出版社 : 原書房
クリスマス・ソングが流れ、宝石のように煌めくマンハッタンの街、この激戦区で老舗コーヒーハウスを切り盛りするクレアは、今年はクリスマス特製クッキーの甘い香りで道行く人々を誘惑する作戦を立てた。これが大成功し、店は大賑わい。ところがそのクッキーのために増員したスタッフが、セレブたちの集うクリスマス・パーティーで撲殺されてしまった。第一発見者はクレア。新作カラメル・ラテがセレブに大評判でてんてこ舞いだったとはいえ、何か被害者を救える手立てがあったのではとクレアは自分を責めずにはいられなかった。そして、気落ちする彼女にさらなる悲劇が襲う。恋人マイクの乗った飛行機が、猛吹雪で墜落したという衝撃的な報せが舞いこんできて…!?
巧妙に操作されたマルウェアによって世界中のネット・トレジャーハンターたちが襲いかかる。ネット遺書保存サービスを悪用して誘い出し、友人たちは人身(情報)売買にさらされ、そしてついには彼女のネット情報自体が消去され、メールすら出来ない状態に…。悪意に満ちた攻撃にさらされるなか、彼女が最後に信じたものとはー。サイバー・サスペンスの新たな傑作!
敗戦から6年、瀬戸内のある軍港都市で起こった女性連続殺人事件。被害者には能面が被せられていたー審査員刮目の「動機」が物語を一変させる傑作!島田荘司選第6回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作。
資産家令嬢のミリーは、親に結婚を決められたフィッツヒュー伯爵と出逢った瞬間、ひと目で恋に落ちた。はじめての気持ちに心を躍らせるミリー。一方のフィッツは、多額の負債を抱えた一族のために、長年思いを寄せていた女性に別れを告げてこの結婚を選んだ。そのことを知ったミリーは、自分にとってもこれが望んだ結婚ではないふりをし、想いを隠し通すことを決意する。ただの同居人として暮らしはじめた二人だったが、ともに助け合い、困難を乗り越えながら時を重ねるうちに、いつしか信頼と敬意で強く結ばれるようになっていた。フィッツの傍らでミリーは、報われることのない愛にせつなさを募らせながらー。そうして8年が経ったある日、遠く離れていたかつての思い人と再会したフィッツ。ミリーは彼への想いを断ち切るため、最後にある提案をするが…。
料理下手なホリーは、夫が招待した会社の部下たちに朝食を振る舞うことになったものだから、大慌てで姉ストーリーに泣きついた。急遽、自分の店から食材を調達して、豪華な朝食を届けたストーリー。田舎パンにパンプキンパイ風味のはちみつバター、もぎたてフルーツにブルーベリー・マフィン…。万事うまくおもてなししたはずだったのに。なんと、用意したニンジンジュースに何者かが盛った毒で、客の一人が死亡!ストーリーはこの事件のせいで恋人の刑事ハンターとの甘い同棲生活に黄色信号が点滅、姉妹ともども警察から疑惑の目を向けられて大ピンチに。なんとかこの悪状況を打開しようと、ストーリーは真犯人を捜しだそうとするが!?
あの時代にタイムスリップしたふたりの刑事が命じられたのは「行方不明になったエドウィン・ドルード氏の捜査」だった!しかし「現代の捜査方法」が信じてもらえず役にも立たない。そこに新たな事件が起き、物語は急展開を迎えるのだが…
目前に横たわる女。それを見下ろす銅像のようなふたり。「さて、この死体をどうする?」「どうせなら本格ミステリ作家の名にふさわしい殺人にするべきでしょ!」切羽詰まった売れない作家と編集者による「禁じ手」に、彩りの探偵を据えての推理合戦、すべては怒涛の結末のために!名探偵メントのために!
