出版社 : 岩波書店
1 月明かりの道 板張りの窓 死骸の見張り番 環境が肝心 男 と 蛇 2 アウル・クリーク鉄橋での出来事 チカモーガの戦場で 宙を飛ぶ騎馬兵 哲学者パーカー・アダソン 行方不明者のひとり とどめのひと突き 3 ぼくの快心の殺人 猫の船荷 不完全燃焼 犬 油 底なしの墓 解 説
前半生の遊蕩、後半生の漂泊、望郷の念にかられながらの客死…。放浪詩人柏木如亭の生涯をあとづけつつ、その詩の魅力を語る評伝風評論。遊里吉原と女、旅で訪れた信濃・越後・西国・東海道の各地、身近な食物などを題材に、江戸時代後期の漢詩の日本化を体現しつつ、時代からは隔絶した生き方をした詩人を考察する。
アイルランド文学の本領は短篇小説にこそある。歴史・風土・宗教・口承の伝統など、アイルランドを様々な角度から浮き彫りにする傑作短篇一五篇を精選。イギリス文学とはひと味ちがう、独特の味わいに満ちた緑色のオムニバス(乗り合いバス)にあなたも乗ってみませんか。
オーウェルの清冽な生き方は、今なお多くの読者を魅了してやまない。本書は、『政治の弁証』などで著名なイギリスの政治学者が未公開資料を駆使して描き出した、初の本格的伝記である。上巻では、セント・シプリアン校時代から、独自の政治思想を確立する『ヴィガン埠頭への旅』までの時期の思想形成を跡づける。
オーウェルの清冽な生き方は、今なお多くの読者を魅了してやまない。本書は著名なイギリスの政治学者が未公開資料を駆使して描き出した、初の本格的伝記である。下巻では、スペイン内乱、第2次大戦、『動物農場』『1984年』の刊行という円熟期の思想の軌跡をたどり、オーウェルの全体像を浮かび上がらせる。
旅先のヴェニスで出会った、ギリシャ美を象徴するような端麗無比な姿の美少年。その少年に心奪われた初老の作家アッシェンバッハは、美に知性を眩惑され、遂には死へと突き進んでゆく。神話と比喩に満ちた悪夢のような世界を冷徹な筆致で構築し、永遠と神泌の存在さえ垣間見させるマンの傑作。
秘密結社“塔”の主宰者、神父から修業証書を授けられ、ヴィルヘルムの修業時代も終わりを迎える。登場人物たちの意外な関係が次々に明らかとなり、物語は結末に向かって収束してゆく。ミニヨンと竪琴弾きの哀しい運命等、理性を超えたものの余韻を残しつつ…。
「憧れを知る者のみが、わが悲しみを知る」ミニヨン竪琴弾きの哀切を帯びた歌の調べ。『ハムレット』上演を機に、ヴィルヘルムは演劇の世界について様々に思いを巡らせる。本巻には作全体に豊かな厚みを与え、一収束点をも成す「美わしき魂の告白」を収録。
舞台は十八世紀封建制下のドイツ。一女性との恋に破れ、演劇界に身を投じた主人公ヴィルヘルムは、そこで様々な人生の明暗を体験、運命の浮沈を味わう。ヘルマン・ヘッセやトーマス・マンらが範としたドイツ教養小説の代表作。新訳。