出版社 : 二見書房
奥美濃の郡上藩での百姓一揆は、公儀の評定所へと送られた。将軍家重は御用取次の田沼意次に評定の指揮をとらせるべく五千石を加増、一万石の大名とした。結果、郡上藩主金森兵部は改易、金森と縁を結んでいた若年寄の本多長門守忠央は罷免のうえ領地(遠江の相良)召し上げとなり、相良は意次に与えられた。相良への意次の旅に同行した御庭番宮地加門の見た“武士の一念”。
鉄平は38歳にして童貞。なんとかせねばと「美鈴モテセミナー」に週一回通って「モテる方法」を学んでいる。「身だしなみは自己投資」「自分の魅力を高める、安心感を与える」「ナンパのお茶は声をかけた場所から見える店で」など美鈴の教えを守り、どんどん成功体験を積んでいく。そして、最後には、美鈴とのデートが…。人気作家による書下し官能!
マフィアのドンの息子で、無情なフィクサーとして知られるトロイ。そんな彼は、亡き父との約束に従って、地味で平凡で10歳も年下の娘スパロウを妻に選ぶ。スパロウにとっては、裏社会にさえ顔がきくと言われる男との結婚など晴天の霹靂だったが、父の恩人であるトロイの申し出を断ることはできなかった。夫とは口もきかない冷え切った新婚生活。だが、徐々にトロイの温かい面を知り、わだかまりも解けていく。いつか愛し合うようになり、スパロウは幸せを噛み締めるが、この結婚には裏があった…2016年Amazonインターナショナルベストセラー!究極の愛の物語!
あの子はニノちゃんが「大事に」思ってる相手の娘なんだろう? たった一日の臨時休業日。毎年、二宮が礼服で向かう先はーー。 辞職のきっかけになった事件から三年。 立ち飲み屋を営む二宮は高校生となったちひろと同居を続けているが、何にでも首を突っ込みたがるちひろを厳しくはねつけて以来、気まずい空気が漂っている。 それでもいつもの面倒事に巻き込まれているうち季節は過ぎ、年にたった一日の臨時休業日を迎えた二宮。 「お前はどっちに似たんだろうなあ…」好奇心を自制するちひろの眼前で思わず零した一言は自らに課した禁句で…。 ◆ 著者について 谷崎泉(たにざきいずみ) 1月9日愛知県在住。犬猫好き。 「月影骨董鑑定帖」「鎌倉おやつ処の死に神」シリーズ(KADOKAWA) 「逆境ハイライト」(中央公論新社)など。 一 事件2 …… 7 二 君の横顔 …… 95 三 詐欺師と老人 …… 125 四 年に一度の休日 …… 187 五 ともだち …… 206
バイト先の占い師・佐田の差し入れのケーキをスイーツ大好きなしろが食べないという珍事が起こる。曰く「よくないお菓子」らしいのだが…。少しだけ神様の力を取り戻したしろの作為的な縁結びにより関わらざるを得なくなった忍ーだが現場の洋菓子店に潜入するのは当然のごとく啓介で…。今度は佐田の本気も加わって跋扈する邪気に立ち向かう、自称神様の毛玉とソシャゲ廃人と実は死んでる元営業マンの祓魔録!
谷中の感応寺は富籤の寺として名高い。だが正規の富札は一枚一分、庶民には手が出ない。そこで一枚一文の陰富が人気となる。御三家の水戸家は財政が火の車。先々代藩主の庶子・小谷鶴之介は、背に竜の踊る派手な紫の羽二重で街をのし歩く“婆沙羅若殿”。ふとしたことで藩勘定方に「陰富」販売を提案。将軍から直命された影目付・柳生俊平は、まず水戸の婆沙羅若殿に接近…。
花火大会の夜、新内流しの弁天太夫こと鉄五郎は、相方の松千代と家路の途中、心中の片割れとされる若い娘の死に出逢う。翌日、豪華絢爛な屋形船が爆発、さらに一月後、また若い娘の不審死と花火師の無残な骸が…。実は超の付く大富豪の鉄五郎、その財力をもって、弱き者の行き場のない怨みを晴らすため立ち上がり、季節外れの大仕掛け花火で極悪人たちを吊るし上げる!
江戸有数の花街・柳橋の船宿「篠屋」に、成島柳北という、学者として将軍家に仕えて来た、俊才の誉れ高い幕臣が再来。柳北は幕府上層部の無能ぶりに苛立ち狂歌にしてからかい、奥儒者の職を解かれ閉門の身。学者であるも名うての遊び人柳北の耳に、若き日の情人・久米八が横濱で異人相手のラシャメンに身をおとすという噂が。で、篠屋の主に相談に…。(第五話「へちま」)
相手に自分の精子が入るとその心理を「スパイ精子」が伝えてくるー能力を持つ吾郎は、大学助手の百合子からある依頼を受ける。彼女が顧問をしているミス研の部員が急速に減っており、その原因はひとりのレズの学生らしいのだが、張本人を突き止めてほしい、と。吾郎は早速女子大生たちと関係を持ち、その度に「スパイ精子」を放つが…。書下し官能エンタメ!
