出版社 : 小学館
「歯くいしばっても生きてきたのはさぁ、…ゆき姉が、いたからなんだよな」時は一九七〇年代。田舎町に住むヤンチャでムチャな男子高校生と、町の駐在さんが“あいかわらず”繰り広げるイタズラ合戦第三弾!今回はドスケベかつアホ、けれどなぜか憎めない人気キャラ西条くんの初恋に迫る!それはまだ、ドスケベでもアホでもなかった小学生時代。相手は幼なじみのゆき姉。そのゆき姉が八年ぶりに町に帰ってきて…。ブログ小説「ぼく駐」人気を不動のものにした『小さな太陽』と、書きおろし番外編『星のメドレー』を収録した超スペシャルな一冊。
“不惜身命”仏道のために一命を賭して西蔵(チベット)の聖地・拉薩(ラッサ)を目指した仏教者がいた。その名は能海寛。時は明治、近代国家形成に向け必死に背伸びする日本を取り巻く情勢は、その苛烈さを増していた。アジアにあって地勢の要衝であるチベットを制するために欧米列強の触手が伸びる。世に“グレートゲーム”といわれる覇権競争である。仏教再興のためチベット潜入という壮挙を図りながらも、思いなかばで行方を断った能海の足跡を辿りながら、“歴史のif”に挑む著者会心の歴史ミステリー巨編、待望の文庫化。
恋愛、仕事、結婚、別れ。二〇代〜三〇代、さまざまな職業、恋のシチュエーションに置かれた二七人のマリコさんたちのすっとこどっこいでチャーミングな「おんなの生きる道」を描いたショート・ストーリーズ。
OL奈美江は我が道を行く、強面のポッチャリさん。三十路を目前に、“太っているのは美しい”を標榜する会へ入会し、人生は急展開。本気の恋に悩み、さらには事件に巻き込まれ、最高体重を更新中。彼女の明日はどっちだ!?反感、嫌悪、のち共感。思わず応援したくなるダイエット・エンタテインメント。
ホリーに突然おそいかかった夫ジェリーの死。泣き暮らす彼女の元に、ある日手紙が届く。中身は開封すべき月が指定された10通の手紙、そして文末にはいつも「P.S.アイラヴユー」の文字が……。それは絶望にくれる妻への思いがけない贈り物だった。家族と友人に見守られながら、徐々に生きる力を取り戻していくホリーを通し、愛の喪失と再生を描いた感動作を林真理子が翻訳。本作は著者の処女作ながら全世界で500万部以上のベストセラーを記録、数々の賞を受賞した。ヒラリー・スワンク主演による映画は2008年10月より日本全国ロードショー。
葡萄牙の富裕な商人と、その男に売られた美しい人妻から生まれた不義の子、四郎。我欲のため信仰を都合よく解釈する実父に疑いを抱き、神父の弄び者とされ、周囲から「悪魔の子供」と蔑まれた四郎は、いつしか天主への復讐心を抱くようになる。やがて実父の手で母親とともに日本へ送り返された四郎は、母親譲りの美貌と身に付けた異端の能力で隠れ切支丹たちを魅了し、神の御遣いと崇められ始めるが…。3万7千人が殺害された日本キリシタン史上最大の悲劇「島原の乱」を、神をも恐れぬ強烈な解釈で描いた衝撃作。
さえない、しつこい、思いこみ激しい。そんな三重苦男たなだ君が、いつものように情けない面持ちで愛車・ろんぽう君を運転しているうち、変な看板を掲げた店ばかりの妙な町にやってきてしまう。冷蔵庫型の噴水のある駅前のロータリー。そこで、目の前をよぎった髪の長い女性・まばさんに一目惚れをしたことから、とんでもない災難に巻き込まれる。巨大な金の布袋像が鎮座する謎の「ホテイホテル」を主な舞台に展開する「不思議の国のアリス」のような、どこか奇妙なのにラブリーな目くるめく想像世界!よしもとばなな氏推薦の奇想天外なラブストーリー。
高校進学と同時に大和圭介は水泳部に入部。そこで再会した二ノ宮亜美は圭介のことを「ひと殺し」と呼んだー。同じ寮で過ごすことになったふたりは、いがみ合いながらも、どこかで惹かれ合い、そしてまたすれ違う。不器用でもどかしく、思うようにいかない青春のとき。素直な気持ちはなかなか伝えられない。涙と笑い、挫折と情熱。友情、恋、夢…まぶしい想いをつめこんで、未完成なふたりが三年目の熱い夏をむかえる。今もなおファンの支持を集める、あだち充の傑作『ラフ』が小説に。映画「ラフ」の脚本をもとに描いた、夏がくれた爽やかな青春ラブストーリー。
終戦間もない混乱の東京。十六歳で雀ゴロとして生きる“私”は、一つ年上のボッチと出会う。一匹狼ながら人恋しい妙な感情に見舞われた“私”は、ボッチを相棒にするべく麻雀の“通し”を仕込むが、うまくいかない。やがて、ひとり地方へ流れていくが…(『雀師流転』)。未完ながらも、戦後の匂いを濃く残す“もうひとつの『麻雀放浪記』”。長編小説に加え、著者が出会ったギャンブルの“職人”たちや、勝負の思い出を綴った文庫未収録エッセイ『麻雀師渡世』から精選した二十三編も併載。
