出版社 : 小学館
大ベストセラー作家の最新青春小説! いつの間に、ぼくらの目は曇っていくのだろう? 会えなくなるとわかっていても、ぼくは君を守りたかった‥‥。 その日、映画の脚本家になることを夢見ていたぼく(佐々時郎/ジロ)は、駅前通りの本屋さんで『ハリウッドで脚本家になるための近道マップ』という名前の翻訳本を立ち読みしていた。 600ページもある高価な本だったから、夏休みに入った最初の日から毎日店に通って、少しずつ全ページを読破する計画だった。 その日も本に没頭していると、急に肩を叩かれ、ぼくは飛び上がった。 (本屋の親父さんについに見つかった!) 恐る恐る振り返ると、そこに彼女がいた。 南川桃(モモ)。 同じクラスにいたけど、一度も口をきいたことがない女の子。 女子のヒエラルキーでも頂点にいるのが当たり前のようなその子が、そのあとぼくに頼んできたのは、伝記を書くことだった。 「伝記? 誰の?」 「わたしの」と、彼女は言った。 『いま、会いにゆきます』『恋愛寫眞 もうひとつの物語』『そのときは彼によろしく』『こんなにも優しい、世界の終わりかた』-- 2017年、累計258万部に達する市川拓司×小学館の大ベストセラー小説群に加わった新たな傑作『MM』を改題し、文庫化!
ドラマ化ヒット小説、文庫2ヶ月連続刊行! 天下の富久丸百貨店芦屋川店で、外商員として働く鮫島静緒(37)。日本一の高級住宅街・芦屋に住む本物のセレブたちに、ロレックスの時計やダイヤの指輪を持参してお買い物をしていただくのが仕事だ。新人外商員の静緒に課されたノルマはなんと、月1500万円! 職場の正社員としては珍しく高卒からのたたきあげで働く静緒は、顧客の要望に応えるため、そしてマンネリ感満載の百貨店業界を立て直すため、前のバイト先・パティスリー「ローベルジュ」での人脈をフル活用して全力で奔走する。 静緒をパティスリーから引き抜いたカリスマ外商員・葉鳥士朗の勧めで、静緒は実家から芦屋の高級マンションに引っ越した。ところがそこには思わぬ同居人が。大嫌いな同僚の桝家修平(29)も、葉鳥の勧めでその部屋に住んでいたのだ。バツイチ独身の静緒だが、桝家は実は、セクシャリティの問題を抱えていて……。 竹内結子、斎藤工、草刈正雄ら豪華キャストでドラマ化もされた話題作。神戸在住、『トッカンー特別国税徴収官』『政略結婚』などヒット作を次々生み出す著者による究極のハイクラス・エンタメが待望の文庫化! 帯推薦文はデヴィ夫人。 【編集担当からのおすすめ情報】 特製表紙柄ポーチ&マスキングテープの特別プレゼント企画も!詳細は帯の内側、および小説丸ツイッターアカウント(@shosetsumaru)をご覧ください。
和カフェの店主は、幼なじみの拝み屋さん 結婚予定の恋人と、天職だと思っていた仕事をいっぺんに失った、不運すぎるアラサー女子の藤堂朱音は、傷心を抱えて東京から地元・仙台へと戻ってきた。ところが久しぶりに帰った実家はもぬけの殻で、両親とは連絡がとれない上に、二人そろって海外へ長旅に出かけたらしいと知り、朱音は途方に暮れる。 そこへ救いの手を差しのべたのは、幼なじみで少し意地悪な金ケ崎玲二。実は彼は、朱音の祖父母宅をリフォームして「巡縁堂」という和カフェを始めることにした店主兼オーナーで、不可思議な現象に悩む人々を救う「拝み屋」でもあるのだという。 巡縁堂は「憑かれた」者たちを救う駆け込み寺だと豪語する幼なじみを、「詐欺師なんじゃないか」と疑う朱音だったが、玲二の作る優しい料理に癒やされ、ついでに厄介な「憑きもの」も落とされて、やがて信じるように。 あれよあれよという間に、なぜか助手として彼の仕事を手伝うことになってしまい……? 【編集担当からのおすすめ情報】 カバーイラスト:YANAMi
