出版社 : 小学館
大英博物館に勤務する矢島剛は、大学の同級生ジミーから龍の像の鑑定を依頼される。像は清朝時代の庭園「円明園」から失われた十二支像ではないかと見られていた。矢島は像のデータを収集するが、その直後に像は忽然と消え去る。残されたデータを携え、矢島はかつての教え子で美術品を見抜く特別な才能を持つ段燕霞をパリに訪ねる。かねてから段に好意を寄せていた矢島だったが、ふたりの身には姿無き脅迫者の影が忍び寄る。一方、中国では政権内部の権力闘争に端を発する巨大な陰謀が進行していた。龍の像の真贋を確かめるべく香港に渡った矢島と段だったがー。
累計百二十万部突破の大人気コミックス「せいせいするほど、愛してる」をノベライズ!化粧品会社ロワール広報部で働くバリバリのキャリア栗原未亜がたまたま出会ってしまった男・三好海里は、自分の勤める会社の副社長だった。そして彼に惹かれ、思いを寄せたときに知った、彼が結婚しているという事実。諦めなければいけない恋に未亜は、もがき苦しむ。純愛のままでいたい、だけど一歩踏み出したい。揺れ動く心をもてあました未亜は、とうとう海里に「愛人にしてください」と告白するが…。TBS系火曜夜十時より出演・武井咲、滝沢秀明でテレビドラマ化。
今日も妻ギャビーの眠る病室を訪れ、手を握って語り掛ける夫トラヴィス。十一年前に運命の出逢いをして結ばれた二人を待ち受けていた、あまりにも残酷な運命。選択を迫られた夫は、愛する人のために、どこまでできるのだろうかー。『きみに読む物語』の著者であり、累計一億冊といま世界で最も読まれている恋愛小説家ニコラス・スパークスが、「自身の最高傑作」と謳うベストセラーが文庫化。二〇一六年夏に公開の映画『きみがくれた物語』の原作小説です。「スパークスのファン」を自認する作家・市川拓司さんによる解説「もうひとつの『きみに読む物語』」も必読!
戦国時代、山陰地方を治めていた尼子氏には、「楠木正成にも勝る」と謳われた武将がいた。その勇猛さと才智を頼山陽や勝海舟にも激賞された山中鹿之助幸盛は、天文十四年(一五四五年)、出雲国富田に生まれた。幼少期を山野で過ごした鹿之助は、三日月の前立てと鹿の双角を備えた兜を被り、一騎打ちに抜群の強さを発揮した。しかし尼子氏は幾多の戦いを繰り返した後、強敵毛利元就の軍門に下ってしまう。それでも鹿之助だけは、百回打ちのめされても千回挫折を味わっても、尼子家再興を諦めなかった。清張歴史文学の頂点を極めた伝説の名作、ついに文庫化!
親しかった友人の謎の死。そして、恩師とも言える神父の失踪。若き日の二つの喪失を抱えて生きるわたしの前に現れたのが、女子大生・真琴だった。真琴に勧められるままに、神社を巡る旅に二人で行くことになりー。静かに暮らすわたしに大きな転機が訪れる。
大沼を開拓した者たちの係累として、大沼の地で自分たちらしく根を張ろうとした小さな母と、長身の三兄弟、また、大沼を自分たちの新天地と考えて、山梨より順に嫁いでいくことになる、それぞれに個性の異なる三姉妹。この大家族は、様々な困難に見舞われながらも、この地に新風を注ぎ込んでいく…。北海道を舞台に数々の小説を発表してきた著者が、5年の歳月をかけて紡ぎ上げた渾身の作品。
広告企画会社を経営している僕は、東京オリンピックに沸く池袋に育った。19歳のとき実業家の父が事業の失敗から5億円の負債を残し失踪してしまう。苦学しながら大学を卒業し、バブルまっただ中の大手広告代理店に就職する。百鬼夜行の業界を生き抜いていく僕。仕事は成功し賞も多数獲得する。しかし心の奥に暗くまとわりつくのが父親の影だった。失踪から30年が経った時、僕は父親の行方を捜すことを決意した…。多感な青年の成長を縦軸に、生々しいCM制作現場での戦いを横軸に、広告界トップクリエーター岡康道が描く鮮烈な自伝的小説。
関ヶ原合戦から十四年ー。世に天下の智将と謳われた真田幸村は、かつての名望とは裏腹に素顔は凡庸で、豊臣家からの挙兵の誘いも重荷でしかない。そんな偽りの名将に、抜け忍の猿飛佐助がとんでもない企てを持ちかけた。「おいらが策を授けて、あんたをホンモノにしてやる。真田幸村の名と命、おいらに担がせちゃあくれねえかい?」“幸村に仕える無双の家来衆、真田十勇士”の評判は広まり、いよいよ真田丸の死闘の火ぶたが切られる。-狙うは家康の首!戦国気風が残る世を、十人の勇士が暴れまわる大興奮エンタテインメント。“新・真田小説”の決定版!
