出版社 : 小学館
昭和33年に月刊誌「平凡」に連載されたが、単行本化されずに埋もれていた『遠い旅』は、青春を彷徨する若者たちの人生模様が描かれた群像小説。『川のある下町の話』は、恵まれぬ大衆の生活の重みと苦しみが渦巻く庶民の町で、これまた必死に生きる若者たちの青春群像を綴った昭和28年の作品である。今、時を超えて、川端青春小説の佳作2篇が奇跡のカップリングとして甦る!
抱きしめたいほど切なくかわいい友情物語! 2016年ベルリン国際映画祭で「映画化したい一冊」に選ばれた、抱きしめたいほどかわいくて切ない友情物語! AI(人工知能)の開発が進み、家事や仕事に従事するアンドロイドが日々モデルチェンジする、近未来のイギリス南部の村。法廷弁護士としてバリバリ働く妻エイミーとは対照的に、仕事も家事もせず親から譲り受けた家で漫然と過ごす34歳のベン。エイミーはそんな夫に苛立ち、夫婦はもはや崩壊寸前。 ある朝、ベンは自宅の庭で壊れかけのロボットのタングを見つける。「四角い胴体に四角い頭」という、あまりにもレトロな風体のタング。けれど巷に溢れるアンドロイドにはない「何か」をタングに感じたベンは、彼を直してやるため、作り主を探そうとアメリカに向かう。そこから、中年ダメ男と時代遅れのロボットの珍道中が始まった……。 「とにかくタングがかわいい!」と世界中の読者を虜にしている、抱きしめたいほど切ない物語。 【編集担当からのおすすめ情報】 カバー画は、「よるくま」「ぼく おかあさんのこと…」などで知られる大人気の絵本作家・酒井駒子さんが担当しました。
広告会社を早期退職し、帰郷した俺の元に、市長の秘書をつとめる同級生がやってきた。市長からの密命で、市の財政破綻を救うために、埋蔵金を発掘してほしいという。日給に釣られ、半信半疑で着手することにした俺は、郷土史家を訪ね、小学校の裏山が怪しいという情報を得る。市の職員と二人で発掘をはじめたが、なにせ広大な土地だ。人員を増やし、巫女の力を借りて、なんとか古銭の発掘に成功する。勢いに乗る発掘課は、やがて海軍工廠に眠るお宝の情報にたどりつく。彼らが発掘したお宝とは?笑って泣ける最強エンタテインメント、いきなり文庫で登場!!
西郷隆盛を生涯愛した“島妻”の物語 薩摩藩から奄美大島へ送られてきた西郷隆盛。不遇な身の上の西郷を世話することになった愛加那。お互いの文化の違いから当初は反発し合うが、やがて愛し合うようになり、愛加那は西郷の“島妻”となる。二人の子供にも恵まれるが、愛加那は国のために活躍する人物だと信じて、再び藩から呼び出しを受けた西郷を見送った。そして、島にいるだけの人生を送って欲しくないという思いから、子供たちも鹿児島の西郷の元へと送り出した。 しかし、時代の激動が西郷と子供を襲う。西南戦争で、西郷は首謀者として先頭に立ち、最後は自決。参戦した息子の菊次郎は右足を切断して、愛加那のところへ帰ってきた。そして、鹿児島へ陳情に行った奄美の男たちの多くが戦争に参加して亡くなっていた。一転して、奄美の人から後ろ指をさされることになった愛加那だったが……。 生涯奄美大島を離れず西郷を信じた、愛加那を描いた恋愛歴史小説。 待望の文庫化。 【編集担当からのおすすめ情報】 解説は、作家の西條奈加さんです。
