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●辻村深月さん推薦!● “大人になるってどういうことか。ハルちゃん、ミチオくん。かけがえのない、ふたりの大切な時間を読ませてくれてありがとう。” ーーーーーー 海を越え、手紙でつながるふたりの夢と挑戦のゆくえ。 ことばはやさしい嘘をつき、絵は真実を語る……かつてない青春小説! ーーーーーー おさななじみのハルカとミチオ。 10歳でミチオがアメリカへ引っ越し、ふたりの文通がはじまった。 日米の学校や文化の違い、部活やバンド活動のこと、将来への迷い、友人や家族との問題。 手紙だからこそ伝えられるさまざまな思いを共有しながら、やがてふたりはあるプロジェクトに挑戦することに……。 イラストと文章のスリリングな相互作用。大人気イラストレーターが細部までこだわりぬいた、やさしくて力強い“唯一無二”の物語。 【著者プロフィール】 北澤平祐●きたざわ・へいすけ イラストレーター。東京都在住。アメリカに 16 年間暮らし、帰国後、イラストレーターとしての活動を開始。書籍装画、広告、商品パッケージなど国内外の幅広い分野でイラストを手がける。著書に『ぼくとねこのすれちがい日記』『ルッコラのちいさなさがしものやさん』『ひげがながすぎるねこ』などがある。
貧困、暴力、搾取、死。 自らを「宇宙人」と呼ぶ男の人生は、はたして“絶望”なのかーー。 木原音瀬が挑む新境地。 漫画家・平庫ワカ氏によるカバーイラストにも注目! 「ジブンは地球の人間じゃない。早く宇宙の星に帰りたい」 自称「宇宙人」の男・ムラは、ドヤ街でホームレス生活を送っていた。空腹に耐え、過酷な日雇い労働をし、ある時には金をだまし取られながらも淡々と日々を過ごすなかで、ひとりの芸術家の青年に出会う。そんなある日、「星」にいるはずの父親の遺体が解体現場から発見されるーー。 【著者プロフィール】 木原音瀬 このはら・なりせ 高知県出身。1995年『眠る兎』でデビュー。『美しいこと』『箱の中』をはじめとするボーイズラブ作品を多数発表。ほかの著書に『ラブセメタリー』『罪の名前』『コゴロシムラ』「捜し物屋まやま」シリーズ、「吸血鬼と愉快な仲間たち」シリーズなどがある。
発達障害の観点から小説版ムーミン・シリーズを読み解いた、全く新しいムーミン評論! はみだしている人たちのために書かれたというムーミン・シリーズの新たな魅力を見いだし、ムーミン谷のように、誰もが住みよい世界をつくるヒントに満ちた1冊。 作品の奥深さ、トーベ・ヤンソンの才能の素晴らしさがより多面的にわかります。 自分勝手で、てんでバラバラなのに、ムーミン谷ではみんなが仲よく暮らしているのはなぜなのか。 発達障害(自閉スペクトラム症、注意欠如多動症)と診断された文学研究者の著者には、ムーミン・シリーズのキャラクターの多くに「ニューロマイノリティ(脳の少数派)」の特性が備わっていると感じられ、それが独特の世界観と調和につながるという。 著者は、自閉スペクトラム症の自助グループに初めて参加した時、「ここはムーミン谷だ!」と驚いたという。また彼らは、ムーミン・シリーズのキャラクターに共振する人がとても多い。 たとえば、収集癖のあるヘムレンさんにはこだわりが強い自閉スペクトラム症の特徴があり、冒険をしたいムーミン・パパにはADHD(注意欠如多動症)の特性がある。そして孤独を愛するスナフキンは必ず旅に出てしまう。また、美しい自然描写が多いのにもわけがある。 本書を読めば、自閉スペクトラム症の人々の自閉的世界の豊かさがよくわかる。また互いに自由や孤独を認め合う環境があれば、少数派である彼らも安心して才能を発揮することができることも。 コラム寄稿 畑中麻紀(新版ムーミン全集 改訂翻訳者)「ぴったりの居場所がない人のために」 二村ヒトシ(AV監督、文筆家)「大人のテーマが描かれている(ようにぼくには思える)ムーミン・シリーズ」 【著者略歴】 横道誠(よこみちまこと) 京都府立大学文学部准教授。文学博士。専門は文学・当事者研究。1979年、大阪府生まれ。40歳で自閉スペクトラム症、ADHDと診断され、発達障害当事者自助グループ活動も精力的に行う。自助グループで「ここはムーミン谷だ!」と思ったのが本書執筆のきっかけとなった。 単著に『みんな水の中』(医学書院)、『創作者の体感世界』(光文社新書)、『アダルトチルドレンの教科書』(晶文社)など。共著に『酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話』(太田出版)、編著に『信仰から解放されない子どもたち』(明石書店)などがある。
