出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
愛し愛される結婚を夢見るグレースは社交シーズンのロンドンへの道中、宿屋で公爵家出身の美男子ルシアン・セントクレア卿と居合わせた。放蕩者の彼は夜遅くに、酔ってグレースの部屋に間違えて入ってきて、寝乱れた彼女を熱っぽく眺めると、いたずら心でキスを求めてきた。そしてグレースが唇を奪われたまさにそのとき、部屋の扉が開き、彼女の後見人にあられもない姿を見られて誤解されてしまう!思ってもみなかった事態に青ざめるグレースに、こうなった以上、僕たちは結婚するしかない、とルシアンが告げた。だが、人と深く関わりたくない彼には心に決めていることがあったー。もちろん、妻になる女性とも他人行儀な関係を保とうと。
母と弟を亡くした悲しみが今も消えないベアリー。そんな彼女がある日、何者かに連れ去られ、異国で囚われの身となった。暗い部屋でじっと心身の痛みに耐えるベアリーに、黒い影が忍び寄るー「合衆国の救出隊員、ゼイン・マッケンジーだ」ゼインに導かれて建物を抜け出し、深夜まで身を潜めた。その間、ベアリーは彼の強さと優しさに激しく惹かれ、命がけの状況のなか救いを求めるように、純潔を捧げたのだった。それから2カ月。あの夜の結果、人知れず小さな命を宿したベアリーは、事件後、なぜかゼインと彼女を会わせまいと妨害する父を避け、密かに姿をくらまそうと考えた。そこへ突然、愛しのゼインが現れる!
森の中で足首をひねって動けなくなっていたグレースは、突然現れたイタリア富豪テオに助けられて驚いた。この人は私に激怒しているはずだ。彼の父親を看取った看護師の私に、莫大な遺産の半分が譲られたから。冷酷と評判のテオは写真より実物のほうが何倍も魅力的で、財産めあての女と疑われているのに、気づくと彼を目で追いかけずにいられなくなっていた。惹かれる気持ちを見透かされたようにテオに唇を奪われたとき、グレースは悟った。私は炎よりも熱く彼に恋いこがれている、と。
両親を亡くした天涯孤独のエリーは、故郷スコットランドから憧れのニューヨークへやってきた。早速ウエイトレスの職を得て、パーティ会場で働くが、運悪く泥酔客に絡まれ困惑していた。すると主催者の富豪アレックスが現れて彼女を救い、連れ帰った。なんて素敵な人!救世主の虜になったエリーは純潔を捧げるが、翌朝、彼女の瞳の特徴的な斑点に気づいた彼の様子が急変する。「その瞳は…そうか、きみは最初から金目当てだったのか!」訳がわからず傷ついたエリーは逃げ出すが、なぜか彼からDNA鑑定を求められ、結果が出るまで傍にいるよう迫られる。
里親に育てられた貧しいマギーは、住み込みの家政婦をしながら大学生活を送っていた。雇主は魅力的な大学院生のトム。マギーは密かに彼に恋していたが、そんな想いもつゆ知らず、トムは別の女性と結婚し、マギーは傷心のまま彼の家を出た。6年後。妻に先立たれたという小国のプリンスからの依頼で、マギーは彼のまだ幼い息子と娘のナニーとして働くことになった。ある夜、子供たちにベッドを占領されたマギーは仕方なく、まだ会ったこともない留守中のプリンスのベッドで寝ていた。真夜中、誰かが布団に潜り込んできた気配で飛び起きた彼女は、驚きで言葉を失う。トム!なぜ、あなたがここにいるの?
「新しい恋人は、君が莫大な遺産を受け継ぐと知っているのか?」年の離れた義兄ニックは、プレイボーイで有名な裕福な実業家。父亡きあとサラの後見人をしている。サラの幼い日の義兄への憧れはいつしか恋に変わったが、24歳になった今も、まだ子ども扱いしてくるのだ。でも、私はもう大人よ。義兄の気持ちを知りたい…。ニックの前でセクシーなドレスを着る日を夢見て、ダイエットを決意したサラは、ジムのトレーナーに恋人のふりを頼み、ランチに招待することに。そして当日ー現れた男友達と、義兄の前でキスすると…?
“悪役令嬢”、本日も奔走中!芽生え始めた恋の行方はー?前世を思い出し、明るく柔和な天然ご令嬢に様変わりしたセレナ。リオネル王子とミアの浮気を応援する“悪役令嬢計画”も、周囲を巻き込みながら進行中!しかし、もしも計画が成功したら、親しくなった留学生・レオにも嫌われてしまうー。そう思うと、なぜか胸が痛み始めて…?Web版から大幅加筆&書き下ろしを追加した完結巻!