無類に面白い短篇小説選集 1930年代の大不況時代、そして第二次大戦、さらには傷だらけの戦後を背景に、アーウィン・ショーは数多くの短篇小説を書いた。もっとも有名な「サマードレスの女たち」(「夏服を着た女たち」)は「ニューヨーカー」に掲載され〈都会小説〉の名作として日本でも多くの読者を得てきた。しかし、時代順に配列され、まるで長篇小説のように編集された本書を読むとまったく別の像が浮かんでくる。 三十年代のアメリカ人の群像(タクシー運転手、保安官助手、フットボール選手など中産階級以下の民衆)が生き生きと描かれ、第二次大戦下の兵士たちは困憊し、惑乱している。そして戦後ーー最後に収められた「いやな話」はまるで悪化した「サマードレスの女たち」のようだ。 《「時代」の歩みが、この作家の鋭敏なレンズを透過して屈折し、現実の情報よりも遥かに現実的なかたちで、あなたの胸に像を結ぶだろう》 劇的な構成力と、無類に面白い筋の展開を堪能できる傑作短篇集成、待望の文庫化! ●装丁/平野甲賀
話題の犯罪心理サスペンス・ドラマ、小説版 瀟洒な邸宅、愛すべき自分の店。そして結婚6年の裕福な令嬢である優しい妻。絵にかいたような幸せな人生を送る望月幸平。しかし実際は、本音を隠した妻・真理亜の気遣いと束縛に息苦しさを感じ、不倫相手の北里杏南と一緒に妻を毒殺しようと計画していた。その殺害を決行しようとした日、真理亜は何者かに誘拐され姿を消す。犯人から要求されたのは2億円の身代金。しかし店の経営に行き詰っていた幸平自身が犯人ではと疑われ、追いつめられてしまう。やがて真理亜は見つかり、誘拐事件は一見解決したように見えたが……。徐々に浮かび上がってきたのは、幸平のまったく知らない真理亜の恐るべき素顔。そして世間を騒がせた誘拐事件は、ある殺人事件を誘発する。殺人犯は真理亜なのか? 身代金2億円の行方は? 事態は杏南、そして夫婦の周りの人間をも巻き込み、意外な方向へと展開していく。はたしてこの夫婦の行きつく先はどこなのか? テレビドラマとは違うもうひとつのエンディングとは!?
本屋大賞候補の音楽小説三部作、新装文庫化 新生学園大学音楽科の創設者を祖父に持つ津島サトルは、プロのチェリストを目指し、一家の敷いたレールに乗っていたはずだった。しかし芸高に落ち、失意のまま新生学園大学付属高校に入学する。 サトルはそこで一流の音楽を奏でるため奮闘する同級生たちに出会う。フルートを奏でる美少年・伊藤慧とポニーテールの鮎川千佳。そして、見たこともない澄みきった目をしたヴァイオリン奏者、南枝里子。オーケストラの想像以上に過酷な練習は、彼らを戸惑わせる。夏休みのオーケストラ合宿、文化祭、南とピアノの北島先生とのトリオ結成と、一年は慌ただしく過ぎていくが……。 本屋大賞ノミネートの傑作青春音楽小説3部作が、人気漫画家・穂積さんの描き下ろしカバーイラストで新装文庫化!!
衝撃の展開に目が離せない、急展開の第二部 音大附属高校の二年生に進学した津島サトルは、ヴァイオリンの練習に励む南枝里子の姿に触発され、チェロで芸大を目指す決意をする。同級生たちが優秀な新一年生たちに焦りを覚えるなか、サトルは祖父から、ドイツ・ハイデルベルグで二か月間チェロを学んでくるという機会を与えられる。 ショックを隠し切れない南だったが、出発前には「ドイツで楽譜を買ってきて」と笑顔で送り出されたサトル。しかし意気揚々と帰国した彼は、思わぬ事態に巻き込まれていくーー。 若さゆえの自我の暴走が、オペラやオーケストラの名曲と共に切なく描かれる。一気読み必至の第二巻!
