出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
新婚早々にさよならのキスをして、 愛しの公爵はいなくなった……。 婚期を逃したアンジェルは実家で使い走りや雑用を命じられる毎日。 そんな彼女に、ある日、兄の親友のロサートン公爵ジェイソンが言った。 「僕と結婚してくれないか? どうしても跡継ぎが必要なんだ」 公爵夫人になることでアンジェルは自由を手にし、 彼は公爵としての義務を果たせる“好都合な結婚”だというのだ。 少女の頃から心密かにジェイソンを慕うアンジェルは迷った。 私が欲しいのは愛。それに、彼が先妻と死別してまだ1年も経っていない。 でも、いつか愛が育てば……。一縷の望みを胸に、彼女は花嫁となった。 ところが、ジェイソンはアンジェルと初夜を共にすることもなく、 ひと月かそれ以上、仕事で留守にすると言い残し、屋敷を去ったーー ジェイソンはこの結婚を後悔して、初夜を延期したのかもしれない。いつでも婚姻無効にできるように。そう考えるアンジェルですが、彼が寝る前に授けてくれた、“さよならのキス”に興奮して眠れそうもない自分に愕然とします。本当の夫婦になる日は訪れるのか?
黒い僧衣に白いベールを纏った乙女。 これが、我が妻となる娘か! 孤児のジリアンは無慈悲な伯父によって尼僧院に入れられた。 なじめないながらも、そこでの暮らしに慣れた頃、 彼女のもとを、ニコラス・ド・レーシと名乗る美男が訪ねてきた。 ド・レーシ家といえば、国じゅうに聞こえた大金持ちだけれど、 そんな人が、尼僧見習いの私にどんな用が? 「私たちは結婚するのだ。そなたに選択の余地はない」 聞けば、ジリアンの伯父が死に、国王の命により、 伯父の領地と隣のニコラスの領地を一つにするため結婚せよというのだ。 美しいけれど冷酷無情な彼の瞳には、なぜか蔑みの炎が揺れていた。 日が暮れ、ジリアンはそっと逃げ出そうと窓から飛び降りるがーー その姿を上階から見ていたのは、なんと……ニコラスだった! かつて深手を負ったニコラスはジリアンの伯父に見殺しにされた恨みがあり、もうこの世にいないその宿敵の血を引く彼女を妻にして、酷い扱いをしてやろうと考えます。そして夫婦の契りも結ばず、奥方としての役割も禁じますが、それで弱るジリアンではなく……。
私は愛するあなたの目になりたい。 だから、どうか私に心を開いて。 父を知らず、病身の母の看病で満足に学校に通えなかったオーガスタ。 母の死後、必死に勉強し、今は実業家マティアスの秘書をしている。 その日、朝の5時半、オーガスタは1本の電話に叩き起こされた。 放蕩者として名高いマティアスに企業スパイの疑いが生じたという。 オーガスタは彼の豪邸に駆けつけ、根も葉もないゴシップを消すには もっと大きなニュースで世間の関心を逸らしては、と提案した。 「よし。僕が結婚すれば大ニュースだ。相手は……きみだ」 あくまで偽装だと言われて、オーガスタは同意する。 だがこのあと、二人の乗った車が木に激突する事故が起き、 まさか憧れのボスが失明するなど、夢にも思わなかったーー! 人気急上昇中のテーマ“ハンディキャップ”を乗り越え恋を成就させる感動作をお贈りします。視力を失ったヒーローがプレイボーイの仮面の下に隠していた素顔とは? どんなテーマでも自由自在に読み応えある作品に紡ぎ出す、ミリー・アダムズの筆が冴えます!
