出版社 : 勉誠出版
言葉が話せず、指を噛むという自傷行為を続ける息子。父親は様々な自閉症治療を試すが効果は見られない。 苦しみと絶望の中、父親は粘り強く息子と向き合う。 その祖母もまた、障がいを持つ夫と長男を持ち、文化大革命中の障がい者への差別や暴力という困難の中で、家族を支え続けてきた。 中国の大江健三郎とも言われる作家が実体験に基づき、苦難に満ちた十数年の道程を綴った感動のノンフィクション小説。 現在中国の世相と社会問題をリアルに描き出した受賞作。 『痛むだろう、指が』(原題:『疼痛吧指头』)は、中国の雑誌『収穫』の2017年長編小説特集に掲載され、同年の「ノンフィクション文学優秀作品ランキング」の2位に選出される。翌年、長江文芸出版社から単行本として出版され、同年10月に有名作家も多く受賞している「第三回施耐庵文学賞」も受賞。 現在、2023年春の公開を目指して映画化が進められている。 第一章 第二章 第三章 訳者あとがきー苦境のなかで新たに見えたもの 倉持リツコ
インド最大級の物語である『マハーバーラタ』。その最大のクライマックスであるカルナとアルジュナの戦いを、初の原典訳!闘いに至るまでのカルナとアルジュナの出自や来歴、2人をめぐる確執もわかりやすく解説。なぜ彼らは闘うのか?そしてその後の運命とは?全体のあらすじ、その背景にあるインドの宗教思想などもわかる必携の一冊!
日本漢文の粋を集め、平安期の時代思潮や美意識を知る上でも貴重な文献「本朝文粋」。その漢文の世界の深遠へと誘う格好の入門書。第七巻では、慶滋保胤、紀長谷雄による公的な文章、大江匡衡・藤原行成による書状の応酬、そして、源順による書序、大江朝綱の詩序など、全十一作品を収載、さらに作者略伝を付した。
近代教育及び植民地経験を経た韓国・朝鮮民間説話の近代的変容を捉える。日本人研究者の植民地主義・朝鮮人研究者の抵抗民族主義という二分法的な図式が散見される朝鮮民俗学史。しかし、そこには日本人研究者の果たした役割とその影響がきわめて大きく、朝鮮民間説話学は近代日本の学知の影響を受けながら形成されたものであった。未公開資料・新出資料を含めた膨大な近代資料を収集・整理・分析し、説話のモティーフや構造的形式の影響関係に注目。説話の歪曲という観点を乗り越え、近現代の韓国・朝鮮民間説話学の形成過程を総合的に分析し、個別説話の伝承とその変容を複合的に捉えなおし、その意味を考察する。東アジア比較民間説話学を新たに再構築する基盤を提供する一冊。
日本漢文の粋を集め、平安期の時代思潮や美意識を知る上でも貴重な文献『本朝文粋』。その漢文の世界の深遠へと誘う格好の入門書。第六巻では特殊な漢詩形式である雑詩のうち紀長谷雄および源順による二種、および、大学寮における試験の問題と解答である策問・対策、講書竟宴等の平安期の学問世界にかかわる作品など、全十一篇を収載。
神話・教説・哲学が織り込まれた古代インド叙事詩『マハーバーラタ』。 18巻・十万詩節からなるヒンドゥー教の聖典を1冊にまとめた画期的入門書!! 英雄・アルジュナ、宿敵・カルナ、ヴィシュヌの化身・クリシュナ、絶世の美女・ドラウパディー…。神々・英雄たちが活躍する今話題の『マハーバーラタ』が一冊で丸わかり! ★『マハーバーラタ』とは… サンスクリット語で書かれ、全18巻、約10万もの詩節より成る古代インド叙事詩。「マハーバーラタ」は、「マハー(偉大な)・バラタ族」=「バラタ族の物語」という意味。 従兄弟同士の戦争物語を主筋とし、その間に多くの神話、教説、哲学が織り込まれた、膨大な書物である。物語では、何億という人間が戦争で命を落とし、生き残るのはたったの10人であるため、この物語を「寂静の情趣(シャーンタ・ラサ)」とよぶこともある。 【本書の特色】 ◎長大な物語を、4章構成とし、それぞれ「主筋」・「挿話」に分け、わかりやすく解説。 ◎神話モチーフの読み解き、他地域の神話との類似点や相違点、登場人物についての豆知識など『マハーバーラタ』がより深く楽しめる多数のコラムを掲載。 ◎英雄たちの系図、登場人物一覧、索引など充実の附録。
一九二〇年代、美しき巴里。夫に伴われた留学先で、子どもを身ごもるも結核に倒れる伸子。病床にて娘に宛てて綴った三冊のノートをめぐって、死と新生、自然の摂理と普遍の愛を描く。
