出版社 : 原書房
社交界デビューのためロンドンに旅立とうとしていたアンジェリンは、兄の迎えを待つ間、男性に絡まれて困っているところを、一人の紳士に救われる。お礼を言う間もなく立ち去ったその紳士に、彼女は一瞬で恋におちた。数日後、待ちに待った初めての舞踏会で、アンジェリンはダンスの相手を紹介される。なんと、あのときの紳士、伯爵エドワードだった!運命の再会に、喜びで胸をいっぱいにして彼に話しかけるアンジェリン。ところが、礼儀正しく控え目で堅物なエドワードにとって、明るく華やかな彼女は絶対結婚したくないタイプだった。自分とはまるで昼と夜のようにかけ離れていて、惹かれるはずはない女性。そう思いながらもなぜか、アンジェリンのことが頭から離れなくなったエドワードは…。前作『あやまちの恋に出逢って』未収録シーンも公開!
幌馬車隊の襲撃シーンが終わっても起き上がらないエキストラは、額に銃弾を受けて死んでいた。殺人なのか、事故なのか。名優ジョージ・サンダースは「殺人だ」と断定、スクリーン同様に殺人捜しにのめり込んでいく。だが件の銃弾は、ほかならぬサンダースの銃から発射されたものだった。こうして無実の証明もしなくてはならなくなったサンダースに第二の殺人が知らされる…
貴族令嬢でありながら、伯爵である伯父の屋敷で使用人同然の不遇な毎日を送るエリーは、ある日、いとこの付き添いで社交界の花形レディ・ミルフォードを訪ねた。そこで美しい赤い靴を贈られた彼女は、幸運にとまどいながらも胸を躍らせる。ところが、社交シーズンが始まる前に、エリーは突然“悪魔の王子”の異名を持つダミアンに、孤島の城へとさらわれてしまった。まもなく誘拐は人違いだったとわかったものの、一歩も外に出られない悪天候が続き、ロンドンには帰れない。閉ざされた城の暮らしの中で、エリーに細やかな心配りを見せるダミアン。世間の評判とは違う彼の素顔にふれ、誘拐を企てた理由や秘めた孤独を知るうちに、エリーは次第にダミアンに惹かれていく。そして嵐がやんだ朝、突然レディ・ミルフォードが城を訪ねてきて…。
わずか四週間で結婚式を挙げることになったデレインのお相手は、地元で指折りの敏腕弁護士。ところが、人生で最良の日に最悪の事態が起きてしまった。新郎が式の時間を過ぎても姿を現さず、心配して控え室のスイートルームに迎えにいくと…そこには息絶えた新郎の姿が!他殺をにおわせる後頭部の傷跡を、セオドシアの鋭い目は見逃さなかった。犯人への復讐を誓う花嫁は、セオドシアに事件の捜査を依頼。事件当日、謎の宿泊客が隣室から姿を消していたこともわかった。なにせ式場は幽霊が出ると噂される不気味なホテル。うさん臭いゴーストハンターがセオドシアの店にまで押しかけてきて、なぜか彼女も一緒に幽霊探しに駆り出されてしまい…!?
遙か遠い地中海の島キプロスに、一人降り立ったアガサ。結婚は破談となってしまったが、夫になるはずだったジェームズがこの島にいると知り、無我夢中で追いかけてきたのだ。皮肉にもここは、新婚旅行として来るはずだった島…。執念でどうにか彼の居場所を突き止めたものの、案の定、ジェームズは冷たい態度を崩さない。そんなとき、クルージングで知り合った女性観光客が何者かに刺殺され、現場に居合わせたアガサたちも島から出ることを警察に禁じられてしまう。いつもなら二人で事件の捜査をしてヨリを戻そうとするところだったが…。愛に悩むアガサの前に、以前の事件で知り合った準男爵が現れ、恋も事件も波乱の展開に!英国で大人気のロングセラーシリーズ!
俺は妻を医療過誤で失い、すべてを捨てて新宿でホームレスとなっていた。ある日、ホームレスたちに寝食と健康診断を施すボランティアの口から、忘れることのない「妻を殺した」男の名を聞いた。男がいた製薬会社とボランティアに何のつながりがあるのか。俺はボランティア集団の真の目的を探るため、そしてあの男に復讐するため、決死の潜入を試みたのだが…。新鋭が描くサスペンスミステリー。
夜会の喧噪を避けて、図書室に身を潜めていた公爵ロバートは、偶然そこに飛び込んできたミニーと出逢う。彼女は口先ばかりの求婚者から逃れてきたのだった。奥ゆかしく謎めいたミニーに興味を覚えるロバート。かつてミニーはチェスの名手として名を馳せたのだが、今は身元を偽りひっそりと暮らしていた。そんな彼女に、あらぬ嫌疑がかかる。反体制的なビラを書いたというのだ。ロバートは、公爵である自分がミニーに求婚しているふりをすることで疑いの目をそらせるよう協力すると提案する。実は、ロバートこそがビラを書いた張本人だった。彼の秘密と信念を知り、その純粋さに心が揺れるミニー。ロバートもまた、自分を理解してくれる彼女に、生まれてはじめて心をゆるしていた。惹かれあう二人は、それぞれの過去と身分の差を乗り越えられるのか…?
