出版社 : 中央公論新社
「祈りなんていう非科学的なものが、誰かを救うこともあるんです」 昭和五十二年。元刑事・蓑島周平と元医者・花の夫婦の駐在生活も三年経ち、すっかり村の一員に。だが相変わらず雉子宮には、事件の種はつきないようでーー。 冬 水曜日の雪解けは、勘当者 病気で倒れた村長さん。そこに勘当された娘が戻ってきた! 春 月曜日の来訪者は、スキャンダル 世間が芸能スキャンダルに沸く中、村に自称小説家の男が表れて…… 夏 日曜日の幽霊は、放浪者 山で度々起きるお化け騒ぎ。その悲しき真相は…… 秋 木曜日の謎は、埋蔵金 村に埋蔵金発掘のテレビが! でもそこにはとんでもないものが埋まっていた……。 家族の絆と人の優しさが胸を打つ。「東京バンドワゴン」シリーズ著者による大好評短編シリーズ第三弾。
孔子は時空を越え、諸葛亮孔明はコーヒーの栽培に成功し、マカートニー伯爵は乾隆帝の迷宮に閉じ込められ、魯迅は故郷でH・G・ウェルズのタイムマシンに出くわすーー悠久の中国史を舞台に、今もっとも勢いのある中国の作家7人が想像力の限りを尽くした超豪華短篇集 孔子、泰山に登る(飛ダオ 著/上原かおり 訳) 南方に嘉蘇あり(馬伯庸 著/大恵和実 訳) 陥落の前に(程ジン波 著/林 久之 訳) 移動迷宮 The Maze Runner(飛ダオ 著/上原かおり 訳) 広寒生のあるいは短き一生(梁清散 著/大恵和実 訳) 時の祝福(宝樹 著/大久保洋子 訳) 一九三八年上海の記憶(韓松 著/林 久之 訳) 永夏の夢(夏笳 著/立原透耶 訳)
2012年のノーベル賞受賞後、最新作。 2011年から2020年までに書かれた短篇12篇収録 左鎌/遅咲きの男/偏屈者/消えた財布/モーゼを待ちつつ/詩人キンシプー/従弟寧賽葉/地主の目つき/大浴場・赤ベッド/天下太平/明眸皓歯/松明と口笛
「最優先目標は『ヤマト』と『ムサシ』。この二隻に、雷爆撃を集中せよ」 フィリピンへ来寇した敵上陸部隊を撃滅すべく、連合艦隊の全戦力を投じる捷号作戦が開始された。開戦以来の連戦により、戦力の大半を失った機動部隊は囮となり、米海軍空母部隊を戦場から引き離す作戦を実行、甚大な損害を被りつつも成功に導く。一方、大和、武蔵ら水上砲戦部隊はレイテ湾を目指し進撃を開始。だがそれは、米海軍の新鋭戦艦が待ち構える阻止線の正面突破を意味していたーー。前衛隊として突き進む防空巡洋艦「青葉」の前に、米海軍の防空巡洋艦「アトランタ」が立ち塞がる!
