出版社 : 双葉社
舞台は銀行。演目は『一億円詐取の胸騒ぎと空騒ぎ』。練りあげられた台本、完璧な演出、選ばれた役者たちと三拍子そろって、公演は大成功-のはずだった!?100,000,000円を騙し取れ!待望のコン・ゲーム小説。
植木職人の銑次郎は一匹狼の盗賊だったが、岡っ引きの伝造に追われ始める。確証は与えていなかったが、探索の輪は狭まっていく。だが、この二人には、愛しい女、そして、守ってやらなければならない女がいる-。
純白の羽二重を着流し、白柄白鞘の剣をたずさえた美剣士、源氏九郎は、関白より倒幕の資金調達を命じられた。そして密かに徳川家康が隠したという埋蔵金を探し始め、火焔剣、水煙剣の秘密にたどりつき、争いの渦中に入る。九郎に挑む幕府の隠密仙藤鬼十郎、剣の鬼夢現天山らを相手に源氏九郎の秘剣・揚羽蝶が縦横に舞う。
旗本大草主膳の一子徹太郎は江戸城中の少年武芸試合で見事優勝した。その褒美として妾腹の弟源次郎を所望し、人も羨む兄弟仲となった。成人後、共に無念流の皆伝を受けた兄弟は花見に出かけたが、予期せぬ喧嘩に巻き込まれた兄は相手を斬ってしまう-お家断絶の危機に瀕して弟源次郎が立ち向かう殺気波乱の時代長編。
幸子は死ぬために「踊り子号」に乗った。彼女は人生に疲れ切ってしまったのだ。唯一楽しい思い出のある下田の海を見て死にたいと思った。ところが、終点に近づいたところで電車が転覆してしまった。電車で横に坐っていた男の両親が看病をしてくれた。どうやら息子の婚約者と勘違いをしているらしいー。表題作ほか四本を収録した傑作短編集。
ポルシェ911Sに乗る唐木は、途方もない計画をもっていた。狙いは東京競馬場で行なわれるダービーの売上げ金20億円だ。唐木は仲間を一人ずつ集め、男五人女二人の七人が揃った。カメラマン、ヘリコプター操縦士、馬券売場で働いている女、爆弾を作る男などが、周到な計画にしたがって動きはじめた。七人の若者が挑んだ冒険の結末は…。
「結婚だって夢なんだ。神様の前で一生の愛を誓うけど、そんなもんはすぐに嘘だとばれる、俺がいい見本だ」と突然妻に逃げられた圭太郎。「自分が何やりたいとか、何になりたいとか、私、わからないの。ないの、具体的な夢とか、全然」と、やりたくもない仕事に疲れ果てている美羽。そんなふたりが、のっぴきならない事情で結婚した。「結婚は紙切れ1枚と言うけれど、それは世界で一番重い紙切れ」圭太郎の父の言葉が身にしみるふたりだったが…。
女が我に返った時には、自分の右手に青銅の花瓶をしっかりと握っていた。床には頭から鮮血を流して倒れている男の姿があった。-翌朝、殺人事件の第一報が入り、ただちに警視庁捜査一課は現場に急行した。死体は大型デスクの上に置かれ、殺害場所から動かされていた。奇妙な殺人現場。そして被害者は家具販売会社の専務、戸井村吉継、次期社長の有力候補だった。流しの犯行か怨恨か。捜査は難航し、更に次の殺人事件が。八木沢警部補の「謎を解く鍵は伊豆修善寺に」の推理は果して…。
近未来の東京に奇病が発生した。この病に冒されると、人間は理性を失い、狂暴な衝動にとりつかれ、ついに人間を食らうようになる。女子大生藤原志保が突然、姿を消す。仲間たちは、例の病気にかかって隔離地帯・渋谷に送られたのだろうと噂している。志保の恋人、環は諦め切れずに志保を追って、渋谷に潜入、再会を果たすが…。
話しかけてきた友人がトツゼン目の前で交通事故にあう。夢で見たハンサムな青年がパット現われる。家へ帰ると家族は皆行方不明。なんとも奇妙な一日。ところが、その日から由起子の日常はガタガタ…。行く手にまちかまえる、あなたの知らない不思議な世界、古都鎌倉を舞台に繰り広げられる、怪奇と心ときめくロマン。