「世界でもっとも重要な台所」と呼ばれる、ホワイトハウスの厨房で働くオリーは、小柄ながら腕と舌は確かなアシスタント・シェフ。彼女の任務は、大統領の朝食から晩餐会にいたるまで献立を吟味して、期待以上の料理で彼らの胃袋をつかむこと。ところがある日、ホワイトハウスに不法侵入した男をフライパンで打ちのめしたせいで、彼女は国際手配の殺し屋から命を狙われることに!いっぽう厨房では、たった一週間で重要な国賓晩餐会のメニューを決めるという前代未聞の事態が発生。オリーは、夢だった総料理長の座を射止めるためにもこの大ピンチを乗り切れるのか!?ホワイトハウスの舞台裏で大活躍する料理人を描くシリーズ第一弾!アンソニー賞受賞作。
その日のキツネ狩りの「獲物」は頭部のない若い女の死体だった。悲劇は連鎖する。狩猟用の愛馬が殺され、「何か」を知ってしまったらしい女性も命を奪われてしまう。陰惨な事件の解決のために乗りだしたドクター・ウェストレイク。小さな町の複雑な男女関係と資産問題が真相を遠ざけてしまうのだが…。ドクター・ウェストレイク・シリーズ第1作!
アーティミスは貴族の娘でありながら両親も財産もなくし、親戚で大富豪の伯爵のもとに身を寄せて、従妹のコンパニオンを務めている。ある日、従妹とアーティミスは、ロンドンの貧民街セントジャイルズでならず者に襲われそうになったところを、“セントジャイルズの亡霊”と呼ばれる謎の男に助けられた。去り際に彼が落としていった印賞付きの指輪を、アーティミスはひそかに保管する。男の正体は、ウェークフィールド公爵マキシマス。彼は爵位を守るために、伯爵令嬢との結婚を考えていたが、自分が落とした指輪を令嬢のコンパニオンであるアーティミスが持っていることを知る。そして、アーティミスと言葉を交わすうちに、マキシマスは聡明で凛とした彼女に心惹かれていく。その後、マキシマスが私邸で開いたパーティーで、二人の関係は急接近し…。
英国王室を代表し、ルーマニア王家の結婚式に参列することになった公爵令嬢のジョージー。恐ろしく不器用なメイドを雇ったばっかりに道中は苦労の連続だったが、なんとか目的地に到着した。そこは吸血鬼伝説が囁かれるブラン城ー雪深い山奥にそびえたつ不気味な城を見上げて、ジョージーは思わず息をのんだ。久しぶりに貴族らしい華やかな日々を過ごせると思ったのに。案の上、結婚式を目前に不可解な出来事が次々に起こる。学生時代とは別人のように美しくなった新婦、ジョージーを襲うマント姿の謎の男。そしてとうとう、晩餐会の席で毒殺事件が!予定通り結婚式を執りおこなおうと事件の隠ぺいを謀る王子たちの企みにジョージーも巻きこまれてしまい…!?
密室と化した倉庫の中には比翼の大斧を振る首なし男、そして生首ひとつ。また、ある男が残していた「殺人計画書」の通りに近くの古井戸では死体が発見された。しかも不思議な形で折り重なって。犯人は「殺人計画書」を書いた行方不明中の男なのか?ならば倉庫の密室の生首はいったい誰?トリックの鬼才が贈る蜘蛛手シリーズ最新作!
美しきハクスタブル家の長女メグは、弟妹たちを立派に成人させてようやく自分の幸せに目を向ける。かつての恋人に「婚約者がいる」と言ってしまい紹介することになったメグは、以前から自分に求婚していた男性の元へ。するとその人は知らぬ間に、別の女性と婚約していた。困り果てたメグの前に、花嫁探しのため舞踏会へやってきた伯爵ダンカンが現れる。突然ダンスと結婚を申し込まれたメグは、踊りながら正直に境遇を打ち明け、彼に婚約者のふりをしてもらうことに。ところが、ダンカンはスキャンダルで社交界から半ば追放された人物だった。たちまちゴシップの的になる二人。そのうえ、彼は2週間以内に結婚しないと財産と爵位を失うという窮地に陥っていた。そこで二人は、2週間で自分たちが恋におちることができたら結婚するという取り決めを交わし…
雨降りの薄暗い朝、スザンヌは記念式典に必要な花を届けるため、急いで墓地へ向かっていた。彼女の営むカフェの開店時間まであとわずか。一刻も早く厨房に房って、卵とコーヒーの美味しい朝食を準備したいところ。なのに、墓地で死体を発見してしまうなんて!被害者は町のみんなに嫌われていた元刑務所長で、警察が真っ先にマークしたのはスザンヌの友人ミッシーだった。けれど彼女が行方をくらましてしまい、捜査は難航。これにはいつも頼もしい保安官も頭を抱えるばかり。スザンヌは、彼の大好物のスイートロールやパイで励ましながら、友人の無実を信じてみずからも捜査に乗り出した。そんなとき、保安官が重傷を負って意識不明という悪い報せが入り!?