吉祥寺に住む閻魔大王、迷える魂を救う!? 休日を過ごすために現世にやってきた地獄の大王閻魔さま。人間の姿になって大央炎真と名乗り、地蔵菩薩が管理する吉祥寺のアパートで、秘書の小野篁とともに暮らしはじめる。だが、さ迷う死者を見つければ成仏できるように導いたり、悪い心に囚われた生者に会えば思わず成敗してみたり。地蔵菩薩にもこき使われて、ちっとも癒されない毎日だ。 そんなある日、地獄で記録係を務める司録と司命に請われて井の頭公園に遊びにきた炎真は、現世に来てから知り合った少年に『幽霊のような黒い犬』を見たと教えられる。さらに炎真は新聞で、遺体に噛み傷がある殺人事件の記事を見つけるが……。 超がつくほどの犬好きで世話焼きな小野篁、しょっちゅう現世にやってきては炎真におねだりをする記録係のお子様ズ・司録と司命、スイーツをエサに炎真を振り回すイケズな地蔵菩薩。個性的な周囲の面々も揃って、にぎやかに繰り広げられる地獄行き事件解決録、第三弾登場! 思い出の味を再現できずに嘆く漫画家の話、奇妙な屋敷に入り込んでしまった図書館の読み聞かせ係の一夜など、四つの物語を収録。残り少ない休暇だけれど、炎真は今日も大忙し!?
100人の英雄を育成し、邪神との戦争を終わらせた預言者アイゼン。彼が育てた英雄たちは、各地で重役を務めながら世界を発展させ、その結果を自分達が慕う師匠へ逐一手紙で報告していた。そんなアイゼンは、ある日決断する。「旅をしながら、弟子達が盛り立てている世界を見て回ろう」こうして、英雄たちの師匠であるアイゼンとその末弟子であるリンネの、楽しいお忍びの旅がはじまった。しかし、お忍び旅行のはずが行く先々で預言者の偉大なる力は頼りにされてしまい?世界中の弟子達から慕われまくる、最強師匠ファンタジー開幕!
“天才”太宰と駆けぬけた著者の青春回想録 作家・檀一雄は太宰治の自死を分析して、「彼の文芸の抽象的な完遂の為であると思った。文芸の壮図の成就である」と冒頭から述懐している。「太宰の完遂しなければならない文芸が、太宰の身を喰うたのである」とまで踏み込んでいる。 昭和八(1933)年に太宰治と出会ったときに「天才」と直感し、それを宣言までしてしまった作家・檀一雄。天才・太宰を描きながら、同時に自らをも徹底的に描いた狂躁的青春の回想録。作家同士ならではの視線で、太宰治という天才作家の本質を赤裸々に描いた珠玉の一編である。
旧家に生まれた者の“暗い宿命”を描いた太宰治「私小説集」。明治四十二(1909)年六月、太宰治こと津島修治は青森県北津軽郡に誕生、のちに遠く東京にあって望郷の念を募らせていた。太宰は、津軽での幼・少年期を“遺書”のつもりで書き綴った処女作「思い出」で文壇デビュー。その後、兄との不和から十年ぶりとなった帰郷を描いた「帰去来」、母危篤の報を受けての帰郷を描く「故郷」、そして、時局差し迫る中での津軽旅行をまとめた「津軽」と、旧家に生まれた者の暗い宿命を描いている。前四作品に加え、名作「富嶽百景」を含む太宰の私小説で構成したアンソロジー集。解説を同じ東北出身の作家・佐伯一麦氏が特別寄稿。
浜名湖の湖岸にあるビルが炎上し、男の焼死体が発見された。男の名は藤田武。戦争前に、武の祖父徳之助は「フジタ浜名湖地震津波研究所」をつくり、父の健太郎とともに研究をしていた。太平洋戦争の敗色濃い戦時下、一九四四年十二月七日に、大地震が東海地方を襲った。昭和東南海地震である。これが次の大地震を誘発すると警告する藤田親子。そして、翌年一月十三日には三河地震が起こった。しかし徳之助は鉱山に、健太郎は沖縄戦線に送られ、その後徳之助は行方不明に。それを命令したのが、川崎憲兵隊長だったー。親子三代にわたる怨念が戦争の闇を暴く。
さる由縁で旅に出た伊坂八郎兵衛は、京の都で命尽きかけていた。「南町の虎」と恐れられた元隠密廻り同心も、さすがに空腹と風雪には耐え切れず、ついに破れ寺を頼り、草鞋を脱いだ。冷えた粗菜にありついたまではよかったが、胡散臭い住職に恩を着せられ、盗まれた本尊を奪い返さねばならぬ羽目に。自棄になって島原の廓に繰り出すと、なんと江戸で別れた許嫁と瓜二つの、葛葉なる端女郎が。一夜の情を交わした翌朝、盗人どもを両断すべく、一条戻橋へ向かった八郎兵衛を待ち受けていたのは…。立身流の秘剣・豪撃が悪党を乱れ斬る、剣豪放浪記第一弾!
