだ。さらに一夜限りと知りながら、守り通してきた純潔も捧げた。その後、予期せずボスからプロポーズされ、サラは承諾してしまう。まさかアレックスが用意周到に仕組んだ罠だとも知らず。
最後にひと目、義兄コンスタンティンに会って別れを告げよう。身重のジェニーはそう決めて、継父の追悼会に出席した。彼女が9歳のとき、実母がコンスタンティンの父と再婚して以来、ずっと優しかった義兄。友情はやがて片想いへと変わっていった。ところが3カ月前、ジェニーに思いがけない奇跡が起きた。コンスタンティンに誘惑されて純潔を捧げ、身ごもったのだ。でも、彼には婚約者がいるーこの子を守れるのは私だけ…。悩む彼女にコンスタンティンが放ったのは、耳を疑う宣言だった。「婚約は破棄した。愛はないが、代わりにきみと結婚する」。
ルテニア国王ジェイクの秘書として働くアンディは、3年分の恋心を胸に隠し、辞表を提出したー今、辞めなきゃ。彼が結婚してしまう前に。華やかな美貌の令嬢たちの誰かを、彼は花嫁に選ぶ…。いったい、どうなってるんだ?ジェイクはいぶかった。秘書がいきなり辞表を出したと思ったら、転んで頭を打った衝撃でまさかぼくを恋人だと思い込むとは!優秀な秘書を失うのは国家にとっての損失。ならばこれを利用しようか。宮殿で開いた記者会見の席上で、ジェイクは高らかに宣言した。「ぼくが選んだ花嫁は…秘書のアンディだ」
体調を崩した産科医ダンを心配し、食事に招いた助産師のジョージー。惹かれ合った二人は、帰り際のキスが高じてベッドをともにする。“妊娠の心配はない”と、ジョージーはダンに伝えた。かつて妊活を4年間続けたものの叶わなかったうえに、元夫の浮気相手の妊娠によって離婚し、自分は不妊症だと確信していた。一方、ダンは大学時代に恋人と子供を出産で失い、命を救えなかった罪悪感から産科医になったのだった。二人はその後も仕事を通じ、互いのつらい過去を知るようになっていった。そんなある日、思いもよらない事実が判明するーなんと、ジョージーのお腹に新しい命が宿っていたのだ!
ラナは朝から晩まで身を粉にして働いていた。信じていた人が勝手に彼女の名義で莫大な借金を作ったからだ。そんなある日、偶然知り合ったイタリア富豪サルヴァトーレから、ラナは耳を疑うような依頼を持ちかけられた。「つきまとう女性を退けるため、契約結婚をしてくれないか?」期間は1年間。その見返りに借金を肩代わりしてくれるという。窮地にあるラナは法外な話に不安を覚えながらも受け入れたー“彼に惹かれ、ベッドを共にするなんて絶対だめ”と自戒した上で。それなのに、ある夜、ついに愛の炎が燃え上がり身を捧げて…。
意識を取り戻したとき、アリーは見知らぬ男性の腕の中にいた。ハンサムすぎて近寄りがたいほど整った顔。セクシーな肉体。心臓がどきんと鳴った。見覚えがある気がするけれど…。「アレクサ、なぜ君がここにいるんだ?」鋭い視線を向けられ、アリーは戸惑った。アレクサ?私はアリーよ。でも…。「自分でもわからないの。思い出せないの」そこはイタリア人富豪アンジェロの所有する島だったー。アンジェロは首を傾げた。派手好きだったアレクサに瓜二つだ。なのに彼女は無垢な乙女にしか見えない。「君は僕の妻だった」
レイシーが12歳のとき、最愛の父が再婚した。金目当ての継母にとって彼女は邪魔者でしかなかったらしく、ほどなくしてレイシーは修道院の音楽学校へ預けられた。だが卒業目前になって事態が一変する。父が病に倒れると同時に事業の経営も悪化。継母から助けてほしいと泣きつかれたのだ。海運王トロイを満足させ、資金を引き出せれば父は助かるのね?レイシーにしかできないという継母の口車に乗せられ、妖艶なドレスで飾り立てられた彼女はトロイに身を投げだすが、荒々しく唇を奪った彼から思いがけない言葉をかけられる。一夜だけの相手は必要ない。結婚してほしい、と。
その夜、ローレンは愛するラモンに妊娠を伝えるつもりだった。ところが二人の将来に話を向けたとたん、衝撃の事実を告げられた。ラモンは、実は巨大コングロマリットのCEOであり、さらにはスペインの公爵家の跡取りだというのだ。いずれ貴族の血を引く“ふさわしい女性”を花嫁に迎える、とも。ローレンは、何も言えずに彼のもとを去るしかなかった。1年半後、育児と仕事に忙殺される毎日を送るローレンの前に、ラモンが再び現れて命じる。「愛人として戻ってこい」怒りと屈辱、愛し子の存在を知られる恐怖にローレンは震えた。
教師のジェマは校長に退職を迫られ、落ち込んでいた。財政難ゆえのリストラで、実家が裕福な彼女に白羽の矢が立ったのだ。教師の仕事はジェマにとって生きがいだったし、古い価値観の両親とは折り合いが悪く、実家に頼りたくなかった。そんななか兄の結婚式で帰郷したジェマは、思わぬ人物と再会する。ルーク・オウローク。十代半ばで出逢い、心の友となった年上の男性。若気の至りで「キスのしかたを教えて」と彼にお願いし、些細なことから口論になって、疎遠になってしまったけれど…。あれから10年。美しく成長したジェマと、冷酷無比な大物実業家ルーク。痛いほど胸を高鳴らせるジェマに、ルークから思わぬ申し出がーこれから2カ月間、僕のアシスタントとして働かないか、と。