出版社 : 勁文社
一流商社部長の愛人が誘拐された。内閣調査室の捜査官・黒岩は異例の命令を受け、女の捜索に着手、犯人を突き止める一方、同じく女を追う組織暴力団の存在を察知した。内調と暴力団、相反する巨大組織が、何故一女性の行方を?任務に疑問を抱いた黒岩は命令に背き、真相解明へひとり乗り出す。暴力団から商社部長への繋がりを辿り、事件の裏に、内調によるおそるべき計画が進行していることを知って黒岩は、自らの組織に闘いを挑むことを決意するが…。長篇ハードロマン。
秋田県・男鹿で、大晦日に初嫁が殺された。動機不明の殺人に、調査依頼を受けた郷土史家・実相寺禅堂とアシスタントの佐緒里を待っていたのは、ナマハゲによる威嚇と警告だった。ところが、殺された初嫁は中国人で、しかも、太平洋戦争中の日本で起きた中国人暴動事件の生き残りの娘だったとわかり…。戦時下の日本の暗部をえぐる書下ろし長篇ミステリー。
帝の勅命により「鬼」退治を命ぜられ京に上った上総の国守源頼光は、渡辺綱、卜部季武、坂田金時、碓井貞光らの活躍により羅城門において首尾よく「鬼」を倒すのだが、意外にも彼らが倒した「鬼」の姿は人間と寸分違わぬものだった。これが人を食らうという「鬼」なのか?人もまた「鬼」になれるのか?人を遥かに越えたあの力は何なのか?彼ら五人の心の中には、しだいにその正体に対する疑問が脹らみつつあった。そんなおり、頼光とその一党は帝の住吉神社参詣の供を命じられるのだったが-。「鬼」の正体とは何なのか、その真の目的とは?平安京を舞台に新鋭が描くファンタジー伝奇ロマン第二巻。
良平は、警戒心を抱きながら、死んだようにぐったりなっている絵里の、しっとりとした花唇の縁に手を伸ばした。クリットに触れ、あたりをなぞる。そうしながら、とにかく気のかわらぬうちにと、かぶさり、挿入を試みようとした。そのとたん、絵里の体が硬直し、「こわい、こわい」と、口走る-。南部良平30歳。仕事は有能かつハンサム。一見完璧な男なのに、結婚となると失敗ばかり。一計を案じ、様々な女を徹底研究しようと決意する良平だが、その切磋琢磨の成果は?長篇官能ロマン完結編。
夏休みのこと、健治とその仲間はある実験中、摩訶不思議な異常現象に巻きこまれ、一瞬にして暗黒の世界に飛ばされた。そして、気づいたときは、獣がさまよう深い原生林の中にいた。健治たちは氷河期に入っていた五万年後の地球にタイムスリップしていたのだ。それを星座の形から判断した彼らは、この世界で生きのびるべく、勇気と英知をふりしぼる…。
銀座にある老舗宝石店の美貌の女社長・真澄。その美しさゆえ、淫獣の生贄と化す。成城の屋敷の地下室に幽閉され、凌辱の限りを尽くされる。ひっそりと息づく可憐な菊門に灼熱の肉棒が押し入り、柔襞を引きさかれ、獣のように犯される真澄の身体の中に芽生えてくるものは…。
奮い立つような色香をふりまく若妻に、少年の心と肉体は妖しくときめく。若妻のしとどに濡れた淫花は、少年の哮り立った肉茎を優しく迎え、熱い樹液を中いっぱいに受けとめ、ひそやかに蠢めく。少年の若々しいペニスに溺れていく若妻の柔襞は…。
ひょんなことからAVの脚本を書くことになった売れないマンガ家大日向陽。AV界の大御所文字監督に無理やりいわれ、陽は脚本どころか出演まで引き受けるはめになった。カラミの相手は陽にぞっこんの美少女クララ。ロケのためひなびた温泉宿にやってきた一行は、さっそくベッドシーンから撮影を開始したのだが、そんなかれらの目の前で怪異な現象が…。知らずに化物屋敷に足を踏み入れてしまった陽とクララたちを襲う亡霊の正体は。書き下ろし長篇サスペンス。
ミステリー小説翻訳家の黒部滋人は、旧友ヨナスらとキャビン・クルーザーに乗り込み、ノルウェーの港町ベルゲンからフィヨルドの景観を楽しむ船旅に出た。だが、ソ連国境近くのバレンツ海にさしかかった時、突然、前方にソ連の巨大原子力潜水艦が浮上。その瞬間から黒部は熾烈な国際謀略戦の渦中の人となった。長篇スパイアクション。
東京の高級住宅街広尾。児童公園で出稼ぎの地下鉄工事従事者の他殺体が発見された。渋谷署の新米刑事・清水は、現場に残された車輪の跡を手掛りに、営団地下鉄の協力を得て、捜査を開始。その直後、同じ広尾で殺人が発生し、被害者にまつわる意外な証言が、二つの事件を関連づけてきた…。地下鉄道網を舞台にサスペンスタッチで描く長篇推理。