累計一八〇万部突破のウエディングストーリー『はぴまり』(原作・円城寺マキ全10巻)のノベライズが登場。OL・小鳥遊千和と間宮商事社長・間宮北斗は、利害関係の一致から形だけの夫婦として入籍、一緒に暮らすことに。最初は反発しあっていた二人だったが、お互いの良さを少しずつ知るうちに、惹かれあうようになる。張り巡らされた間宮家の謎や闇、北斗の野望、引き裂かれる二人。千和と北斗は、はたして本物の夫婦になれるのか?こんな結婚ってアリえない!?感動の結末!
太平洋を南下する潜水空母アークを目がけて一本のミサイルが飛来した。それは、月面に基地を構え地球の覇権を狙うWWSA『ネオ・テラ帝国』からの威嚇だった。クトゥルーらの“ダーク・パワー”と、WWSAの両者からの脅威に挟まれた「地球軍」は隷属か反攻かの決断を迫られる。結成以来の危機にさらされるなか、知将・加賀四郎は“敵は月面にあり”と、宇宙への進軍の決断を下し、北斗多一郎たちを月面攻撃特別コマンドとして、急遽送り込むのだが…。
関東大震災と第二次世界大戦という二つの歴史的大事件に挟まれた16年間ー画家・桂が片時も忘れえなかった昔の恋人・三枝夫人との再会と、すれ違った愛の行方を追い求め描いた作品。世界が激しく揺れ動いた時代、日本という風土に生まれ育った芸術家の思索、苦悩、そして愛の悲劇を通して人生の深淵に迫った力作である。完成までに十年の歳月を費やした福永武彦の文学的出発点ともいえる。解説は芥川賞作家であり、福永武彦の長男でもある池澤夏樹氏。
『ハリー・ポッターと賢者の石』『ピーター・パン』『くまのパディントン』『クリスマス・キャロル』『幸福の王子』『秘密の花園』『風にのってきたメアリー・ポピンズ』など、30の物語を5つのテーマと小旅行でまわるありそうでなかったロンドン旅ガイド。
家族と仕事を失った杉村三郎は、東京都北区に私立探偵事務所を開業する。ある日、亡き父・武藤寛二が生前に残した「昔、人を殺した」という告白の真偽を調査してほしいという依頼が舞い込む。依頼人の相沢幸司によれば、父は母の不倫による離婚後、息子と再会するまで30年の空白があった。果たして、武藤は人殺しだったのか。35年前の殺人事件の関係者を調べていくと、昨年発生した女性殺害事件を解決するカギが隠されていた!?(表題作「希望荘」)。「聖域」「希望荘」「砂男」「二重身」…私立探偵・杉村三郎が4つの難事件に挑む!!
198X年、クトゥルーの侵略によって壊滅してしまった地球=人類文明。その年より1年の月日が流れた。営々と築きあげた人類文明は一朝の内に灰に帰り、回復不能な被害を受け、もはや、人類による地球支配の歴史は終わったかに見えた。だが、太平洋上の潜水空母アーク号には加賀四郎率いる「地球軍」が、豪州には「人類戦線」が、そして月面にはWWSAが、人類最後の砦として残っていたのだ…。大河小説の第12弾。そして、第二部「地球聖戦編」堂々の開幕。
妻子ある画家・渋太吉は、伊豆の海村で蜃気楼のように現れた若き女性・安見子との道ならぬ恋に溺れていく。渋はかつて一緒に死ぬ約束をした女性を裏切り、妻とは離婚寸前の状況にあった。やがて、安見子は親友の妻であることが判明するが、彼女への思慕は変わらず、肉体関係を続けていくのだったが…。福永武彦が、退廃と絶望の中の愛の運命を描いた佳作の復刊に、著者の長男である池澤夏樹氏による解説も併せて収録。
昭和33年に月刊誌「平凡」に連載されたが、単行本化されずに埋もれていた『遠い旅』は、青春を彷徨する若者たちの人生模様が描かれた群像小説。『川のある下町の話』は、恵まれぬ大衆の生活の重みと苦しみが渦巻く庶民の町で、これまた必死に生きる若者たちの青春群像を綴った昭和28年の作品である。今、時を超えて、川端青春小説の佳作2篇が奇跡のカップリングとして甦る!
抱きしめたいほど切なくかわいい友情物語! 2016年ベルリン国際映画祭で「映画化したい一冊」に選ばれた、抱きしめたいほどかわいくて切ない友情物語! AI(人工知能)の開発が進み、家事や仕事に従事するアンドロイドが日々モデルチェンジする、近未来のイギリス南部の村。法廷弁護士としてバリバリ働く妻エイミーとは対照的に、仕事も家事もせず親から譲り受けた家で漫然と過ごす34歳のベン。エイミーはそんな夫に苛立ち、夫婦はもはや崩壊寸前。 ある朝、ベンは自宅の庭で壊れかけのロボットのタングを見つける。「四角い胴体に四角い頭」という、あまりにもレトロな風体のタング。けれど巷に溢れるアンドロイドにはない「何か」をタングに感じたベンは、彼を直してやるため、作り主を探そうとアメリカに向かう。そこから、中年ダメ男と時代遅れのロボットの珍道中が始まった……。 「とにかくタングがかわいい!」と世界中の読者を虜にしている、抱きしめたいほど切ない物語。 【編集担当からのおすすめ情報】 カバー画は、「よるくま」「ぼく おかあさんのこと…」などで知られる大人気の絵本作家・酒井駒子さんが担当しました。