息子の命を守る方法はひとつ── 非情な大富豪の花嫁になること。 メイジーは突然訪ねてきた男性を見て、はっと息をのんだ。 5年前、旅先で一夜を共にしたイタリア人富豪ロメオ── 彼には私の名前以外、何も伝えていない。なのに、なぜ今ごろ 私の居場所を捜し当て、こんな田舎の村まで押しかけてきたの? まさか……あの一夜で私が妊娠して、密かに息子を産んだことを 知られてしまった? まさにロメオはすべてを把握していた。 険しい顔で子供と面会させるようメイジーに要求し、間違いなく 自分の息子だと確信すると、すべてを捨てて彼と結婚するよう 迫ったのだ。「その子は命を狙われている。僕にしか守れない」 急な話に動転しながらも、メイジーは彼を信じるしかなくて……。 田舎の村でひっそりと暮らしていたシングルマザーのヒロインは、究極の選択を迫られます。ヒーローを付け狙うマフィアが息子にまで魔の手を伸ばしていると知り、彼との結婚を選びますが……。最後まではらはらさせられる、シークレットベビー・ロマンス!
天国に旅立った我が子がくれた、 愛にあふれた贈りもの。 ギリシア人富豪サンダーの子を身籠り、結婚したタリーは、 死産をきっかけに家を出て、別居を始めた。子を失った悲しみを 分かち合おうにも夫は仕事ばかりで、寄り添う気持ちすらない。 そんな姿に失望し、いつしか心が離れてしまったのだ。 新しく始めた仕事がようやく軌道に乗り、そろそろサンダーとの 関係を清算しなければと考えたタリーは、1年半ぶりにフランスへ 向かった。すると、驚いたことにサンダーに出迎えられ、 妻として戻ってほしいと囁かれて、思いがけず心をかき乱される。 サンダーへの愛は消えていない。私たちはまだやり直せるの? だがそんな淡い期待を砕くような、夫の秘密を知ってしまい……。 大人気作家リン・グレアムの隠れた珠玉作をお届けします。夫婦として再びやり直すことを決めた直後、ヒーローが急死した元恋人の赤ん坊を連れ帰り、自分が育てると宣言して……。傷つきながらも互いに成長していく二人の、胸に沁みる夫婦再生ロマンスです。
愚かな乙女は氷の城主に恋いこがれ、 我が子と3人で家族になりたいと願った。 ディオニは美貌の家族の中でただ一人、地味でめだたない存在だった。 そんな彼女は兄の親友のシチリア富豪アルセウに片想いをしていた。 兄の結婚式の日、雨の中で彼に抱きしめられ、純潔を捧げたが、 「哀れみからしたこと」と言われて深く傷ついてしまう。 妊娠に気づいても、ディオニはアルセウに伝えるつもりはなかった。 あんなことを言った男性が私や子供に興味を持ち、求めるわけがない。 ディオニは故郷を離れてニューヨークへ行き、一人で暮らしはじめた。 だがある日、外出から戻ると、家の前にアルセウが立っていた。 「僕と結婚してもらう」その言葉は命令だった。 父親や周囲の人の無関心にも負けず、明るくふるまってきたヒロイン。ヒーローの命令口調のプロポーズを受け入れたのは、いつか想いが届くはずと信じていたからでした。不器用ヒロインの一生懸命な初めての恋を応援してください! 〈独身富豪の独占愛〉第2作。
東京オリンピック前夜の1963年。羽田空港近くの運送会社でトラック運転手たちが相次ぎ惨たらしい死を遂げる。彼らは皆「BT21号」と呼ばれるトラックに乗車していたー父の遺品に紛れていた古い鍵をきっかけに40年前の“呪われたトラック”の真相を調べ始めた息子は、高度成長期に隠された深く昏い闇の中で、想像を絶する真実に辿り着くが…。昭和の闇を抉ったミステリーが豪華ハードカバーで復刊!
激突する光(リーリエ)と闇(レイラ)-- そして、フェリクスの逆鱗に触れたリーリエを待ち受けるのは!? 想い合う二人に忍び寄る危機……! 王城で初めて二人きりの夜を過ごしたレイラとフェリクス。翌日、いつも通り医務室にいたレイラの元をある男子生徒が訪れる。ルナによると彼は光の精霊、つまりリーリエの精霊だという。一方、魔術師・クリムゾンに関してある事実を知ったフェリクスは、レイラの身を案じて彼女を王城の自室に住まわせることに。二人で過ごす二度目の夜、互いの想いがついに溢れ出す……。二人の距離が縮まるなか、拘束されていたはずのリーリエに異変が??
