出版社 : 作品社
双子の姉を交通事故で喪った、十六歳の少女。自らの半身というべき存在をなくした彼女は、家族や友人らの助けを得て、悲しみのなかでアイデンティティを立て直し、新たな歩みを始める。全米が注目するハイチ系気鋭女性作家による、愛と抒情に満ちた物語。
辺境の町に流れ着き、保安官となったカウボーイ。酒場の女性歌手に知らぬうちに求婚するが、町の荒くれ者たちをいつの間にやら敵に回して、命からがら町を出たもののー。書き割りのような西部劇の神話的世界を目まぐるしく飛び回り、力ずくで解体してその裏面を暴き出す、ポストモダン文学の巨人による空前絶後のパロディ!
波乱の実録!戦国時代末期。血みどろの策謀渦巻く奥三河の地に、おんな地頭として一族と領地領民を守り抜き、井伊の赤鬼と恐れられた宿縁の養嗣子=直政(虎松)を育て上げた次郎法師直虎。数奇な運命に彩られた幕臣筆頭井伊家中興の二人。
ある日突然、病魔に襲われ、追い討ちをかけるように降りかかる身内の不始末。絶望の淵に立たされた主人公に、復帰を遂げる日は来るのだろうか?闘病生活で出会った女性たちとのふれあいを通して、多様な身心の“肉欲”を描き切った書き下ろし作品。
西部劇、ミュージカル、チャップリン喜劇、『カサブランカ』、フィルム・ノワール、カートゥーン…。あらゆるジャンル映画を俎上に載せ、解体し、魅惑的に再構築する!ポストモダン文学の巨人がラブレー顔負けの過激なブラックユーモアでおくる、映画館での一夜の連続上映と、ひとりの映写技師、そして観客の少女の奇妙な体験!
教皇の座を手にし、アレクサンドル六世となるロドリーゴ、その息子にして大司教/枢機卿、武芸百般に秀でたチェーザレ、フェラーラ公妃となった奔放な娘ルクレツィア。一族の野望のためにイタリア全土を戦火の巷にたたき込んだ、ボルジア家の権謀と栄華と凋落の歳月を、文豪大デュマが描き出す!
自らの伝記的事実と作品をパロディー化し、物語のそこここに多様なモチーフ(サーカス、コンメディア・デッラルテ、気象、右と左…)を潜ませるー。ナボコフが仕組んだ「間違いさがし」を解き明かす訳注付き。
『エトワール広場』は、モディアノが22歳で発表した“衝撃のデヴュー作”であり“最大の問題作”である。ノーベル賞の授賞理由である「ナチ占領下の世界の人生を描き出した“記憶の芸術”」とは本作を対象とする。「仲間を裏切ったユダヤ人」の息子として生まれた精神不安、アイデンティティの危機、そして、レジスタンス神話による「抵抗したフランス」の嘘、ナショナルヒストリーによって忘却されていく人々の人生…。モディアノ文学の核心・問題意識のすべてが、鮮烈に描き込まれている。翻訳不可能とも言われてきたが、ついに翻訳が完成した。第2作『夜のロンド』も併載/詳細な“解説”“訳注”“関連地図”付き。ノーベル文学賞受賞作(2014年)
韓国南部の小島、過去の幻影に縛られる初老の男と少女の交流。 ガーナからパリへ、アイデンティティーを剥奪された娘の流転。 ル・クレジオ文学の本源に直結した、ふたつの精妙な中篇小説。 ノーベル文学賞作家の最新刊! 嵐 わたしは誰? 訳者あとがき
信玄に臣従して真田家の祖となった祖父・幸隆、その智謀を秀吉に讃えられた父・昌幸、そして大坂の陣に“真田丸”を死守して家康の心胆寒からしめた幸村。戦国末期、真田三代と彼らに仕えた異能の者たちの戦いを、超豪華作家陣の傑作歴史小説で描き出す!
さよなら、パリ。ほんとうに愛したただひとりの女…。2014年ノーベル文学賞に輝く“記憶の芸術家”パトリック・モディアノ、魂の叫び!ミステリ作家の「僕」が訪れた20年ぶりの故郷・パリに、封印された過去。息詰まる暑さの街に“亡霊たち”とのデッドヒートが今はじまるー。
紅道(共産党)と黒道(マフィア)による支配。不正蓄財・権力闘争・格差拡大…。国内統治のための「反日有理」。暗躍する各国諜報機関。新聞社特派員が直面した現代中国での危険な体験。日本、中国、ぶきみな時代におくる本格社会派書き下ろし小説!