青春の苦悩をリアルに描いた大作、完結 高校三年に進学し、同級生たちが進路に悩むなか、津島サトルは音楽家としての自分の才能に見切りをつけようとしていた。その頃、南枝里子は人生をかけた決断を下す。 青春のすべてをかけてきた恋人と音楽とを失い、自暴自棄になったサトルは、思いもしない言葉で大切な人を傷つけてしまう。サトルは、人間の力ではどうにもならないことに向かって泣いた。 自らの人生を背負い、それぞれの想いを楽器に込めて演奏する合奏協奏曲。これが最後の演奏となってしまうのか? そしてそこへ現れたのはーー!? サトルの船は、青春を彩るニーチェの言葉とともに、大海へと漕ぎ出る。 すべてを飲み込み、切なく美しく響く青春音楽小説三部作、最終章。 巻末に、宮下奈都さんによる解説を収録。
きっとあなたに似た主婦がいる、8つの物語 《わたしにとっては、主婦とは雄々しい人たちです。たった一人で、家族のために自分の全てを差し出している善意の人です》《逆襲したわけは、そうでもしないと誰も、主婦の話なんて聞いてくれないからです。うっかり「どうしたの」と言ったら、面倒なことを振られるとでも思うのでしょうか。そうではないのに。ただ知って欲しい。それだけのことです。》(著者) 子どもは言うことを聞かず、夫は理解してくれず、姑は口出ししてくるし、ママ友との関係には気疲れするし、会社では上司に「もっと真剣に働け」と言われ……それでも悲しみも苦しみも胸に隠して、今日も家族のために奮闘する「奥さま」たち。日本最大のサイエント・マジョリティーである彼女たちの胸の内を、リアルに綴った短編集がいよいよ文庫になります。 主婦なら誰でも身に覚えのある描写が満載、そして読み終える頃には明日を生きる勇気をもらえる、8つの共感ストーリー。
二十三歳の松尾勇は、デパート業界の新聞や雑誌を発行している小さな会社の新米編集者。会社創業以来の人事異動によって配属された編集部で、『店舗経営月報』という、三十二頁、発行部数八百部という地味な雑誌を作っている。勤め始めて約一年、会社が新橋から銀座のビルへと引っ越した直後、松尾に大きな転機が訪れる。前任者の突然の退社により、なんといきなり編集長になってしまったのだ!といっても部員は自分ひとりだけ。経験もなければ部下もいない松尾の悪戦苦闘の日々が始まった。椎名誠初めての新聞連載小説として話題を集めた傑作長編がついに復刊。
大好きだった彼女に会いに、過去の世界に飛んでいく。インタビューで出会った老作家の話はとんでもない話、のはずだったー早くも大反響の嵐!大人切ないタイムスリップ号泣ラブストーリー。
大石静が描く,究極の「禁断の愛」とは!? 6年前、不幸な無差別殺人に巻き込まれ夫を失った青木文(あおきあや・45歳)は、幸せを諦めきった乾いた日々を送っていた。亡き夫と一緒に営んでいた海沿いのカレー食堂「ドライブイン・コントレール」を、忘れ形見の友樹(5歳)と生きるために営んでいる。亡き夫の母である姑と中学時代からの親友、殺人事件の担当刑事・佐々岡らに助けられほそぼそと暮らしている。店名は飛行機雲の英訳。夫との幸せな思い出でもあり、夫から最後のメールで送られてきた写真も飛行機雲、という不幸の象徴でもある。 そんなある日、ハプニングにより、長部瞭司という暗い影を抱えた失声症のトラックドライバーと出会う。会った瞬間から、どうしようもなく惹かれ合う二人。それまで無彩色だった文の毎日は、彼と会い、恋に堕ちることで彩りを取り戻していく。瞭司もこの出逢いから生きる希望を取り戻し、声も取り戻していく。炎のように愛し合う二人。 しかし、その幸せも長くは続かない。瞭司が衝撃のあまり声まで失ってしまった原因とは・・・・。そして、文が抱えている夫の隠された真実とは・・・。 