出版社 : 小学館
政治家を父に持つアーティストの卵・遠明寺美智之輔は、恋愛対象が同性の乙女な男子。同級生の高瀬君への恋心を秘めたまま、日本の美大を卒業後、単身、パリへ留学した。ある日、美智之輔は印象的な風貌の羽生光晴という女性と知り合う。偶然にも彼女は、美智之輔が愛読する超人気小説の作者で、訳あってリトグラフ工房に匿われていた。過去に、ピカソなどの有名芸術家たちが作品を生み出してきたプレス機が並ぶその工房で、リトグラフに魅了された美智之輔は、光晴の生活をサポートしつつ、リトグラフ制作をすることになるがー。
音楽に全てをかけた青春映画完全ノベライズ 2人の「JK」を中心に結成された大人気バンド「JoKers」。人気絶頂の最中での突然の解散から3年。「JK」のひとりは全米デビューを果たし大成功している。もうひとりの「JK」・海江田丈は、解散をきっかけに音楽を捨て、別の道に進もうと大学でくすぶっていた。丈と音楽をやることを諦められないJoKersのメンバーは、ロックカフェのオーナーの照雄に泣きつく。そこで照雄は、カフェに出入りしている桜、真緒、リナの3人で女子高生バンド「DROP DOLL」を結成させ、丈に指導させることで音楽への情熱を取り戻させようとする。いきなりバンドを組まされた3人は丈のスパルタ指導に反発しつつも、音楽の楽しさに夢中になっていく。そんなひたむきな彼女たちを見ているうちに、徐々に音楽への想いを再燃させる丈、しかし、彼女たちのステージが目前に迫った時、帰国した「JK」が突然現れて……。音楽に全てをかけた若者たちを描く本気の青春映画を完全ノベライズ化。映画にはない登場人物のバックグラウンドストーリーも。
石見国浜岡藩奉行所の同心頭・香坂又十郎と妻・万寿栄の平穏な暮らしは、ある日を境に一変した。万寿栄の弟で勘定役の兵藤数馬が藩政の実権を握る一派の不正を暴くべく脱藩したのだ。藩命抗しえず、義弟を討った又十郎だが、それで、お役御免とはいかなかった。江戸屋敷の目付・嶋尾久作は又十郎を脱藩者と見なし、浜岡藩が表に出せない汚れ仕事を押し付けてくる。このままでは義弟が浮かばれない。数馬が最期に呟いた、下屋敷お蔵方の筧道三郎とは何者なのか。又十郎の孤独な闘いが続く。付添い屋・六平太シリーズの著者の新境地!大河時代小説シリーズ第二弾。
大人気アニメの完全ノベライズ第3弾! ひとたび投薬すれば人の心を蝕み、意のままに操ることができるという「バナナフィッシュ」。さきのイラク戦争で兄グリフィンがひょんなことから未完成のこの薬に冒され、死に至った経験をもつアッシュ・リンクスは、ついにこの悪魔の薬の真相にたどり着く。親友を亡くしライバルを斃し、自身も重傷を負いながら、アッシュはかつての主であるディノ・ゴルツィネと全面対立することに。 一方、華僑の名門かつ最大勢力である李家の事実上の当主となった月龍は、同族嫌悪ともいえる感情からアッシュと敵対する立場をとる。また、月龍の下でチャイニーズ系ストリートギャングたちを率いる少年シン・スウ・リンは、先代ボスであるショーターを殺したアッシュに対して、複雑な思いを拭いきれない。やがて「バナナフィッシュ」をめぐり、アンダーグラウンドの巨大な勢力と、アメリカの中枢を担う国家権力が秘密裏につながっていることが明らかになっていく。 --そんな中、アッシュの心の支えである奥村英二の命が狙われた。英二だけは自分の命にかえても守りたいアッシュだが……。 果たしてアッシュは英二を、そして英二はアッシュを救うことができるのか。大人気シリーズついに完結!
