出版社 : リヨン社
まるで永遠に続く休暇のように、高校をドロップアウトした虹彦は、自らの魂の置き処を求めて彷徨う。「ニューヨークへ行こう」-行方知れずの父を捜す旅を決意した虹彦、その時、彼を見つめる残酷で淫靡で、しかも典雅な眼差しに出会った。その男の名は遊。魔性の瞳に虹彦はたちまち魅せられ…。
見事な肉体とセクシーな笑顔、ちょっと淫らなとこもあるけれど滅法強い型破り刑事、風巻…。少年っぽい甘い美貌がおよそ職業とミスマッチな、通称K町署のお荷物刑事、冬木…。エキゾチックな街、横浜を舞台に繰り広げられる男たちのちょっぴり哀しい辛口アクション・ラブストーリー。
春の日が沈みかける長谷部邸の広壮な庭、ひとり息子の翔一は、これから一つ年下の弟となる圭に初めて出会った。まるで秘密の花園に迷いこんできた少女のような妖しく儚げな美しさを湛えた圭に、翔一の心は騒ぐ。何かが起こる…。あまりにも美しすぎる幻の花のような姿に、そんな予感すら覚えるのだった-。
1988年5月、アメリカの海洋調査船は地中海のクレタ島沖で、20年前に行方を絶ったイスラエルの潜水艦を発見する。3,700メートルの海底に横たわる潜水艦には、どんな秘密が隠されているのか?アメリカは最新鋭の深海探査艇を使って謎を解きあかそうとするが、イスラエルはそれを阻止すべく、艦隊を現場へ派遣する。潜水艦の破損した穴から内部にもぐり込んだ深海探査艇が目撃したものは?
あるとき、偶然に覗いてしまった母親の異常なまでのセックス。娘はそれを嫌悪しながらも、自分の躯に母親と同じ淫欲の血が流れていることを知る…。ドキュメントポルノの鬼才・花川太郎が女の歓びをあからさまにした異色作4編。
’90年代を迎えて崩壊へとひた走るソヴィエトは、米国との軍事力競争に一挙に決着をつけるべく、画期的なレーザー戦闘ステーションの開発に成功していた。これに気づいた米国は、米国近海で座礁したソ連の攻撃型潜水艦〈ドニエプル〉に、SEALアルファ・チームを乗り込ませ、ウラジオストック近郊のソ連軍レーザー戦闘ステーションを急襲しようとする。SEALアルファ・チームを乗せた〈ドニエプル〉は一路ウラジオストックめざして急速潜航する。
満ち足りない日々を送る中年の主婦エヴリンは、ふとしたことから快活な老女ニニーと知り合う。ニニーが語るのは、数十年前のアラバマに生きた自由奔放な女イジーと物静かな美女ルースの物語。女たちの生き方、友情、愛を描いて、心に焼きつく不滅の傑作。
19世紀末。アイルランドの貧しい農民の子に生まれたジョーゼフは大地主に家を焼かれ、土地を奪われる。復讐を決意したジョーゼフは地主の屋敷に忍びこむが、反対に囚われてしまう。処刑寸前に地主の娘シャノンに救出されたジョーゼフは、シャノンとともに2人の共通の夢のために、新天地アメリカへ向かう。だが、たがいに反発しあいながらも惹かれあう2人に苛酷な運命が待ちうける…。
第2次大戦末期、OSSの工作員マーティン・スパーリングは、対独レジスタンスを支援するために南フランスに潜入していた。40年後、義兄を殺した犯人を追ってボストンに飛んだサンフランシスコの警視ギルマンは、ハーヴァードの教授となっているスパーリングと出会う。折しも、ハーヴァードへの訪問をひかえたポーランド民主化運動の英雄ステファン・アンダーズに不穏なテロの動きが…。
冷戦の時代は幕を閉じた。合衆国大統領コードは軍備を大幅に削減して、経済の建て直しを図ろうとする。そんな折り、米海軍の原潜が何者かに撃沈され、核ミサイルを奪われた。NSAの女性局員アッシュは、事件にイランが関与しているのではないかと疑う。が、タカ派の空軍参謀総長クーガンはロシアのしわざと断定し、最新鋭のステルス爆撃機を発進させた。追真のハイテク軍事スリラー。
1968年、北エルサレムの遺跡でイエス・キリストの亡骸が発見される。しかし、この歴史的大発見はなぜか公表されなかった。同年、アイルランドでは、若き留学生P・キャナヴァンがヴェネツィア貴族の娘と恋に落ちる。24年後、CIAを退職したキャナヴァンが想い出の地アイルランドを訪れると、次々と残虐な殺人事件が起きる。事件の背後には謎の殺人組織「墓の結社」の暗躍が…。キャナヴァンは「墓の結社」の謀略を阻止すべく、急拠ヴェネツィアへ飛ぶ。
愛情に飢えた幼女時代を送ったルル。15歳のとき、兄の友人パブロによって淫らな初体験をさせられた彼女は、やがてパブロと結婚した。だが、それ以後もパブロは淫蕩な遊びをやめない。ルルはついに家を出るが、孤独に耐えきれず、夜の街をさまよいはじめた。見知らぬ男たちを誘いこんでのプレイ、ベッドに縛りつけられての倒錯的なセックス…。エスカレートする性のゲームの果てに、ルルが見出すものは?スペインの新鋭女流作家が大胆かつ繊細な筆づかいで浮き彫りにする愛と官能の迷宮-。映画化され、世界各国で翻訳出版されている衝撃のベストセラー。
雪の朝、高価な服を着ているが裸足の奇妙な死体が発見される。一方、女性ジャーナリストのジュディスは、ハンガリー移民から身を興して今やカナダを代表する実業家のポール・ジマーマンのインタヴューに成功する。しかし彼は、豪壮な邸宅でのパーティの最中に不慮の死を遂げる。ジマーマンの死に不審を抱いたジュディスは恋人でトロント警察の警部デイヴィッドとともに事件の謎に迫るが…。
西暦2020年、世界は混乱の極にあった。21世紀初めにアフリカで発生したエイズを凌ぐ疫病が世界中に猛威をふるい、ソ連ではゴルバチョフ失脚後、政治体制が二転三転し、国民生活は疲幣しきっていた。米国は経済力の極度の低下によってかつての超大国の面影はなく、ヨーロッパ各国はEC域内にとじこもっていた。いまや日本だけがハイテク産業を中心として隆盛をきわめ、ハイテク軍事国家として世界の超大国たらんとしていた。そんな折り、ソビエトで内乱が勃発し、日本はイスラム諸国とともに反乱軍支持にまわる。日本の狙いがシベリアの地下資源にあるのは明らかだった。窮地に陥ったソビエト首脳は、かつてのライバル、米国に救いを求める。米国初の黒人大統領ウォーターズは、ジョージ・テイラー大佐率いる最新鋭ウォー・マシン配備の第7機動部隊をソビエトに派遣することを決意する…。