16歳で孤児となり、ホワイトホール家に引き取られたレイシー。兄のような存在の長男コールに憧れを抱き、寡黙で無愛想な彼がときおり見せる優しさに胸を躍らせる青春を送った。けれど時代は非情だった。コールが出征のため旅立ったのだー今にもくずおれそうな彼女に、「待っていてくれ」とだけ言い残して。レイシーはひたすら無事を祈りながら待ち続けた。だが帰還した彼は人を寄せつけず、彼女をひどく戸惑わせた。やがてコールはある出来事の責任をとってレイシーと結婚するが、初夜を最後に、二度と新妻に触れなくなってしまった…。最愛の夫との赤ちゃんがほしいと願うことさえ、私には許されないの?
子供が欲しい!結婚なんてしなくても、赤ちゃんは産めるわ。幼いころ父親に捨てられたマディーの辞書に“結婚”の文字はない。親友の赤ん坊を抱くうち母性が急に目覚めても、それは変わらなかった。ただ、子供を授けてくれる男性が必要だし、誰でもいいわけじゃない。英国貴族で金融会社の重役マイルズと再会したのは、そんなときだった。昨年のパーティで出逢い、強く惹かれるものを感じていた。優秀な頭脳と、女性を蕩けさせるルックス、そして高貴な生まれ…。愛は望めなくても、マイルズは子供の父親としては理想の男性だ。けれども問題は、昨年マディーは勇気を出して彼を誘ったのに、その誘いを丁寧な、しかし見下すような口調で拒まれたことだった!
『醜いあひるの恋』両親を亡くし、叔母に引き取られた看護師見習いのアラベラ。一緒に育った美人でわがままな看護師の従姉とは違い、平凡な顔で控えめな彼女はある日、気の進まない従姉に代わって、小児患者につき添ってオランダ旅行へ。ところが運転手が心臓発作を起こし、バスが横転してしまう。幸い彼女にけがはなく、助けに来たハンサムなオランダ人医師ギデオンが怖がる子供たちをなだめる様子に胸がときめいた。その瞬間、ずっと比べられてきた美しい従姉の顔が脳裏をよぎったーたとえ運命を感じても、私なんて恋するだけ無駄よ。『名目だけの花嫁』15歳の頃から恋い慕うアレンチア国皇太子のアントニオと婚約したクリスティーナ。けれども4年も無関心を決め込まれて放置されたため、この婚約はきっと解消されるのだろうと覚悟していた。周囲の人々から密かに“醜いあひるの子”とあだ名されてきた私だし…。しかし予想に反して、結婚式が盛大に挙げられることになったが、クリスティーナの心は複雑だったーウエディングドレスが着られるなんて夢みたい。でもこの結婚は、アントニオに愛されるためではなく、彼の妹のスキャンダルから国民の目をそらすためなのね。
両親の死後、養護施設で育ったジーニーには密かな夢がある。天才的頭脳を金儲けに利用した両親からもらえなかった愛情を、子供を産んで注ぎたい。苦学して、ソフトウェアの設計で生計を立てる彼女のもとにある日、浅黒い肌の官能的な富豪セヴェが訪ねてくる。購入提示額があまりに莫大で驚くが、彼に一目惚れし、“子供を授けること”を売却の条件にした。すると一笑に付されたものの、契約で彼の家を訪れた夜、誘われるままジーニーは身を捧げてしまう。やがて妊娠が判明。動揺しつつも、仕事のため外国行きの飛行機に乗り込んだはずが、離陸直後、セヴェが現れた。「僕の国で子供を産んでもらう」
祖父の葬儀の日、ミラは別居中の夫アリストスがいるのに気づいた。1年前、二人は赤ん坊をもうけるために契約結婚をした。だが、プレイボーイのギリシア富豪が秘書と抱き合っている姿を見て衝撃を受け、彼女は家を出たのだった。契約結婚を承諾したのはアリストスが初恋の人だからだったのに。しかし再会した夜、悲しみにくれるミラに彼はやさしく、惹かれる気持ちを抑えられなくなった彼女は夫に純潔を捧げた。数カ月後、アリストスが事故にあったという知らせが入り、ミラは夫のもとに駆けつける。おなかに新しい命を宿して…。
インテリアデザイナーのサキは、意外な客からの依頼に驚いた。大富豪ドミニク・プレストンが、わざわざ私を指名するなんて!じつは彼は苦学生時代にサキの実家で庭師として働いており、思春期の彼女の憧れの的だったー姉と親密な仲だと知るまでは。サキの家が没落した後、彼が広壮な屋敷を買い取ったと聞く。複雑な思いを抱えたまま、彼女はドミニクを訪ねた。改装してほしいという寝室に案内されたとき、彼が突然宣言した。この寝室で妻とくつろぎたい。その妻になるのはきみだ、と。サキは仰天した。これはプロポーズ?いったいどういうつもり?訝しみながらも抗えず、甘い言葉を受け入れてしまうが…。