お願い、わたしを捜さないで……! それは、愛するふたりを守るため。 旅先で事故に遭い記憶をなくしたセイディは、長身でハンサムな男性 クインと熱い恋におちた。そして幸福の絶頂で赤ん坊を産んだ瞬間、 突如、記憶が甦ったーー家政婦として雇われていた屋敷で、 偶然殺人を目撃して命を狙われ、身を隠して暮らしていたのだと。 愛するクインに真実は告げられない。セイディは黙って姿を消した。 生まれたばかりの赤ん坊とクインに、たった1枚メモだけ残して。 〈行かなければならないの。わたしを捜さないで。愛してるわ〉 幸せだった日々の思い出を胸に、つらい別離を彼女は耐え抜いた。 4年後、ついに事件は解決し、再会の夢は叶った。だが皮肉にも、 仕事で成功し大富豪となったクインに金目当てと疑われて……。 最愛の男性とのベビー誕生、幸せを引き裂く過去の記憶、悲しい別れ、そして苦い再会ーードキドキとハラハラが盛りだくさんな展開! 奇才アビー・グリーンが綴る、波瀾に満ちたヒーローとヒロインの運命の逆転劇に、ページを繰る手が止まりません!
私と赤ちゃんは日陰の存在でもいい。 あなたが我が子と認めてくれれば。 ヴィクトリアがサンドロというすてきな男性と一夜をともにしたのは 横暴な夫との死別後、新しい一歩を踏み出したかったからだった。 前の結婚では子供ができなかったのに、妊娠するとは思わなかった。 サンドロに知らせようとした彼女は仰天した。彼は王族だったのだ! 宮殿からの返答は非情なものだったーー “経済的な援助はするが、今後いっさい会おうとするな” 赤ん坊と生活していくため、ヴィクトリアは条件をのむしかなかった。 だが1年9カ月後、突然サンドロが彼女の家を訪ねてきた。 「僕は妊娠も出産も知らなかった」そして母と子を国に連れ去った。 華々しい日本デビューを飾った大型新人作家の第3作をお届けします。ヒーローから「国に連れてきたのは君と子供を守るため」と言われたヒロイン。現実的な解決策として結婚を提案されますが、承諾できません。それは愛のない結婚に傷ついた過去があるから。
身代わりの花嫁をさらったのは、 成りすましの花婿だった。 ニコラのもとに、頬を涙で濡らした友人が駆け込んできた。 彼女には結婚を約束した恋人がいるのに、彼女の後見人である 富豪ルイースから、無理やり花嫁になるよう迫られているという。 なんて傲慢な人なの? 酷すぎるわ! ニコラは友人を救うため一計を案じた。迎えに来たルイースの車に 友人の身代わりとして乗りこみ、隙を見て逃げ出そうというのだ。 ところが花嫁を迎えに来たのは、彼のいとこのラモンだった。 ハンサムで優しいラモンに、ニコラの胸は高鳴るが、 じつは彼こそがルイースで、花嫁が偽者と気づいた彼は怒り、 ニコラに強引に結婚を承諾させると、彼の“蝶の館”へ連れ去った。 ハーレクイン・ロマンス黎明期の、クラシックな香りが漂うロマンスをお贈りします。サラ・クレイヴンの多彩な魅力が詰まった、ミステリアスな群像劇は読み応えも十分です! タイトルにもなっている、ヒーローの屋敷である“蝶の館”の由来も明らかに……。
今さら援助なんていらない。 必要なのは、誠実さと愛。 ハイランド地方に暮らす村娘リオーナは1年前、 アメリカから来たとびきりハンサムな大富豪キャメロンと恋におちた。 繰り返し愛を口にし、一緒にアメリカに来てくれと誘う彼を信じて、 その気になったリオーナは言われるままに仕事も辞めた。 なのに、彼はある日突然姿を消し、二度と戻ってこなかったーー 彼女のおなかに、愛し合った証を残して。 今、生後5カ月の息子を独りで懸命に育てるリオーナの前に、 忘れもしない薄情なキャメロンが再び現れ、訊いた。「僕の子なのか?」 どこかで私に子供がいることを聞き知って、確かめに来たのね……。 ごみのように捨てられたつらさを胸に、リオーナは答えた。「違うわ」 キャメロンが息子の父親だということをどれだけ否定してみても、父と子は否定しようがないほど瓜二つ。結局、彼は息子を婚外子にしないため、結婚して半年だけボストンに住むようリオーナに迫ります。さもなくば養育権を争うという彼の脅しに従うほかなく……。
