出版社 : 光文社
寄生、消滅、召還…特殊条件下の本格パズラー。あなたは“蛇”?それとも人間?人間の身体と記憶を乗っ取る人工生命体“蛇”は、“衣裳替え”を繰り返し悠久の時を生きてきた。あるとき、五匹の“蛇”はそれぞれ、何者かに襲われ、一匹の“蛇”が行方不明になる。最年少の“蛇”で女子高生に寄生する伍ノは、一族の長から事件の調査を任され、さらに満月の集いのための新たな衣裳候補の調達を頼まれる。同級生を騙して廃墟となった伝説の館に卒業旅行に行く伍ノだが、それは惨劇の幕開けだった…。
放火事件で「わたらいワイナリー」の社長が死亡した。命を取り留めた高校生の息子は記憶を失い、日常生活にも不自由が残る。母親が献身的に寄り添い、恋人も記憶を取り戻すための援助を惜しまなかった。しかし、その恋人が室蘭地球岬で死体となって見つかってしまう。放火事件と殺人事件。舟見警部補は解決の見えない状況に、かつて名推理を披露した青年を思い出すー。
初香は契約すれば3つの願いをかなえてくれるというランプの魔人“ジン”と出会い、高校一の美少女・マリカと入れ替わりたいと願うが…「ジンが願いをかなえてくれない」。43歳の誕生日を実家の部屋で中学からの仲間と過ごしたケンゾー。罰ゲームで「渋谷駅前で目隠しフリーハグ」をすることになったケンゾーは…「子供部屋おじさんはハグがしたい」。神様がスポットライトを当ててくれない私たちの、かけがえのない6つの物語。
小樽の高級料亭旅館“銀の鰊亭”で起こった火事騒動を機に警察を辞め、探偵事務所を始めた磯貝公太。“鰊亭”で知り合った大学生・桂沢光や、その叔母・青河文たちの協力もあり、順調に仕事をこなしていた。ある日、文を通じて、有名な俳優の同級生から人を捜してほしいとの依頼があった。北海道知事の特別秘書だった姉が、仕事を辞めてから行方不明だという。調査を開始した磯貝だが、あまりに手がかりが少なく…。
自分では何もしない刑事の力が7つの事件を解決に導く!映画館で人気のないゾンビ映画を観ていた警視庁捜査一課の刑事、和戸宋志。終幕後に照明が点くと観客の一人が殺されていた。おまけに扉に細工されて出られない。困惑に包まれる中、和戸は感じていた。その場に居合わせた者たちの推理力を飛躍的に高める能力、「ワトソン力」が発動しつつあることを…。そして、にぎやかな推理合戦の幕が上がる!謎解きの楽しさ100%の連作ミステリ!
派閥の瓦解した与党総裁選の先行きは誰にも読めない。ただ一人、“当確師”を除いては。当選確率99%を誇る選挙コンサルタント、聖達磨。現与党の次期総裁選が近づき、続々と議員が候補に名乗り出る中、彼が参謀を務めることとなったのは、新時代のリーダーと目される政治家・本多さやか外相だった。時を同じくして、新聞社のベテラン記者が静かに動き出す。聖も関わりのある、22年前に起きた大疑獄の可能性を秘めた事件に迫るために…。
岡山県姫野村。人口300人にも満たないこの限界集落は、令和の現在も70余年前の呪縛を恐れていた。村人6人を惨殺した巌尾利兵衛の呪いにより、数年に一度、村にある鬼哭山から利兵衛の咆哮が轟き、村人を殺すというのだー。新型コロナ感染症でパニックに陥る最中、一人の男が東京から移住してきたことをきっかけに、呪いの犠牲者と思しき死者が出てしまい…。想像できない結末が読者を待つ本格伝奇推理!