突きの鬼一こと百目鬼一郎太と供侍・神酒藍蔵の江戸暮らしは風雲急を告げていた。実母桜香院とその腹心の国家老・黒岩監物が放った羽摺り四天王の生き残りが虎視眈々と一郎太の命を狙っている。そんな最中、草創名主・槐屋徳兵衛の一人娘・志乃の幼馴染みで、女郎屋から逃げ出してきたお竹が助けを求めてくる。さらに旗本屋敷の賭場帰り、一郎太の乗った船に武家娘が悲鳴を上げて飛び込んできた。じりじりと包囲網を狭めてくる羽摺りの者との激闘!秘剣滝止が快刀乱麻を断つと思われたのだが…。大好評!突きの鬼一2ケ月連続刊行、シリーズ第4弾。
話題のアニメーション映画ノベライズ! サーフィンが大好きな大学生・向水ひな子は、マンションで起きた火事の消火に来ていた消防士の雛罌粟港と出会い、恋に落ちる。幸せな日々を過ごす二人だったが、あるとき港が海の事故に巻き込まれ、命を落としてしまう。大好きな海を見られなくなるほど憔悴するひな子が、ある日ふと二人の思い出の歌を口ずさむと、なんと水の中に港の姿が……。 世界が注目するアニメーション監督・湯浅政明による待望のオリジナル最新映画「きみと、波にのれたら」(2019年6月公開)をノベライズ! 巻頭カラー全16ページで、映画の見所となるシーンとその原画も掲載。小説でしか読めないオリジナルエピソードも楽しめる、贅沢な1冊になっています。 ひな子と港の世界を、小説版文庫「きみなみ」でも、とことんお楽しみください。
私のご先祖様・静助は、江戸から遠くない村で大地主の次男坊として生まれた。静助が幼少の頃、世が一変する明治維新を迎えたが、何不自由のない暮らしを送っていた。ある日、静助は両国の隅田川で打ち上げ花火を見物し、一目で心奪われる。より鮮やかな花火を上げるため、花火屋達は競い合っているという。村に戻ってからも花火への情熱が消えない静助は、潤沢な資金を元に職人を雇い、花火作りに夢中になるが、富国強兵へ向かう時の流れが、静助一族を飲み込んでいくー。一族誰もが語り継ぐ、花火に生きたご先祖様に思いを馳せるファミリーヒストリー。
変わり者の姫の結婚相手は隣国の国王で!? この世には〈蠱毒(こどく)〉というものがある。壺に百の毒蟲(どくむし)を入れて互いに殺し合わせ、最後に生き残った一匹が猛毒を持つ〈蠱〉となるのだ。それを古来〈蠱術〉といい、操る術者を〈蠱師〉という。 大陸でもっとも強大な斎帝国の第十七皇女・李玲琳は、気味の悪い蟲(むし)と、その蟲から生成される蠱毒をこよなく愛し、周囲からひそかに「毒の姫」とあだ名される風変わりな姫だ。ある日、最愛の姉である斎国の女帝・彩蘭の指示で魁国の王・楊鍠牙のもとへ嫁ぐ。ところが、結婚生活は前途多難。 まず、せっかく大国から迎えた若く美しい花嫁が、華やかな衣裳やきらめく宝石よりも蟲が大好きで蠱毒をつくりまくる蠱師だと判明してしまい、魁国の者たちはドン引き。鍠牙の命が何者かに狙われているーーという噂が立つと、毒殺犯の容疑をかけられた玲琳の立場はますます危ういものになって……。 運命は自分で切り開く。最強毒姫の冒険! 【編集担当からのおすすめ情報】 カバーイラスト:碧風羽
それは迷信だ!--明治あやかし事件解明録 明治時代、大阪。会社が倒産して失業し、手持ちの金も尽きて町をさまよっていた峯北修は、小さなビルの扉に掲げられた「妖怪科學研究所」の看板と所員募集の貼り紙を見つける。怪しげな名だが採用してくれるならありがたい。扉を開いた修は、大量の本の間で不機嫌そうに座る男ーー所長の八尋に対面する。八尋によるとこの研究所は、不可思議な事件を科学的に説明することで依頼人の問題を解決するらしい。迷信嫌いの修は八尋に共感、ここで働くことを決める。 