出版社 : 原書房
侯爵令嬢メグスはロンドンの貧民街セントジャイルズで婚約者を殺され、スキャンダルを避けるためゴドリックと便宜結婚をする。形だけの夫婦となった二人は、顔を合わせることもせず、メグスは夫の田舎の領地でひっそり暮らしていた。あれから二年ーメグスは婚約者の命を奪った“セントジャイルズの亡霊”の正体を暴き、仇を討つために、ロンドンに住むゴドリックの屋敷を訪れた。ゴドリックは、病気がちだった前妻を亡くしてから固く心を閉ざし続けていた。しかし、明るくはつらつとした妻メグスと接するうちに、哀しい過去を乗り越えようとしている自分に気づく。もう二度と誰かを愛することなどないと思っていたのに、彼はメグスを心からいとおしく感じはじめていた。ゴドリックは彼女をまもるために全身全霊を捧げることを誓う。なぜなら彼は…。「メイデン通り」シリーズ第5弾!
サンゴ礁と魚たちが織りなす美しい水中庭園ーセオドシアが水族館の巨大水槽をうっとりと眺めていると、目の前の水中で必死にもがく男性の姿が、あれは元恋人パーカー!?懸命の救助も間に合わず、彼はその場で絶命した。警察は事故死と断定するが、セオドシアの目はパーカーの腕にある傷を見逃さなかった。おそらく犯人に抵抗したときにできたもので、これは事故なんかじゃない!彼女が早速調べてみると、シェフだったパーカーは死の直前、店の買収問題などいくつものトラブルを抱えていたことがわかった。でも、容疑者を絞れないまま捜査は行き詰まり、人気店の経営者であるセオドシアには本業の仕事も山積み。おまけに、店の大切な仲間ヘイリーに引き抜きの話まで持ち上がり…!?茶の湯に着物、和の心が光る人気シリーズ第13弾!
「なかなかいける」毒舌で知られるレストラン評論家が、ロブスターのラビオリの感想を口にした直後に命を落とした。その後も、パリの最先端レストランで次々と評論家が殺され、連続殺人の様相を帯び始めた。女性警視カプシーヌは、有名評論家の夫も標的になるのではと不安な日々を過ごし、捜査がいっこうに進まないことに焦りを募らせる。そして犯人が動きを止めてから約1カ月。エッフェル塔にあるレストランのリニューアルセレモニーという華々しい席で、カプシーヌは夫と危険な賭けに出ることに!白装束のピクニック集団に暗闇レストランー奇々怪々なパリの最先端グルメ業界で起こる、連続殺人事件の真相とは!?美食づくしの贅沢ミステリ。
現代的で読みやすい全面改訂新訳と、200ページにわたる解説・注釈を収録した決定版。いままでにない豊富な挿絵と、詳細な解説によって、作品のすばらしい多層性を把握し、理解を深められる1冊!アンの世界がさらに深く広くわかります!
「エラリー・クイーンのライヴァル」が贈る円熟の代表作!どこまでも首を突っ込む元教師の女素人探偵、彼女に振りまわされるニューヨーク市警警部。最後に放つ一手が、虚構を突き崩す。
舞踏会で出逢った令嬢エディに、公爵ガウアンはひと目で恋に落ちた。彼から一途な想いを告げられたエディは、その情熱に心を奪われ結婚する。はじめて迎えた二人きりの夜、夢にまでみた幸福にひたるガウアン。かたやエディは、本心を打ち明けられぬまま、彼を悲しませたくない一心で夜を重ねていく…。ある時、そんな彼女の“思いやり”を知ったガウアン。エディを運命の女性だと信じていた彼は、想像もしなかった展開に失望し、悲しみに暮れたエディはひとり、はなれの塔に閉じこもって幾日もチェロを弾き続けたー。しかしやがてガウアンは、胸に宿ったエディへの愛に気づく。失いたくない運命を知った今、塔の上の彼女へと、再びあふれる情熱を伝えるためにガウアンは!?『塔の上のラプンツェル』をモチーフに描く、愛し愛される歓びの物語。おとぎ話シリーズ第4弾!
大親友の披露宴の料理を任されたシャーロットが考案したのは、ブルーベリー&チーズのアイスで、ほっぺたが落ちる出来映え。でもまさか、その新作アイスを凶器にした殺人事件がおこるなんて!しかも、アイスの入った容器で撲殺された男性はシャーロットの恋人の妹ジャッキーをつけねらっていた暴力夫だった。素性を隠してひっそりと暮らしていたジャッキーの居場所を、彼はどうやって突き止めたの?なぜ、殺されたの?やっと安住の地を見つけたジャッキーと幼い娘を大切に想う一心で、捜査に乗り出すシャーロット。しかし、母娘に迫る魔の手の正体をつかめないまま、アイスクリーム・パーラーで第二の死体が見つかって…!?