警視庁捜査一課強行犯係所属の吉見鉄太郎と岩隈賢人は、難航する連続強盗傷害事件の捜査に取り組んでいた。そんな折、賢人と母の久子は瀕死のタコを海で助け、自宅で飼うことに。身勝手な指導係の鉄太郎と、風変わりな飼いタコに振り回されながらも、賢人は次第に犯人に迫っていくー。
昭和11年夏、満洲国・奉天の街。新聞社の飛行士・鷲尾順之介は、殺人事件に端を発した銃撃戦に遭遇し、謎めいた美貌の歌手・宋麗琳を偶然助けた。それは運命の出会いだった。一方、関東軍参謀部の梶清剛大尉は、同志とともに「ある計画」を遂行していた。そして、彼らの運命の糸は複雑に絡み始めるー。ライバル社の行方不明機を発見した順之介は、突如現れた梶から銃を突きつけられる。内蒙古で「荷物」を引き取り、空輸しろと命令されるのだが…。否応なく操縦桿を握り、空へ上がった彼を待つ運命とは?そして、次々と明らかになる、驚愕の真実と迫り来る危機とは!?壮大なスケールで描く冒険巨篇。
浅見光彦の兄・陽一郎警察庁刑事局長は料亭の奥座敷で、越前大観音堂の用地取得に絡む不正に目をつむるよう福井県の有力者から頼まれる。その場に、若いとき陽一郎の父から贈られたという竹人形を手にした女性も姿を見せ、圧力を掛けられる。兄の依頼により、事の真相を確かめるため秋の北陸路へと旅立った光彦は、竹人形師殺害事件の容疑者として事件に巻き込まれてしまうー。内田康夫作品史上、最も美しいラストのひとつ。
老舗ホテルで働く涼音は、念願叶って憧れのマーケティング部サービス課、アフタヌーンティーチームに配属された。 喜び勇んで、アフタヌーンティーの新企画を出したものの、パティシエ・達也に「目新しければいいってもんでもないから」と冷たく却下されてしまう。 「最高のアフタヌーンティーって、一体、なんだろう?」 大人気「マカン・マラン」シリーズの古内一絵、期待の新作が登場です!
コロナ禍で子どもを連れて逃げた母親、つねに真っ赤なアイシャドウをつけて働く中年女性、いつまでも“身を固めない”娘の隠れた才能…松田青子の魔法に驚く11篇。
「敵ハ全力デ我ヲ攻撃中ナリ」 自らを餌として、敵を釣り上げる作戦は、成功しつつあるーー マリアナをめぐる決戦に勝利を得られなかった連合艦隊は中部太平洋最大の根拠地であるトラックを失った。環礁を占領した米軍は大航空兵力を送り込み、難攻不落の航空要塞を建設する。次の戦場はマリアナかフィリピンか。おそらく、この戦闘で日本の命運は決する。だが歴戦の空母は撃ち減らされ、艦上機搭乗員の補充もままならない連合艦隊には米艦隊と正面から戦う力はすでに失われていた。新司令長官小沢は、わずかな勝機に賭けて、機動部隊を囮として砲戦部隊を突入させるという作戦を命じたーー。
口外無用の誓約書を出させても噂はひっそりと広がっていった。超絶においしい料理を提供するのに、その存在を声高に語ることのできない不思議なレストランのことだ。 オープンから一カ月、二カ月と過ぎれば、いくら口止めしても「テオドール・ダナー」の名声は静かに広がっていく。そしてその評判は、料理長テオの誘拐(未遂か?)や、エレメンタル美術館への強奪事件へと発展していく。 おいしいご飯とそれを食するに最もふさわしい空間を飾る名画を守るため、敢然と(余裕で?)立ち向かうルウ・リィ・シェラの三天使。連邦主席直属特殊部隊をも巻き込んで大がかりな課外活動が始まった。 読売新聞オンライン連載作品を大幅加筆し、上下巻として連続刊行。
いよいよ期間限定「テオドール・ダナー」がシティの隠れ家ホテルに開店した。しかし『当店で食事したこと及び当店の住所は公にはしないこと』を誓約しないと入店できないというおかしな要求にもかかわらず、各界の有名人が続々と駆けつけるレストランとは一体……? 読売新聞オンライン連載作品を大幅加筆し、上下巻として連続刊行。リィ・シェラ・ルウの三天使の活躍、我が道を行きまくるテオの傍若無人(でも料理は絶品)、実に多彩な登場人物や既刊のあちこちにまぎれているエピソードのその後をお見逃しなく!