ある医大が入試の採点過程で女子の点数を意図的に下げているー衝撃的な「噂」を耳にした新聞記者の桧葉菊乃は独自の調査を始め、理事の神林晴海に目をつける。巧みに追及を躱す神林だが、突破口はそこにしかないと考え、桧葉は何度となく攻め立てる。男性優位の社会で、共に無数の理不尽に直面してきた二人。それでも敵対せざるをえない彼女たちの闘いの行方は…。
若い女性ばかりを惨い手口で殺害し、その様子をインターネットラジオで実況するラジオマーダー・ヴェノム。その正体を突きとめてほしいと、しがない探偵・鶴舞に依頼してきたジャーナリストのライラは、ヴェノムに対抗してラジオディテクティブを始めることを提案する。ささいな音やヴェノムの語り口を頼りに、少しずつ真相に近づきはじめる鶴舞とライラ。あと一歩まで追い詰めたそのとき、最悪の事態がふたりを襲うー
絶体絶命。待ったなし。人生最大の危機をどう切り抜ける?善も悪もない、ただひたすらに生き抜いた名もなき人の物語。歴史の陰に隠れた人々の存亡を懸けた“覚悟”を、鮮烈かつ詩情豊かに描く珠玉の作品集。
鬱蒼と暗い森の中に建つ合宿所。ある団体の“レクチャー”を受け洗脳されかけていたわたしは、火事により脱出する。男女五人で町へ逃げだそうとするが、不可解な森の中で迷ってしまう。翌朝、五人のうちのひとりの切断された頭部が発見される。頭部は、奇怪な装飾を施された古木の根元に、供物のように置かれていてー戦慄のノンストップ・ホラーミステリ!
大宮署の刑事・蝶野未希は十七年前に息子の遙希を亡くした。雪の日に、廃工場の冷蔵庫に閉じこめられて死んだのだ。犯人は捕まっていない。ある日、非番で大宮駅を訪れていた未希は、駅前で発生した車の爆破事件に遭遇。被害者の三上は、遙希の葬儀を執り行なった葬儀社の社員だった。さらに数日後、三上の同僚だった男もまた、大宮駅前で刺殺される。十七年前の事件が、時を超えて動き出したー未希は捜査にのめり込むが、思いがけない出来事が彼女を襲う。過去は消えない。未来は見えない。それでも生きるしかない。ノンストップ警察ミステリ!第27回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
ホームレスの老女が殺され燃やされた。犯人草鹿秀郎はもう18年も引きこもった生活を送っていた。彼は父親も刺し殺したと自供する。長年引きこもった果てに残酷な方法で二人を殺した男の人生にいったい何があったのか。事件を追う刑事、奥貫綾乃は、殺された老女に自分の未来を重ねる。もしかしたら私もこんなふうに死ぬのかもしれないー。虚空を抱え人生に絶望するロスジェネ世代の犯人と刑事。社会派ミステリーの寵児が8050問題に迫る、著者二年ぶりの書下ろし長編。
中学2年生の花南子は、父親の海外勤務によって春休みから一人暮らしを始める。その場所は曽祖母の五月さんが経営するアパート「さつきハイツ」。その矢先、五月さんがぎっくり腰で入院、心細い花南子のもとに宛先不明の謎の封書が届く。同級生男子とともにその謎を調べ始める花南子だが、偶然出会った“名探偵”の存在が、花南子の生活を大きく動かし始める…。町内で起きたいくつかの不審な事件。それらを辿る先に隠された真実とは?現代人の心を癒す、エモーショナルな胸熱ミステリー。
祭りをやらないと、この村はなくなります!-信じない人々をどう説得する!?感染症の大流行や、地方の過疎化が進んだせいで、「祭り」が行われなくなった地域が増えた。これまで地域の祭りで鎮められていた八百万の神々が怒り、暴れだしたため異変が頻発する。このような事態に対処するために組織されていた祭祀保安協会の九重十一とアシスタントの八多岬ー怪しさ満点の二人が、異変を解決しようと、荒ぶる神々を鎮め、処分していく。人々に忘れられた神をあるべき姿に戻すことーあなたを正しく祀らせてください。
十数年前、突如現れた“魔女”-箒に乗って空を飛び、黒猫に化けることができ、近くにいる人の感情を操ることができる存在。文明社会の秩序を脅かす魔女たちを取り締まる司法が“火刑法廷”であり、この裁判で魔女と認定された者は火炙りとなる。ある日、空を飛行したのでなければ不可能な死亡事件が起こる。魔女と疑いをかけられた被告の少女カラーをじっと見つめるのは、被害者の義娘となる予定だったエリス。エリスは知っていた。あの夜、本当は何が起こっていたのかをー。怒涛のロジックと驚愕の結末に息をのむ、次世代本格ミステリの最高峰!