出版社 : 双葉社
コロナ禍をなんとか乗り切ったマリエに大手百貨店が理不尽な要求をつきつける(「マリエの覚醒」)。ヤッさんの一番弟子として何ができるのか…模索しはじめたタカオが「鮨まな」の危機に立ち上がる(「タカオの矜持」)。そして、二人の師であるヤッさんがある日、オモニとともに姿を消す。いったいヤッさんに何が起きたのか。タカオが捜しはじめるが…(「ヤスの本懐」)。シリーズ完結となる表題作を含む3編を収録。
どんな犯罪にも「起源」があります。「殺人」は人間にとって最大の禁忌ではないでしょうか。最初の事件は、20万年前の原始人によるものでした。動機は“怒り”です。信じていた仲間に失望し、大きな棍棒で仲間を殺しちゃったんです。太古の昔、いったいどんなドラマがあったのかー。(表題作「人類最初の殺人」)本篇ではこうした「人類最初の犯罪」の顛末の数々をお話します。
実家が土建業を営むシンジ。その寮に、中学の同級生・エージが転がり込んできた。周囲に迷惑ばかりをかけてきたエージだが、ある日突然バッティングセンターをつくろうと言い出す。シンジはエージとともに信用金庫に勤める旧友のミナを頼って融資を申し込むが、馬鹿じゃないのと追い返される。だがその後、ミナから連絡があり高額の融資を通したという。いったいなにがどうなっているのか。エージは不敵に笑うだけだった…。人生のターニングポイントに立つあなたに贈る傑作長編小説。
葛野を出て実に43年、甚夜はついに行方知れずとなっていた妹と対峙することになったー。斬るべきか、許すべきか。鬼人が辿り着いたその答えとは?和風ファンタジーシリーズ第七巻!
男爵家の三男・ジェイドは、成人の際の「転職の儀」でジョブを得られず、家を追放されるも、今いる世界が前世でよくプレイしていたゲームの世界だと思い出した。彼は、前世の記憶を用いて、チートな「チェンジ」の魔道具で格上の魔物を撃破し、スキルポイントを貯めて、チートなスキルを取得し強化していく!「無双ゲージ」を貯めることで無敵状態になれる“国士無双”という最終奥義をも取得したジェイドは、誰も知らないゲームの知識用いて規格外の冒険者に成り上がる!
妻の不貞を疑って思い悩む男、不審な行動を繰り返す息子を案じる老女、二十年前の過ちを悔やみ続ける女…。次々と現れる依頼人のために、権藤は探偵術のテキストを頼りに調査を行うが、一筋縄ではいかないことばかり。ある時は尾行がバレ、ある時は調査対象者と友達になってしまい、またある時は依頼人に説教までする始末。けれど、そんな“へっぽこ”な探偵との出会いから、依頼人たちはいつしか自分の人生を見つめ直してー。思い通りにいかない人生を丸ごと抱きしめたくなる新感覚の探偵小説。
31歳、独身の大谷綾はデート相手と大喧嘩した帰り道、馴染みのバーに足を運ぶ。そこでママのみひろと過去の失恋について話していると、カウンターの隅で飲む初老の男性から声を掛けられる。“センセイ”とみひろが呼ぶその男性は、フラれた当時の綾の行動や相手男性の言動から「失恋したのには別の理由がある」と語り出す。自分が思い込んでいた「フラれた理由」と「失恋の真相」。恋する男女が陥る“スレ違い”を当時の流行や社会情勢を交えて描いた傑作ミステリー。
湯潅を終え、老婆の顔に化粧をほどこしてゆく。保湿クリームを少量と、肌の色にあったコンシーラーを丁寧に塗りこむ。そして最後に、明るめのパウダーをはたき、閉じた口元に淡い色の口紅を塗った…。葬儀社「せせらぎ典礼」の湯潅・納棺師として働く綾乃は、小学2年生で母親から棄てられ、孤独の中で生きてきた。様々な仕事を経験したのち、葬儀社での仕事を得て同僚らと過ごすうち、綾乃は徐々にあることに気づいていく。
「ビアトリスは実家の力で強引に俺の婚約者におさまったんだ。俺は最初から不本意だった」 婚約者であるアーネスト王子がそう言っているのを知ってしまった、公爵令嬢ビアトリス。彼女は王子との関係改善をあきらめて、距離を置くことを決意する。 「そういえば私は今までアーネスト様にかまけてばかりで、他の方々とあまり交流してこなかったわね。もったいないことをしたものだわ」 気持ちを切り替え、美貌の辺境伯令息や気のいい友人たちと学院生活を楽しむ彼女に、今まで塩対応だったアーネストが、なぜか積極的に絡んでくるようになりーー!?
海と山に囲まれた餅湯温泉。団体旅行客で賑わっていたかつての面影はとうにない。のどかでさびれた町に暮らす高校2年生の怜は、複雑な家庭の事情、迫りくる進路選択、自由奔放な友人たちに振りまわされ、悩み多き日々を送っている。そんななか、餅湯博物館から縄文式土器が盗まれたとのニュースが…。モヤモヤした日常を吹き飛ばす青春群像小説!
老母と二人で暮らす、ルーズでいい加減なダメ男・大守良行。最愛の母を亡くし、ひとりぼっちになった中二の女の子・都築日向実。日向実を温かく迎え入れた、義理人情に厚い良行の老母・大守光枝。いとこの日向実を陰ながら支えようと心に誓う中三男子・関惟吹。元恋人の良行から精子提供を受け、日向実を生んだ都築街子の遺志で、新たな日常をスタートさせた四人。そんな中、自分の出生の秘密を知った日向実は、ある男を探しはじめるー。シリアスでややこしい父娘の関係をユーモア溢れる筆致で描く、心ゆさぶる長編家族小説。
西洋化の波が押し寄せる明治の世。小説家を志す十七歳の宮島冬子は、当代一の文学者・尾形柳後雄のもとで女中をしながら執筆に励む。しかし、男社会の文檀では相手にされず、さらには望まぬ子を身籠もり窮地に立たされる。そんな冬子に「共謀しないか」と結婚を提案したのは、尾形の弟子・春明だった。新鋭作家として名を掲げる春明には、どうやら企みがあるようでー。その伴侶は心優しき理解者か、創作に憑かれた鬼か。切なくも衝撃的な結末が待つ異色の夫婦の物語。
その日、丸川亮太がいつものように中学の制服に着替えて朝食をとっていると、テレビから「二つ隣の県の刑務所から女性が脱走した」という、少し前から話題になっているニュースが流れた。その逃亡犯は亮太の家の方に向かっているらしいとのことで、亮太の父親が住宅地を見張ろうと言い出した。そんな丸川家の向かいにある矢島家。小学生の姉妹と祖母・母親の四人で暮らしているが母親は留守がちで、姉のみづきが妹の面倒をみていたのだった。そしてその隣の真下家では…。
広告・イベント制作会社で働く小島佑は社長に僻地の離島・小鬼ヶ島へ行くよう命じられる。この島はちょっと変わった離島で、住民が東と西で対立。村長選挙や村議会議員選挙のたびにガチンコの争いになる。佑は島の居酒屋に働きにきた絶世の美女・るいるいさんと一緒に島の問題を解決するため、とっておきの作戦を実行する。
謎の旅人ランフォスに誘惑される、元社畜OL、現追放聖女の仁菜。もう一人の聖女・心愛の聖獣シラユキも現れ、逃亡の旅はますます波乱の予感…!?そんななか、ランフォスの古い友人だという貴族の家に身を寄せることになりー異世界グルメファンタジー!