八尋の友人で小説家の飯窪恭之介とも出会い、研究所に馴染んできた頃、修は一人の青年の相談を受ける。青年の父が村長を務める村で、立て続けに人が行方不明になるが、村人たちは妖怪「ゆらさま」の仕業だとして行方不明者を捜そうとしないらしい。八尋と修、なぜか同行することになった飯窪の三人は、「ゆらさま」の事件の真相を探るため、村へと向かうが……。 「妖怪など迷信だ!」と断じる所長の八尋。迷信を憎む修。妖怪の小説を執筆する飯窪。欧化の波に逆らうように、いまだ人々の心を恐怖させる「妖怪」の正体とはーー? 大人気BL作家が初めて挑む、明治あやかし事件解明録! 【編集担当からのおすすめ情報】 カバーイラスト:松尾マアタ
重厚でスリリングな大型北欧歴史ミステリー 1793年ーーフランスでは革命の混乱が続き、その年、王妃マリー・アントワネットが処刑された。スウェーデンにもその空気は広がっており、前年1792年には国王グスタフ3世が仮面舞踏会の最中に暗殺されている。無意味な戦争と貧困にあえぐ庶民の不満と、王制への不信がマグマのように煮えたぎっていた。 舞台はそんな、混沌とした時代のストックホルム。秋のある日、湖で男性の遺体が発見された。腐食はしていないが、四肢は切り落とされ、眼球をくりぬれ、舌と歯も奪われ、美しい金髪だけが残されていた。結核に冒され余命幾ばくもないインテリ法律家と、戦場帰りの荒くれ風紀取締官がタッグを組んで殺人事件の謎を追うーー。 現代の洗練された美しい都市とはかけ離れた、貧しく、荒々しく、混沌とした18世紀のストックホルムをスウェーデン最古の貴族の末裔が大胆かつ繊細に描く、重厚でスリリングで濃密な、大型北欧歴史ミステリー!!
少年に化けた魔王が、勇者育成機関に入学! その圧倒的な力で魔族を支配する世界最強の魔王ルシファー。 自分を討伐しにきた、天使や女勇者たちを手籠めにして妻とし、彼女たちを交えたハーレムで、食う、ヤる、寝るだけの生活を続けていた。 そして、最後に勇者がやって来てから五百年が経過したある日、魔王の血の中に眠る破壊衝動が強敵を求めてうずきだす。 ーーこれだけ待ったにもかかわらず、なぜ勇者は自分を討伐しにこないのか、実にけしからん! そこで、ルシファーは人間の少年に姿を変え、元勇者で今は自分の妻であるレナを案内役に、勇者育成機関である軍学校の様子を見に行くことに。 優秀な軍人や勇者を輩出する『エルベリア帝国ミルディアナ領直属軍学校』。 ルシファーはテオドールと名を偽り、この学園の入学試験をあっさりと突破。しかも、五百年来誰も為し得なかった、剣術・体術・魔術の三科目で主席を取るという偉業に、テオドールは一気に注目を浴びてしまう。 こうして、まんまと勇者育成機関へと潜入することに成功したルシファーは、未来の強敵を求めてさっそく学園内の様子を探り始めるのだが……。
ベストセラー『あん』著者新時代の感動長篇 多摩川の河川敷で、仲間のホームレスたちと共に生活する望太。一度は死を選びながらも、彼らに救われ、やるせない思いを抱えながら生きている。 そこからさほど遠くない街で、女子高生の絵里は、世の中に対する怒りとむなしさを抱えて暮らしていた。家族の中での疎外感に耐えられなくなったころ、ある男と出会い、事件に巻き込まれてしまう。 そしてふたりの過去が次第に明かされてゆく・・・。 誰の人生にも、冷酷な人間の心の闇に触れて絶望するときがあれば、人と出会い、深く語り通じ合い、光に満ちた美しい瞬間もある。 世の中の片隅で懸命に生きる人々の傍らに立つドリアン助川が描く、ふたりの”生きる”物語。 河瀬直美監督、樹木希林・永瀬正敏主演で映画化もされ、世界12言語で翻訳出版され国内外でベストセラーとなっている『あん』の著者の、新時代最初の感動長篇!