切望していた子供を授かることなく夫と死別したジェイダは、生まれたばかりの身寄りのない女の子を引き取った。ところが1年後、大富豪アリク・ヴァシンが実の父親だとわかり、裁判所は彼に親権を与えてしまう。血の繋がりがないから、私はもう用済みだというの?ジェイダはショックで泣き崩れた。するとそこへ母を求めて泣き叫ぶ我が子に手を焼くアリクが現れ、報酬をはずむから子守りにならないかと声をかけた。大金さえ積めば、なんでも解決できると思っているの?ジェイダの怒りを見て取ると、アリクは挑むように言い放った。「それを拒むなら、僕の妻になるしかないな」
生後4カ月の赤ん坊を連れ、エリースはフィレンツェに降り立ったー元恋人のドクター・ルカ・ヴェネツィオに、この子はあなたの娘です、と告げるために。今まで子どものことを知らせなかったのは、失恋の傷心に加えて、切迫流産の危険があったから。それ以上に、かつてルカに子どもは要らないと言われたからだった。とはいえ、いつまでも知らせないままにはしておけないと、意を決してイタリアにやってきたエリースの告白に、ルカは驚愕した。DNA鑑定なんて必要ない。我が子であることは一目瞭然だ!そしてルカの口から、思わぬ言葉が飛び出した。「結婚しよう」
1年前に両親を亡くした18歳のマーシーは、おばから館を相続するため田舎からロンドンへ引っ越してきた。その港湾地区は多国籍企業サクストン社が開発を進めており、マーシーの館が唯一残る家屋敷で、文化的遺産とも言えた。まるで時が止まったかのようなその場所を守りたい彼女は、庭を開放して近隣の人々が集える癒やしの空間にし、みんなの人気者に。一方、サクストン社の豪腕社長ランダルはその状況を見過ごさなかった。館の買収に手こずる部下に業を煮やした彼は、自ら説得に動くと宣言。ランダルを含む誰もが、ものの10分で決着する交渉だと予期していた。まさか社長が、明るく純真なマーシーに魅せられてしまうとは思いもせず。
恋人にプロポーズされると思って食事に出かけた看護師のアレシーア。だが、用件は週末泊まりがけで遊びに行こうというもので、いいかげんなつき合いはできないとつっぱねると、怒った相手は勘定もすませないままレストランに彼女を置き去りにした。どうしよう。給料日前の私がフルコース2名分なんて払えるはずもない。待てど暮らせど恋人は戻ってこず、いよいよ切羽詰まったアレシーアは、不意に現れたオランダ人紳士サレ・ファン・ディーデレイクに救われる。彼はアレシーアに代わってそつなく勘定をすませ、寮まで送ってくれた。そのとき彼女はまだ知らなかったー翌日病院でサレと再会することも、彼から子供たちの母親になってほしいとプロポーズされることも。
雨の夜、ウエイトレスのコニーは富豪ダンテの車に乗せられていた。認知症の祖母をかかえ、家を立ち退くよう迫られていた彼女は、切羽詰まって思わずダンテにその事情を打ち明けてしまう。彼は意外な返事をしたー自分と結婚してくれるなら、家の権利証を君のものにし、介護にかかる費用も負担しようと。コニーは驚いたが、これ以上ない申し出にダンテの求婚を受け入れた。結婚してからも二人はイギリスとイタリアで別居生活を送っていたが、いつしか彼女はある望みか胸を焦がしているのに気づいた。プレイボーイのダンテが私になんの興味もないのはわかっている。でも一度でいいから、夫に女性として求められてみたい…。
まさか、こんな場所で夫のジャックにでくわすなんて!友人の結婚式に参列したベスは愕然とした。便宜結婚だったとはいえ、彼から籠の鳥のように扱われ、たまらず家を飛び出して以来、10カ月ぶりの再会だった。離婚を申し出たベスに、ジャックは言った。「僕にはきみが必要なんだ。どうか戻ってきてほしい」今も彼を愛するベスは心を動かされ、情熱の1週間を過ごすが、夫の変わらぬ傲慢ぶりを垣間見て絶望し、再び姿を消した。数週間後、妊娠したベスの前に突然ジャックが現れて…。