綾鹿科学大学大学院准教授・増田米尊は異変に気づきつつあった。何人もの女性から言い寄られるなどなかったことだ。発表用の論文が書いた記憶のない小説に入れ替わっていたり、何者かに監視されているようだったりと、とにかくこれまでと違うのだ。増田はもちまえの学者魂から真相を探るのだが…
19世紀、ロンドン社交界を揺るがした、稀代の宝石“ブルームーン”盗難事件。社交界にデビューしたばかりのローラは、容疑をかけられた父と国外へ逃亡した。父の無実を信じながら、贅沢も恋も手放してひっそりと暮らす日々。それから10年ー父が急死し、ローラはついにすべてを失ってしまう。ところが、訪れたロンドンの街でローラは見覚えのある貴婦人に出逢い、導かれるままに、老貴婦人のコンパニオンの職と美しい赤い靴を手に入れる。豪奢な邸宅での暮らしが始まると、彼女の前に伯爵アレックスが現れた。彼こそ、かつて甘く激しい恋に落ちた相手ー偶然の再会にとまどいながらも、二人の情熱は一瞬で呼び覚まされる。複雑な想いを抱えたまま10年の時を経て、互いへの想いはさらに深まっていた。しかし、アレックスには隠し続けている秘密があって…。
事の始まりは、昔馴染みの老人からの電話だった。ジェーンの故郷に住む農園主で、畑から謎の骨を発掘し警察沙汰になって困っているという。ジェーンは人生初のガレージセールの真っ最中にもかかわらず、力になろうとすぐさま故郷へ駆けつけた。ところがその夜、彼女が真っ暗な畑で目にしたのは…踊るかかし!?いや、人間の死体だ!謎の骨に殺人事件、いよいよきな臭くなってきた。ここはごくごく平凡な町で、古い食器や昔ながらの料理が食卓を飾る平和な田舎だったのに。若者たちが都会へ出て行ったあと、老人たちが屋根裏にそっとしまいこんできた古い物ーそれらが語りだす思い出や秘密に耳を傾けるうち、ジェーンは殺人事件の手がかりをつかみ!?
BBCのラジオドラマのオンエア中に、被害者として殺される役の男が、まさにドラマと同じタイミングで絞殺される。現場はドラマ関係者による衆人環視の状況、まったく犯人の足取りもつかめない。関係者たちはそれぞれが「何か」を抱えているようなのだが…。J・D・カーの盟友が贈る、本格推理の王道!
念願叶って、ついにアガサはハンサムな隣人ジェームズとの結婚にこぎつけた。ところが式の最中に「中止しろ!」と叫ぶ声が。なんと、酒浸りでとっくの昔に死んだ(とアガサは自分に言い聞かせていた)はずの夫ジミー・レーズンが現われたのだ!赤っ恥をかかされた新郎ジェームズはアガサに激怒し、結婚式は即刻中止。アガサにとって悪夢のような一日が明けた翌朝、驚くべきことにジミーが村のはずれで遺体となって発見され、真っ先にアガサとジェームズが警察から疑われた。二人は嫌疑を晴らすため、やむなく協力して犯人捜しをすることに。皮肉にも「夫婦」と偽って潜入捜査しなければならない状況にもめげず、アガサたちはジミーがかつて出入りしていたという、彼には不釣り合いなほど高級な健康施設で手がかりをつかみ…!?
サンフアン島で小さなホテルを経営するジャスティン。仕事や仲間に恵まれ、充実した日々を送っているように見える彼女は、実は深刻な悩みを抱えていた。それは、男性を心から愛することができないということ。そんなある日、世界的に有名なゲームクリエイターのジェイソンがホテルを訪れ、二人はひと目で恋におちる。生まれてはじめて、こんなに強く惹かれる人と出逢えたことに、胸を躍らせるジャスティン。ところが直後、二人はそれ以上愛しあうことができない、残酷な宿命を知らされる。絶望したジャスティンは彼から遠ざかろうとするが、熱い想いを止められないジェイソンは、命がけの思い切った行動に出る。二人を待ち受ける未来とは…?“フライデー・ハーバー”シリーズ第4弾!永遠に輝く真実の愛がここに。