物語は、ある女性の出現により,思わぬ方向に展開していく・・・・・。 【編集担当からのおすすめ情報】 世の中の多くの女性が待ち望んでいた、大人のための本格的な濃密恋愛ドラマを完全小説化。 「人生で起きたことは、すべて宙ぶらりん・・・・どうしていいか、わからない。だから,明日は恐ろしく不安で、わたしはひとり・・・・」 「あなたじゃない、あたしが欲しいのは・・・・」 「・・・・・今でもわたしのこと、好きよね・・・・・・好きよね・・・・・・好きよね・・・・・」 「・・・・・・女として,希望を持ったのが間違いだったの・・・・・・」 などなど、大石静さんならではの心に刺さる台詞が溢れています。 狂おしいほど切ない、大石静ワールド。ドラマはもちろん見逃せませんが、台詞すべてを収録したこの文庫は、まさに極上の大人の恋愛小説です。
北欧で消息を絶った日本人女性の精神的彷徨 織物工芸に打ち込んでいた支倉冬子は、一枚のタピスリに吸い寄せられ、魅惑されてしまう。ついにはヨーロッパに留学する決意までした冬子。だが、冬子は、ある夏の日、その地方の名家ギュルンデンクローネ男爵の末娘エルスと孤島にヨットで出かけたまま消息を絶ってしまう。 冬子が残した手記をベースに、生と死、または愛の不安を深く掘り下げた小説となっている。絶対的な孤独の中、日本と西欧、過去と現在を彷徨しながら、冬子はどのように再生していくのか……。 辻邦生が自著『生きて愛するために』で語った「死というくらい虚無のなかに、<地上の生>は、明るく舞台のように、ぽっかり浮かんでいる」という彼の死生観とともに、西欧的骨法によって本格小説を日本に結実させんとした、辻文学初期傑作の一つである。巻末に「創作ノート抄」を併録。
文芸冬の時代に放つ激熱エンタテインメント 大手出版社の文芸編集者・俊太郎と、華々しいデビューを飾ったものの鳴かず飛ばずの作家・豊隆は幼馴染みだった。いつか仕事を。そう約束したが、編集長の交代などで、企画すら具体的にならないまま時間だけが過ぎていく。やがて、俊太郎の所属する文芸誌は存続を危ぶまれ、豊隆は生活すら危うい状況に追い込まれる。そんな中、俊太郎は起死回生の一手を思いつく。三流編集者と売れない作家が、出版界にしかけた壮大なケンカの行方は!? 小説の役割は終わったのか? 「STORY BOX」連載時から、作家・編集者・書店員の方々をざわつかせた問題作がついに刊行。小説をめぐる、男たちの熱きドラマ! 『イノセント・デイズ』『95』で大注目の作家が、文芸冬の時代に放つ、激熱のエンタテインメント!! 【編集担当からのおすすめ情報】 装画は、故・土田世紀先生の『編集王』のカットを使用。 読んでいただいた書店員さんから、熱いコメントが多数寄せられています。
全米を感動で包んだ、大戦下の姉妹の物語! 戦争は内気な姉を勇者に変え、わがままな妹を聖女に変えた。 アメリカ版読書メーター「Goodreads」、2015年ヒストリカル・ノベル第1位! 本文庫発売時におけるアメリカAmazonレビュー数21,500超、★4.8!! 感動のスーパー・ベストセラーが遂に登場します。 第一次大戦に従軍し、心に傷を負った父親は、妻の死後、二人の娘に背を向けた。 姉のヴィアンヌは慰めを求めて十六歳で妊娠、翌年結婚するが流産してしまう。 妹のイザベルは姉にも見捨てられ、寄宿学校に入れられるが、成長とともに反抗的になり学校を転々とする。 やがて第二次大戦が始まり、フランスはドイツに屈服する。ヴィアンヌの住む町にもドイツ軍が侵攻、出征した夫を待つヴィアンヌは、ドイツ軍大尉との同居を強いられる。 一方、寄宿学校を退学させられたイザベルは姉のもとに身を寄せるが、途上ドイツ軍の暴虐を目の当たりにし、怒りに震え、パリのレジスタンス組織を目指す。 娘の命を守るため、屈辱的な仕打ちに耐え続けるヴィアンヌ。イザベルはパリで、暗号名〈ナイチンゲール〉として、連合軍航空兵を国外へ逃亡させる秘密活動を開始する。
