出版社 : 三一書房
日本イエズス会管区長代理という当時最高責任者だったにも関わらず「信仰薄きゆえに拷問に堪えかね、ころび者になった」そんな皮相的なイメージ…宗教の衣を脱ぎ現世の道徳を重んじた儒教に傾倒したフェレイラの思想を追うキリシタン小説。
2001年9月11日。NYの超高層ビルの崩壊を目の当たりにしたエルフリーデの脳裏に、半世紀以上前に経験した惨劇がフラッシュバックした。長い歳月をかけ封じ込めてきた悪夢、信仰心厚かった彼女を無神論者に変えてしまった出来事とは!?
金承ギョクの小説は、韓国文学の伝説になってしまった。 1960年4月19日の事件が、2017年キャンドル革命の精神的支柱になったように、金承ギョクが火を点けた感受性の革命は韓国短編小説の礎石になったのだ。 1 1960年代 正直者たちの月(1963年) クリスマス・プレゼント(1965年) 手術(1965年) 指に目がついた女(1966年) 暮らしを楽しむ心(1967年) 夕食(1967年) 2 1970年代 ウンマ物語(1970年) 天日と埃の遊び場(1970年) D・π・9記者のある日(1970年) 水族館(1972年) 妻の体(1973年) 危険な年齢(1975年) 愛が再び出会う場所(1975年) 3 1980年代〜 真夜中の小さな風景(1980年) 生きるということ(1980年) スギの烏(1980年) ある結婚の条件(1980年) 日の光(1980年) キム・スマン氏が身代をつぶした来歴(1981年) 偽物と本物(2014年) 4 エッセー 私が会った神様(2004年) 解説 キム・ハクチャン 訳者あとがき 青柳優子
姜周龍(カン・ジュリョン)1901〜1932。1931年に平壌の小高い丘に建つ楼閣・乙密台の屋根に登り、朝鮮の労働運動史上はじめて「高空籠城」と呼ばれる高所での占拠闘争を繰り広げた女性労働者。愛に生き、波瀾に満ちたその半生を描く。第23回ハンギョレ文学賞(2018年)受賞作。
本邦初刊行。金承ギョク自選短編集。 朝鮮戦争停戦後李承晩大統領が権力を掌握し続ける中、1960 年にはそれま での政治の腐敗に憤って立ち上がった学生によって4・19学生革命が大統領の下野というかたちで成功する。しかし、翌年5月には軍事クーデターが起きて軍事独裁政権に。政権に批判的な人士はスパイ・容共主義者の烙印が押されて連行され、過酷な尋問に苦しめられることも多々あった。 厳しい軍事独裁政権を生きぬいた秘かな芸術的抵抗としての代表作『ソウル1964 年冬』。これこそ、金承ギョク文学の特徴であり特筆すべきものである。本邦初訳の6作品と新訳の3作品を収める。 1.ヤギは力が強い 2.乾(ケン) 3.お茶でも一杯 4.霧津紀行 5.力士(力持ち) 6.夜行 7.妹を理解するために 8.彼と私 9.ソウル1964年冬 作品解説 年譜
在日の女たち。一世、二世、三世の、それぞれの痛みと哀しみのつづれ織り。 「済州島には二度と行きたくない…」 「これまでのようにしか生きられへん」 「男の子でなくてごめん…」 ほとりーー。 記憶を掘り起し、原石をたどれば、同じ光が放射されるだろう。 若紫、限りなく桃色に近い紫色。泉美の家に咲く無窮花の色だ。 無窮花は韓国の国花ーー。 散るときはひっそりと、つぼみを閉じて、ほとりーーと、落ちる。
三千里江山ーー朝鮮はもともと一つの国であった。 祖国分裂と内戦の危機が迫ったとき、左右を問わず、全愛国勢力が金日成主席の呼びかけに応えて平壌に参集した。1948年4月、平壌で開催された南北連席会議は大成功を収める。 米・ジャーナリストのジョン・ガンサーをして「この会議の南朝鮮代表のうちには、李承晩を除き、南朝鮮における優秀な人物がほとんど一人残らず含まれていた」と言わしめた。共産主義勢力から反共民族主義勢力までが団結して一つの国ができたのだ。いまだに歴史家たちの謎として残されている、ソ連軍の北朝鮮撤退の内幕は、この小説によって明らかになる。 ー世界史に例のない奇跡の実相がここにあるー ■第1章 密輸商に化けて三八度線を越える/呂運亨暗殺の悲報/米大統領特使の狙い/私を同志と呼んでください/重要なのは、やる気/ソ連出身と抗日出身の幹部が対立/仮面を脱いだアメリカ/反共民族主義者とも団結できる ■第2章 踏みにじられた自尊心/スターリンにソ連軍撤収を要請/訓練所を助けなければならない/侮辱は君一人の問題だろうか? ■第3章 アメリカの罠/テロ集団が民戦本部を襲撃/ “第三勢力を早くつくれ” /「左右合作」を急ぐアメリカの真意/最優先課題は南朝鮮左翼の団結 ■第4章 投げ返したチョコレート/「米軍は出て行け! 」/ソ連の提案/民族自立のために今やるべきこと/ブルドーザーで押し潰された貧民街 ■第5章 女性副委員長の数奇な人生/女性解放の先頭に/国連からの通告文/捏造された噂の真相/大国を頼みにした「ならず者」たち/どんな人を親日派と見るべきか ■第6章 無辜の民の死/基本は全民族の団結/憲法草案を全人民の討議に付す/平壌へ、止まらぬ流れ/大統領の椅子という大きな餌 ■第7章 自主独立の国を/南北連席会議ついに開幕/「弱小民族」という被害者意識/大国への屈従は民族への裏切り/反共の領袖 金九の決心/朝鮮民族の進むべき道/ “朝鮮の力を見た” 金奎植の新出発 ■終章 美し三千里のわが祖国
世界十数カ国の人々が感動したベストセラー待望の邦訳。ヤーロム博士の実存的精神療法が、人間味と迫力に溢れる実録小説としてここに結実。現代の日常生活に起きる失恋や盗難や災害による喪失、老いゆえの女性の美の喪失へのドラマチックな癒しの技法。
ストーリーの面白さ、第一級のエンターテインメント=大河ドラマ「龍虎八天狗」、「胡蝶陣」「戦国お千代舟」「武田菱誉れの初陣」「死の冠」「天女の冠」を収む。