僕、分ったんです。人を探るということは、実は、それと同じ分だけ、自分自身を探るということが必要なんだということに。1980年代、東京ー橋本治による青春ミステリーの傑作。
アメリカ私立探偵作家クラブのシェイマス賞の最優秀長篇賞にノミネート。「フォーブス」誌のアジア諸国首脳の必読書に選定。「生命に危険を感じて怯えた三浦晃がわたしたちの事務所のドアを叩いた時点で、すでに死者は八人を数えていた」-サンフランシスコのジャパンタウンで起こった殺人事件を解決したジム・ブローディは、休暇を娘と過ごすために日本に戻っていた。東京のブローディ警備会社に96歳になる老人が現れ、命を狙われているので身辺警護をしてほしいという。男は旧日本陸軍の兵士で、すでに戦友二人が殺されており、その手口は中国の秘密結社のものと思われるという。一方ブローディは、高名な禅僧にして絵師である仙〓義凡の幻の逸品の行方を追っていた。捜査を進めていくうちに、一見異なるこの二つの出来事が、実は第二次世界大戦中の日中間の秘められた歴史とつながっていることが判明する…。横浜中華街、フロリダ、バルバドスと各地を縦横に駆け巡り、知られざる日中戦争の歴史の闇に迫っていく“私立探偵ジム・ブローディ”シリーズの第2弾。
仕事、家庭、恋愛の全てが欲しい女たちとその家族的つながりを描いた最新長編小説。 二度の離婚を経て、中学生の娘である理子と二人で暮らすシングルマザーの小説家、志絵。 最近付き合い始めた大学生の蒼葉と一緒に暮らしたいと娘に告げるが───。 恋愛する母たちの孤独と不安と欲望が、周囲の人々を巻き込んでいく。 「母親と恋愛って、相性悪いよ。ママは無理やり両方こなしてただけじゃん。何だかんだしょっちゅう家空けてたし」 「多くの人はゼロか百かで生きてないんだよ。二、八とか、六、四とかで生きてる。今は世界的にステップファミリーが増えてるし、母親とか父親を恋愛と切り離すのは保守的かつ不自然だよ」 「私はただ、今の生活が心地いいって言ってるんだよ。ママがデートに行くたびにパパたちとかおばあちゃんが駆り出されてるの、なんかちょっとなって思ってたし」 「子供を持ったら恋愛するなって言うの? 別に子供の心地よさを追求してやることだけが親の人生じゃないでしょ。きつかったかもしれないけど、受験勉強をしたから理子は今の中学に入れた。楽な方にいくだけがいいことじゃない」 ───本文より 【著者プロフィール】 金原ひとみ(かねはら・ひとみ) 1983年東京生まれ。2003年『蛇にピアス』で第27回すばる文学賞を受賞。04年、同作で第130回芥川賞を受賞。ベストセラーとなり、各国で翻訳出版される。10年『TRIP TRAP』で第27回織田作之助賞を受賞。12年『マザーズ』で第22回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。20年『アタラクシア』で第5回渡辺淳一文学賞を受賞。21年『アンソーシャル ディスタンス』で第57回谷崎潤一郎賞を受賞。他『パリの砂漠、東京の蜃気楼』、『ミーツ・ザ・ワールド』等がある。
限定150部の幻の豪華本『マルメロ草紙』を新たな装いで刊行。二十世紀初頭の巴里を豪華絢爛に蘇らせた傑作耽美小説!時は二十世紀初頭の巴里。ブーローニュの森近くの瀟洒な屋敷で暮らす大実業家エミール・ボナストリューと慎ましやかな夫人のシャルロット。その妹で、貞淑な姉とは対照的な生き方を求め、華やかなパリで女優を目指すナディーヌ。アールデコ様式全盛の時代、煌めきに満ちた女性たちの甘酸っぱく、香気に満ちた物語。
橋本治が挑んだ前代未聞の全体小説、3000枚超の遺稿と共に遂に刊行!「人名地名その他ウソ八百辞典」、別冊「人工島戦記地図」付。
サンフランシスコで古美術商と私立探偵を営むジム・ブローディのもとに、市警の友人から一本の電話が入る。ジャパンタウンというショッピングモールで日本人一家五人が惨殺される事件が起き、日本で生まれ育ち、日本の事情に詳しいブローディに助言を求めたのだ。現場には、謎の漢字一文字が記された血まみれの紙片が残されていた。その漢字は、四年前妻が住宅火災で亡くなった現場にあったものと同じだった。今回の事件は妻の死と関係があるのだろうか?漢字の謎を追っていくうちに、娘が事件に巻き込まれてしまう。愛する娘を救うべく、ブローディは強大な日本の秘密組織に立ち向かっていくが、そこには驚愕の真相がー。全米大絶賛のハードボイルド・シリーズ第一弾!バリー賞(ミステリを対象とするアメリカの権威ある賞)最優秀新人賞受賞。2013年度最優秀デビュー作品のひとつに選出(サスペンスマガジン誌)。2013年度最優秀デビュー作(アメリカのミステリ評論家オライン・コグディルによる)