ロンドン社交界きっての放蕩者と噂されるトレシャム公爵ジョスリンは、決闘のさなか、見知らぬ女性が大声をあげたせいで足に怪我を負う。邪魔をしたのはジェーンと名乗る粗末な身なりに女。しかし、その内に秘めた類まれな美しさをひと目で見抜いたジョスリンは、回復するまでの3週間、広大な屋敷のなかで彼女を雇うことにする。深い愛情を湛え、公爵である自分にも率直な意見を言うジェーンは新鮮で小気味よく二人きりで過ごすひそやかな時間は日に日に増えていった。互いに抱える孤独と気高い心にふれて、いつしか自分の心を打ち明けられる唯一の存在となった二人。やがて約束の3週間が近づき、彼女を手離したくないジョスリンはある決断を下す。ところがその直後、ジェーンが彼に告げられなかったひとつの“真実”が、ついに明るみに出てしまい…。
便利屋のティムが姿を消した。町じゅうの家に出入りし、みんなから愛されていた彼の死体を発見したのはスザンヌ。町で有名な「裏切り」を意味する木に吊るされていたのだ。早速、スザンヌが情報収集のために無料ドーナツを持って聞き込みに乗り出した矢先、肝心の本業でアシスタントのエマが大変なミスを犯してしまう。新聞広告に「ドーナツ1個無料」と掲載するところを「11個無料」と間違ってしまったから、さあ大変!大勢の客が押し寄せ、お店はてんてこ舞い。おまけに、その混乱に乗じて何者かが、この世に1冊しかないスザンヌの大切なレシピノートを盗んでいった。苦心して作り上げてきたレシピは、スザンヌの店の歴史そのもの。高額な懸賞金をかけて行方を探すスザンヌへ、犯人がつきつけた要求とは!?大好評シリーズ第5弾!
すぐれたマガジニストにして、天才的な詩人、短編小説の名手、E・A・ポーの怪奇ゴシック風味のファンタジーと詩を端正な読みやすい新訳と現代にふさわしいイラストで贈る。「告げ口心臓」「楕円形の肖像画」「アナベル・リー」「赤死病の仮面」を収録。
すぐれたマガジニストにして、天才的な詩人、短編小説の名手、E・A・ポーの怪奇ゴシック風味のファンタジーと詩を端正な読みやすい新訳と現代にふさわしいイラストで贈る。第2集は「ひょこ蛙」「鴉」「黒猫」を収録。
侯爵令嬢メグスはロンドンの貧民街セントジャイルズで婚約者を殺され、スキャンダルを避けるためゴドリックと便宜結婚をする。形だけの夫婦となった二人は、顔を合わせることもせず、メグスは夫の田舎の領地でひっそり暮らしていた。あれから二年ーメグスは婚約者の命を奪った“セントジャイルズの亡霊”の正体を暴き、仇を討つために、ロンドンに住むゴドリックの屋敷を訪れた。ゴドリックは、病気がちだった前妻を亡くしてから固く心を閉ざし続けていた。しかし、明るくはつらつとした妻メグスと接するうちに、哀しい過去を乗り越えようとしている自分に気づく。もう二度と誰かを愛することなどないと思っていたのに、彼はメグスを心からいとおしく感じはじめていた。ゴドリックは彼女をまもるために全身全霊を捧げることを誓う。なぜなら彼は…。「メイデン通り」シリーズ第5弾!
サンゴ礁と魚たちが織りなす美しい水中庭園ーセオドシアが水族館の巨大水槽をうっとりと眺めていると、目の前の水中で必死にもがく男性の姿が、あれは元恋人パーカー!?懸命の救助も間に合わず、彼はその場で絶命した。警察は事故死と断定するが、セオドシアの目はパーカーの腕にある傷を見逃さなかった。おそらく犯人に抵抗したときにできたもので、これは事故なんかじゃない!彼女が早速調べてみると、シェフだったパーカーは死の直前、店の買収問題などいくつものトラブルを抱えていたことがわかった。でも、容疑者を絞れないまま捜査は行き詰まり、人気店の経営者であるセオドシアには本業の仕事も山積み。おまけに、店の大切な仲間ヘイリーに引き抜きの話まで持ち上がり…!?茶の湯に着物、和の心が光る人気シリーズ第13弾!