今は亡き師匠の家の回りで次々と起こる事件の真相を追いながら、惚れた相手に想いのたけをぶつける、当代きっての人気噺家仙朝ー。古典落語の名作が多数織り込まれた、時代ミステリー。
チェロ奏者の大悟はオーケストラの解散で失業し、故郷の山形に帰る。そこで見つけたのは「旅のお手伝い」をするという求人広告。面接に訪れてみると、それは「安らかな旅立ちのお手伝い」をするの間違いで、ご遺体を棺に納める納棺師の仕事だった。予想外の厚遇に働くことを決意する大悟だったが、初めて目にするご遺体の前で、最初は戸惑うばかり。新しい仕事のことを詳しく話していなかった妻にも大反対され、彼女は家を出てしまう。新人の納棺師としてさまざまな人びとの別れに立ち会ううちに、自らの生き方にも目覚めていく大悟だったが、やがて彼の身近でも……。
自転車で坂を登ることに情熱を傾ける高校生、テルこと野々村輝は日の大亀ヶ丘高校の自転車部に入部する。チームのエースは鳩村大輔。高校生ながら国内の主要大会で入賞する実力者だ。自転車ロードレースは、エースを勝たせるために他の選手が全力でアシストする。テルは鳩村と競いながらも、チームのための走りに少しずつ目覚めていく。テルの得意な山岳コースを舞台にした石渡山ロードレースで、テルと鳩村はライバル鳳帝高校のエース・ユタと抜きつ抜かれつのデッドヒートを。最後に勝つのは誰なのか。テルの姉・さゆりの視点で描いた青春が熱いノベライズ。
海底に眠る「日本」の遺跡が慰霊祭で映し出される。日本列島が海の底に沈んでから二十五年がすぎていたー。国土を失った日本人は、パプアニューギニアやカザフスタンなど世界各地に入植していたが、現地の人々との軋轢もまた厳然と存在していた。一方、中田首相を中心とした日本政府の研究グループは国の復興のために、あるプロジェクトを密かに進めていた。旧日本海上に広大な人工島を建造する計画ーだがそれは中国や北朝鮮など、周辺国との利害対立を生むものだった。四〇〇万部ベストセラーの刊行から三十三年の時を経て、ついに描かれた衝撃の続編。
日本列島の沈没は、単なる前触れにすぎなかったー。断続的な冷害に襲われ、深刻な飢饉に見舞われていた北朝鮮に、中国が軍事侵攻した。日本列島の物理的消失により、東アジアの気象が大きく変動し、その影響も拡大していた。日本政府は、もうひとつのプロジェクトー日本人の技術を結集した全地球の環境予測システム・地球シミュレータの実用化に乗り出す。皮肉にもそこにシミュレーションされたのは、地球全体を「新たな異変」が呑み込もうとする悪夢のような内容だった。この地球の未来をも予測し、全人類に警鐘を打ち鳴らした世紀のSF巨編、堂々完結。
あれから長い年月を経た今も、おがたQはひとつの暗い謎であるー。「おがたQ」と名乗る主人公の謎の美少女の「おんなの一生」を、文化人の父・小林徳二郎、なすがままの母、そのふたりが子育てを放棄したため実質的な育ての親である沖縄県石垣島在住の神懸かり的な祖母・浦添マツ、そして大学の映画学科の愛すべき超まぬけ男・海野鉄男などくせのある登場人物などに絡めて描き出す。三島由紀夫賞候補作家の原点、地球の自転の音が鳴り響くネガティブ・シンデレラ・ストーリー。
小学生同士で“結婚”したハルとカン子。大きくなってから再会するも、それぞれ究極の悪の道をめざしていたー。詐欺教育塾のガーピー先生、暴力団のスットン親分、資産家のプクプク爺さん、女実業家にして大金持ちのチン夫人…。ひと癖もふた癖もある面々を巻き込んで繰り広げられる“三億円争奪戦”!食うか食われるかの騙し合い、惚れた腫れたの逃亡劇。さまざまな思惑をはらんで、舞台は海をも越える。果たして、生来のアウトサイダー、ハルの行き着く先は?そして大金のゆくえは?阿佐田文学ファン必携の長編ユーモア・ピカレスクロマン。
「は、花火を盗めだぁ〜?」田舎町に住むヤンチャでムチャな男子高校生と、町の駐在さんが“あいかわらず”繰り広げるイタズラ合戦。待望の第2巻は、グレート井上くんが駐在さんの奥さんの妹に恋したり、ケンカ上等かつ、ドスケべかつ、なぜか子供に人気のある西条が、いまだかつてないハートフルなイタズラ(むしろ犯罪!?)を持ちかけて…。同名映画の感動メインストーリー「花火盗人」の顛末と、大人気携帯サイト「モバゲータウン」での書きおろしサイドストーリー「ポップコーン戦線」を収録した、超スペシャルバージョン。