全米を感動で包んだ、大戦下の姉妹の物語! 彼らがなにをしようと、わたしの心には触れられないーー。 アメリカ版読書メーター「Goodreads」、2015年ヒストリカル・ノベル第1位! 本文庫発売時におけるアメリカAmazonレビュー数21,500超、★4.8!! 十月、イザベルは航空兵たちを引き連れ、最初のピレネー山脈越えを敢行する。悪天に見舞われた山路は、困難を極めた。 同じころ、ナチスのユダヤ人狩りがヴィアンヌの親友を襲う。ヴィアンヌは親友母子を自由地域へ脱出させようとするが、検問所で母子は銃撃に遭う。長女を失った親友は幼子をヴィアンヌに託し、強制収容所に送られる。 スペインからパリへ戻る途中、イザベルはヴィアンヌの町を通りがかる。そのとき、ある事件がきっかけで二人はドイツ軍大尉を殺してしまう。大尉を探索していた親衛隊少佐が、ヴィアンヌの家に入り込む。親友に託された子との同居を許してもらうため、ヴィアンヌは少佐に体をさし出す。 そしてイザベルも遂に逮捕されるが、彼女を救うため命を投げ出したのは、かつて姉妹を見捨てた父親だったーー。 戦争が与える試練を懸命に生き抜く姉妹の姿は圧倒的だ。感動のラストを迎える下巻!
世界が終わるなら、誰に想いを伝えますか? いまさらながらに、みんなようやく気付いたのかもしれないーーもとより、ぼくらに残された時間なんてそんなになかったってことに。 突然、世界は鉛色の厚い雲に覆われた。 雲間から差す青い光が注がれた町は、ひとも獣も、鳥も木も、土も水も、すべてが動きを止めてしまう。誰にも理由はわからない。あっという間に世界は冷えて、どこもかしこもが冬のようになった。 そして凍った町は少しずつ成長していた。 「ぼく」は「彼女」に会いに行くと約束した。最後に電話で話したとき、彼女はとてもおびえていた。 「もう、町には誰もいないの。」ぼくは、ならば「ぼくがそこに行くよ。そうすればもう怖くないよね?」と言った。 これを最後に電話はまったく通じなくなった。むしろこのとき繋がったことのほうが奇跡に近かったのかもしれない。 彼女の住む町まで直線距離で500キロ。 青い光を逃れ、ぼくは彼女に会うことができるだろうか。 彼女はそれまで、青い光に染まらずにいられるだろうか。 『いま、会いにゆきます』『恋愛寫眞 もうひとつの物語』『そのときは彼によろしく』と、累計250万部を超えるベストセラーを連発した著者による、3.11以降究極のラブストーリー。 恋人、家族、友人など、たくさんの愛が描かれた最高の愛の物語です。 【編集担当からのおすすめ情報】 市川拓司さんご本人による本書紹介動画や、ご本人直筆の、本書シーンのイラストギャラリーが掲載された特別サイトが開設されています。小説をお読みいただくと同時に、小説世界のイメージもぜひお楽しみください。 http://www.shogakukan.co.jp/pr/takuji-gallery
東武浅草駅のコインロッカーから、位牌の入った木箱が発見された。位牌には名前と十日先の日付が入っており、箱の底には特急スペーシアの写真もあった。予告殺人を警戒した十津川警部と亀井だったが、その期日に特急「きぬ135号」の車内で男の死体が発見された。男は位牌に名前のある梅原誠だった。そして、今度は上野駅で位牌が見つかる。さらなる警戒も空しく、位牌に記載された坂西洋一郎が予告通りにカシオペア車内で殺害されてしまった。捜査は難航したが、十津川のひらめきにより容疑者が浮上。犯人の狙いは!?次の標的を防ぐことができるのか。