「娘を誘拐した。返してほしければ…」とんでもない条件に奔走する関係者たち。次々に仕掛けられるハードル。警察も翻弄されるなか、ある人物の一言が事件を急展開させるのだが…。張り巡らされた伏線と仕掛け、これぞ鯨マジックの真骨頂!あの手でもなく、この手でもない、前代未聞の誘拐ミステリ!
小さなホテルで料理人をしているゾーイ。愛する祖母と一緒に暮らすための準備をすすめていた彼女は、サンフアン島の湖畔にある別荘の改修をアレックスに依頼する。それまでのアレックスは、悲しい出来事に遭い人の愛し方も愛され方もわからなくなって、絶望の淵にいた。しかしゾーイと出逢い、彼女のつくる手料理と明るく純粋な笑顔に触れるにつれて、暗闇に閉ざされた心がぬくもりで満ちていくことに気づく。また、彼の翳りのある表情がずっと気になっていたゾーイは、その奥に秘めた不器用な優しさを知って、心が大きくかき乱された。ふたりは互いに惹かれあう気持ちを止められなかった。まるで遠い昔からの運命に導かれているように…。“フライデー・ハーバー”シリーズ第3弾!甘くあたたかな奇跡のラブストーリー。
猛暑のロンドンを訪れる貴族は少なく、ジョージーのメイド仕事は減激。そこで、楽に稼げて豪華な食事にありつける仕事を思いつくものの、たちまちロンドン警視庁に呼び出され、世間知らずだったと思い知らされる。さらに、有名飛行士のメイドが事故死し、遺留品の中になぜかジョージーに宛てた謎の手紙が見つかったことから、すぐさま警視庁は王室のスキャンダル対策としてジョージーを帰郷させることに。ところが、彼らの目的は他にあった。王位継承者に相次ぐ不審な「事故」の真相を探るスパイとして、王族のいるスコットランドに彼女を送りこんだのだ。そこでは、継承順位の低い兄ビンキーや、果てはジョージーにまで危険が迫り、絶体絶命の大ピンチに!
日本・外国の創作児童文学作品に登場する「場所」に焦点をあて、「場所」から読み解く作品案内。つどう場所、はたらく場所、くらす場所、たたかう場所、まなぶ場所、あそぶ場所、まよう場所、であう場所ー全体を8つに分類、見開き1項目計200項目200冊をイラスト・写真・書影と共に紹介した読む事典。巻末にタイトル・人名・場所索引を掲載。
スフィンクス、ケンタウロス、ハルピュイア…神話・伝説の怪物たちを解剖する。19世紀、天下の奇書『絶滅動物図録』を遺して消息を絶ったスペンサー・ブラック博士。名声と絶望、その数奇な人生と奇獣との接点をたどる、ゴシック風味に満ちた一書。
人里離れた女学校で孤児として育ち、教師となったアナベルは、意地悪な校長と先生たちに囲まれた不遇な日々を送っていた。ある日、王室の貴婦人が突然学校を訪れ、見たこともないほど美しい赤い靴をふとアナベルに差し出す。靴はアナベルの足にぴったりだった。それを見た貴婦人は、なんとアナベルを幼い公爵の家庭教師に指名。思いがけずアナベルは公爵家で働くことになった。豪奢な城には、公爵に無関心な後見人サイモンも暮らしていた。アナベルのひたむきな愛情と明るさに、臆病だった公爵は無邪気な子供らしさを取り戻していく。そして、冷たく閉ざしていたサイモンの心には、忘れていたぬくもりと情熱がめばえ始めていた。ところが、アナベルと公爵が何者かに命を狙われて…。RITA賞受賞作家が贈る“シンデレラの赤い靴”シリーズ開幕!