長崎中華街で出会った癒しのお茶と甘い恋 小さい頃から大好きだったドラッグストアで働く山下藤子。長崎・浜町アーケードの店舗へ異動になって張り切るが、売上げのプレッシャーやお客様のクレームに心労がたまり、ついに帰宅途中の道端で倒れそうになってしまう。そんな藤子を助けてくれたのは、中華街にある「薬屋カフェ」の青年スタッフ、王。笑顔が素敵な彼は薬膳にくわしく、藤子の不調を聞くなり、今の藤子に必要なものがたっぷりつまった中国茶や中国菓子を教えてくれた。すっかり薬屋カフェのファンになった藤子は、中華スイーツの美味しさにもはまり……そして王との恋もゆっくり進展中!? そんなある日、ドラッグストアに一人の若い女性客がやってくる。彼女の悩みにうまく対応できず、怒らせてしまった藤子。お客さんの心に寄り添う接客は難しい。沈む心を抱えながら薬屋カフェへ向かった藤子に、王がくれた、あるヒントとは? 長崎新地中華街ーーそこは、美味しくて優しい味のスイーツと、極上笑顔が待っている場所。働く女子の心と体にうれしい、癒しと恋の物語!
名古屋市南区、細い坂を上ったところにある平屋の建物に『あなたの街の便利屋さんこっこ屋ホームサービス』の看板はある。社員に対する態度はすこぶる悪いが、依頼人には低姿勢で擦り寄るーという金に汚い残念美形の黒木玄社長のもと、白石倭香は唯一の人間として、人外社員に紛れて働いているのだった。実はこの黒木の正体は、とある取り壊された稲荷神社の眷属で、ご神体を守り人として生きる道を選んだ黒狐だ。神社再建を夢見て便利屋稼業で資金を貯める日々なのだが、舞い込む依頼はオカルト案件ばかりで、新入社員の倭香は頭を抱えるしかなく…。
幼い頃に両親を亡くし、孤独に生きる青山伊津子と、死んだ姉と常に比べられ母親に否定されつづける少女・小林美羽。たび重なる不幸に耐えかね、二人は自らの命を絶つことを思い立つ。交わらないはずの二人の人生は、この世でもあの世でもない「ある場所」で交差して…。彼らに聞こえた天からのメッセージとは。
西暦二二〇五年。歴史の改変を目論む歴史修正主義者によって、過去への攻撃が始まった。時の政府は、それを阻止するため、審神者なる者に歴史の守護役を命ずる。審神者とは、物の心を励起し、目覚めさせる技を持つ者のことである。そしてー。審神者は、かつて精神と技をこめて造られた刀剣を、人の形に目覚めさせた。歴史修正主義者が送りこむ時間遡行軍と戦い、歴史を守るために。これは、刀剣から生まれた「刀剣男士」たちによる、新たなひとつの物語である。
家族、幼馴染、親友、そしてー愛する人。全てを失ったエリックは、この世を生きる意味はないと絶望し、自殺するー。しかし、死んだはずなのに目が覚めると自分は赤ちゃんになっていた!?だが、エリックは赤ちゃんに「なった」のではなく、赤ちゃんに「戻った」のだった。それを理解したエリックは失ったもの全てを救うために最強へと至ることを決意するー。まずは、全てを失う始まりの災禍。生まれた村を襲った悲劇を防ぐため、前世以上の力を求めて研鑽を積む。-これは運命という未確定なものに立ち向かう男の物語。
出版社社主であった亡父の跡を継ぎ、経営者となった桂子さん。だが、そんな折、夫が脳卒中で急逝してしまう。-夫の研究室に残されたBRAINというコンピューターとフロッピーの遺言。未亡人となった桂子さんの前に出現した亡夫の学友だったと名乗る謎の財界の大物・入江晃。桂子さんは太陽のような魅力を持つ入江に惹かれていくのだが、入江には知られざる顔があった。竹林別荘、秘密倶楽部、豪華邸宅と上流階級の濃密な交歓を華麗典雅な筆致で描いた知的刺激が満載の倉橋ワールドが展開される。「桂子さんシリーズ」の第三弾。