超々弩級〈ヒンデンブルグ〉と超々々弩級〈播磨〉が激突!--戦艦が主導する最後の海戦を描く「戦艦〈ヒンデンブルグ〉の最期」をはじめ、「標的は〈大和〉」など全27篇を集大成。著者インタビュー「佐藤大輔、仮想戦記を語る」を併録。 ミリタリー、サスペンス、エスピオナージ、風刺、ホラー、ユーモア……佐藤大輔ワールドの多彩な魅力を堪能せよ! 目次より 戦艦〈ヒンデンブルグ〉の最期/勇者の如く倒れよ/予備士官/塹壕にて/新戦艦建造に関する往復書簡/少し遠い場所/九九九艦隊計画概論/ある中尉の戦死/戦艦/標的は〈大和〉/飛鳥の征けぬ空はなし/交戦規則/海底戦隊〈隼〉/七二七高地の争奪/市民討論/法務大佐かく語りき/フリードリヒ大王最後の勝利/主力戦闘戦車論・断章/喪失第一号/宇宙英雄ヴァルター・ケーニヒ/ルール・ブリタニア/最後の一人まで/夜桜は散った/乗艦命令/オデュッセウスの霊廟/看過せず/ペリカンはいつも血を流す/ /(インタビュー)佐藤大輔、仮想戦記を語る /解説 高梨俊一
底辺女子が人生逆転!? 不遇な家庭に育った17才のユキが、子供を持ちたい人々と貧困女性を救う“代理母ビジネス”の賭けに出る。 義父の策略で、違法な代理母出産をさせられた17才のユキ。命がけで出産したにもかかわらず、報酬はすべて義父の手に。再び代理母をさせ稼ごうとする義父の手から逃げだし、ユキは自らの経験を逆手に取り、自分のような貧しい女性を救う大胆な〈代理母ビジネス〉を思いつく。ユキを支えるのは医師の静子&芽衣子のタッグと、ゲイのミチオ&一路。さまざまな事情を抱えた「子どもを持ちたい」人々が、最後の砦としてユキたちを頼ってやってくるが……日本の生殖医療の闇、貧困層の増大、妊娠・出産をめぐる負担など、現代日本が放置した社会問題を明るみにしながら、「代理母」ビジネスのタブーに切り込んだ問題作。
脚本家・唐沢燿子は古稀をむかえ、日に日に「老い」を感じていた。しかしSNSで年下の男と出会い、生活が一変する。男の言葉に一喜一憂するうちに、身も心も溺れていく燿子。人生後半から燃え上がる、大人の恋の行方は……。
深夜の横須賀どぶ板通り。米兵が複数箇所刺され、死亡した。「日米地位協定」によって捜査権は米軍側にあるが、危機感を募らせる神奈川県警に協力すべく“特別強行捜査局”の朝倉たちが捜査に向かう。目撃者を捜している最中、なんとSNSに米兵殺害の瞬間が公開されてしまう。その上、第二の事件まで!?各国の思惑と悲壮な事件が絡み合い、朝倉たちの身にも危険が及ぶー。元自衛官の警察官が活躍する「オッドアイ」第8弾は、世界の不均衡が生んだ“悲劇”の幕開け。
沢口涼也はある出来事の贖罪のため、街金融の支店長職を捨て、5年前に保護犬施設「ワン子の園」の運営を始めた。今では4人のボランティア仲間と心と体に傷を負った犬たちを癒やし、里親が現れるのを待つ毎日だ。しかし涼也は犬の幸せを願うあまり里親希望者の見極めに慎重で、断ることもしばしばだった。そんなある日、動物愛護相談センターで働く恋人の華へ、「犬を虐待し闇業者へ売りさばいているペットショップがある」という通報が…。心身傷ついた犬たちと様々な里親希望者…。虐待、飼育放棄、遺棄、殺処分ー犬と人間との共生が抱える闇と光を描く、動物愛あふれる感動長編。
相原孝之は一級建築士で、妻の貴美子と中学1年生の娘・美加、小学2年生で料理好きの息子・康文の4人家族だ。ある日、息子が車にはねられ意識不明の重体に陥るが、時を同じくして、孝之の不倫や娘が学校でいじめられていることが発覚し、家族は瓦解寸前に。そんなとき、認知症の老人が相原家の前に何度も現れ、孝之の心にさざ波が立つ。孝之には幼い自分と母を捨て駆け落ちした父親がいたのだ。一方、康文の意識が戻らない中、老人とのふれあいを重ねるうちに、貴美子と美加の2人は驚くべき事実に気づくことに…。不倫・いじめ・交通事故そして認知症老人の手料理ー。崩壊寸前の家族に訪れた奇蹟の13日間。