FBI特別捜査官のシャーロックは、ニューヨークの空港で手榴弾を投げようとしていた男を取り押さえるが、その直後、市内の教会で時限爆弾が見つかった。ふたつのテロ未遂事件の関連を探ろうと、FBIは空港で捉えた男を調べるが、男は単なるジャーナリストで、テロリストから妻子の命と引き換えに犯行を強要されたと判明する。その頃、シャーロックの夫サビッチはある殺人事件の捜査に取りかかっていたが、奇妙なことに犯人には犯行時の記憶がなかった。凄惨な事件の背景には複雑に絡み合った事実が…。
ナッシュヴィル生まれのジンジャーは、ある日あばずれの母親の大金の入ったバッグを盗み、妹を連れてシカゴにやってきた。が、引っ越し当日、向かいの住人であるシカゴ市警警部補のデレクに怒鳴られ、最悪の出会いをする。だがデレクのほうは、セクシーで勝気なジンジャーにひと目で惹かれ、一気に彼女に迫る。彼を通じて母親から姉妹の捜索願が出されているのを知ってジンジャーは持ち逃げした金がトラブルを生んでいるのではないかと考え、ナッシュヴィルに向かうがー
北町奉行所の元筆頭同心で今は“居眠り番”の蔵間源之助は、元老中で隠居の白河楽翁と鉄砲洲の鰻屋で食事をした直後、店の前で何者かに襲われ昏倒。その隙に楽翁は貴船党を名乗る一団に拉致され、身代金として松平家の家宝「鳳凰の香炉」を要求された。翌早朝、奥女中が貴船党の指定場所に香炉を運び、楽翁は…。家宝の香炉はいつの間にか贋物にすり替えられていた。
任地の上州で代官の権限を私し、年貢米を差し置いて領民たちに増産させた絹織物の売り上げを献上させ、私腹を肥やしたー。折しも新任の留役組頭の“策謀”に揺れる評定所に送られてきた代官は、新任組頭と苦闘中の古参組頭の“恩人”だった。“罠”だ。謹厳実直で名を馳せた“恩人”を救え…。元留役の結城峰太郎と次男坊の小次郎、目付・遠山景晋の息子金四郎は上州へ。
将軍世嗣の剣術指南役であった柳生久通は、老中松平定信から突然、北町奉行を命じられる。一刀流免許皆伝とはいえ、市中の屋台めぐりが趣味の男への、あまりに無謀な抜擢に尻込みするが、下手人の知れない、お城御門近くでの付け火に自らが立ち上がる。親の敵に間違えられたり、昼行灯と揶揄されもするが、能ある鷹は爪を隠す、久通の剣の冴えが、火付け一味を一刀両断!
妻が旅行から帰宅した。が、武彦の妻・有沙ではなかった。にもかかわらず、妻としてふるまう女。妻の携帯にかけても、鳴るのは女の携帯。静観を決めこんだその夜、迫られて「妻とは別人の女」との行為にのめり込んだ彼。何が起きているのかを解明すべく、本当の妻を知る女性たちを訪ねていく先々で…。今一番新しい形の書下し官能エンタメ!
悦也は、マニアックなクラブに出入りしているうち、人妻の美和を借り受けることになった。早速、別荘で自分の嗜好をぶつける彼だったが、それを覗いていた少年の告白から、別の日にここで快楽に耽っていたらしい悦也の妹・麻央の性癖を知ることに。美和と麻央…二人を巻き込んだ背徳の物語が始まるー。巨匠のディープな官能文学!
ブキャナン兄弟の長男オーレイは、過去の戦で受けた傷痕の残る顔のせいで、婚約者に逃げられた過去を持っている。ある日、海で女性が縛り付けられたマストを発見し、救出するが、女性は記憶を失っていた。オーレイは黒髪の美しい女性をジェッタと呼ぶことにし、献身的に世話を焼くと、ジェッタは彼を本当の夫だと思い込みはじめる。オーレイの傷痕を怖がるどころか、愛おしそうに撫でるジェッタ。いつかオーレイはジェッタを愛するようになるが、彼女に似た黒髪の侍女が命を狙われ…。
私は貴方の許嫁ですー母を亡くしたばかりの綾乃のもとに届いた一通の手紙。部屋の退去勧告を受け進退窮まっていた綾乃は、迷わず差出人・冬晟の元へ向かう。予想より若く、柔和な若隠居といった風情の冬晟は、村の揉め事を調停する大事な役割を担っていた。許嫁らしい決め事もなく、家事を引き受け慎ましく暮らす綾乃だが、調停を手伝い村人たちと関わることで、結婚の約束には深い理由があると知ることに…。
「ね、流れ星を見るのは難しい?」今も昴の耳もとに聞こえるのは、高校生だったあの日、旧灯台で一緒に星を見ていた月菜の声。大人になっても昴はあの夏に囚われたまま。しかし、老朽化が進んだ旧灯台が壊されるというニュースを見て、昴は帰郷することに。月菜との思い出は自分にとって何なのか。そして、時が流れた旧灯台で昴が見つけたものとは…?ノスタルジック青春ストーリー。