ロンドンで半年間の仕事を終え、カースリーの村にようやく戻ってきたアガサのもとに、初の探偵仕事が舞いこんだ。依頼人はハイキングクラブの女性。仲間が貴族の領地で殺された事件を調べてほしいという。さっそく手がかりを求めて貴族の屋敷を訪ねると、そこに待ちうけていたのは鼻持ちならない執事。「素人探偵」と一蹴され、いつも強気なアガサも上流階級の雰囲気のなかで調子がでない。そこへ助け舟を出してくれたのは、愛しの隣人ジェームズだった。夫婦と偽って捜査をすることになり、かりそめの夫婦生活を送るふたりに意外な心境の変化が訪れる。いっぽう、肝心の捜査は嘘つきだらけのクラブ仲間や貴族、くだんの食えない執事に翻弄されるばかりで!?
街に夜ごと現れる、謎に包まれた“セントジャイルズの亡霊”。ある晩、馬車を走らせていた貴婦人イザベルは、けがを負った“亡霊”を見つけて屋敷に連れ帰る。夜明けを待たずに姿を消した正体不明の男性に、イザベルはどこか不思議な魅力を感じた。その数日後、彼女を含む貴婦人たちが支援する孤児院の経営者で、庶民男性の心優しいウィンターを社交界入りさせるため、イザベルが指南役となる。会話やダンスの手ほどきを重ねるうちに、互いの孤独な心に気づき惹かれていく二人。しかしウィンターは、身分が高く美しいイザベルを前に自分の気持ちを押し殺していた。しかも彼には、誰にも言えない秘密があったー。レッスンの成果を試すため、二人でオペラハウスに出かけた夜、“亡霊”が現れたという噂を聞きつけたイザベルが思わずその姿を追いかけると…。
中学二年生・理の今度の転校先は、ヤンキー群れるシャッター商店街のある地方都市。家族を残して消えた女、取り壊されていく商店と大人たちの深刻な対立が、決定的な悲劇を生んでしまう。友人が巻き込まれていくのを我慢できない理は、やがて事件を解き明かすのだが…。気鋭が描くみずみずしくも苦い青春ミステリ。
目玉焼きじゃないハムエッグから「いのちの水」ブランデー、そして面倒な結婚手続きや教育、遺産相続まで。ヴィクトリア時代の市民生活をシャーロック・ホームズとともにとことん調べてみたら、予想以上におもしろかった!
貴族の娘フルールは、恐ろしい過去を抱えひとりロンドンへ逃げてきていた。所持金がなくなった彼女は生きるためにある決断をし、通りすがりの紳士に救われるが、そのことで心に大きな傷を残す。数日後、再び困窮し職業斡旋所を訪ねたフルール。すると幸運にも、リッジウェイ公爵家で家庭教師の職に就くことになった。始めはなつかなかった一家のわがままな少女とも少しずつ打ち解け、数週間が経ったある日、長く屋敷を留守にしていた公爵アダムが帰館する。アダムは、誰にも打ち明けられぬまま背負ってきた苦しみが、愛情豊かなフルールの存在によって癒されていることに気づく。ためらいながら、ひそやかに惹かれあうふたつの孤独な心。しかしフルールは、アダムに怯えていた。そこには、決して知られてはいけない秘密があってー。静かに募る情熱と、涙を呼ぶ感動の結末。美しくもせつない大人の愛の物語。
ニューヨークの老舗コーヒーハウス“ビレッジブレンド”を切り盛りするクレアは、新たにフード・トラック・ビジネスに乗り出した。焼きたてマフィンとスペシャルコーヒーを運ぶ屋台はたちまち大盛況。ところがそんなとき、メニューのコンサルタントであるリリーが、店の近くでひき逃げにあってしまった。意識を失う前に「こうなるとわかっていた」と言い残して。なぜそんな言葉を?謎を追うクレアの前に現われたのは、ひき逃げ犯を心から憎み、逮捕に心血を注ぐ風変わりな捜査官。彼は味方?それとも…!?簡単おいしいレシピ付き、アロマ漂う人気シリーズ第11弾!
真冬の猛吹雪の日。スザンヌの営むカフェの裏手の森で、悲劇は起こった。地元銀行の新頭取がスノーモービルの不審な事故で命を落としたのだ。この手厳しかった銀行家と対立していた地元住民も多く、保安官は手当たり次第に彼らを犯人扱い。そんなわけでスザンヌのカフェには、心も体も温まる絶品スープと卵料理が目当てのお客だけでなく、真犯人を捕まえてほしいと、彼女に助けを求めてやってくる人々がひきもきらず…!?そのうえ、冬のフェスティバルを目前に控えて、朝食からティータイムまで常時満席のカフェは、連日大忙し。でも、頼られたら断われない世話好きスザンヌをはじめ、カフェの訳ありおばさま3人組はまたもや謎解きに乗りだすことに!