古代から近代まで、日本人は、つねに漢詩や漢文とともにあった。 本書は、最新の知見を踏まえた分析や、様々な言語圏及び国・地域における論考を集め、日本漢文学についての新たな通史的ヴィジョンを提示する。 研究史を概括しつつ、とくに政治や学問、和歌など他ジャンルの文芸などとの関係を明らかにしながら、文化装置としての日本漢詩文の姿をダイナミックに描き出す。 1 古代・中世漢文学研究の射程 平安朝漢文学の基層ー大学寮紀伝道と漢詩人たち 滝川幸司 長安の月、洛陽の花ー日本古典詩歌の題材となった中国の景観 高兵兵 後宇多院の上丁御会をめぐって 仁木夏実 誰のための「五山文学」かー受容者の視点から見た五山禅林文壇の発信力 中本大 2 江戸漢詩における「唐」と「宋」 語法から見る近世詩人たちの個性ー“エクソフォニー”としての漢詩という視点から 福島理子 室鳩巣の和陶詩ー模倣的作詩における宋詩の影響 山本嘉孝 竹枝詞の変容ー詩風変遷と日本化 新稲法子 近世後期の詩人における中唐・晩唐 鷲原知良 3 東アジア漢文交流の現実 通信使使行中の詩文唱和における朝鮮側の立場ー申維翰の自作の再利用をめぐって 康盛国 蘇州における吉嗣拝山 長尾直茂 4 漢詩・和歌が統べる幕末・維新期の社会 幕末志士はなぜ和歌を詠んだのかー漢詩文化の中の和歌 青山英正 漢詩と和歌による挨拶ー森春濤と国島清 日野俊彦 西郷隆盛の漢詩と明治初期の詞華集 合山林太郎 5 近代社会の礎としての漢学ー教育との関わりから 明治日本における学術・教学の形成と漢学 町泉寿郎 懐徳堂と近現代日本の社会 湯浅邦弘 6 新たな波ー世界の漢文学研究と日本漢詩文 英語圏における日本漢文学研究の現状と展望 マシュー・フレーリ 朝鮮後期の漢文学における公安派受容の様相 姜明官(康盛国訳) 越境して伝播し、同文の思想のもと混淆し、一つの民族を想像するー台湾における頼山陽の受容史(一八九五〜一九四五) 黄美娥(森岡ゆかり・合山林太郎訳)
千数百年にわたり日本人のこころを伝えてきた漢詩。それぞれの時代の偉人たちが残してきた作品を、易しく丁寧な解説とともに読み解き、そこにあらわされた日本人の心を見つめなおす。漢詩の楽しさ・奥深さを知るための絶好の入門書。
日本漢文の粋を集め、平安期の時代思潮や美意識を知る上でも貴重な史料「本朝文粋」。第五巻では、新羅や呉越国との外交文書、平安朝漢文において主要な位置を占めた願文、また、同書に収載される作者のうち最も早い作者である小野篁の作品など十編を紹介。漢文世界の深遠へと誘う格好の入門書。
原文と対照して読める現代語訳。親王誕生を中心とする宮廷行事、自己の反省や告白をもつづる深い人間性などが記された、『源氏物語』作者による、唯一の生活記録。女流日記文学の傑作として必読の書。紫式部と紫式部日記を理解するための附録も充実。
姜子牙が率いる周軍。ついに紂王・妲己に迫る!燃える摘星楼、天子となった武王。殷(商)は滅び、周が天下を統べる。天命により封神された神は現代まで信仰される。全訳完結!
太上老君、元始天尊、通天教主、ついに動く!聞仲・趙公明・十絶陣に破竹の勢いで勝利する姜子牙。闡教・截教のぶつかり合いも本格化。次々に仙人が地上に舞い降りるー全訳第3巻!
武勇の聞仲、知略の姜子牙、ぶつかり合う!妲己は紂王を誑かし、殷(商)の重臣を次々と陥れる。姜子牙は周の武王を扶け、聞仲・趙公明に挑み、仙人たちが人界を暴れ回るー全訳第2巻!
中国古典神怪小説の集大成。紂王が女神・女〓(か)を畏れぬ所行で怒らせ、女〓(か)に遣わされた千年狐狸精は妲己を殺し憑依する。ここから殷(商)の破滅物語がはじまったー全訳第1巻!
平安朝漢詩文のなかから雑詩、讃、記、牒、祭文、呪願文、表白、願文、諷誦文及び碑の一〇種の文体について、実例の読解および当該作品の読まれた状況の再現により、その構成方法や機能などの文体的特徴を明らかにし、日本文学史・日本文化史における位置づけを提示する。また、平安朝漢詩文における構成要素として最も基本的なものとなる語彙について、当時の時代的背景・文化的状況を複合的に考察することにより、当該語彙の意味、使用された意図などを明らかにする。平安朝の言語・文学・政治・思想等、多面的な領域に関わる基盤研究。