魅力的な傲慢富豪との別居は、 ある日突然“時間切れ”にーー 「私の息子は記憶喪失になったのよ! なんとかしなさい!」 事故に遭った大富豪ハビエルの病室で、姑が医師に向かって叫ぶのを、 イギリスから急ぎ駆けつけたエミリーは呆然と見つめた。 19歳で結婚したが、スペインでの孤独な結婚生活に耐えきれず、 ロンドンに戻って大富豪の夫ハビエルと別居して6年。 毎日彼を想い、いつか迎えに来るのを待ったが、時は無情に流れた。 そして今、事故の知らせを聞いて病院に飛んできたエミリーは、 ハビエルがうわごとのように彼女の名を呼ぶのを聞いた。 にわかに状況を理解できずにいたエミリーに、医師が説明する。 「ここ数年分の記憶が白紙状態です。奥様がそばについていてください」 エミリーの異国での結婚生活を孤独なものにした一因である鬼姑は、気に食わない嫁を視界から閉めだしてそこに存在しないかのように振る舞い、彼女を傷つけます。けれども、夫ハビエルの妻を見つめる視線は対照的で……。『億万長者の知らぬ間の幼子』の関連作。
完璧な秘書の唯一のミスは、 ボスに恋してしまったこと。 若くして夫を亡くしたスージーは、イギリスの田舎町で秘書として 懸命に働いていた。そんな彼女に突然、朗報が飛びこんでくる。 世界的な実業家ウルフ・バイナーから声がかかり、彼の秘書に 抜擢されたのだ。ファーストクラスで世界を飛び回り、ホテルは 常に5つ星。ボスのお忍びのバカンスへも同行する── スージーの地味な暮らしは一変し、気づけば、世界中に 愛人がいる独身主義のウルフにすっかり心を奪われていた。 ある日、彼に誘惑されたスージーはついに一夜を共にしてしまう。 だが翌朝、夢見心地の彼女にウルフは厳しい言葉を投げつけた。 「僕を騙そうとしたのか? まさかバージンだったとは……」 ハーレクイン・ロマンスの重鎮アン・ウィールが描く、ボスと秘書の古き良きロマンスをお楽しみください。若くして結婚し、寡婦となったヒロイン。半身不随の亡夫とは清い関係のままでしたが、それをずっと秘密にしてきた彼女の切ない心情が胸に沁みます。
彼の期待に応えたい。 一生懸命になるうち、いつしか恋を……。 弟の学費を稼ぐため、イゾベルは個人宅に派遣される看護師として、 私生活の時間を犠牲にしながら仕事に励んでいる。 今度の雇い主は、壮大な屋敷に住むハンサムなドクター・ウィンターで、 彼の養育係だった脚の不自由な老婦人をイギリスに呼び寄せたいという。 ところが、ドクターはイゾベルを一目見て顔をしかめると、 若すぎて不適格だと決めつけ、年配の経験豊富な看護師がいいと言った! 私は弟のために、どうしても働かなくてはならないのに……。 断られる覚悟をしたイゾベルに、ドクターが憂鬱そうに告げた。 「紹介所に相談したが、代わりはいないらしい……君を雇うしかないな」 後悔はさせませんと応えた彼女とは対照的に、彼は硬い表情のままで……。 老婦人を迎えに行く途中、スウェーデンを観光する機会に恵まれますが、ドクターは依然としてイゾベルにつっけんどんな態度をとります。けれど、絵葉書を買うお金がない彼女に代金を差し出してくれたり、湖をゆっくり眺めていてもせかさずにいてくれたり……。
金で片をつけようとして音信不通になった 彼女が産んだ子は今、どうしているだろう? 父の顔を知らず母に育児放棄されたメリーは、 伯母の助けで勉学に励んで大学を卒業後、巨大企業の社長で ギリシア富豪アンゲルのアシスタントに採用され、彼と恋におち、 やがて純潔を捧げた。だが妊娠を告げる前に、解雇されたのだ。 そして生後半年の幼い娘とつつましく暮らしてきたのに、 突然アンゲルが現れ、メリーに選択を迫った。 「僕との結婚に応じるか、娘の親権を法廷で争うか」 娘には父親が必要だわ。でも……本当に結婚していいの? 身勝手で傲慢で、プロポーズ前日、美女と戯れていた男性と。 メリーは悩んだすえ、一つ条件を出す。 結婚したらほかの女性とは縁を切ってほしいというメリーの望みをアンゲルは承諾。驚いたメリーは思わず結婚に応じます。初めて我が子と対面したアンゲルは……? 〈ハーレクイン・ロマンス・プレミアム〜リン・グレアム・ベスト・セレクション〜〉第3弾!