「なかなかいける」毒舌で知られるレストラン評論家が、ロブスターのラビオリの感想を口にした直後に命を落とした。その後も、パリの最先端レストランで次々と評論家が殺され、連続殺人の様相を帯び始めた。女性警視カプシーヌは、有名評論家の夫も標的になるのではと不安な日々を過ごし、捜査がいっこうに進まないことに焦りを募らせる。そして犯人が動きを止めてから約1カ月。エッフェル塔にあるレストランのリニューアルセレモニーという華々しい席で、カプシーヌは夫と危険な賭けに出ることに!白装束のピクニック集団に暗闇レストランー奇々怪々なパリの最先端グルメ業界で起こる、連続殺人事件の真相とは!?美食づくしの贅沢ミステリ。
現代的で読みやすい全面改訂新訳と、200ページにわたる解説・注釈を収録した決定版。いままでにない豊富な挿絵と、詳細な解説によって、作品のすばらしい多層性を把握し、理解を深められる1冊!アンの世界がさらに深く広くわかります!
「エラリー・クイーンのライヴァル」が贈る円熟の代表作!どこまでも首を突っ込む元教師の女素人探偵、彼女に振りまわされるニューヨーク市警警部。最後に放つ一手が、虚構を突き崩す。
舞踏会で出逢った令嬢エディに、公爵ガウアンはひと目で恋に落ちた。彼から一途な想いを告げられたエディは、その情熱に心を奪われ結婚する。はじめて迎えた二人きりの夜、夢にまでみた幸福にひたるガウアン。かたやエディは、本心を打ち明けられぬまま、彼を悲しませたくない一心で夜を重ねていく…。ある時、そんな彼女の“思いやり”を知ったガウアン。エディを運命の女性だと信じていた彼は、想像もしなかった展開に失望し、悲しみに暮れたエディはひとり、はなれの塔に閉じこもって幾日もチェロを弾き続けたー。しかしやがてガウアンは、胸に宿ったエディへの愛に気づく。失いたくない運命を知った今、塔の上の彼女へと、再びあふれる情熱を伝えるためにガウアンは!?『塔の上のラプンツェル』をモチーフに描く、愛し愛される歓びの物語。おとぎ話シリーズ第4弾!
大親友の披露宴の料理を任されたシャーロットが考案したのは、ブルーベリー&チーズのアイスで、ほっぺたが落ちる出来映え。でもまさか、その新作アイスを凶器にした殺人事件がおこるなんて!しかも、アイスの入った容器で撲殺された男性はシャーロットの恋人の妹ジャッキーをつけねらっていた暴力夫だった。素性を隠してひっそりと暮らしていたジャッキーの居場所を、彼はどうやって突き止めたの?なぜ、殺されたの?やっと安住の地を見つけたジャッキーと幼い娘を大切に想う一心で、捜査に乗り出すシャーロット。しかし、母娘に迫る魔の手の正体をつかめないまま、アイスクリーム・パーラーで第二の死体が見つかって…!?
「娘を誘拐した。返してほしければ…」とんでもない条件に奔走する関係者たち。次々に仕掛けられるハードル。警察も翻弄されるなか、ある人物の一言が事件を急展開させるのだが…。張り巡らされた伏線と仕掛け、これぞ鯨マジックの真骨頂!あの手でもなく、この手でもない、前代未聞の誘拐ミステリ!
小さなホテルで料理人をしているゾーイ。愛する祖母と一緒に暮らすための準備をすすめていた彼女は、サンフアン島の湖畔にある別荘の改修をアレックスに依頼する。それまでのアレックスは、悲しい出来事に遭い人の愛し方も愛され方もわからなくなって、絶望の淵にいた。しかしゾーイと出逢い、彼女のつくる手料理と明るく純粋な笑顔に触れるにつれて、暗闇に閉ざされた心がぬくもりで満ちていくことに気づく。また、彼の翳りのある表情がずっと気になっていたゾーイは、その奥に秘めた不器用な優しさを知って、心が大きくかき乱された。ふたりは互いに惹かれあう気持ちを止められなかった。まるで遠い昔からの運命に導かれているように…。“フライデー・ハーバー”シリーズ第3弾!甘くあたたかな奇跡のラブストーリー。