「白く塗りたる墓」は、1960年代の高度成長期における公害汚染や原子力発電所の安全などの社会問題をベースに、報道機関の公器性や良心を問うた意欲作。TVカメラが持つ同時性から一躍報道の花形産業となったTV報道の視座をフィルターにして、目の前の現実と報道との溝に苦悩するテレビマンの狂気と孤独もドラマティックに描いている。もう一作は、ニヒリストの医者の堕落と病院に関わる人間の業を描いた「もう一つの絆」。共に第一部までの未完作であるが、著者の新境地ともいえる作品で、現代に連なる荒廃を予見している秀作である。
鬼気迫る“自殺者と自殺幇助者”の心理葛藤 噴煙吹き上げる春まだ浅い三原山に、女子大生がふたり登っていった。だが、その後、夜更けに下山してきたのは、ひとりだけーー。 遡ること1ヶ月前、同様の光景があり、ひとり下山した女子大生は同人物だった。自殺願望の若い女性ふたりに、三原山まで同行して、底知れぬ火口に向かって投身させた自殺幇助者の京大生・鳥居哲代。 生きていることに倦んだ高学歴の女学生たちの心理を精緻に描き、自殺者と自殺幇助者の軌跡をミステリー風に仕立てた悽絶な魂のドラマ。高橋たか子の初期長編代表作で第4回泉鏡花賞を受賞。
不意を衝く殺人刀に付添い屋、危機一髪! 第一話 負の刻印 六平太は、行きつけの飯屋・吾作で、包丁鍛冶の政三と知り合った。吾作の主・菊次によれば、政三は三年前から雑司ヶ谷の鍛冶屋で働いているというが、詳しい身元は分からない。その政三に、殺意を向ける青年が現れた。六平太は音羽の顔役・甚五郎に呼び出され……。 第二話 夜盗斬り ある夜、箱崎町で逃走中の盗賊一味と出くわし、一人を斬り伏せた六平太。襲われた鰹節問屋を調べた同心・新九郎によれば、数年前から関八州取締出役が行方を追っている、行田の蓮兵衛の手口と似ているらしい。数日後、謎の刺客に襲われた六平太は? 第三話 裏の顔 六平太は、根津に住む高名な絵師・仙谷透水に付添いを頼まれた。破門した男・相馬林太郎につけ狙われていたのだ。どうやら破門には、女弟子の川路露風が関わっていると見えーー。そして透水には絵師のほかに、なんと、もうひとつの意外な顔があった!? 第四話 逢引き娘 日本橋に建つ箔屋の娘・お糸の付添いを請けた六平太は、千住へ足を向けた。お糸を幼馴染の幸七に会わせるためだった。翌朝早く、逃げ出そうとするふたりを止めた六平太が事情を聞くと、幸七が江戸払いになり、夫婦になれなくなったとお糸が訴え……。 【編集担当からのおすすめ情報】 ドラマ時代劇のレジェンド 北大路欣也さん、高橋英樹さん、里見浩太朗さん、 松平健さん、村上弘明さん、中村梅雀さん、 西郷輝彦さん、古谷一行さん、草刈正雄さん、 近藤正臣さん、若村麻由美さん こぞって絶賛!(コメント到着順) ドラマ時代劇「鬼平犯科帳」「剣客商売」の脚本家が贈る、 日本一の王道人情時代劇!