きみを独り占めしないと気がすまないーー 激愛と情熱のシンデレラ・アンソロジー! 魅力的な傲慢ヒーローが、純粋だけれど芯のあるヒロインの胸を熱く激しく高鳴らせる物語を3篇集めました! まるで映画やドラマのような展開で恋のドキドキとハラハラを楽しませてくれる“ハズレなし”の名作家リン・グレアム他、HQロマンスで大活躍の作家陣。
大作家アン・ハンプソンの巻末付録、必読! 自伝的エッセイ&全作品リスト 北米ロマンス界の重鎮ダイアナ・パーマーと名作家アン・ハンプソンの豪華アンソロジーです。巻末にアンの自伝的エッセイと全作品リストを掲載!
継母を妻にしたギリシア富豪は 彼女が無垢だとまだ知らない。 ジョリーは40歳年上のギリシア富豪と7年間形だけの結婚をしていた。 その夫が亡くなったときはこれで自由になれると思った。 しかし、遺言には信じられないことが書かれていた。 遺産を相続するためには、夫の前妻の息子との結婚が条件だったのだ。 自分を金めあての女と毛嫌いする、冷酷な目をしたアポストリスと。 ジョリーにはどうしてもお金が必要だった。 まだ十代のいとこの生活は彼女一人の肩にかかっていたからーー。 誓いのキスをするときも、アポストリスは花嫁をにらみつけていた。 だが唇が重なると胸が高鳴り、ジョリーは自分の恋心に気づいて……。 USAトゥデイのベストセラー作家C・クルーズの意欲作をお届けします。名ばかりの結婚を2度したヒロイン。昼は理想的な夫を演じるが、夜は嫌悪感をむき出しにするヒーローに、彼女の想いは届くのか? 最後の1ページまでドキドキ&ハラハラすること確実です!
花嫁泥棒に心まで盗まれるなんて、 いったい私はどうしてしまったの? 挙式当日、フランチェスカは密かに胸を弾ませていた。 ようやく暴君のような父親の支配から自由になれるのだ。 たとえ、愛のない契約結婚の花嫁であったとしても。 だが礼拝堂へ赴く寸前、花婿の異母弟アリスティドが突然現れ、 「今日、きみを兄から盗んで僕の花嫁にする」と宣言して、 強引にフランチェスカを連れ去った。花婿が誰であれ、 父親から救い出してくれるのならと彼女は承諾し、その日のうちに 二人は結婚した。意外にも新婚生活は順調で、フランチェスカは 日ごとアリスティドの魅力に惹かれ、心が揺れ動いていた。 悩みはひとつ。なぜ彼は盗んだ花嫁に指一本触れようとしないの? 『路地裏で拾われたプリンセス』で華々しい日本デビューを果たしたロレイン・ホールが、イタリア富豪と無垢な乙女の切ないロマンスを描きます。本作はケイトリン・クルーズ作『身重の花嫁は一途に愛を乞う』の関連作としてもお楽しみいただけます。