出版社 : 双葉社
慶長五年九月、関ケ原の合戦は東軍の大勝に終わる。小早川秀秋の寝返りが西軍を崩壊させた。このとき秀秋、十九歳。家康への報恩と石田三成への不信感が天下の行方を左右した。論功行賞は備前、美作五十一万石。だが、秀秋には荷が重すぎた。日本一の裏切者の、知られざる“その後”を描く長編歴史小説。
春野息吹、25歳、独身、英会話学校講師。同い年の恋人・幸神とは交際6年目、長過ぎた春にそろそろケリをつけたいけれど、恋の神様のいたずらで、ふたりは切なくすれ違ってばかり。そんな息吹に新たな出会いと運命が訪れる…!話題のドラマ「恋の神様」小説版登場。
泰平グループ傘下の泰平電装社長急逝の後を継いで、元女優でもある若き未亡人、白石真砂美が社長となった。だがその矢先、美貌の女社長のレズシーンを盗撮した写真が、脅迫状とともに送り付けられる。その調査をするのが、この物語のヒーロー花形淳平である。彼こそ泰平グループ内の醜聞を極秘裡に葬り去る闇社員であった。
わたし眠るのが恐いんです。結婚を目前に控えた市川倫子と名乗る女が、量子のカウンセリングルームを訪れた。幸せの最中にある彼女がなぜ悪夢を。量子が倫子の夢を「追見」すると、ある忌わしい記憶が。難事件に挑む三上量子と、彼女を手助けするもと夫の私立探偵・四方晴彦の活躍を描く新感覚サイコミステリーの第一作『浅い夢の記憶』を併録。
サラ金に追われる大学生に、取り立て屋は奇妙な提案をする。「百万やるから、俺と東京の街を散歩しろ」井の頭公園から霞ケ関まで、東京を転々と歩く二人に降り掛かる様々な事件と人との出会い。家族のいない青年と、妻を殺した中年男の不思議な旅の終わりには、一体なにが待ち受けているのか!?著者初の試み「ロード・ノベル」の大傑作。
ドアの前に男が一人、険しい顔をして立っていた。多岐島には男の用件の察しはついた。この男の妻と不倫をしていたのだ。男は多岐島に、「俺の女房がされたことと同じことを、お前の奥さんにしてやる」と脅した。多岐島の妻は、初めは恥ずかしがっていたが、肉壺のなかに、人指し指と中指を埋め込むと感度よく反応した。背を反らせ、恍惚の表情をみせた。-「不倫の報復」より。表題作のほか、九編を収録した官能小説作品集。
門脇浩一郎に会ったのが間違いのもとだった。僕はポルノ作家だが、無頼の小説家を名乗るこの男と意気投合して、自分の家にある土蔵を貸すことになった。やってきた門脇浩一郎は、土蔵に女を引っ張り込み、酷く猥褻な行為を、僕に覗かせるのだ。しかも、この男は巨根だった。二十センチはあるように見えるモノが、テラテラとピンク色に輝き、ぱんぱんに膨らんで、膣口をミリミリと押しわけて、もぐりこんでいった。
北陸・福井出身の祖父は奉天会戦に出征。日露戦争後、満州で馬賊となり事業を起こした。父親はその事業を継いで奉天の成功した実業家となる。一人娘のルイは、上品な亡き母とは比較にならぬ父親の後妻、妖艶な苑子と“女の争い”を演じる。そして激しい行動力で、関東軍の敗色濃いノモンハンへ恋人を追って行くが、その恋人とはなんと…。旧満州全盛期。自由奔放に生きる“炎の娘”ルイ。日本人社会に繰り広げられる愛欲の葛藤。壮大なドラマは『風と共に去りぬ』に迫る。
三方面から怒涛のように侵攻したソ連軍によって“偽国”満州は崩壊した。若き戦争未亡人となったルイは、気力を喪失した男達に代わって家長の役割を負った。日本人同士の醜い争い、中国人、朝鮮人の冷たい視線、激しい抗日暴動の中で、今日食うためにどう金を稼ぐか、必死の日々が続いた。その渦中、あれほど憎んだ苑子が実は…。“偽国”満州の崩壊。敗戦の地獄図。歴史に翻弄される女達をささえ、若く美しい主人公ルイは、渾身のパワーを振り絞って生き抜く。