8歳の夏から、すべて憶えている。見たもの、聞いたこと、触れたもの、そのときの感情も全部。でも、さすがにメモリーが限界だ…。自身の異変を察知したナノは、東大医学部に進学するが、超記憶症候群が治る見込みがないことを悟り、退学を決意する。宅配ドライバーのソライは、ナノが仕組んだ計画に巻き込まれ、全預金を盗まれてしまう。手がかりもなく、警察すらお手上げの完全犯罪かと思われたが、ソライはナノにたどり着く。お金を返すというナノと香港に行き、盗んだ金をおろし、帰国しようとした空港で、急展開。二人の運命が大きく動き出すのだった。
館林藩士である村瀬家の長男惣一郎は、秀才の弟、剣の才を持つ妹と塾や道場に通うのが苦痛になっていた。兄としてふがいない思いになるのだ。父は「頭が良い者だけが優れているわけではない。人は良い心がけで成長していくものではないか」と話してくれた。惣一郎の成長とともに、周りではさまざまな出来事が起きる。友の離反、父の病、筆頭家老の殺害、館林から浜田への国替えー。歳月を経ても、思い出すのは故郷・城沼の風景だった。風が渡り煌めく湖面、咲き誇る躑躅。そして昔の友から悲痛な叫びをあげる手紙が届く。人の絆の大切さを描いた青春時代小説。
古典落語の人気演目をノベライズ。働き者だが大酒飲みのために貧乏な夫と、その妻の愛情を温かく描いて、屈指の人情噺として名高い「芝浜」。正直者同士が意地を張り合い、明るい人情噺として人気の高い「井戸の茶碗」。船場の商家を舞台に、堅い番頭の裏の顔を描いた「百年目」。一文無しの絵描きが宿代の代わりに描いた絵から意外な展開となる「抜け雀」。江戸末期の名脇役だった三世仲蔵の自伝的随筆をもとに作られた「中村仲蔵」。落語ファンから愛される以上五演目を、ときに独創を加え、ときに人生訓を加え、咄に込められた諧謔と人情味を趣深く伝える。
わたしはこの世界が嫌いだ。そんな気持ちを隠して無難に生きてきた女子高生の佐伯真魚。ある日、手紙で呼び出され校舎の屋上に向かった真魚は、そこでクラスメイトの九条シキから奇妙な話を聞く。「聞いて、佐伯さん。あと七日で世界が終わるんだ」このまま世界を滅ぼすか。それとも自分の存在を消すか。天使の羽を持つ九条は、真魚をその究極の選択者に選んだという。信じられない真魚だったが、翌日、教室から見るいつもの景色から、何かが失われていることに気づきー。世界の終わりまでの一週間。真魚が見つけた“答え”とは?感動の青春小説!
大人気アニメの完全ノベライズ第2弾! ディノ・ゴルツィネの邸に捕らえられたアッシュたちは「バナナフィッシュ」の真の恐ろしさを身をもって知るのだった。そしてついに、アッシュと英二は避けられない戦いに巻き込まれていく。シリーズ第2弾!
幼少時から驚くほどツイていない青年・梁脩徳は、このたび奇跡的に科挙に登第して進士となった。紫微国皇帝の覚えもめでたく知州職を拝命し、このまま出世街道をひた走ることを夢見るが、赴任先の侶州は「太陽と月の眠るところ」とも呼ばれる西方の僻地。しかも鬼怪が跋扈する妖しい土地と知り、脩徳は大慌て。次々と襲いくる命の危機に逃げ出したくてならないが、出世に影響することを恐れておいそれと辞められない。踏ん切りのつかぬまま、優秀だが癖の強すぎる部下たちと共に、日々勃発する怪異事件に巻き込まれることになりー。転任の願いは叶うのか!?
二〇一三年の夏、在日韓国人の大学生・知英はパスポートを取得した。表紙の色を見て、改めて自分の国籍を意識する。町ではヘイトスピーチのデモに遭遇し、戸惑う。「なにじん」なのか、居場所はどこにあるのか、友人と分かり合えないのはなぜか。自分に問い続ける知英は少しずつバランスを失っていく。K-POPファンの梓、新大久保のカフェで働く韓国人留学生のジュンミン、ヘイトスピーチへの抗議活動に目覚める良美、日本に帰化したのち韓国で学ぶことを選んだ龍平、そして知英。ふたつの国で揺れる五人の男女の葛藤と再生を描く。